発表年:1973年
ez的ジャンル:Armando Trovaioliサントラ
気分は... :Laura Antonelliに悩殺されそう!
今日はArmando Trovaioliの人気サントラ『Sesso Matto』(1973年)です。
Armando Trovajoliのサントラ作品の紹介は『7 Uomini D'Oro(Seven Golden Men)』に続き2回目になります。
以前に『お色気ジャケに弱いんです!〜お気に入りサントラ10選』でも紹介したお色気ムンムンのサントラです。
『Sesso Matto』は、Dino Risi監督、Giancarlo Giannini、Laura Antonelli主演で1973年に公開されたイタリア映画です。
タイトルの"Sesso Matto"は日本語"色情狂"となるようです(英訳すれば"Sex Crazy")。
映画の方は、9つの"色情狂"ストーリーを描いたオムニバス形式のお色気コメディです。Giancarlo Giannini、Laura Antonelliという主演の2人が9組の男女を演じ分けています。
9つのストーリーはこんな感じです。
第1話「奥様8時です」
実業家の妖艶な奥様と彼女に仕える謹厳な召使のセッソ・マット!
第2話「決して遅過ぎることはない」
美しい妻を無視して老婦人を口説く青年実業家のセッソ・マット!
第3話「2つの心、ほったて小屋」
家はほったて小屋なのに14人の子供を抱える貧乏夫婦のセッソ・マット!
第4話「ハネムーン」
新婚旅行でヴェネチアへ行ったカップルが乗り物に乗ると欲情してセッソ・マット!
第5話「子うさぎちゃん、戻って!」
内気なサラリーマンが娼婦に家出した妻の服を着せてセッソ・マット!
第6話「外国におけるイタリア人労働者」
デンマークの大病院で働くシチリア男が修道女ルックの看護師に個室へ案内されてセッソ・マット!
第7話「仇討ち」
夫を殺された未亡人が、その復讐を果たすためにマフィアのボスと再婚してセッソ・マット!
第8話「おかしなおかしな恋」
蒸発した兄を探す弟は大柄な金髪の娼婦とベッドイン寸前に...でも実は彼女が兄でセッソ・マット!
第9話「招待」
雇い主の家に招待された若者が美しい妻に誘惑されてセッソ・マット!
何と言っても主演のセクシー女優Laura Antonelliに悩殺されてしまいますよね。
名前だけ聞いてもわからない人でも、お色気イタリア映画の最高峰『青い体験(原題:Malizia)』(1973年)で家政婦を演じたセクシー女優と説明すればピンと来る方も多いのでは?
僕自身は映画を観たことはありませんが、内容はおそらくB級お色気コメディでしょう。
それでも男性ファンはLaura Antonelliのセクシー・キャラを様々な役柄で楽しめるというだけで大満足なのでは?
そして、映画以上に評価が高いのがイタリア映画音楽の巨匠Armando Trovaioliが手掛けたサントラです。
ガラージ・クラシックとしても人気があり、90年代に入り再び大人気となったタイトル曲をはじめ、爽快ヴォーカル入りのポップ・チューン、メロウ・ボッサ、ムーグ・シンセ・チューン、アフロ・ブラジリアン、ソウルフルなオルガン・チューン、シチリア風インスト、軽快なコミカル・チューン等々バラエティに富んだ内容です。
最初はピックアップ曲のみのコメントにしようと思ったら、
すんなりと全曲コメントができてしまいました。
それだけ内容充実ということだと思います。
「Sesso Matto」
タイトル曲は女性の笑い声とエロすぎる喘ぎ声だけで妄想がふくらむ悩殺チューン。Laura Antonelliのために作られたのかと思うほど、彼女のお色気ムンムン・イメージとピッタリ符合しますね。イタリア語なので抵抗ありませんが、英語ならば♪Sex Crazy〜♪Sex Crazy♪とセクシー・ヴォーカルで繰り返すのですから赤面してしまいますね(笑)12"シングルもリリースされ、ガラージ・クラシックとしても人気でした。
http://www.youtube.com/watch?v=4TvalYQolts
サバービアの橋本氏が本曲を称して"イタリア版「Soul Makossa」"という形容をしていますが、確かによく似ていますね。「Soul Makossa」が1972年の録音だし、タイミング的にも影響を受けているのかもしれませんね。
Manu Dibango「Soul Makossa」(1972年)
http://www.youtube.com/watch?v=aWK_Josc0Og
「Two Happy People」
お色気ムンムンのタイトル曲から一変し、爽快ヴォーカルが印象的なハッピー・モードのポップ・チューン。
「Signora Sono Le Otto」(邦題「奥さま8時です」)
朝ののんびりムードの映画音楽らしい仕上がり。
「Due Cuori E Una Baracca」(邦題「2つの心、ほったて小屋」)
子沢山の貧乏夫婦の哀愁が漂います。でも悲壮感のみならず愛に溢れている感じがいいですね。
「Palm Tree」
バカンス中のラブラブ・モードといった雰囲気のインスト。
「L'Ospite」(邦題「招待」)
タイトル曲と並ぶ人気曲なのでは。エレピが心地好く響くメロウ・ボッサ・チューンです。
「Viaggio Di Nozze」(邦題「ハネムーン」)
コミカル・タッチの軽快さが魅力です。
「Un Amore Difficile」(邦題「おかしなおかしな恋」)
第8話は兄弟がベッドイン寸前となる気色悪いストーリーですが(笑)、サウンドはフレンチ・タッチのロマンチックなインストに仕上がっています。
「Delitto Sessuale」(邦題「性的な罪」)
シチリア風のいかにもイタリアらしいインスト・チューン。
「D'Amore Si Muore」(邦題「死ぬほどの愛」)
ソウル・テイストも入ったオルガン・チューン。
「I Apologise Mr. Rossini」(邦題「許してミスター・ロッシーニ (悪女) 」)
コミカルな中にモンドな雰囲気が漂います。珍味のような捨て難い魅力があります(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=FJFiUb_-biM
「Kinky Peanuts」(邦題「気まぐれピーナッツ」 )
アフロ・ブラジリアンなリズムとムーグ・シンセの組み合わせにグッときます。
「Torna Piccola Mia」(邦題「子うさぎちゃん、戻って!」)
女房に逃げられた男の悲哀が滲み出ています。
「Non E' Mai Troppo Tardi」(邦題「決して遅過ぎることはない」)
ひどい近眼のため、美しい妻を無視して老婦人に恋してしまう奇妙な恋の物語にピッタリな不思議モードのインスト。
「Searching For Something」(邦題「愛を探して」)
「Two Happy People」と同タイプのヴォーカル入り爽快ポップ・チューン。
「Sesso Matto」
ラストはタイトル曲のリプライズです。
次回のArmando Trovaioliサントラは『La Matriarca』(1968年)あたりを紹介したいですね。
『La Matriarca』
「La Matriarca」
http://www.youtube.com/watch?v=LOyUUO5HS_U
Trovaioli作品ではありませんが、Jane Fonda主演のカルト・ムービー『Barbarella』(1968年)のサントラを最近欲しています。
『Barbarella』
「Barbarella」
http://www.youtube.com/watch?v=ecQaPNDUEZk