発表年:1980年
ez的ジャンル:Quincy Jones系ディスコ/ファンク/フュージョン
気分は... :Quincy Jones & Rod Temperton恐るべし!
GeorgeとLouisのファンキー兄弟The Brothers Johnsonの2回目の紹介です。
『Look Out For #1』に続いて紹介するのは『Light Up The Night』(1980年)です。
『Light Up The Night』は1st『Look Out For #1』(1976年)、『Right On Time』(1977年)、『Blam!』(1978年)に続く4thアルバムです。前3作同様に彼らを見出したQuincy Jonesがプロデュースし、前3作同様に全米R&Bアルバム・チャートNo.1に輝いています。
本作では何と言っても、Quincy Jonesのお抱えソングライターとしてヒット曲を連発中であった元HeatwaveのRod Tempertonの参加が注目ですね。
事実、Rod Tempertonがソングライティングに参加した「Stomp!」 は大ヒットを記録し、Brothers Johnsonを代表するディスコ・クラシックとなりました。
また、同じくQuincy Jones & Rod Tempertonコンビの起用で『Off The Wall』(1979年)が大ヒットしたMichael Jacksonもソングライティング&バック・ヴォーカルで参加しています。
その意味では、Michael Jackson『Off The Wall』(1979年) 、George Benson『Give Me The Night』(1980年)、Quincy Jones『The Dude』(1981年)あたりと一緒に聴くと楽しさが倍増するアルバムかもしれませんね。
George Benson『Give Me The Night』あたりと同じで、ディスコ/ファンク、フュージョン、AORが1枚で楽しめるバラエティ感が魅力だと思います。難を言えば、バラード曲が弱いのが少し残念ですね。
レコーディングには、Bill Reichenbach、Gary Grant、Jerry Hey、Kim Hutchcroft、Larry WilliamsといったSeawindメンバーやGreg Phillinganes、Steve Porcaro、Paulinho DaCosta等も参加しています。
また、ヴォーカルの弱さをカヴァーすべく、Alex Weir 、Augie Johnson、Jim Gilstrap、Josie James、Merry Clayton、Richard Heath、Scherrie Payne、Susaye Greene-Brown、Valerie Johnsonというバック・ヴォーカル陣がいい仕事しています。
本作を最後に師匠Quincy Jonesの元から巣立っていくBrothers Johnsonですが、次作『Winners』(1981年)以降は従来のような商業的成功を収めることはありませんでした。
Quincy JonesやRod Tempertonの実力を思い知る華やかなアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Stomp!」
Brothers Johnsonを代表するディスコ・クラシックですね。全米シングル・チャート第7位、同R&Bシングル・チャート第1位の大ヒットとなりました。Rod Tempertonらしいキャッチーなメロディにグッときます。Georgeのリード・ヴォーカルがイマイチ弱いのが難ですが、Louis Johnsonのベースもブリブリ楽しめますし、Greg Phillinganesのシンセ・ソロもなかなか印象的です。いかにも定番!って感が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=2EvWkUuALGg
「Light Up The Night」
タイトル曲は「Stomp!」に続きシングル・カットされました。Rod Temperton作のメロディアスなライト・ファンク。個人的には「Stomp!」よりも好きです。ライト感覚が僕の嗜好にマッチしているのだと思います。MJ「Rock With You」あたりと一緒に聴きたくなりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=9OMYKCYvJzY
「You Make Me Wanna Wiggle」
Tom Tom ClubのメンバーでもあったAlex Weirがリード・ヴォーカルをとるファンク・チューン。兄弟によるギター・ソロを堪能きます。Seawind Hornsの鳴り具合もいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=d1FAh-RCsBk
「Treasure」
アルバムからの3rdシングルにもなったRod Temperton作のバラード。リード・ヴォーカルはRichard Heath。出来はフツーです(笑)。Richard Heath、Louis Johnson、Valerie Johnson(Louisの奥方)の3人はゴスペル・グループPassageとしてアルバム『Passage』(1981年)をリリースしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=mQMjdvspdOA
「This Had To Be」
ソングライティング、アレンジ、バック・ヴォーカルでMichael Jacksonが参加しています。MJ好きの人はなかなかグッとくるポップなダンス・チューンに仕上がっています。Michael Jacksonがリード・ヴォーカルならばもっとハマる曲だと思います(Georgeゴメンネ)。
http://www.youtube.com/watch?v=OpyCroBAsKc
「All About The Heaven」
Rod Temperton作によるバラード。悪くはないけど「Treasure」より少しマシって感じですね(笑)。バラードになるとGeorgeのヴォーカルの弱点が浮き彫りになってしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=xiXR6RCB8yU 。
「Smilin' On Ya」
思い切りSeawindしているインスト・チューン。フュージョン・ファンは結構グッとくる仕上がりです。Jerry HeyのトランペットとLarry Williamsのシンセを堪能しましょう。
「Closer To The One That You Love」
AOR/アーバン・ソウル系のメロウ・チューン。Georgeのヴォーカルの弱さも気にならないし、AORファンはグッとくる1曲なのでは?
「Celebrations」
ラストはPaulinho DaCostaのパーカッションをフィーチャーした(ほぼ)インスト・チューン。Larry Williamsのシンセもかなり目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=8rT7dksHQnY
Richard Heath、Louis Johnson、Valerie Johnsonの3人によるPassage『Passage』(1981年)も面白そうですね。
『Passage』(1981年)
Passage「Have You Heard the Word」
http://www.youtube.com/watch?v=BIKqvwJS2oM
Passage「You Can't be Livin'」
http://www.youtube.com/watch?v=D7sHwdvw48k