発表年:2009年
ez的ジャンル:西海岸系アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :発売元のインフォにはご注意を!
今回はアメリカ西海岸のHip-HopユニットEmanonが2009年にリリースした『Anon & On』です。
昨年紹介しようと思っていながら、ズルズルと先延ばしになっていました...
Emanonは、MCのAloe Blac、DJ、トラックメイカーのDJ Exileの二人がカリフォルニアで結成したHip-Hopユニット。当初はDream Sequenceというユニット名で活動していましたが、1996年にEmanonとユニット名を改め、デビュー・アルバム『Imaginary Friends』をリリースしています。
その後は西海岸アングラHip-Hopシーンを代表するユニットとして、アルバム、シングルをリリースしています。Aloe Blac、DJ Exile共にソロ活動も行っており、それぞれアルバムもリリースしています。
Aloe Blacは、当ブログでこれまで紹介したいくつかの作品にも参加しています。
ざっと調べたら、Various Artists『Kero One Presents:Plug Label』、Choice37『Diligence』、Freddie Joachim『In With Time』の3枚がAloe Blac参加作品でした。
あとはJazz Liberatorzの1stシングル「What's Real」(2003年)やDJ Deckstream「Inconvenient Truth」(2007年)での客演も印象深いですね。
「Inconvenient Truth」は、先週エントリーしたAdriana Evans『Walking With The Night』の記事で紹介したDJ Deckstream Feat.Dred Scott & Adriana Evans「Memory of Melodies」と同じアルバム『Deckstream Soundtracks』(2007年)に収録されています。
Jazz Liberatorz Feat.Aloe Blacc「What's Real」
http://www.youtube.com/watch?v=i6Lidfwut4g
Aloe Blacc & King Most「With My Friends」(From 『Kero One Presents:Plug Label』)
http://www.youtube.com/watch?v=viC5_HK0jvE
DJ Deckstream Feat.Aloe Blacc「Inconvenient Truth」
http://www.youtube.com/watch?v=IPmpg9qD6pQ
「Aloe Blac客演作品に外れナシ!」
ジャジー&メロウなアングラHip-Hop大好きの僕の中で法則化されつつあります。
今回紹介する『Anon & On』は2009年リリースですが、2002年リリースの8曲入りEP『Anon & On』に6曲を追加したものであり、純粋な新作ではありません。
Emanonのアルバムを丸々1枚聴くのは今回が初めてだったのですが、Aloe Blac客演作品から連想されるジャジー&メロウ満載のアルバムというイメージとは微妙に異なりましたね。勿論、ジャジー&メロウなトラックが多いのですが、ダーク&へヴィな雰囲気のトラックもあり、アルバム全体としては結構引き締まった印象を受けました。
当ブログでこれまで紹介してきたアングラ・ジャジーHip-Hopがお好きな人ならば気に入る1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「What You Live For」
バロック調な哀愁モードのトラックが印象的です。個人的にはこのオープニングのイメージがアルバム全体を支配している気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=EOA8ihwcfEg
「The Price 2」
2001年リリースしたシングル「The Price」のPart2。ダーク&ストロングな印象を受けます。
「Blind Love」
オススメその1。ようやく僕のイメージと合致するジャジー&メロウ・チューンの登場です。人気コンピ『In Ya Mellow Tone 3』(2009年)にも収録されていたので、ご存知の方も多いかもしれませんね。メロウなギターのループにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=z1on6diyFxw
「Runaway」
オススメその2。クール&ジャジーな仕上がりがいいですね。甘さ控えめのビターな感じが好きな人にはツボなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=kRE7yuFPPqc
「Nature Of The Beast」
こういうハードなイメージは僕の中ではありませんでした。逆にこういった面も持っているので、15年近くもシーンで生き残っているのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=UoGAk35GBP8
「What Can I Do」
哀愁メロウな雰囲気が好きな人にはたまらないかもしれません。(多分)琴の音色のループが日本人の心にグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=5QKKfXf-VSM
「Detour」
オススメその3。小粋なピアノ・ループが僕好みのジャジー・チューン。ノスタルジックな雰囲気がグッド!
「A Day In Exile」
DJ ExileのDJセンスを楽しむ1曲。聴いていると、Main Source「Peace Is Not The Word Play」が聴きたくなると思いますよ。
ここまでが2002年の『Anon & On』に収録されていた8曲です。
「Do You Know」
オススメその4。小気味良いAloe Blacのフロウと小粋に疾走するトラックのマッチングが素晴らしいですね。
「For What You Live」
オススメその5。Blame One & LTをフィーチャー。エレガントに躍動するトラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=uZmol21Uj2g
「Can't Stay」
淡々とした中にストレンジな雰囲気が漂います。
「Not The One」
オススメその6。サントラ&イージーリスニングな仕上がりがいいですね。
「Personal Business」
オススメその7。エレガントなピアノ・ループがジャジーHip-Hop好きのツボです。
「Down Horneys」
アルバムはビターの雰囲気で幕を閉じます。
本作で唯一残念なのは、発売元のインフォメーションが、あたかも新作アルバムのような誤解を招くようなものである点ですね。商魂たくましいのはいいですが、情報の非対称を利用して商売しているようじゃユーザーからの信頼は勝ち取れないのでは?