2010年03月20日

Birgit Lystager『Ready To Meet You』

オリジナルに忠実な仕様で正規復刻!Birgit Lystagerの2nd☆Birgit Lystager『Ready To Meet You』
レディ・トゥ・ミート・ユー
発表年:1970年
ez的ジャンル:デンマーク産"キラキラ"ポップス
気分は... :興奮しすぎて鼻血ブー状態!

今日は遂に正規復刻されたBirgit Lystagerの2ndアルバム『Ready To Meet You』(1970年)です。

デンマークの女性シンガーBirgit Lystagerの紹介は1st『Birgit Lystager』に続き2回目となります。

北欧ボッサの最高峰として1st『Birgit Lystager』が大人気のBirgit Lystagerですが、この度プロダクション・デシネより2nd『Ready To Meet You』(1970年)、3rd『Love's Labyrinth』(1971年)が正規復刻リリースされることになり、まずは『Ready To Meet You』が3月17日に発売されました。『Love's Labyrinth』の方は来月の発売となります。プロダクション・デシネに感謝ですな。

僕も予約注文で発売日に即ゲットし、ここ数日は大興奮状態で本作を聴いています。

音以前にジャケだけでも大興奮です。
『Birgit Lystager』では真冬の装いのBirgitでしたが、本作では対照的に真夏のBirgitという雰囲気ですよね。しかも、ジャケを見開くと笑顔のBirgitが何と一糸纏わぬ姿であることが判明し、鼻血ブー状態になってしまいます。ポスターにして部屋に飾っておきたいですなぁー!

中身の方は、1st『Birgit Lystager』が全曲カヴァーであったのに対して、本作『Ready To Meet You』はオリジナル曲を中心とした"キラキラ"ポップス・アルバムに仕上がっています。勿論、ジャケのみならず中身にも大興奮し、さらに鼻血ブーです!

本作のサウンド面で大きく貢献しているのがデンマーク人のピアニストがTom Prehnです。

バックは彼のグループ(Tom Prehn's Group)が演奏し、殆どの曲で作曲&アレンジを手掛け(作詞はSvend Åge Madsen)、Svend Åge Madsenと共にプロデューサーも務めています。

Tom Prehn's GroupはTom Prehn(key)、Holger Laumann(sax、woodwind)、Finn Sigfusson(b、cello)、Preben Vang(ds、per)、Bjorn Veierskov(key)というメンバーです。

1stの北欧ボッサのイメージが強いBirgit Lystagerですが、ハッピー&ラブリーなポップ・チューンがズラリと並ぶ本作の方が本来のBirgit Lystagerのイメージに近いのかもしれませんね。

このジャケとこの歌声&サウンドがあれば、誰しも自然とハッピー・モードになるのでは?

ますますBirgit Lystagerが大好きになる1枚です!

全曲紹介しときやす。

「I'm Waiting For A Bus」
オススメその1。ジャケの眩しい笑顔をそのまま音にしたようなラブリー・ポップ。まぁ、こんな一糸まとわぬ姿でバスを待っているはずはありませんが(笑)聴いているだけでウキウキ気分ですな。Tom Prehnのアレンジ・センスが光ります!

「Fingertips」
エレガントなストリングスが印象的です。基本は王道のポップスなのですが、ドラムがかなり主張しているのが面白いですね。

「At Once You Fall In Love」
オススメその2。Birgitのキュートな魅力を堪能できる60年代風のサンシャイン・ポップ。キラキラ感に溢れています。

「You Call This A Merry-Go-Round」
Tom Prehnによるエレガント&ロマンティックなアレンジが素晴らしいです。Birgitのライト・ヴォーカルを上手く引き立てています。

本曲までがオリジナルLPのA面です。

「Ready To Meet You」
オススメその3。タイトル曲はドラマチックな展開です。小粋なTom Prehn's Groupの演奏とBirgitのキュート・ヴォーカルが実にマッチしているのがいいですね。Birgitのセクシーな笑い声もグッときます。

「This Happy Morning」
オススメその4。Tom Prehn's GroupのBjorn Veierskov作品です(作詞はTom Berg)。タイトルの通り、ハッピー・モードの仕上がりです。プリティなキーボードの音色とキュートなBirgitの歌声で目覚めれば、誰しもハッピー・モーニングになるのでは?

「I'm Nothing But A Girl」
オススメその5。ドリーミー&ミステリアスな疾走感がたまりません。僕好みのパーカッシヴな仕上がりです。

「Another Night」
オススメその6。本作唯一のカヴァーはHal David/Burt Bacharach作品です(オリジナルはDionne Warwick)。前作でも「Naer Ved Dig (They Long To Be Close To You)」「Aldrig Bli Forelsket Mer (I'll Never Fall In Love Again)」という2曲のHal David/Burt Bacharach作品を取り上げていましたが、本曲でもBirgitらしいキュートなカヴァーにニンマリしてしまいます。

「Choosing Words」
ラストはエレガントな王道ポップスで締め括ってくれます。

未聴の方は1st『Birgit Lystager』もぜひチェックしてみてください。最上級の北欧ボッサ作品ですよ。
『Birgit Lystager』(1970年)
ビアギッテ・ルゥストゥエア

3rd『Love's Labyrinth』(1971年)への期待も高まるばかりですね!

『Love's Labyrinth』(1971年)
ラブズ・ラビリンス
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2010年03月19日

Tricky『Maxinquaye』

これぞトリップ・ホップ!衝撃のデビュー作☆Tricky『Maxinquaye』
Maxinquaye
発表年:1995年
ez的ジャンル:トリップ・ホップ
気分は... :クセになるダークネス!

今回は1995年のUK音楽シーンを代表する名作Tricky『Maxinquaye』です。

Tricky(本名:Adrian Nicholas Matthews Thaws)は1968年イギリス、ブリストル出身のミュージシャン/プロデューサー。

地元ブリストルの悪ガキ仲間から"Tricky Kid"と呼ばれていたAdrian Thawsですが、やがてTrickyを名乗り音楽活動を開始します。

Massive Attackの前身Wild Bunchのメンバーや後にPortisheadを結成するGeoff Barrowらと交流するようになり、Massive Attackのデビュー作『Blue Lines』(1991年)、『Protection』(1994年)へ参加しています。

また、1994年よりソロ・アーティストとしての活動を開始し、同年にデビュー・シングル「Aftermath」をリリースします。さらにシングル「Ponderosa」「Overcome」を経て、1995年に衝撃のデビュー・アルバム『Maxinquaye』をリリースします。『Maxinquaye』はUKアルバム・チャート第3位の大ヒットを記録し、一気にMassive AttackPortisheadと並ぶトリップ・ホップの代表アーティストとしてシーンに君臨するようになります。

その後Terry Hall、Alison Moyet、Neneh Cherry、Bjorkらとのコラボ・アルバム『Nearly God』(1996年)、『Pre-Millennium Tension』(1996年)、『Angels with Dirty Faces 』(1998年)、DJ Muggs(Cypress Hill)& Greaseとのコラボ・アルバム『Juxtapose』(1999年)といったアルバムを90年代にリリースし、2000年代に入っても3枚のアルバムをリリースしています。

僕がTrickyのダビー&へヴィーなトリップ・ホップ・サウンドに夢中になったのは、今日紹介する『Maxinquaye』から『Juxtapose』(1999年)までですね。僕と同じパターンの方は結構多いのでは?

90年代前半にブリストルから登場したトリップ・ホップは、倦怠感・虚無感の漂うトリップ&ダウナーなハイブリッド・クラブ・ミュージックとして一世を風靡しました。今思うと、多くの人が何故こんなにもダウナーな音楽を欲したのか不思議な感じもしますが、そういうダークな時代だったのかもしれませんね。

そんなトリップ・ホップのマスト・アイテムがMassive Attack『Protection』(1994年)、Portishead『Dummy』(1994年)、Tricky『Maxinquaye』(1995年)の3枚です。

特にTrickyのデビュー作『Maxinquaye』は衝撃的でした。
アルバム・リリース前からトリップ・ホップの切り札登場!といった感じで盛り上がっていましたよね。僕も全くサウンドも聴かないまま、話題の1枚ということでリリース直後に即ゲットした記憶があります。

プロデュースはTricky自身に加えて、Howie B.、Mark Saunders、Kevin Petrieが担当しています。また、Tricky作品ではお馴染みの女性シンガーMartine(Martina Topley-Bird)、後にWill GregoryとのユニットGoldfrappを結成するAlison Goldfrapp、Raggaの3名がゲスト・ヴォーカルとして参加しています。

久々に通しで聴き直しましたが、聴き応え十分ですね。
ダーク&へヴィながらも意外に聴き易い作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Overcome」
シングルにもなったオープニング。Trickyもソングライティングに参加したMassive Attack『Protection』収録の「Karmacoma」の歌詞をそのまま使ったものです。サウンドでは Shakespear's Sister「Moonchild」をサンプリングしています。ダークなトリップ感漂うトラックとMartineの乾いた哀愁ヴォーカルが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=6V26zxH_JMk

「Ponderosa」
「Aftermath」に続く2ndシングル。呪術的なリズムが不気味なへヴィ・トラックとMartineのキュートな歌声のギャップが不穏な音空間をクリエイトしています。静かなる狂気を感じるTrickyらしい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Y_YET2JXjlk

「Black Steel」
Public Enemyのカヴァー(PEのオリジナルはアルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』に「Black Steel in the Hour of Chaos」として収録)。パンキッシュな仕上がりのカヴァーは意表を突かれました。
http://www.youtube.com/watch?v=UG3sw9JoPuA

Public Enemy「Black Steel in the Hour of Chaos」
 http://www.youtube.com/watch?v=VFjaO7OJaH8

「Hell Is Around the Corner」
この曲もシングルになりました。「Overcome」同様、Trickyがソングライティングに参加したMassive Attack『Protection』収録の「Eurochild」の歌詞をそのまま使ったものです。サウンド面ではPortishead『Dummy』収録のシングル「Glory Box」同様にIsaac Hayes「Ike's Rap II」をサンプリングしています。トリップ・ホップらしいダウナー感覚に溢れています。Portishead「Glory Box」と聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=sR7ZWO3EyHo

Portishead「Glory Box」
 http://www.youtube.com/watch?v=yF-GvT8Clnk

「Pumpkin」
Alison Goldfrapp参加曲です。哀愁モードの中にも華があるAlison Goldfrappの歌声とうつむいたように呟くTrickyのトースティングのコントラストが印象的です。タイトルそのまんまですがSmashing Pumpkins「Suffer」をサンプリングしています。
http://www.youtube.com/watch?v=oFPW4M93uYM

「Aftermath」
記念すべきデビュー・シングル。ダビー&へヴィなトラックが生み出す独特の浮遊感がグッときます。元Maximum JoyのTony Wrafterがフルートで参加しています。(多分)Marvin Gaye「That's The Way Love Is」ネタがビミョーに使われていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=-2DEOm7rTLY

「Abbaon Fat Track」
エスニックな香りも漂うトラックとMartineの哀愁ヴォーカルが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=QiqMQaVvomk

「Brand New You're Retro」
Michael Jackson「Bad」ネタのトラックが大胆ですね。「Bad」ネタと聞いて馬鹿にしないで下さいね。意外にグッときますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=rGpa2r_jN6s

「Suffocated Love」
The Chantals「Look In My Eyes」ネタのノスタルジックなトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=d5LmSiNdNuY

「You Don't」
Raggaのヴォーカルをフィーチャーしたレゲエ調の仕上がり。アルバムで一番ダビーな仕上がりです。個人的にはこういうレゲエ/ダブのエッセンスが強い曲大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=wx4J3To-3MQ

「Strugglin'」
淡々とした不気味さと狂気を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=CZzsNHwaKGU

「Feed Me」
ラストはダークな中のキラキラ感が印象的です。結構好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=dm_q_JQZbBc

『Maxinquaye』をクリアしたならば、他の作品にもトライしてみて下さい!

『Nearly God』(1996年)
Nearly God

『Pre-Millennium Tension』(1996年)
Pre-Millennium Tension

『Angels with Dirty Faces 』(1998年)
Angels with Dirty Faces

『Juxtapose』(1999年) 
Juxtapose

他のトリップ・ホップの名作も一緒にチェックしてみて下さい!

Massive Attack『Blue Lines』(1991年)
Blue Lines

Massive Attack『Protection』(1994年)
Protection

Portishead『Dummy』(1994年)
Dummy
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2010年03月18日

Avant『Private Room』

セクシー男性R&Bシンガーのソウルフルな3rd☆Avant『Private Room』
Private Room
発表年:2003年
ez的ジャンル:セクシー系男性R&B
気分は... :2003年はソウル回帰の年だったのかも?

昨晩は久々にTVK(テレビ神奈川)で『BillboardTop40』をじっくり観ました。

僕自身は現在のチャート・アクションには殆ど関心がなく、Top40の中で興味を持ったのはDavid Guettaぐらいでしたが、それでもたまにチェックすると楽しめますね。

今回はセクシーな男性R&BシンガーAvantの3rdアルバム『Private Room 』(2003年)です。

Avantの紹介は4th『Director』(2006年)、5th『Avant』(2008年)に続き3回目となります。

今日紹介する『Private Room 』(2003年)は、1st『My Thoughts』(2000年)、2nd『Ecstasy』(2002年)に続く3rdアルバムです。

ちょうど本作がリリースされた2003年は、Anthony Hamilton『Comin' from Where I'm From』R.Kelly『Chocolate Factory』Kindred The Family Soul『Surrender To Love』Alicia Keys『Diary Of Alicia Keys』Joss Stone『The Soul Sessions』など70年代ソウルへのリスペクトを感じるR&B作品が多数リリースされた1年という印象があります。

本作『Private Room 』R.Kelly『Chocolate Factory』同様シカゴ・ソウルへのオマージュという流れで捉えると、より楽しめるかもしれませんね。

Avantの場合、ソウルフルといってもAnthony Hamiltonのようにベタベタにソウルではなく、あくまで"ソウルフルなR&B"といった仕上がりですが...

プロデュースの殆どは1st『My Thoughts』、2nd『Ecstasy』同様Stizzle(Steve Huff)が担当しています。それ以外にWarryn "Baby Dubb" Campbellが2曲プロデュースしています。

久々に全曲通しで聴きましたが、グッとくる曲満載のアルバムですね。
セクシーな男性R&Bを欲している方はぜひ聴いてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Private Room Intro」
"ソウルフルなR&B"作品を予感させるイントロ。

「Av」
セaクシー・モードのアコースティック・チューン。ジャケの色男を気取るAvantのイメージと重なります。

「Read Your Mind」
アルバムからの1stシングル。全米シングル・チャート第13位、同R&Bチャート第5位のヒットとなりました。個人的には♪プンプンプププン〜♪の部分がイマイチ好きになれないのですが、全体的にはセクシーなミッド・チューンに仕上がっていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=lq3vcRpRh_g

「Heaven」
オススメその1。Warryn 'Baby Dubb' Campbellプロデュース曲です。まさにへヴン・モードの晴れやかなメロウ・チューンにグッときます。Marvin Gaye「Sexual Healing」ネタを使っているところも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=8xNVjOE5FM8

「Don't Take Your Love Away」
オススメその2。アルバムからの2ndシングル。本曲を本作のハイライトに推す方も多いのでは?前述のソウルフル・テイストを満喫できるビューティフルなソウル・バラードです。素敵なストリングス&ホーン・アレンジを担当するのはTom Tom 84としてお馴染みのThomas Washingtonです。
http://www.youtube.com/watch?v=zGvOA2gkmO4

「Have Some Fun」
オススメその3。Warryn 'Baby Dubb' Campbellプロデュースの2曲目。70年代ソウルへのオマージュと2000年代R&Bテイストが上手く融合したダンサブルな仕上がりです。R.Kelly『Chocolate Factory』収録の名曲「Ignition(Remix) 」と一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=Tdl-IIgry2E

「Hooked」
オススメその4。軽快なミッド・グルーヴです。ラップも入ったキャッチーな仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=MrY2AMGJMDA

「Phone Sex (That's What's Up) 」
タイトルから想像できるようにセクシー・モードのミッド・チューン。キーボードの音色もエロくてグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=4N-nCWX2gZc

「Feast」
濃厚なセクシーさが印象的ですね。濃いのがお好きな方はどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=Ewos9ebCpFc

「Seems To Be」
オススメその5。G-Unitとも関連の深かった女性R&BシンガーOlivia(Olivia Theresa Longott)とのデュエットです。Oliviaのキュートな魅力とAvantのセクシーな魅力が上手く噛み合っています。
http://www.youtube.com/watch?v=_707MwoRPz4

「You Got Me」
オススメその6。スウィートなメロディにグッとくるミディアム・スロウ。Carpentersでお馴染みの名曲「Superstar」(Leon Russell/Bonnie Bramlett/Delany Bramlett作)のネタをさり気なく使っているところも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=FsYL22QbX0c

「Wanna Be Close」
心温まるハートフルなソウル・バラード。正統派な作りが好感持てます。
http://www.youtube.com/watch?v=byyvtRwUVic

「Everything About You」
オススメその7。僕の胸キュン・メーターを一気に上昇させる美メロのメロウ・チューン。別れと出会いが交錯するこれからの季節にぴったりなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=CAnJO5_y6Qw

「You」
StizzleをフィーチャーしたダンサブルなHip-Hopチューン。『Avant』にも「Y.O.U.」という曲が収録されているので、そちらと混同しないようにしましょう。個人的にはロマンチックな「Y.O.U.」の方が好みですが...

「Read Your Mind(Part II The Remix)」
「Read Your Mind」のリミックスです。個人的にはオリジナルよりもTeddy Pendergrass「Come Go With Me」ネタを使った本ヴァージョンの方が僕の好みです。

CDにはボーナス・トラック「Flickin'」が収録されています。

興味のある方は『Director』『Avant』の記事もご参照下さい。

『Director』(2006年)
Director

『Avant』(2008年)
Avant

また、記事内で挙げた2003年リリースR&B作品をまとめてチェックすると、この時期のシーンの大きな流れを感じることができると思います。Anthony Hamilton以外の作品は全て記事エントリーしているので、興味がある方はご参照下さい。

Anthony Hamilton『Comin' from Where I'm From』
カミング・フロム・ウェア・アイム・フロム

R.Kelly『Chocolate Factory』
Chocolate Factory

Kindred The Family Soul『Surrender To Love』
Surrender to Love

Alicia Keys『Diary Of Alicia Keys』
The Diary of Alicia Keys

Joss Stone『The Soul Sessions』
Soul Sessions
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2010年03月17日

Joyce『Tardes Cariocas』

春のそよ風のような爽快感☆Joyce『Tardes Cariocas』
Tardes Cariocas
発表年:1983年
ez的ジャンル:そよ風系女性MPB
気分は... :ナチュラルな爽快感が心地好い!

今回は日本でも相変わらず高い人気を誇るブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyceの2回目の登場です。

『Feminina』(1980年)に続いて紹介するのは『Tardes Cariocas』(1983年)です。

『Feminina』の記事エントリーが2006年5月ですから、約4年ぶりにJoyce作品を紹介することになります。Joyceをこんなに長く放置しておくなんて一体何をやっていたのでしょうね。

ここ1〜2年ブラジル音楽で盛り上がっている僕の音楽ライフですが、90年代前半にもブラジル音楽にハマった時期がありました。そのきっかけを作ってくれたのがCartolaJoyceでした。なので、Joyceは僕にとってはかなり特別なMPBアーティストです。

僕同様に『Feminina』の再評価をきっかけにJoyceを知り、そこからブラジル音楽にハマっていった人は意外に多いのでは?

本作『Tardes Cariocas』(1983年)は、『Feminina』(1980年)と『Agua E Luz』(1981年)という2枚のアルバムをEMIからリリースした後、自身の自主レーベルFemininaからリリースした作品です。

おそらく、『Feminina』と並んで人気の高いJoyce作品なのでは?

自身のレーベルからのリリースということで、自身のやりたり音楽に対して誠実かつ自然なかたちで演奏しているのが魅力かもしれませんね。

参加ミュージシャンの中ではブラジル音楽界を代表するマルチ・ミュージシャンEgberto Gismontiの参加が目を引きますね。それ以外に共同プロデュースも務めるJoyceの旦那様Tuti Moreno(ds)、70年代にロック・バンドSecos & Molhadosを率いていたNey MatogrossoAlberto Rosenblit(p、arr)、Mario Adnet(g)、Fernando Leporace(b)、Mauro Senise(ss、fl)、Rodrigo Campello(g)等が参加しています。

ナチュラルな爽快感が心地好い、これからの季節にピッタリな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Baracumbara」
オススメその1。アルバムのハイライトと呼べるオープニング。前半は爽快なフォーキー・サウンドに澄み切ったJoyceのスキャットがよく映えます。後半はクラブでも人気となった格好良いフォーキー・グルーヴへ突入し大いに盛り上がります。Egberto Gismontiのサンフォーニャ(アコーディオン)&12弦ギターも素敵な彩りを添えてくれます。

「Tardes Cariocas」
オススメその2。邦題「カリオカの午後」。タイトル曲は清々しい心地好さに包まれています。太陽の光を浴びながら、こんな音楽を聴きながらのんびり過ごす午後の時間はサイコーですね。

「Duas Ou Tres Coisas」
邦題「二つ三つ」。Joyce一人での弾き語りです。ポルトガル語はさっぱりな僕ですが、抽象的な歌詞にミステリアスな魅力を感じます。

「Luz Do Chao」
オススメその3。邦題「地面の明かり」。JoyceとAna Terraの共作。フュージョン・テイストの爽快なメロウ・グルーヴです。Mauro Seniseのソプラノ・サックスが盛り上げてくれます。

「Curioso」
邦題「やじうま-ロバの名前」。JoyceとMarcos Caetano Ribasの共作。小気味良いアコースティック・チューン。ブラジルにもNHK「みんなのうた」のような番組があれば、そういった番組で歌われるとピッタリな雰囲気です。

「Nuvem」
邦題「雲」。JoyceとEgberto Gismontiの二人のみの演奏ですが、実にアーティスティックな雰囲気が漂う演奏が印象的です。特にGismontiのピアノがグッときます。

「Nacional Kid」
オススメその4。邦題「ブラジルの青年」。Ney Matogrosso参加曲です。サマー・モードのご機嫌なブラジリアン・グルーヴ。みんなで聴くと盛り上がること間違いなし!Joyceとバック・コーラスのNey Matogrossoのコンビネーションが絶妙です。

「Ela」
オススメその5。邦題「彼女-音楽」。JoyceとMarcosとMario Adnet共作。Mario Adnet & Egberto Gismontiの美しいアレンジとJoyceの素晴らしい歌声が見事にハマっています。一人でぼんやり考えことをしながら聴きたく曲ですね。きっといい答えが導かれそうな予感がします...

「Snor」
邦題「汗」。JoyceとAlberto Rosenblitの共作。ラストは抽象的な歌詞も含めてミステリアスな雰囲気です。こういうのもブラジル音楽らしくて好きです。

未聴の方は『Feminina』(1980年)もぜひ聴いてみて下さい!

『Feminina』(1980年)
フェミニーナ、そして水と光
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2010年03月15日

Joe Henderson『Tetragon』

Milestone時代の代表作☆Joe Henderson『Tetragon』
テトラゴン
録音年:1967、68年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :ジョー・ヘンとパッキャオ...

今日はジャズ・サックス奏者Joe Hendersonの5回目の登場です。

 『Page One』(1963年)
 『In 'N Out』(1964年)
 『Inner Urge』(1964年)
 『Mode For Joe』(1966年)

5枚目に紹介するのは『Tetragon』(1968年)です。

これまでの4枚は全てBlue Note時代の作品すが、本作『Tetragon』はMilestone時代の作品です。

どうしてもジョー・ヘンと言えば、Blue Note時代の作品を好んで聴いてしまいますが、Milestone時代も忘れてはいけませんね。

本作『Tetragon』『The Kicker』(1967年)に続くMilestone第2弾アルバムです。Milestone時代を代表する1枚であり、実に聴きやすい内容です。

本作は2回のセッションから構成されています。

「Tetragon」「First Trip」「I've Got You Under My Skin」の3曲は1967年9月27日のセッションです。メンバーはJoe Henderson(ts)、Kenny Barron(p)、Ron Carter(b)、Louis Hayes(ds)という編成です。こちらは『The Kicker』のレコーディングと同じメンバーです。

「Invitation」「R.J.」「The Bead Game」「Waltz for Zweetie」の4曲は1968年5月16日のセッションです。メンバーはJoe Henderson(ts)、Don Friedman (p)、Ron Carter(b)、Jack De Johnette (ds)という編成です。

メンバー的には1968年のセッションの方が興味深いですよね。
特にDon Friedman、Jack De Johnetteのプレイには惹かれるものがあります。

全体としてはワンホーン編成でHendersonのテナーを存分に堪能できる新主流派作品に仕上がっていると思います。

Milestoneに移りさらに飛躍していくHendersonの姿を確認できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Invitation」
1944年にBronislaw Kaperが作曲し、1956年にPaul Francis Websterが詞をつけたもの。1958年にJohn Coltraneが演奏して以来、ジャズ・スタンダードとして定着しました。

本作のハイライトかもしれませんね。美しいDon Friedmanのピアノに導かれ、Hendersonのテナーがミディアムテンポでスタートします。前半かなり抑えたプレイで優しく歌っていますが、中盤以降はゴリゴリとした武骨なフレーズも飛び出します。Hendersonのテナーを存分に堪能できる演奏です。

「R.J.」
Ron Carter作。アップテンポのスリリングな演奏です。Hendersonらしいクネクネフレーズを聴くことができるのが嬉しいですね。基本的にこういうドライブ感のある演奏は大好きです。

「The Bead Game」
Joe Henderson作。この曲はフリー・ジャズしています。Hendersonのテナー以上にエキサイティングなのがDe Johnetteのドラムです。De Johnetteの凄みのあるプレイに圧倒されてしまいますね。

「Tetragon」
タイトル曲はJoe Henderson作。それまでの3曲とは異なるセッションであり、かなり異なる印象を受けますね。Hendersonの豪快なブロウを堪能しましょう。

「Waltz for Zweetie」
Walter Bishop Jr.作。Walter Bishop Jr.自身のヴァージョンは『Coral Keys』(1972年)で聴くことができます。再び1968年のセッションでの演奏です。Friedmanのエレガントなピアノを楽しめるワルツです。Hendersonは相変わらずクネクネしたテナーを聴かせてくれます。

「First Trip」
Ron Carter作。当ブログでも紹介したHerbie Hancock『Speak Like A Child』(1968年)にも収録されていました。僕もどちらかと言えば、Herbie Hancockヴァージョンのイメージが強いですね。スウィンギーで楽しげなHancockヴァージョンと比較すると、Hendersonヴァージョンはもう少し落ち着いたブルージーな仕上がりです。両者を聴き比べるのも楽しいですね。

「I've Got You Under My Skin」
Cole Porter作のスタンダード。1936年のミュージカル映画『Born To Dance』のために書かれたものです。
当ブログではこれまでSonny RollinsDinah Washingtonのヴァージョンを紹介しています。1967年のセッションの中では一番好きです。同じCole Porter作ということで、『Inner Urge』収録の「Night And Day」と一緒に聴きたくなりますね。

次作『Power to the People』(1969年)でHendersonもエレクトリック路線に突入します。

『The Kicker』(1967年)
The Kicker

『Power to the People』(1969年)
Power to the People

前回のJoe Hendersonの記事(2008年12月)を読み返したら、ボクシングのドリーム・マッチ「デラ・ホーヤ対パッキャオ」について書き、パッキャオの偉大さについて触れていました。

偶然ですが、昨日もボクシングのドリーム・マッチ「パッキャオ対クロッティ」の生中継をTV観戦していました。

パッキャオのファイトを観ると、僕の潜在意識の中でジョー・ヘンのクネクネフレーズが聴きたくなるのかも(笑)
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