発表年:2004年
ez的ジャンル:UKソウル/クラブ・ミュージック系US R&B
気分は... :いつ聴いてもセンス抜群!
今日はUKソウル・ファンに人気の高いUS R&BユニットCooly's Hot-Boxの2ndアルバム『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)です。
Cooly's Hot-Boxは1992年に大学の仲間であるJohn-Christian Urich(ds、vo、key)、Angela Johnson(vo、key)、Victor Axelrod(key)、Ernesto Abreu(per)が結成したR&Bユニット。UKで人気があるため、UKのユニットと誤解されることも多いですが、N.Y.で結成されたグループです。
メンバーの中心はJohn-Christian UrichとAngela Johnsonの二人。今日紹介する『Don't Be Afraid-Get On』の時点では、VictorとErnestoが抜けて二人のユニットになっています。
John-Christian Urichに関しては、以前に彼の人力ハウス・ユニットTortured Soulの2ndアルバムTortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)を紹介しました。
Angela Johnsonは、ソロ・アーティストとしてもお馴染みですね。これまで自身の名義で『They Don't Know』(2002年)、『Got To Let It Go』(2005年)、『A Woman's Touch』(2008年)という3枚のアルバムをリリースします。UKで人気があるAngelaは西ロンドンの人気グループReel Peopleのアルバムでもフィーチャーされていました。シンガーとしてのみではなく、日本人R&BシンガーDOUBLEを手掛けるなどプロデューサーとしても手腕を発揮しています。
Cooly's Hot-Boxに話を戻すと、1993年リリースのコンピ・アルバム『Giant Steps Vol.1』に彼らの楽曲「Don't Throw My Love Around」が収録されており、このあたりがデビューなのでしょう。情報が少なく曖昧な書き方ですみません...
ちなみに『Giant Steps Vol.1』には、他にMartine Girault、Galliano、Vivienne Mckone、Diana Brown & Barrie K Sharpe、Sandals等UKのAcid Jazz系アーティストの楽曲が数多く収録されています。これらのアーティスト名から、当時Cooly's Hot-Boxがどのようなグループとして位置づけられていたのか何となく想像できますよね!
彼らの名を有名したのが1998年にリリースされたシングル「Make Me Happy」です。今やクラブ・クラシックと呼べる名曲ですね。DJ Spinnaによるリミックスも話題となりました。それ以外にKings Of Tomorrowもリミックスを手掛けています。
Cooly's Hot Box「Make Me Happy」
http://www.youtube.com/watch?v=E4P-OsPdRDU
Cooly's Hot Box「Make Me Happy (DJ Spinna Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=Irba2bMnJ8s
Cooly's Hot-Box名義のアルバムとしては『Take It』(2002年)、『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)という2枚のアルバムをリリースしています。
ここまでの内容でおわかりの通り、US出身ながらUKで人気の高いユニットです。John-Christian Urichが人力ハウス・ユニットTortured Soulを結成したり、Angela JohnsonがReel People作品でフィーチャーされたことに象徴されるように、R&Bの枠を超えたアプローチがUKで支持されたのでしょうね。
John-Christian UrichとAngela Johnsonの二人だけとなった本作『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)も、UKクラブ・ミュージックやクラブジャズ/クロスオーヴァーがお好きな人がハマる作品に仕上がっています。
メロディアスかつスタイリッシュな内容は、今時のUS R&Bシーンに違和感を感じるような方もスンナリ聴くことができるのでは?
"Cooly's Hot-Boxいいよね!"と聞いただけで、僕はその人の音楽センスを信用してしまいます(笑)
全曲紹介しときやす。
「Don't Be Afraid」
タイトル曲は、アープ・シンセの響きとエレガントなストリングスが印象的なジャジー・ソウル。Angelaの艶やかなヴォーカルも健在です。
「Motions」
昨年リリースされたDJ KomoriによるMIX CD『Uk R&B Emotional Mix』にも"隠れ名曲"として収録されていた爽快ジャジー・グルーヴ。Angelaの躍動するヴォーカルと爽快なサウンドが実にマッチしています。Incognitoあたりが好きな人は間違いなくハマるはずです。
「Get On」
Angelaに負けじと、Christianが意外と(?)ソウルフルなヴォーカルを披露する爽快グルーヴ。かつてのAcid Jazz好きは気に入るはずです。
「Touch My Body」
僕の一番のお気に入り曲。UKクラブ・ミュージック/ハウス好きの人にはたまらない、バカンス・モードのパーカッシヴなダンス・チューンに仕上がっています。この曲も前述のDJ KomoriによるMIX CD『Uk R&B Emotional Mix』に収録されています。
「Are We Lovers Anymore」
Cooly's Hot-Boxならではのアーバン・メロウ。アーバン・メロウと言っても、USではなくUKっぽいのが彼ららしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=EgDM5qrEGMI
「Maybe I」
アルバム中最も穏やかな雰囲気です。ここでもChristianの味わい深いヴォーカルに感心してしまいます。
「Time 2 Be In Love」
この曲も大のお気に入り。Cooly's Hot-Boxらしいクロスオーヴァー・センスの良さが光るメロウ・グルーヴです。
「After Life」
メロディ、ヴォーカル、演奏がしっかりしていれば、特別なことをせずとも素晴らしい作品が出来上がることを実感できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=V4pcaDF6_Sk
「Give Me Your Money」
"歌うドラマー"Christianの本領発揮といった感じの仕上がりです。全体的にはシブめのファンキー・ソウルですな。
「Wait 4 U」
Angelaのヴォーカルの魅力を前面に押し出した哀愁モードのミッド・グルーヴ。
「Lose Your Friends」
ラストはUS R&BとUK Soulのいいとこ取りのようなミッド・チューンです。結果、かなり日本人向けかも(笑)
国内盤にはボーナス・トラックとしてBob Marley & The Wailersの名曲「Waiting In Vain」が収録されています。オリジナル収録のアルバム『Exodus』のエントリーでも書いたとおり、全Bob Marley作品の中で最も好きな曲なんですよね。当然、僕は国内盤をゲットしました。Angelaの素晴らしいヴォーカルが名曲に輝きを与えています。
興味がある方は1st『Take It』(2002年)やAngela Johnson、Tortured Soulのアルバムもどうぞ!
『Take It』(2002年)
名曲「Make Me Happy」収録!
Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
Angela Johnson『Got To Let It Go』(2005年)
国内盤と輸入盤で収録曲および録音が異なるのでご注意を!
Angela Johnson『A Woman's Touch:Vol.1』(2008年)
Rahsaan Patterson、Frank McComb、Claude McKnight(Take 6) 、Maysa Leak、Gordon Chambers、Monet等をフィーチャーした、プロデューサーAngela Johnsonの手腕を発揮した1枚!
Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
Christianによる人力ハウス・ユニットの2ndアルバム!