2010年03月17日

Joyce『Tardes Cariocas』

春のそよ風のような爽快感☆Joyce『Tardes Cariocas』
Tardes Cariocas
発表年:1983年
ez的ジャンル:そよ風系女性MPB
気分は... :ナチュラルな爽快感が心地好い!

今回は日本でも相変わらず高い人気を誇るブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyceの2回目の登場です。

『Feminina』(1980年)に続いて紹介するのは『Tardes Cariocas』(1983年)です。

『Feminina』の記事エントリーが2006年5月ですから、約4年ぶりにJoyce作品を紹介することになります。Joyceをこんなに長く放置しておくなんて一体何をやっていたのでしょうね。

ここ1〜2年ブラジル音楽で盛り上がっている僕の音楽ライフですが、90年代前半にもブラジル音楽にハマった時期がありました。そのきっかけを作ってくれたのがCartolaJoyceでした。なので、Joyceは僕にとってはかなり特別なMPBアーティストです。

僕同様に『Feminina』の再評価をきっかけにJoyceを知り、そこからブラジル音楽にハマっていった人は意外に多いのでは?

本作『Tardes Cariocas』(1983年)は、『Feminina』(1980年)と『Agua E Luz』(1981年)という2枚のアルバムをEMIからリリースした後、自身の自主レーベルFemininaからリリースした作品です。

おそらく、『Feminina』と並んで人気の高いJoyce作品なのでは?

自身のレーベルからのリリースということで、自身のやりたり音楽に対して誠実かつ自然なかたちで演奏しているのが魅力かもしれませんね。

参加ミュージシャンの中ではブラジル音楽界を代表するマルチ・ミュージシャンEgberto Gismontiの参加が目を引きますね。それ以外に共同プロデュースも務めるJoyceの旦那様Tuti Moreno(ds)、70年代にロック・バンドSecos & Molhadosを率いていたNey MatogrossoAlberto Rosenblit(p、arr)、Mario Adnet(g)、Fernando Leporace(b)、Mauro Senise(ss、fl)、Rodrigo Campello(g)等が参加しています。

ナチュラルな爽快感が心地好い、これからの季節にピッタリな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Baracumbara」
オススメその1。アルバムのハイライトと呼べるオープニング。前半は爽快なフォーキー・サウンドに澄み切ったJoyceのスキャットがよく映えます。後半はクラブでも人気となった格好良いフォーキー・グルーヴへ突入し大いに盛り上がります。Egberto Gismontiのサンフォーニャ(アコーディオン)&12弦ギターも素敵な彩りを添えてくれます。

「Tardes Cariocas」
オススメその2。邦題「カリオカの午後」。タイトル曲は清々しい心地好さに包まれています。太陽の光を浴びながら、こんな音楽を聴きながらのんびり過ごす午後の時間はサイコーですね。

「Duas Ou Tres Coisas」
邦題「二つ三つ」。Joyce一人での弾き語りです。ポルトガル語はさっぱりな僕ですが、抽象的な歌詞にミステリアスな魅力を感じます。

「Luz Do Chao」
オススメその3。邦題「地面の明かり」。JoyceとAna Terraの共作。フュージョン・テイストの爽快なメロウ・グルーヴです。Mauro Seniseのソプラノ・サックスが盛り上げてくれます。

「Curioso」
邦題「やじうま-ロバの名前」。JoyceとMarcos Caetano Ribasの共作。小気味良いアコースティック・チューン。ブラジルにもNHK「みんなのうた」のような番組があれば、そういった番組で歌われるとピッタリな雰囲気です。

「Nuvem」
邦題「雲」。JoyceとEgberto Gismontiの二人のみの演奏ですが、実にアーティスティックな雰囲気が漂う演奏が印象的です。特にGismontiのピアノがグッときます。

「Nacional Kid」
オススメその4。邦題「ブラジルの青年」。Ney Matogrosso参加曲です。サマー・モードのご機嫌なブラジリアン・グルーヴ。みんなで聴くと盛り上がること間違いなし!Joyceとバック・コーラスのNey Matogrossoのコンビネーションが絶妙です。

「Ela」
オススメその5。邦題「彼女-音楽」。JoyceとMarcosとMario Adnet共作。Mario Adnet & Egberto Gismontiの美しいアレンジとJoyceの素晴らしい歌声が見事にハマっています。一人でぼんやり考えことをしながら聴きたく曲ですね。きっといい答えが導かれそうな予感がします...

「Snor」
邦題「汗」。JoyceとAlberto Rosenblitの共作。ラストは抽象的な歌詞も含めてミステリアスな雰囲気です。こういうのもブラジル音楽らしくて好きです。

未聴の方は『Feminina』(1980年)もぜひ聴いてみて下さい!

『Feminina』(1980年)
フェミニーナ、そして水と光
posted by ez at 00:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする