2010年02月21日

Roger『The Saga Continues...』

どこを切ってもRoger Troutman!楽しさ満載の2ndソロ☆Roger『The Saga Continues...』
The Saga Continues
発表年:1984年
ez的ジャンル:トークボックス系エンタメFunk
気分は... :そこにRogerの幻が...

今回はZappファミリーの総帥であった故Roger Troutmanの2ndソロ・アルバム『The Saga Continues...』(1984)です。

今月ビルボードライブ東京でZapp/Shirley Murdockの来日公演がありました。僕は行っていませんが、多くの人がそこに故Roger Troutmanの幻をイメージしてしまったのでは?

これまで紹介してきたZapp/Roger作品は以下の5枚。

 Zapp『Zapp II』(1982年)
 Zapp『Zapp III』(1983年)
 Zapp『The New Zapp IV U』(1985年)

 Roger『The Many Facets of Roger』(1981年)
 Roger『Unlimited!』(1987年)

今日紹介する『The Saga Continues...』(1984)はRogerの2ndソロであり、『The Many Facets of Roger』『Unlimited!』と比較すると地味な存在ですが、Roger Troutmanというミュージシャンの魅力が十分伝わってくる1枚です。

Zapp/Rogerの代名詞であるトークボックス全開のファンク・チューンを基本に、ソウル、ジャズ、ブルース、Hip-Hop、AOR、レゲエ等幅広い音楽性を聴かせてくれるのが楽しいですね。当時はまだ目新しかったHip-Hopのエッセンスを違和感なく取り入れる一方で、ソウル、ブルース、ジャズといった彼のルーツを再確認できる演奏を収められているのがグッときます!

レコーディングにはZappファミリー、Shirley Murdockといったお馴染みのメンバーをはじめ、The Mighty Clouds of Joy、Maceo Parker等が参加しています。

カヴァー1曲とBilly Beckとの共作1曲以外は全てLarry Troutman/Roger Troutman作です。

全曲紹介しときやす。

「In the Mix」
Zapp/Roger好きにはたまらないトークボックス全開のオープニングは。本作のハイライトに挙げる方も多いのでは?今聴き直すと、1984年時点でスクラッチ・ノイズを交えたファンク・チューンを創っている点にRogerのサウンド・クリエイターとしての貪欲さを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=uTSfbW16jYg
※エディット・ヴァージョンですがアルバム・ヴァージョンは約6分半の長尺です。

「Play Your Guitar, Brother Roger」
タイトルの通り、Rogerのギター・プレイを堪能できるのミッド・グルーヴ。ポップなファンク・サウンドにRogerのジャズ・テイストのギター・ソロが絡みます。こうしたファンクとジャズの融合もZapp/Rogerのお得意パターンですね。

「The Break Song」
この曲はあまりZapp/Rogerっぽくない狡猾さが漂うファンク・チューン。ここではRogerのブルージーなギター・プレイを聴くことができます。ここでもHip-Hopのエッセンスを取り入れ、途中ラップやスクラッチが挿入されています。そのさりげない取り入れ方にRogerのセンスを感じます。

「I Keep Trying」
Billy Beckとの共作によるAOR風メロウ・チューン。密かな人気曲なのでは?Zapp/RogerファンよりもAOR/ポップス・ファン向けの仕上がりです。予備知識なしで聴くとRoger作品とはわからないのでは?

「Midnight Hour」
本作のハイライト。ソウル・ファンにはお馴染みWilson Pickettの大ヒット曲のカヴァー(Wilson Pickett/Steve Cropper作)。ここでは大物ゴスペル・グループThe Mighty Clouds of Joyがコーラス参加しています。ハマりすぎのカヴァーですね。この曲がこれほどZapp/Roger流ファンク・サウンドやトークボックスに馴染むとは思いませんでした。エンタメ精神全開のZapp/Rogerワールドを堪能できます。

「Bucket of Blood」
リラックス・モードのブルース・チューン。Juke Joint(ブルース等の音楽が演奏される酒場)をテーマにした曲みたいですね。Roger以下のメンバーが純粋に演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。

「T C Song」
レゲエ調のリズムにフュージョン風サウンドとスキャットが絡むインスト・チューン。

「Girl, Cut It Out」
Wanda Rashのヴォーカル、Maceo Parkerのサックスをフィーチャーしたファンク・チューン。シングルにもなったキャッチーな仕上がりです。

本作がリリースされた1984年前後のRoger Troutmanはプロデュース業でも大忙しでしたね。

New Horizons『Gonna Have Big Fun』(1984年)
Gonna Have Big Fun

Human Body『Make You Shake It』(1984年)
メイク・ユー・シェイク・イット

Bobby Glover『Bad Bobby Glover』(1984年)
Bad Bobby Glover
posted by ez at 01:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする