2010年04月08日

Sergio Mendes & Brasil '66『Crystal Illusions』

Dave Grusinがアレンジを担当、第2期Brasil'66を代表する1枚☆Sergio Mendes & Brasil '66『Crystal Illusions』
Crystal Illusions
発表年:1969年
ez的ジャンル:オシャレ系ボッサ・ジャズ/ポップ
気分は... :「Pretty World」サイコー!

まずはサッカーの話題から...

UEFAチャンピオンズリーグは準々決勝の残り2試合が行われ、バイエルンとリヨンが勝ちました。マンチェスターUがバイエルンに敗れたのは意外でしたね。開始直後の連続2得点でマンU圧勝と思いましたが...サッカーは怖いですね。それにしてもロッペンの決勝ゴールは素晴らしかった!

マンUとアーセナルの敗退でイングランド・プレミア勢が全て姿を消してしまったのは残念ですが、たまにはこういう年があってもいいのかもしれませんね。

これで準決勝は「インテル対バルセロナ」「バイエルン対リヨン」の組み合わせとなりました。

まぁ、順当に考えれば「インテル対バルセロナ」が実質上のファイナルという気がします。最強バルサにモウリーニョのインテルがどんな策に打って出るのか楽しみですね。

さてSergio Mendesの5回目の登場です。

これまで紹介してきたSergio Mendes作品は以下の4枚。

 『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
 『Equinox』(1967年)
 『Look Around』(1968年)
 『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)

5枚目に紹介するのは『Crystal Illusions』(1969年)です。

最新作『Bom Tempo』をリリースしたばかりのSergio Mendes

僕もCDショップで軽く試聴しましたが、『Timeless』(2006年)、『Encanto』(2008年)という前2作と比較すれば、よりSergio Mendesらしい作品に仕上がっている印象を受けました。

それでもセルメン聴くならば、まずは60年代、70年代でしょ!ということで今回は『Crystal Illusions』(1969年)です。

Brasil'66としては、『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)、『Equinox』(1967年)、『Look Around』(1968年)、『Fool on the Hill』(1968年)に続く5thアルバムとなります。

前作『Fool on the Hill』でメンバー・チェンジを断行し、Sergio Mendes(key)、Lani Hall(vo)以外はメンバー一新となりました。新メンバーはKaren Philipp(vo)、Sebastiao Neto(b)、Dom Um Romao(ds)、Rubens Bassini(per)の4名。実質上はこの6名にOscar Castro-Neves(g)が加わり、第2期Brasil'66を形成していきます。

第2期Brasil'66の特色としてオーケストレーションの大幅導入が挙げられますが、本作ではDave Grusinがオーケストレーションのアレンジ・指揮を担当しています。

ハイライトとなる「Pretty World」をはじめ、セルメンらしいライト&ソフトなボッサ・サウンドとオーケストレーションが上手く融合した完成度の高い1枚だと思います。

セルメン好きには間違いない1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「(Sittin' On) The Dock of the Bay」
ご存知Otis Reddingの名曲カヴァー(Otis Redding/Steve Cropper作)。アルバムからの2ndシングルになっています。 オリジナルとは全く異なるソフトタッチな仕上がりですが、なかなか雰囲気があっていい感じだと思います。Otis自身のヴォーカルがなくても楽曲自体が素晴らしいことを実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=IOSwQAnld1Y

「Viola」
Marcos Valleのカヴァー(Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作品)。Marcosのオリジナルは『Viola Enluarada』(1968年)に「Viola Enluarada」のタイトルで収録されています。ボッサ・サウンドとオーケストレーションのブレンドが絶妙な第2期Brasil '66らしいアレンジ・センスを堪能できる1曲です。

Marcos Valle「Viola Enluarada」
 http://www.youtube.com/watch?v=e601AKwAh_g

「Song of No Regrets」
Lani Hall/Sergio Mendes作のオリジナル。Lani HallのヴォーカルとDave Grusinによるオーケストレーションを前面に打ち出しています。

「Salt Sea」
Lani Hall/Sergio Mendes/Sebastiao Neto作のオリジナル。決して派手な楽曲ではありませんが、小粋なボッサ・チューンに仕上がっています。Oscar Castro-Nevesのギターがいいですね。

「Empty Faces」
Milton Nascimentoのカヴァー(原題 「Vera Cruz」)。Miltonのオリジナルは『Courage』(1968年)に収録されています。当ブログではElis Reginaのカヴァー(アルバム『Elis, Como e Porque』)も紹介済みです。

セルメン・ヴァージョンもオリジナルの幻想的&パーカッシヴな雰囲気を上手く活かしつつ、よりソフト&キャッチーに聴かせてくれます。Oscar Castro-NevesのギターとRubens Bassiniのパーカッションが大活躍です。

「Pretty World」
本作のハイライト。アルバムからの1stシングルにもなりました(Antonio Adolfo作、原題「Sa Marina」)。誰しもがラブリー&ハッピー・モードになれる至極の1曲ですね。個人的には当ブログでも紹介したBirgit Lystagerヴァージョン(「Vores Eget Lille Sted」としてアルバム『Birgit Lystager』収録)も超お気に入りです。また、小野リサ・ヴァージョンもセットで聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=yla_z-aFjn0

Lisa Ono「Pretty World」
 http://www.youtube.com/watch?v=QtAFiN6YT8c

「Dois Dias」
Nelson Motta/Dorival Caymmi作品。意外と地味な扱いになっていますが、個人的にはかなり好きです。オーケストレーションが入りつつ、ブラジル色もきちんと打ち出しているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qt6AzeKlucs

「You Stepped out of a Dream」
Gus Kahn作詞、Nacio Herb Brown作曲によるスタンダード(1940年)。本作らしいエレガントなアレンジにグッときます。適度にパーカッシヴなのも僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=4N3I31MNFKQ

「Crystal Illusions (Memorias de Marta Sare) 」
タイトル曲はEdu Lobo/Johnny Guarnieri/Lani Hall作。当ブログではElis Reginaのカヴァー(アルバム『Elis, Como e Porque』)も紹介済みです。ここでは幻想的なアレンジが印象的です。

未聴の方は他のBrasil'66の60年代作品もチェックしてみて下さい。

『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
マシュ・ケ・ナーダ

『Equinox』(1967年)
分岐点~コンスタント・レイン

『Look Around』(1968年)
Look Around

『Fool on the Hill』(1968年)
フール・オン・ザ・ヒル

強力プッシュはしませんが、気になる方は新作もチェックしてみて下さい。

『Bom Tempo』
ボン・テンポ
posted by ez at 09:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする