2010年03月28日

Barrio Jazz Gang『2』

8年ぶりの新作もセンス抜群!☆Barrio Jazz Gang『2』
''2''
発表年:2010年
ez的ジャンル:イタロ・ニュージャズ/クラブジャズ
気分は... :日本では殆ど話題になりませんが...

ニュージャズ/クラブジャズの新作よりBarrio Jazz Gang『2』です。

Amazon.co.jpでの扱いが無いのでなかなか紹介できずにいましたが、今年に入って一番多く聴いている新作アルバムが本作『2』かもしれません。ここ日本では殆ど話題になることが無いようですが、個人的には年間マイベスト10の有力候補作品です。

Barrio Jazz Gangは、イタリア・ローマのニュー・ジャズ・レーベルFunky Juice Recordsを主宰するRoby ColellaとプロデューサーStefano Micarelliによるプロジェクト。2ndアルバムとなる本作『2』は1stアルバム『Spectrum』(2002年)に続く8年ぶりの新作です。

前作『Spectrum』から8年のブランクがありますが、前作同様にイタリアらしく洗練されたニュージャズ/クラブジャズを聴かせてくれます。

Roby Colella(key、programming)、Steve Micarelli(programming、g、sitar、bongo)以外に、Pauline London(vo)、Eddie Henderson(tp)、Carlo Micheli(ts、bs、fl)、Aldo Bassi(tp)が参加しています。

何と言っても注目すべきは、ベテラン・ジャズ・トランペット奏者Eddie Hendersonの参加ですね。今日は記事のネタが少ないので、少しEddie Hendersonについて説明しておきますね(笑)

Eddie Hendersonは1940年N.Y.生まれ。ジャズと医学という二つの道を同時に歩み、サンフランシスコを拠点に医学博士号を持つ異色のジャズ・ミュージシャンとして注目されるようになります。1970年前半はHerbie Hancockのグループで活躍し、70年代半ば以降はエレクトリック・マイルスばりのジャズ・ファンク作品をリリースしています。当ブログで紹介した作品の中ではCourtney Pine『Modern Day Jazz Stories』(1995年)へ参加しています。

それ以外の参加メンバーでは女性シンガーPauline Londonにも注目です。彼女はFunky Juiceの所属アーティストであり、2004年に1stアルバム『Quiet Skies』をリリースしています。個人的にはPaulineの参加が本作の魅力を大きくアップしていると思います。

YouTubeに本作の音源がないのが残念ですが、相当グッとくるアルバムです。
ニュージャズ/クラブジャズ好きの方は、CDショップ等で見かけたらぜひチェックしてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Kobra Smile」
オススメその1。Micarelliのシタールとタブラの音が響き渡るインディアン・ジャズ・チューン。シタール好きの方はグッときます。

「Five Apple-Maples」
Carlo MicheliとAldo Bassiの二管をフィーチャーしています。70年代ジャズ風にさりげなくニュー・ジャズのテイストが重なっているのはいいですね。

「Take Yr Freedom Back」
オススメその2。Pauline London登場の1曲目。Paulineのスキャットに導かれるバカンス・モードのニュー・ジャズ・チューン。ここ2ヶ月ほど僕のiPodヘビ・ロテ曲の座をキープしています、

「Jumpclub」
僕のオススメその3。クラブジャズ/ニュージャズの美味しいとこ取りといった感じの疾走感がたまりません。

「Spanish Market」
Eddie Henderson参加の1曲目。タイトルの通り、ラテン・モードの仕上がり。ラウンジっぽい雰囲気もあってグッド!Micarelliのギターが結構良かったりして。

「Entre O Ceu E O Mar」
Pauline London登場の2曲目。少しレイジーなPaulineのヴォーカルとスタイリッシュなニュー・ジャズ・サウンドの相性がバッチリです。

「Amor Para Sonhar」
オススメその4。Pauline London登場の3曲目。ボッサ・テイストのブラジリアン・メロウ・チューンです。クラブ・テイストのボッサ・サウンドがお好きな方はぜひチェックしてみて下さい。「Take Yr Freedom Back」と並ぶ僕のiPodヘビ・ロテ曲です。

「One Mile To Mumbai」
Micarelliのシタールが再び登場。ただし、「Kobra Smile」のようにモロにインドといった雰囲気ではなくバカンス・モードが漂います。

「Nude Look」
Pauline London登場の4曲目。ストレート・アヘッドな雰囲気のサウンドとPaulineの魅惑のスキャットにグッときます。

「Free As The Wind」
Pauline London登場の5曲目。70年代フュージョン風のサウンドとPaulineの哀愁ヴォーカルによるメランコリック・チューン。

「Safe Under The Sun」
オススメその5。Pauline London登場の6曲目。小粋なサンバ・テイストのクラブジャズに仕上がっています。ここでのPaulineのヴォーカルはかなりキュートです。

「Sunday Show」
オススメその6。Eddie Henderson参加の2曲目。アルバムで最もエレクトロ感があるニュー・ジャズらしい仕上がりです。

1st『Spectrum』(2002年)もセットでどうぞ!

『Spectrum』(2002年)
Spectrum
「Chok-A-Block Avenue」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZI1wzU1eMmo
「Linda Cancao」
 http://www.youtube.com/watch?v=0IQ01Pgf-j8
「Footsteps In The Green」
 http://www.youtube.com/watch?v=5CH5lmiduJA

また、本作や『Spectrum』を気に入った方は、Pauline London『Quiet Skies』(2004年)やBungalove『Samba Natural』(2007年)といったFunky Juice関連作品も要チェックだと思います。

Pauline London『Quiet Skies』(2004年)
Quiet Skies
Pauline London「In Your Eyes」
 http://www.youtube.com/watch?v=SfnBxotQpwA
Pauline London「Sing A Lullaby」
 http://www.youtube.com/watch?v=X-XZFREKscs
Pauline London「Fly In The Sky」
 http://www.youtube.com/watch?v=JXDdt8mOBys

Bungalove『Samba Natural』(2007年)
Samba Naturel
BungaLove「Maracana」
 http://www.youtube.com/watch?v=Euh0gIDbOAs
BungaLove「So'eu E Voce」
 http://www.youtube.com/watch?v=bxKQYOravHk
BungaLove「Aphrodisiaco」
 http://www.youtube.com/watch?v=pPAFQGPitjU

また、これを機会にEddie Hendersonをチェックしてみるのも楽しいと思います。特に70年代後半の作品群はエレクトリック・マイルスやレア・グルーヴ好きの人はグッとくる仕上がりなのでは?

Eddie Henderson『Sunburst』(1975年)
Sunburst
Eddie Henderson「Explodition」
 http://www.youtube.com/watch?v=50EhobTs8ds

Eddie Henderson『Heritage』(1976年)
Heritage
Eddie Henderson「Inside You」
 http://www.youtube.com/watch?v=rvLgLJs_Y4M
Eddie Henderson「Acuphuncture」
 http://www.youtube.com/watch?v=87ia_GXT89c

Eddie Henderson『Comin' Through』(1977年)
Comin' Through
Eddie Henderson「Beyond Forever」
 http://www.youtube.com/watch?v=MmYwWKxGY14
Eddie Henderson「Open Eyes」
 http://www.youtube.com/watch?v=rUrBHpEcib4
posted by ez at 00:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする