2010年04月25日

Spinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』

Dadiとイタリア人ジャズ・ミュージシャンの共演作☆Spinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』
InventaRio
発表年:2010年
ez的ジャンル:MPB+イタロ・ジャズ=?
気分は... :清らかなアコースティック・サウンドに心洗われます!

今日はブラジル人ミュージシャンDadiがイタリア人ジャズ・ミュージシャンと共演したアルバムSpinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』です。

Dadi(Dadi Carvalho)は1952年リオデジャネイロ生まれ。Os Novos Baianosのベーシストとしてデビューし、その後Jorge BenCaetano VelosoMarisa Monteらのサポートで一躍有名になり、『Dadi』(2005年)、『Bem Aqui』(2008年)、『Ao Vivo Em Toquio』(2009年)といったソロ・アルバムもリリースしています。

当ブログで紹介した作品ではMarisa Monte『Universo Ao Meu Redor』(2006年)、Alexia Bomtempo『Astrolabio』(2008年)、Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』(2009年)といったアルバムにDadiが関与しています。

僕がDadiの名前を強く意識するようになったのは、Alexia Bomtempo『Astrolabio』(2008年)でした。ちょうど『Astrolabio』の記事を書く際にDadiのキャリアについて簡単に調べ、急速に彼への興味が高まりました。

本作『InventaRio』Dadi(vo、g)とFerruccio Spinetti(ds、per)、Giovanni Ceccarelli(p、key)、Francesco Petreni(b)というイタリア人実力派ジャズ・ミュージシャン3人とのコラボ作品です。4人の名義での作品ですが主役はDadiであり、Dadiファンはソロ作同様にDadiワールドを堪能できます。

ゲスト・ヴォーカリストとしてMarisa MonteIvan Lins、Pacifico、 Petra Magoniが参加しています。

全体としてはブラジル+イタリアン・ジャズ+αの清らかなアコースティック・サウンドが印象的な1枚に仕上がっています。ジャケのイメージそのままの清々しさが魅力ですね。

Dadiファンは『Dadi』、『Bem Aqui』収録曲の再演もあり、そういった観点からも楽しめます。

決して派手さはありませんが、ブラジル音楽ファンはかなりグッとくる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Quasi Sera」
オススメその1。ピストル自殺により28歳で短い生涯を終えた伝説のイタリア人男性シンガーLuigi Tenco(1938-1967年)作品のカヴァー。ここではボッサ・タッチの演奏に乗せて、Dadiがイタリア語による優しいヴォーカルを披露してくれます。このオープニングを聴けば、本作の素晴らしさがわかるはずです。
http://www.youtube.com/watch?v=QE-xhe3th24

「La na Rede」
オススメその2。Ferruccio Spinetti作によるバラード。ギター、ピアノ、ストリングスが織り成す美しくロマンチックな演奏にグッときます。

「Construtivamente」
Giovanni CeccarelliとDadiの息子Andre Carvalhoによる作品。しみじみと聴き入ってしまいます。クラリネットの音色が実に印象的です。

「Nao e Proibido」
オススメその3。DadiとMarisa Monteらによる共作。Marisa Monteのシングルとしてヒットし、Dadiの『Bem Aqui』にも収録されています。本ヴァージョンはパーカッション・オーケストラを導入し、リズミックな仕上がりです。

「Passando」
オススメその4。この曲も『Bem Aqui』収録曲の再演(Dadi/Domenico作)。DadiのアコギにGiovanni Ceccarelliのエレピが絡むセンスの良いアレンジにグッときます。ブラジル音楽好きには鉄板な仕上がりです。

「Folhas (Fronne) 」
Ferruccio Spinetti作品にDadiがポルトガル語の歌詞をつけたアコースティック・ワルツ。ピュアな雰囲気が好感持てます。

「Il Samba (Desde Que o Samba e Samba)」
オススメその5。Caetano Veloso & Gilberto Gil『Tropicalia 2』(1993年)収録のCaetano Veloso作品のカヴァー。Joao Gilbertoも『Joao Voz e Violao』(2000年)でカヴァーしていましたね。

ここではイタリア人女性シンガーPetra Magoniがゲスト参加し、Dadiとデュエットする爽快なボッサ・チューンに仕上がっています。アルバムの中でも最もキャッチーな仕上がりなのでは?

「Minuetto」
Giovanni Ceccarelli作。本作唯一のインスト・チューン。クラシカルな雰囲気の端正な仕上がりです。

「Dall’Alba al Tramonto (Da Aurora Ate o Luar) 」
オススメその6。Marisa Monte参加曲。Dadiの1st『Dadi』に収録されていたMarisa Monteとのデュエット曲の再演。ここではMarisa Monteとイタリア人男性シンガーPacificoのデュエットで聴かせてくれます。『Dadi』収録ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?

「Alvo Certo」
オススメその7。。『Dadi』収録曲の再演。Alexia Bomtempo『Astrolabio』でも歌われていました。Mauro Diniz(cavaquinho)、Orquestra Imperialで活躍するWilson Das Neves(ds)という二人の大物ブラジル人ミュージシャンがゲスト参加しています。パーカッシヴで軽やかな仕上がりがグッド!

「Se Assim Quiser」
オススメその8。『Dadi』収録曲の再演。Dadiの息子Andre Carvalhoによる親子共作。軽快&キャッチーなロック調の仕上がり。ハワイアンAORやウエストコースト・ロックあたりと相性良さそうな感じですね。

「Ti Amo (Te Amo) 」
オススメその9。Ivan Lins作の名バラードのカヴァー(オリジナルはアルバム『Anjo de Mim』収録)。Ivan Lins本人がヴォーカル&ピアノで参加しています。ここでのIvan Linsはイタリア語のヴォーカルを披露してくれます。ただただ美しくロマンチックなバラードです。

「Bem Aqui」
ラストはDadiの2nd『Bem Aqui』のタイトル曲を再演。センチメンタル&エレガントな仕上がりがいいですね。

興味がある方はDadiのソロ作もチェックしてみて下さい。

『Dadi』(2005年)
Dadi

『Bem Aqui』(2008年)
Bem Aqui

『Ao Vivo Em Toquio』(2009年)
Ao Vivo Em Toquio
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2010年04月24日

Tawatha『Welcome To My Dream』

Mtumeの紅一点、唯一のソロ・アルバム☆Tawatha『Welcome To My Dream』
WELCOME TO MY DREAM (EXPANDED EDITION)
発表年:1987年
ez的ジャンル:Mtume系ブラコン
気分は... :待望の再CD化

今日はJames Mtume率いるファンク・グループMtumeの紅一点、Tawatha(Tawatha Agee)の唯一のソロ・アルバム『Welcome To My Dream』(1987年)です。

当ブログでは『Juicy Fruit』(1983年)、『You, Me And He』(1984年)というMtume作品は既に紹介済みです。

本作『Welcome To My Dream』は以前にも一度CD化されましたが、長年入手困難な状況が続いていたので今回再CD化されて入手しやすくなったのは朗報ですね。僕もLPでは持っていたものの、長らく再CD化を望んでいた一人なので即ゲットしました。

プロデュースは勿論James Mtume!それ以外にもPhilip Field、Ed "Tree" MooreといったMtumeファミリーがレコーディングに参加しています。

Mtume自体はアルバム『Theater Of The Mind』(1986年)を最後にグループの幕を閉じますが、James Mtumeがプロデュースし、Mtumeファミリーが数多く参加した本作は、もう1枚のMtumeアルバムとも呼べるかもしれませんね。

サウンドとしてはMtumeの流れを汲むエレクトリック・サウンドですが、Tawathaの官能的なヴォーカルにはこのサウンドがマッチしますね。特に本作ではミディアム〜スロウ系の作品が充実しています。

Mtume好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Thigh Ride」
シングルにもなったアーバン・ミディアム。Tawathaの官能的なヴォーカルがアーバン・ナイトへ誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kcw7WcKo0Us

「Did I Dream You」
スウィートな中に何処となく切なさが漂うミディアム・スロウ。ここでのTawathaはしっとりと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=mKK88Mius8A

「Love Shine」
LPで購入した当時、一番好きだった曲です。今聴いても一番好きかなぁ・・・。愛のパワーを感じる力強いミディアム・スロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=LOqOZw7w2m8

「Love Goes Higher」
妖しくミステリアスなミディアム・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Ap2qk-wFIrU

「Welcome To My Dream (Tears Of Joy)」
タイトル曲はTawathaのスキャットが切なく響きます。
http://www.youtube.com/watch?v=ekyydA0BcG0

「Are You Serious」
アルバムで最もダンサブルな仕上がり。良くも悪くも80年代エレクトリック・ファンクなサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=urHJ0XDzA0E

「More Than Before」
この曲もダンサブルですね。Tawathaのヴォーカルもパンチが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=dZ27WGig9Zk

「The Waiting's Over」
今回久々に聴いて意外にいい曲だなと再認識した曲。Tawathaのヴォーカルの魅力を上手く引き出したアーバン・ミディアムに仕上がっています。サックス・ソロも盛り上げてくれます。

「No More Tears」
ラストは極上のスウィート・バラード。本曲を本作のハイライトに挙げる人も多いのでは?

今回の再発CDにはボーナス・トラックとして、「Are You Serious(12" version)」「Thigh High (Mtume Mix)」の2曲が追加収録されています。

Mtume関連の過去記事もご参照下さい。

『Juicy Fruit』(1983年)
Juicy Fruit

『You, Me And He』(1984年)
You, Me and He
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2010年04月23日

『追悼Guru〜Moment of Truth〜Gang Starr、Jazzmatazzよ永遠に!』

DJ Premierとの最強Hip-HopユニットGang StarrやHip-HopとJazzの融合を試みたプロジェクトJazzmatazzでHip-Hopシーンを牽引してきた偉大なMC、Guruが4月19日に亡くなりました。享年43歳。ガンだったらしいです。

90年代前半のHip-Hop黄金期をリアルタイムで通過してきた者にとって、この突然の訃報はショックですよね。僕もGang StarrJazzmatazzの作品に魅了された一人なので残念でなりません。

そこで追悼の意を込めて、好きなGang Starr、Jazzmatazzの作品を10曲セレクトしてみました。

僕の場合、Gang Starrならば『Daily Operation』(1992年)、『Hard to Earn』(1994年)、『Moment of Truth』(1998年)の3枚、Jazzmatazzならば『Jazzmatazz』(1993年)、『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)の2枚がお気に入りなので、これら5枚から2曲ずつ選んでみました。5枚とも当ブログで記事エントリーしていますので、興味がある方はご参照下さい。

Gang Starr「Take It Personal」(From 『Daily Operation』
http://www.youtube.com/watch?v=kAklW63cZ0M
Daily Operation

Gang Starr「Ex Girl to Next Girl」(From 『Daily Operation』
http://www.youtube.com/watch?v=CwSXfocnt48
Daily Operation

Gang Starr「Mass Appeal」(From 『Hard to Earn』
http://www.youtube.com/watch?v=D3nYV1PX0HM
Hard to Earn

Gang Starr feat. Nice & Smooth「DWYCK」(From 『Hard to Earn』
http://www.youtube.com/watch?v=bRNT_t0-miQ
Hard to Earn

Gang Starr「You Know My Steez」(From 『Moment of Truth』
http://www.youtube.com/watch?v=JXCo_lR3Pp0
Moment of Truth

Gang Starr「Moment of Truth」(From 『Moment of Truth』
http://www.youtube.com/watch?v=lH3hrtp1T84
Moment of Truth

Guru「No Time To Play」(From 『Jazzmatazz』
http://www.youtube.com/watch?v=CCbegIpAkAs
Jazzmatazz, Vol. 1

Guru feat. Donald Byrd「Loungin'」(From 『Jazzmatazz』
http://www.youtube.com/watch?v=L6N9TfQ49k0
Jazzmatazz, Vol. 1

Guru feat. Chaka Khan「Watch What You Say」(From 『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』
http://www.youtube.com/watch?v=cyU7sxBByWg
Jazzmatazz, Vol. 2: The New Reality

Guru「Feel The Music」(From 『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』
http://www.youtube.com/watch?v=62qsYOllJoc
Jazzmatazz, Vol. 2: The New Reality

ありがとうGuru!
天国でも巧みなフロウをぶちかましてね!

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
posted by ez at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月22日

Maria Rita『Segundo』

さらなる進化を遂げた2nd。ラテングラミー最優秀MPBアルバム受賞作品☆Maria Rita『Segundo』
Segundo
発表年:2005年
ez的ジャンル:新世代MPB
気分は... :Maria Ritaは特別!

新世代MPBを代表する女性シンガーMaria Ritaの3回目の登場です。

3rdアルバム『Samba Meu』(2007年)、デビューアルバム『Maria Rita』(2003年)に続いて紹介するのは、2ndアルバム『Segundo』(2005年)です。

ここ数年、僕の音楽ライフの中でブラジル音楽の比重が高まっているのは当ブログの記事エントリーを眺めれば明らかですが、そのきっかけを作ってくれた作品が今日紹介するMaria Ritaの3rdアルバム『Samba Meu』(2007年)でした。

恥ずかしながら、『Samba Meu』(2007年)を聴くまでは、彼女の母親であり、かつMPBの女王であった故Elis Reginaの作品もあまり聴いたことが無かったのですが、『Samba Meu』をきっかけに、Elis Regina作品にもハマりまくっています。

そんな流れでMaria Ritaは僕にとっては特別なアーティストです。

今日紹介する『Segundo』は、大成功を収めたデビューアルバム『Maria Rita』(2003年)に続く2ndです。

『Maria Rita』でプロデューサーを務めたTom Caponeのバイク事故死、夫との不仲説などを乗り越えて完成させた作品です。

本作でMaria Ritaと一緒に共同プロデュースを担当したのはLenine。このブラジル音楽界を牽引する才能をパートナーに迎え、Mariaもワンランク上へステージアップしたようです。

バックを務めるのはTiago Costa(p、el-p)、Sylvinho Mazzucca(b)、Cuca Teixeira(ds)の3人のみ。Tiago Costaは『Maria Rita』にも参加していました。このシンプルな編成がMariaとの一体感を生み、作品の完成度をさらに高めていると思います。

楽曲も(日本では)それほど有名ではないアーティストの作品を取り上げているのがいいですね。本作の楽曲提供者の中にはMariaが取り上げたことによって注目を集めるようになったアーティストも何人かいます。才能あるアーティストを発掘する能力は母親Elis Regina譲りかもしれませんね。

前作a href="http://eastzono.seesaa.net/article/114528605.html">『Maria Rita』は第5回ラテングラミー賞で「最優秀新人賞」「ベストMPBアルバム」等3部門で受賞に輝きましたが、本作『Segundo』も第7回ラテングラミー賞で最優秀MPBアルバム賞、最優秀ブラジル歌曲賞(「Caminho das Aguas」)を受賞しました。

"Elis Reginaの娘"という形容が不要な実力派シンガーであることを再び証明してくれた充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Caminho das Aguas」
前述のように、第7回ラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞を受賞した名曲。作者であるRodrigo Maranhaoはこれを機に一気に注目されるようになりました。

ジワジワと感動が高まる素晴らしい楽曲です。そんな名曲をピアノ・トリオのみのバックにも関わらず、雄大なスケール感で聴かせてしまうあたりに歌手Maria Ritaの"歌力"を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=TZgVTGtEOiM

「Recado」
「Caminho das Aguas」に続きRodrigo Maranhao作品です。バックの3人との息もピッタリで完成度の高さを窺える演奏です。特にTiago Costaのリズミカルでありながら品のあるピアノが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=0teG662NwO0

「Casa Pre-Fabricada」
リオ出身の人気ロックバンドLos Hermanosのカヴァー(リーダーMarcelo Cameloの作品)。Marcelo Cameloの楽曲はデビューアルバム『Maria Rita』でも3曲取り上げられていました。ロック調のオリジナルとは異なり、エレガントな雰囲気でしっとりとバラードを歌い上げます。Roberta Saもカヴァーしているので聴き比べてみるのも楽しいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=mMbQY9VfDMQ

Los Hermanos「Casa Pre-Fabricada」
 http://www.youtube.com/watch?v=iHAWPtvtv1E

「Mal Intento」
ウルグアイ出身、現在はスペインを拠点に活躍するシンガー・ソングライターJorge Drexlerの作品。お酒片手にしながら聴きたくなる小粋なヴォーカル&演奏に惹きこまれます。聴けば聴くほど好きになる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=cP9hCr6j82Y

「Ciranda Do Mundo」
新世代のサンバ系シンガー・ソングライターEdu Krieger作品。『Samba Meu』でも楽曲提供していましたね。Rodrigo Maranhao同様、Mariaが見出した才能ですね。彼女への楽曲提供で注目されるようになったEduは、その後『Edu Krieger』(2007年)、『Correnteza』(2009年)という2枚のソロ・アルバムをリリースしています。哀愁モードのサンバ・チューンがグッと胸に迫ります。
http://www.youtube.com/watch?v=23nnjLTzW0I

「Minha Alma (A Paz Que Eu Nao Quero)」
ブラジルの人気レゲエ/ロック・グループO Rappaのカヴァー。本作と同じ2005年にリリースしたO Rappaのアコースティック・ライブ盤『Acustico MTV』にMaria Ritaがゲスト参加しており、その交流ぶりが窺えます。O Rappaのオリジナルとは雰囲気は大きく異なりませんが、バックがピアノ・トリオなのでより大人の雰囲気の仕上がりですね。Mariaのヴォーカルはかなりパワフルです。
http://www.youtube.com/watch?v=rnFn8cemI_E

O Rappa「Minha Alma」
 http://www.youtube.com/watch?v=ajaSpT_ImWg

「Sobre Todas as Coisas」
Chico Buarque/Edu Lobo作品。本作で唯一の大物アーティスト楽曲です。Tiago Costaのピアノをバックにして丁寧に歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=HT3OSq6yPOU

「Sem Aviso」
Fransisco Bosco/Fred Martins作品。Fransisco Boscoはブラジル音楽の大物アーティストJoao Boscoの息子です。ミステリアスな雰囲気のアレンジがLenineのセンスですね。  
http://www.youtube.com/watch?v=M4pLhTbebaY

「Muito Pouco」
90年代からコンスタントに活動するシンガー・ソングライターとしてMoska(Paulinho Moska)の作品。しっとりと歌い上げる前半とテンポアップする後半とのコントラストが見事です。
http://www.youtube.com/watch?v=ky3zb0CX-a4

「Feliz」
90年代初頭より多くのMPBアーティストに楽曲提供しているコンポーザーDudu Falcaoの作品。昨年には初ソロ・アルバム『Dudu Falcao』をリリースしています。リラックスした雰囲気のTiago Costaのキーボードを中心にメンバーが楽しげに演奏している様子が浮かんできます。
http://www.youtube.com/watch?v=VmB4VMYq4hM

「Despedida」
Los Hermanosのカヴァー2曲目(Marcelo Camelo作)。途中までパーカッションのみというシンプルなバックで淡々と歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=XUZy6VtvEFc

CDにはボーナス・トラックとしてライブ曲「Conta Outra(Ao Vivo)」が収録されています。

未聴の方は『Maria Rita』『Samba Meu』もチェックしてみて下さい。

『Maria Rita』(2003年)
Maria Rita

『Samba Meu』(2007年)
Samba Meu

そう言えば、昨日の記事で書き忘れましたが、サッカーUEFAチャンピオンズリーグ注目の一戦「インテル対バルセロナ」はインテルが鮮やかな勝利を収めましたね。バルサ・ファンの僕としては残念な結果ですが、一方でインテル・モウリーニョの見事な戦いぶりに感心してしまいました。

今日の「バイエルン・ミュンヘン対オリンピック・リヨン」はロッベンの決勝ゴールでバイエルンが勝利しましたね。

個人的には「バルセロナ対バイエルン・ミュンヘン」の決勝が観たいですね。
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2010年04月21日

Jose Feliciano『That The Spirit Needs』

人気曲「Wild World」収録☆Jose Feliciano『That The Spirit Needs』
ザット・ザ・スピリット・ニーズ(紙ジャケット仕様)
発表年:1971年
ez的ジャンル:プエルトリカン・ギタリスト/シンガー・ソングライター
気分は... :ジャケが素敵ですね!

プエルトリコ出身の盲目のギタリスト/シンガー・ソングライターJose Felicianoの2回目の登場です。

『And the Feeling's Good』(1974年)に続き紹介するのは、1971年リリースの『That The Spirit Needs』です。

今年に入り『Feliciano!』(1968年)、『10 To 23』(1969年)、『That The Spirit Needs』(1971年)、『And the Feeling's Good』(1974年)といった作品が紙ジャケ仕様で再発となり、購入した1枚です。

僕の場合、フリーソウルの流れからJose Felicianoを聴くようになったので、やはりフリーソウル人気曲の「Wild World」(Cat Stevensのカヴァー)収録の『That The Spirit Needs』(1971年)や、「Golden Lady」Stevie Wonderのカヴァー)収録の『And the Feeling's Good』(1974年)といった作品への関心が高くなってしまいます。

正直、Jose Felicianoのディスコグラフィって、英語作品とスペイン語作品があり全然把握できていないのですが、本作『That The Spirit Needs』が発表された1971年だけでも相当数のアルバムをリリースしているようであり、当時のFelicianoの創作意欲の高さを窺うことができますね。

何となくカヴァーのイメージの強いアーティストですが、本作では全11曲中8曲がオリジナル楽曲で占められています。

プロデュースはJose Feliciano本人と彼の奥方であったJanna Merlyn Feliciano(Hilda Felicianoの同一人物)。Geroge Tiptonがオーケストラ・アレンジを担当しています。演奏はJose Felicianoとドラム/パーカッションのPaulinho Magahalesの二人が中心であり、それ以外にJim Horn、Buddy Emmons、Earl Palmer等少数のゲストが参加しています。

Jose Feliciano=ラテンのイメージが強い方もいるかもしれませんが、本作ではソウル、ゴスペル、ブラジル、スワンプ、サイケ、ロックン・ロール等彼の幅広い音楽性を聴くことができます。ギターの名手であり、そのギター・プレイを堪能できますが、同時にソウルフルなヴォーカルもかなりグッときます。

紙ジャケ再発で素敵なアルバム・ジャケをじっくり眺めることができるのも嬉しいですね。

全曲紹介しときやす。

「Come Down Jesus」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。シングルにもなったゴスペル・ソング。アメリカでは不発でしたが、欧州ではヒットしたようです。オーケストラも入った感動的な仕上がりです。

「The Spirit」
Jose Feliciano/Edward T. Conley作。アルバム・タイトルは本曲の歌詞の一節から付けれているとのこと。Jose FelicianoとパーカッションのPaulinho Magahalesの二人のみの演奏らしいですが実にパワフルで素晴らしいです。「Wild World」と並ぶ僕のお気に入り。

「Wild World」
前述のように本作のハイライト。フリーソウルのコンピ『Free Soul Walk』にも収録されていました。1971年のCat Stevensのヒット曲カヴァー。JoseのギターJim Hornのフルートが涼しげに響くブラジリアン・グルーヴ。Joseのヴォーカルも快調だし、コーラスのリフレインも盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=mwRnhwGJluo

本曲はJose Feliciano以外にもJimmy Cliff、Bette MidlerMaxi Priest、Mr. Big等数多くアーティストがカヴァーしていますね。個人的にはMaxi Priestのカヴァー(アルバム『Maxi Priest』収録)はよく聴きました。Joseヴァージョンとは全くイメージが異なりますが。

Cat Stevens「Wild World」
 http://www.youtube.com/watch?v=y8pvXLVu8Yk
Maxi Priest「Wild World」
 http://www.youtube.com/watch?v=S4ZWD_0VRK8

「Border Song」
Elton John作品のカヴァー(Bernie Taupin/Elton John作)。オリジナルはEltonの2nd『Elton John』(1970年)に収録されています。当ブログではAretha Franklinのカヴァー(アルバム『Young, Gifted And Black』収録)も紹介しています。Felicianoヴァージョンも味わい深く感動的な仕上がりです。Felicianoのヴォーカル&声質と曲は実にマッチしています。

Elton John「Border Song」
 http://www.youtube.com/watch?v=Lm7b-32Mpbs

「Only Once」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。哀愁のスパニッシュ・ギターがグッときます。シングル「Come Down Jesus」のカップリング曲でした。

「Take Me To The Pilot」
Elton John作品のカヴァー(Bernie Taupin/Elton John作)。オリジナルは「Border Song」同様『Elton John』(1970年)に収録されています。アーシーなスワンプ調の仕上がりがサイコーです。ソウルフルな女性コーラス隊もグッド!

Elton John「Take Me To The Pilot」
 http://www.youtube.com/watch?v=Fi0xN499IXE

「She Let Me Down」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。哀愁のラテン・チューン。ノスタルジックなアレンジが逆にグッときます。

「Daytime Dreams」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。Joseのギターとオーケストレーションが実にロマンチックなバラード。思わずリピートして何度も聴いてしまうロマンチックな仕上がりです。

「My Last Farewell」
Jose Feliciano/Edward T. Conley作。スティール・ギターの大物Buddy Emmonsがゲスト参加しています。フォーク・カントリー調の味わい深い仕上がり。名手二人のギターを堪能しましょう。

「Mellow Feeling」
Jose Feliciano作。タイトルとは裏腹にサイケ・チューンです。
Jose Feliciano作。ラストはCCR調のロックン・ロールです。FelicianoはJimi Hendrixとも交流があったようなので、彼への追悼の意味も込められているのかもしれませんね。60年代後半のサイケ&フラワーな雰囲気がプンプンします。

「Pay Day」
Jose Feliciano作。ラストはCCR調のロックン・ロールです。CCRの曲として聴かせても気付かれないかもしれません。

他の紙ジャケ再発作品もどうぞ!

『Feliciano!』(1968年)
フェリシアーノ!(紙ジャケット仕様)
「Light My Fire」「California Dreamin'」「And I Love Her」等収録のヒット作。

『10 To 23』(1969年)
10・トゥ・23(紙ジャケット仕様)
日本での最大のヒット「Rain」や「Hey Jude」収録

『And the Feeling's Good』(1974年)
アンド・ザ・フィーリングス・グッド(紙ジャケット仕様)
人気曲「Golden Lady」収録。
posted by ez at 15:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする