2010年02月01日

Bobby Hutcherson『San Francisco』

70年代の幕開けに相応しい意欲作☆Bobby Hutcherson『San Francisco』
San Francisco
発表年:1970年
ez的ジャンル:西海岸ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :2月は気合い入れます!

あっという間に2月突入ですね。
僕にとって2月は特別な月なので、気合い入れたいと思います。

今日は音楽好きにはグラミー賞、NFL好きにはプロ・ボウルがあります。
両イベントとも僕の中では現段階であまりテンション上がらないのですが、それでも多分観てしまうんでしょうね(笑)

最近のグラミーは疑問符が付くノミネートばかりなため、誰が受賞した云々は興味の対象外ですが、それとは別にパフォーマンスを楽しむようにしています。今年はMJ絡みのパフォーマンスが目玉になるのでしょうね。あまり過度の期待をせずに観てみます。

Jazzシーンを代表するヴァイヴ奏者Bobby Hutchersonの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したBobby Hutcherson作品は以下の3枚です。

 『Happenings』(1966年)
 『Stick-Up!』(1966年)
 『Montara』(1975年)

今回紹介するのは1970年リリースの作品『San Francisco』です。

タイトルの通り、L.A.出身のHutchersonが西海岸に戻ってきてレコーディングした作品であり、ジャケで一緒に写っているサックス奏者Harold Landとのコラボ作の色彩が強い作品です。

Bobby Hutcherson(vib、marimba)、Harold Land(ts、fl、oboe)をはじめ、Joe Sample(p、el-p)、John Williams(b、el-b)、Mickey Roker(ds)がレコーディングに参加しています。

後にCrusadersで70年代のクロスオーヴァー/フュージョン人気を牽引するJoe Sampleのファンキーなキーボードも本作の雰囲気に大きく影響していますね。プロデューサーはDuke Pearsonが務めています。

Bobby Hutcherson好きの方にとっては、70年代を迎えて様々なサウンドを試しているアグレッシヴなHutchersonを堪能できます。また、サンプリング・ソースとなっている楽曲も多いので、その方面からも楽しめる作品です。

サンフランシスコがHutchersonにどんなインスピレーションを与えたのか、ぜひチェックしてみてください!

全曲紹介しときやす。

「Goin' Down South」
オープニングはJoe Sample作品。John WilliamsとMickey Rokerによるソウルフルなリズム隊にグッとくるオープニング。クールなJoe Sampleのピアノ・リフも印象的です。ここでのHutchersonはマリンバをプレイしています。全体的に淡々とした中にも深みがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=OlpABKRL7UM

アシッド・ジャズ好きにはお馴染みUS 3「Lazy Day」でサンプリングされています。
US 3「Lazy Day」
 http://www.youtube.com/watch?v=I2J6oxV3Jyk

「Prints Tie」
Hutchersonのオリジナル。Joe Sampleのエレピが不穏な雰囲気を醸し出すクロスオーヴァー・チューン。エレクトリック・マイルスの影響も感じますね。

「Jazz」
「A Night In Barcelona」と並ぶ僕のお気に入り。ラテン・フレイヴァーの効いた軽やかな仕上がり。ようやくHutchersonらしいエレガントなヴァイヴを堪能できます。Landも快調なテナーを聴かせてくれます。Joe Sample作品。
http://www.youtube.com/watch?v=NwXlgt0ZJgs

「Ummh」
Hutchersonのオリジナル。70年代突入を感じさせるファンキーなエレクリック・ブルース。Joe Sampleのファンキー・キーボードの歪んだ音色とHutchersonのヴァイヴのクリアな響きのコントラストが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=PuP8utAOpBg

Ice Cube「Ghetto Bird」、Howie B「Birth」でサンプリングされています。
Ice Cube「Ghetto Bird」
 http://www.youtube.com/watch?v=eDD87u6sy7c
Howie B「Birth」
 http://www.youtube.com/watch?v=7bS3hptckTY

「Procession」
Joe SampleのピアノとHutchersonのヴァイヴを中心とした荘厳な音世界に吸い込まれそうな演奏です。立体的な音空間の広がりを楽しめるのがいいですね。Landのオーボエも効果的です。Diamond D Feat.Busta Rhymes「This One」、Mass Influence「Life To The MC」のサンプリング・ネタになっています。

Diamond D Feat.Busta Rhymes「This One」
 http://www.youtube.com/watch?v=rGGMM8MXl78
Mass Influence「Life To The MC」
 http://www.youtube.com/watch?v=ptFvC2cSsdE

「A Night In Barcelona」
Harold Land作品。僕の一番のお気に入り。サッカー・バルサ・ファンとしてはタイトルだけでグッときてしまいます(笑)。Hutchersonのヴァイヴ、LandのフルートSampleのピアノと美しい音色にウットリしっぱなしのボッサ・チューン。モーダル&エレガントな雰囲気がたまりません。

オリジナルLPはCDとは曲順が異なっています。本作収録曲のサンプリング曲に関する誤記を見かけることがありますが、おそらくCDとLPの曲順の違いに起因するものだと思います。

Side-A
 「A Night In Barcelona」
 「Goin' Down South」
 「Procession」
Side-B
 「Ummh」
 「Jazz」
 「Prints Tie」

何で曲順変えてしまったんですかね。
僕はオープニングが「A Night In Barcelona」の方がしっくりくる気がします。
posted by ez at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする