2010年04月19日

Jazzyfatnastees『The Once and Future』

The Rootsがバックアップした女性R&Bデュオ☆Jazzyfatnastees『The Once and Future』
ジ・ワンス・アンド・フューチャー
発表年:1999年
ez的ジャンル:The Roots系ジャジー・ソウル
気分は... :ジャジーな哀愁モードで...

今回は女性R&BデュオJazzyfatnasteesのデビュー・アルバム『The Once and Future』(1999年)です。

JazzyfatnasteesTracey MooreMercedes Martinezの2人から成る女性R&Bデュオ。

元々は4人組ユニットとしてL.A.で活動していましたが、メンバーが脱退し2人組となってしまいます。そこで、The Rootsの設立したレーベルMotiveの第一弾アーティストとして契約することに成功し、フィラデルフィアで再スタートをきることになりました。

その後、Stevie Wonder「Cold Chill」(アルバム『Conversation Peace』収録)、The Roots『Illadelph Halflife』『Things Fall Apart』Outkast「Jazzy Belle」(アルバム『ATLiens』収録)、De La Soul「Baby Baby Baby Baby Ooh Baby」(アルバム『Stakes Is High』収録)、Eric Benet & The Roots「Why」(映画『Ride』サントラ収録)等へ参加し、キャリアを積み重ねていきます。

Outkast「Jazzy Belle」
 http://www.youtube.com/watch?v=IW-9eOPAWdA
Eric Benet & The Roots「Why」
 http://www.youtube.com/watch?v=bygPjmVTGP4

そして、1999年に満を持してデビュー・アルバム『The Once and Future』をリリース。その後Motiveを離れ、2ndアルバム『The Tortoise & the Hare』(2002年)をリリースしています。

その後のグループの活動は詳しく知りませんが、MartinezはThe Rootsの『Game Theory』(2006年)にも参加しています。

今日紹介するデビュー・アルバム『The Once and Future』(1999年)は前述のように、The Rootsの設立したレーベルMotiveの第一弾アーティストのデビュー作として、The Rootsがエグゼクティヴ・プロデューサーにも名を連ねています。

Richard NicholsとScott Storchが中心となってプロデュースを担当し、?uestlove、Leonard "Hub" Hubbard、Anthony Tidd、Chalmers "Spanky" AlfordといったThe Rootsメンバーやそのサポート・メンバーがプロデュース&演奏で参加しています。また、70年代のフィリー・サウンドを支えた重要人物Larry Goldもプロデュース&ストリングス・アレンジ&チェロ演奏で参加しています。

内容的にはグループ名そのままのジャジー・ソウル満載です。クールに揺らぐジャジー・グルーヴをバックに、Tracey MooreMercedes Martinezの2人がそれぞれ魅力的なヴォーカルを聴かせてくれます。

本作と前後してThe Rootsはアルバム『Things Fall Apart』をリリースしており、勢いに乗っていた時期です。そんなパワーが本作にも感じられます。

ジャジー・ソウル好きの方はぜひ!

全曲紹介しときやす。

「The Wound」
「Let It Go」と並ぶ本作のハイライト。Jazzyfatnasteesらしい哀愁のジャジー・グルーヴ。淡々としたリズムをバックに憂いを帯びたTraceyのヴォーカルとフェンダー・ローズの音色の絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=tVeS1O5AmKc

「How Sad」
Mercedesのキュートなハスキー・ヴォーカルを堪能できます。哀愁モードながらもなかなかグッときます。

「Breakthrough」
ジャジー・モードで妖艶に迫ります。 Scott Storch、?uestlove、Leonard "Hub" Hubbardらによるブルージーなバッキングがサイコー!

「Unconventional Ways」
二人のヴォーカルとScott Storchのフェンダーローズの音色が織り成す哀愁メロウ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=DBCILRZPGfs

「Hear Me」
歌詞の内容はなかなかディープですが、サウンドは実にエレガントなジャジー・グルーヴに仕上がっています。Larry Goldによるオーケストラ・アレンジもグッド!

「Sail the Seas」
シリアス・モードの哀愁バラード。歌詞の内容もなかなかへヴィです。

「Related to Me」
僕の一番のお気に入り曲。Mercedesのキュートなヴォーカルの魅力を堪能できる優しい美メロ・チューン。聴いているだけで心が穏やかになります。

「The Lie」
哀愁ジャジー・グルーヴ。The Beatles「Eleanor Rigby」のフレーズも飛び出します。

「Why」
前述のEric Benet & The Roots「Why」とは同名異曲です。 哀愁モードながらも歯切れの良い仕上がりです。

「Let It Go」
グループの代表曲。「The Wound」と並ぶ本作のハイライト。映画『Down in the Delta』のサントラにも挿入されていた哀愁ジャジー・グルーヴ。ただし、サントラ収録曲はJazzyfat-nastees feat. The Roots名義であり、ヴァージョンも本作とは異なります。The Roots好きの人であればグッとくる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Uri2aquiJR4

興味がある方は2nd『The Tortoise & the Hare』(2002年)もチェックしてみて下さい。

『The Tortoise & the Hare』(2002年)
The Tortoise & the Hare
posted by ez at 00:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月18日

Tuomo『My Own Private Sunday』

さらなる進化を遂げた3rdアルバム☆Tuomo『My Own Private Sunday』
マイ・オウン・プライヴェート・サンデイ
発表年:2010年
ez的ジャンル:北欧系ブルーアイド・ソウル/SSW
気分は... :"北欧のStevie Wonder"はもう卒業?

今日は日本でも大人気の"北欧のStevie Wonder"ことTuomoの3rdアルバム『My Own Private Sunday』です。

フィンランド、ヘルシンキ生まれのシンガー/キーボード奏者Tuomoの紹介はデビュー・アルバム『My Thing』(2007年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『My Thing』(2007年)に収録された名曲「Don't Take It Too Hard」でブレイクし、"北欧のStevie Wonder"として注目を浴びるようになり、2009年にリリースした2nd『Reaches Out For You』でもその勢いを示してくれたTuomo(本名:Tuomo Prattala)。2007年、2009年に来日公演を行い、日本でも絶大な人気誇る北欧アーティストの一人になりましたね。

『Reaches Out For You』のリリースから1年も経たないうちに、3rdとなる本作『My Own Private Sunday』をリリースしたあたりに、彼の絶好調ぶりが窺えます。

ライナーノーツによると、本作『My Own Private Sunday』に関してTuomo本人は、「殆どの曲がゆっくりとした時間の中で、ギター片手にのんびり座っているうちにできた」と語っているようです。

そんな制作過程を反映してか、本作はサウンド以上に歌詞に重点が置かれているような印象を受けます。サウンド面でもロックやSSW色の強い楽曲もあり、従来のクラブジャズ/ソウルのイメージ以上に幅広い音楽性を示してくれています。全体としては"踊らせる曲"よりも"聴かせる曲"の比重が高い構成です。

"北欧のStevie Wonder"という呼称はそろそろ止めて、よりトータルなサウンド・クリエイター&シンガー・ソングライターという見方をすべきなのかもしれませんね。

ワンランク・ステージアップした成熟したTuomoを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Back To Day One」
オープニングは人生を振り返る歌詞とスケール感の大きなアレンジが印象的なバラード。一人でしみじみと聴きたいですね。Tuomoの成熟ぶりを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=0gDIdqrYrJc

「Help Me Thru These Difficult Times」
Tuomo流ゴスペル・ソング。目を閉じて聴くと、ジワジワと胸の奥へと染み渡ってくる感じがグッときます。オルガンの音色とソウルフルなTuomoのヴォーカルの絡みが絶妙です。

「Where It Counts」
ライナーノーツにTuomo自身が「ソウルなのかカントリー・ロックなのか分からない」と語ったと説明されていましたが、そんなにカントリー臭くはないと思います。60年代後半〜70年代初めのロックがお好きな人は気に入りそうな曲調ですが。

「The Torturee's Mantra」
ロック色が強い仕上がり。Tuomo自身のロック・スピリッツを発散している演奏なのでは?

「Hold Me (Till The Morning)」
Judee Sill「The Kiss」からインスパイアされた感動的なバラード。Judee Sill(1944-1979年)はSSW好きの方にはお馴染みの悲運のアメリカ人女性SSW。彼女はAsylumより生涯2枚のアルバムをリリースしていますが、「The Kiss」は2nd『Heart Food』に収録された名曲の誉れ高い楽曲です。Tuomoもこの名曲に魅了されたのでしょうね。本曲の美しいメロディと切ない歌声を聴きながら、コカインの過剰摂取で他界したJudee Sillの生涯に思いを馳せると胸が締め付けられますね。

「Prepare To Die」
Tuomoのメロディー・メイカーとしてのセンスに溢れたピアノ・ポップ。アレンジも抜群で実に完成度の高い1曲に仕上がっています。

「Future History」
軽快なTuomoソングを聴きたい方には鉄板な1曲。ハンドクラッピングも入ったモータウン調の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=TbCByq8RmWo

「Mutually Assured」
ファンキーなミッド・グルーヴ。リラックスしたグルーヴ感がいいですね。メロディアスな曲もいいですが、こういうグルーヴィーな曲こそがTuomoらしいですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=oRB6q-vMuSI

「The Perfect Day」
美しいフォーキー・チューン。さりげない雰囲気が僕好みです。聴いていると、静かなる闘志が湧いてきます。

「The Circus」
個人的には本作のキラー・チューンだと思っています。名曲「Don't Take It Too Hard」好きの人は気に入ると思いまます。昔Style Council好きだった人なんかもグッとくる曲かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=8wzdN2ubHwU

「Make Me」
ピアノの弾き語りによる感動的なバラード。子守唄として聴くと、ぐっすり安眠できそうな感じです。

「My Own Private Sunday」
タイトル曲はワルツ調の素敵なエレピ&ピアノ・チューン。ジャジーな雰囲気とSSW的な味わいが相俟って素晴らしい出来栄えです。

未聴の方は過去2作もチェックを!

『My Thing』(2007年)
マイ・シング
「Don't Take It Too Hard」
 http://www.youtube.com/watch?v=Db07ELQJuDE

『Reaches Out For You』(2009年)
リーチズ・アウト・フォー・ユー
「Sweet With Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=kc-J2lSqTjA
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月17日

Agustin Pereyra Lucena『Ese Dia Va A Llegar』

ジャケもサウンドもミラクル!アルゼンチン・ボッサの名作☆Agustin Pereyra Lucena『Ese Dia Va A Llegar』
Ese dia va a llegar
発表年:1975年
ez的ジャンル:アルゼンチン・ボッサ
気分は... :ブラジル代表にメッシが入ったら...

先月初来日公演を果たしたAgustin Pereyra Lucena
今回はそのAgustin Pereyra Lucenaの人気作『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)です。

Agustin Pereyra Lucenaは、1948年アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれのギタリスト。

「私のルーツはアルゼンチンにあって、憧れはブラジルにある」とPereyra本人が語ったように、アルゼンチン人ながらもブラジル音楽に大きく影響を受けた作品をリリースし、ブラジル音楽ファンに人気の高いアーティストです。。

60年代のアルゼンチンで隣国ブラジルの音楽"ボサノヴァ"は決してメジャーな存在ではありませんでしたが、ブラジルへ行っていた兄の影響でJoao Gilberto、Baden Powell等のボサノヴァ〜ブラジル音楽に傾倒するようになります。

1970年に1stアルバム『Agustin Pereyra Lucena』をリリース。アルバムにはVinicius de Moraesからの賛辞も寄せられました。

その後『El Increible Nana Con Agustin Pereyra Lucena』(1971年、Nana Vasconcelosとの共演作)、『Climas』(1973年)、『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)、『Sambaiana』(1976年、Candeias名義)、『La Rana』(1980年)、『Puertos de Alternativa』(1988年)、『Miradas』(1998年)、『Acuerdos』(2000年)、『42:53』(2009年)といったアルバムを発表しています。

アルゼンチンが軍事政権下であった1970年代半ばから80年代かけては欧州に移住し、特にノルウェーでは大きな成功を収めた模様です。

数あるAgustin Pereyra Lucena作品の中でも人気の高いアルバムが『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)ですね。

海岸に佇む人影とその向こうに広がる大海原。
まずジャケの構図からしてロマンチックですよね。
僕も本作に興味を持ったのは音以前にジャケでした。

サウンド的にはブラジル音楽の憧れからステップアップし、Pereyraのスタイルを確立した作品として高い評価を受けています。

レコーディングにはGuillermo Reuter(arr、b、g、el-p、per、vo)、Carlos Carli(ds)、Patricia Scheuer(vo)、Laura Hatton(vo)、Oscar Tissera(sax)、Franklin(fl)、Banana(per)等のミュージシャンが参加しています。

特に楽曲提供もしている盟友Guillermo Reuterの貢献が大きいですね。

素晴らしすぎるアルゼンチン・ボッサを聴きながら、サッカーのブラジル代表にメッシが入ったら...なんてあり得ない話を妄想してしまいました(笑)

ジャケに魅了された方は聴くべし...

全曲紹介しときやす。

「Hace Pocos Anos」
Agustin Pereyra Lucena/Guillermo Reuter作。AgustinのギターとOscar Tisseraのサックスの掛け合いが格好良いオープニング。Patricia Scheuer & Laura Hattonによる女声スキャットもいい感じ。

「Garota de Ipanema」
Astrud Gilbertoでお馴染み、Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲「イパネマの娘」のカヴァー。当ブログではTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。Agustin Pereyra LucenaヴァージョンはGuillermo Reuterによる気の利いたアレンジがいいですね。ボサノヴァ名曲をじっくり堪能するという意味では、こういったインスト・ヴァージョンがいいかもしれませんね。

「Pocas Esperanzas」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。清らかな雰囲気が漂うボッサ・チューン。Patricia Scheuer & Laura Hattonによる女声スキャットも絡み、ボッサ好きの人には鉄板でしょう。

「Viento Que Va」
Guillermo Reuter作品。Pereyraの素晴らしいギター・プレイを堪能できます。

「Amazonas」
本作のハイライト。Joao Donatoの名曲カヴァー。Joao Donato自身のヴァージョンも先日紹介しました(アルバム『Quem e Quem』収録)。本ヴァージョンはLaura Hattonによる儚い女声スキャットとPereyraの巧みなギターにグッときます。

「Maritima」
Baden Powell作品のカヴァー。Pereyraが最も影響を受けたミュージシャンの一人であろうBaden Powellをカヴァーするというだけで感動してしまいます。Pereyra渾身のギタープレイに作者のPowellも喜んでいるのでは?

「Guayabas」
「Amazonas」と並ぶ人気曲はGuillermo Reuter作品。メロウな味わいがグッド!Guillermo ReuterのエレピとFranklinのフルートが演奏に彩を添えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rfEQ25NyLeQ

「Mujer Latina」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。Pereyra本人の線の細いヴォーカルが郷愁感を誘います。中盤以降のエキサイティングなアレンジもいいですよ。

「Ultimo Llamado」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。アルバムで唯一Pereyraのギターのみの演奏です。哀愁感たっぷりのプレイを聴かせてくれます。

「Ese Dia Va A Llegar」
ラストはリラックス・モードで楽しげな演奏を聴かせてくれます。Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。

興味がある方は他のAgustin Pereyra Lucena作品もチェックしてみて下さい。

『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
Agustin Pereyra Lucena

『Climas』(1973年)
CLIMAS~友との語らい

『La Rana』(1980年)
La Rana

『42:53』(2009年)
42:53
posted by ez at 02:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月16日

The Bongolian『The Bongolian』

ボンゴ・ヴァイヴスによるモッド&ファンキー・グルーヴ☆The Bongolian『The Bongolian』
Bongolian
発表年:2002年
ez的ジャンル:ボンゴ&オルガン系モッド&ファンキー・グルーヴ
気分は... :パワー不足(泣)

仕事に忙殺されてブログ更新する時間がありません(泣)
気力・体力ともにパワー不足(泣)

Big Boss ManのフロントマンNasser Bouzidaのソロ・プロジェクトThe Bongolianの1stアルバム『The Bongolian』(2002年)です。

The Bongolianの紹介は、3rdアルバム『Outer Bongolia』(2007年)に続き2回目となります。The Bongolian名義ではそれ以外に2ndとなる『Blueprint』(2006年)もリリースしています。

Big Boss Manは、Nasser Bouzida、Trevor Harding、Scott Milsom、Nick Nicholsの4人組。ハモンドオルガンを中心にしたファンキーでグルーヴィーなサウンドを聴かせるグループです。これまで『Humanize』(2001年)、『Winner』(2006年)、『Full English Beat Breakfast』(2009年)といったアルバムをリリースしています。

そんなBig Boss ManのフロントマンNasser Bouzidaがスタートさせたソロ・プロジェクトがThe Bongolian。おそらくプロジェクト名は当ブログでも紹介したThe Incredible Bongo Bandのファンキー・チューン「Bongolia」に由来したものだと思います。

サウンドもプロジェクト名の通り、100%のボンゴ・ヴァイヴスでソウル/ジャズ/ファンク/ラテンロックを融合させたクロスオーヴァーなファンキー・グルーヴです。

1stとなる本作『The Bongolian』は、以前に紹介した3rdアルバム『Outer Bongolia』ほど"モッド&モンド"なクセはありませんが、モッドな雰囲気が漂うグルーヴィー・チューンが揃っています。

パワー不足を立て直すために、元気な音楽を聴かないとね!

全曲紹介しときやす。

「Rollin With You」
Booker T. & the MG'sあるいはBrian Auger & The Trinityあたりがお好きな人はグッとくるであろうグルーヴィー・チューン(他の曲もそうですが)。

「Merve Plays Vibes」
モッド&モンドな雰囲気が漂うThe Bongolianらしい1曲。このクセのある雰囲気もThe Bongolianの魅力ですね。

「Bongohead」
本作のハイライト。シングルにもなりました。ボンゴのパカポコ感が満喫できるパーカッシヴなファンキー・チューン。聴いているだけでみんな脳内が侵食されてBongoheadになりそう(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=lTAgGvePfeM

「The Fatback Showdown」
ソウルフルなハモンド・オルガン・グルーヴが堪能できます。ソウルフルな中にもどこかB級なスペイシー感があるのがいいですね。

「Champagne And Pizza」
「Bongohead」と並ぶ本作のハイライト。センスの良さでは本曲が一番かもしれませんね。小粋なハモンドとパーカッシヴなリズムがマッチした切れ味鋭いファンキー・グルーヴ。

「Dirt Sweat And Bones」
パーカッションに負けじとドラムブレイクも格好良い1曲。途中Bob James「Take Me to the Mardi Gras」風のリズムが飛び出すのも楽しいですね。

「Madman In Africa」
タイトルからも想像できるようにFela Kutiあたりを意識したような覚醒的なオルガン・サウンドが飛び出すアフロビート風の仕上がり。

「The Shackles Of Ramm」
個人的には「Bongohead」「Champagne And Pizza」と並ぶお気に入り曲。パーカッション&オルガンを前面に押し出し、思い切りハジけて楽しんでいる感じが大好きです。

「Flight Through The Five Galaxies」
サイケ&スペイシーな雰囲気も漂うオルガン・グルーヴ。トリップ感のあるサウンドにグッときます。

「16 Valve News Reel」
ラストはクール&ダークな雰囲気が格好良いクロスオーヴァーなグルーヴィー・チューン。色々な音楽の要素が抜群のセンスでギュっと詰め込まれています。

『Blueprint』(2005年)
Blueprint

『Outer Bongolia』(2007年)
Outer Bongolia

Big Boss Man『Humanize』(2001年)
Humanize

Big Boss Man『Winner』(2006年)
Winner

Big Boss Man『Full English Beat Breakfast』(2009年)
Full English Beat Breakfast
posted by ez at 18:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

Lill Lindfors『Du Ar Den Ende』

クラブシーンで再評価が高まっているスウェディッシュ女性シンガー☆Lill Lindfors『Du Ar Den Ende』
たった一人のあなた
録音年:1966年
ez的ジャンル:北欧ボッサ系女性ジャズ・シンガー
気分は... :たった一人のあなたに...

今回は90年代後半からクラブシーンで再評価が高まっているスウェディッシュ女性シンガーLill Lindforsのアルバム『Du Ar Den Ende』(1966年)です。

4月に入ってから、落ち着かない日々が続きます。
そんな中、本作の『たった一人のあなたに』という邦題にグッときて、鎮静剤代わりに聴きたくなりました...

Lill Lindforsは1940年フィンランド、ヘルシンキ生まれの女性シンガー。スウェーデンのストックホルム近郊で育ち、1960年代初めから芸能活動を開始し、今日まで歌手、テレビ司会者等として活躍しているようです。全く把握できていませんが、シンガーとして20枚以上のアルバムをリリースしているらしいです。

そんなLill Lindfors作品の中でも本作『Du Ar Den Ende』はスウェーデン国内で20万枚以上のセールスを記録した大ヒット・アルバムのようです。

このキュートな表情のLindforsがキメ・ポーズで見つめるジャケだけで名盤の雰囲気が漂いますよね(笑)

基本的にはジャズ・シンガーに分類される人ですが、当ブログでも大プッシュのデンマークの女性シンガーBirgit Lystager同様、ブラジル音楽、ソフト・ロックの要素を積極的に取り入れている点が今日再評価されているのだと思います。僕もそんな魅力に惹かれています。

Birgit Lystagerのようにキュートな女性シンガーってイメージで聴いたのですが、曲によっては意外と個性的なヴォーカルを聴かせてくれます。

ここ数年欧州女性SSW/シンガーにハマっている僕ですが、本作のようなキュートな作品が40年以上前にあったからこそ、そうした系譜が脈々と受け継がれているのかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Du Ar Den Ende」
1952年のフランス映画『Jeux interdits(禁じられた遊び)』で一躍有名になったスペイン民謡「Romance D'Amour」のカヴァー。
ストリングスをバックに哀愁モードのヴォーカルを聴かせてくれます。

「Fri Som En Vind」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作「Canto de Ossanha」のカヴァー。ブラジル音楽ファンの方はぜひチェックを!巻き舌交じりのLindforsのヴォーカルはなかなかパンチがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=PMpdW8FQHFY

「Din Skugga Stannar Kvar」
アカデミー歌曲賞を受賞した映画「いそしぎ(he Shadow of Your Smile)」の主題歌カヴァー(Johnny Mandel作品)。当ブログではJohn PattonLou DonaldsonJohnny LytleThe Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimitedのカヴァーを紹介済みです。

Astrud Gilbertoのヴァージョンでもお馴染みの曲ですね。Astrudヴァージョンがお好きな人は、ボッサな本ヴァージョンも気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=U8wbVPVLLfs

「En San Karl」
Les Reed/Barry Mason作「Just Like A Man」のカヴァー。何処となくモータウンなバックと、スウェディッシュな語感のヴォーカルが生み出す独特の雰囲気が面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gj6TnDqMBKw

「An En Gang」
イナたい雰囲気のポップス。この垢抜けない感じも北欧らしいかも(笑)

「Ingen Kom」
Sandie Shawヴァージョンで知られる「Girl Don't Come」(Chris Andrews作)のカヴァー。少し寂しげな雰囲気がグッとくるキュートなポップ・チューン。

Sandie Shaw「Girl Don't Come」
 http://www.youtube.com/watch?v=gFOvNRlE4Kk

「Flickan I Havana」
「ハヴァナの娘」。スウェーデンの吟遊詩人Evert Taube の作品。小粋なバックとキュートなLindforsのヴォーカルがよくマッチしています。

「Hor Min Samba」
Jorge Ben作の名曲「Mas Que Nada」のカヴァー。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Tamba Trioのヴァージョンを紹介済みです。

ここではスウェディッシュ・ヴァージョンとして聴くことができます。サウンドはジャズ・サンバしてますが語感がいつも聴いているのと違うので面白く聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=ViHWu72iwjk

「Sa Skimarande Var Aldrig Havet」
「Flickan I Havana」に続きEvert Taube作品。ロマンチックな雰囲気のアコースティック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=oEdiDFbN9MU&feature=related

「Jag Tycker Inte Om Dej」
北欧ボッサ好きにはグッとくるロマンチックな仕上がり。ここでのLindforsは実におしとやかなヴォーカルを聴かせてくれます!
http://www.youtube.com/watch?v=qb6el4bwFKM
 
「Du For Mej」
Unit 4 + 2のシングル「Concrete And Clay」のカヴァー。メキシカン・テイストも効いたポップ・チューン。

Unit 4 + 2「Concrete And Clay」
 http://www.youtube.com/watch?v=76DwlgQXWmo

「Alltid Nat Sam Far Mej Att Minnas」
Hal David/Burt Bacharach作品「Always Something There To Remind Me」のカヴァー。ボッサ・テイストの素敵なポップ・チューン。コーラスの語尾がハッキリしているのがスウェーデン語らしいのでしょか?

「Lat Mej va_de' E'BRA」
Bob Dylan「Don't Think Twice It's Alright」のカヴァー。ボッサな仕上がりがいいですね。英語ではないので全然Dylanらしくありません(笑)

「Amanda Lundmon」
ラストは小粋なジャズ・チューン。アルバムで一番ジャズ・ヴォーカルっぽいのでは?ヴィヴィッドなLindforsのヴォーカルが実に魅力的です。

Birgit Lystagerのヴァージョンでもお馴染み「Tristeza」のカヴァーを収録した『Kom I Min Varld』(1968年)も聴いてみたいですね。CD化されないかなぁ。
posted by ez at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする