2010年04月11日

Erykah Badu『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』

遂に発売されたNew AmerykahシリーズのPart Two☆Erykah Badu『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』
New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
発表年:2010年
ez的ジャンル:進化形ネオ・ソウル
気分は... :初期の雰囲気も漂います!

Erykah Baduの新作『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』です。

Erykah Baduの紹介は、『Mama's Gun』(2000年)、『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)に続き3回目となります。

本作『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)に続く、New AmerykahシリーズのPart Twoとして当初は2008年中にリリースされる予定の作品でしたが、ようやく今春リリースとなりました。

ジャケからしてかなりハイパーな内容をイメージしそうな新作ですが、内容は意外と初期の雰囲気も漂うキャッチーなネオ・ソウルに仕上がっています。サンプリング・ネタのセレクトも僕好みでグッときます。

プロデューサー陣は9th WonderJames PoyserShafiq HusaynSa-Ra Creative Partners)、MadlibGeorgia Anne Muldrowといった前作から引き続き参加のメンバーに加え、故J Dilla、Ta'Raach、Karriem Rigginsらが起用されています。

アルバムの内容以上に先行シングル「Window Seat」のPVが話題ですね。

ダラスのJFK暗殺現場で全裸撮影を行ったことでダラス市警より罰金を科せられると共に、バッシングを受けている模様です。

ただし、そんな大論争となったPV騒ぎも手伝ってか、アルバムは全米アルバム・チャート第4位、同R&Bアルバム・チャート第2位とまずまずのチャート・アクションを見せています。

『Baduizm』(1997年)あたりの初期作品がお好きな方も楽しめる1枚だと思います。勿論、時代を逆戻りしたのではなく、しっかり2010年らしいネオ・ソウルに仕上がっていますよ。

全曲紹介しときヤス。

「20 Feet Tall」
オープニングはErykah Badu & 9th Wonderプロデュース。Erykahと9th Wonderの個性が融合し、独特の浮遊感を持つ音空間をクリエイトしています。Wood Brass & Steel「My Darling Baby」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=pwXwMCpgGV8

「Window Seat」
前述のように物議をかもしたPVで話題となったアルバムからの先行シングル。プロデュースはErykah Badu & James Poyser。The Rootsの?uestloveも参加しており、内容的にもSoulquarians好きはグッとくネオ・ソウル・チューンに仕上がっています。PV抜きにしても十分楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=hI3TZOSP0E4

「Agitation」
Sa-Ra Creative PartnersのShafiq Husayn参加曲。1分半強の短い曲ですが、Sa-Raのハイパー音空間をErykahが駆け抜けます。David Sancious「Just As I Thought」をサンプリング
http://www.youtube.com/watch?v=fEiFVU1LxSo

「Turn Me Away (Get MuNNY)」
Karriem Riggins(ds)、James Poyser(key)、Stephen "Thundercat" Bruner(b)、Tommy Trajlio(g)等がバックを務める生音グルーヴをバックに、Erykahがブリっ子ヴォーカルを聴かせてくれます。Sylvia Striplin「You Can't Turn Me Away」のフレーズが聴こえてくるあたりがレア・グルーヴ好きにはグッときます。Erykah Baduプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=67Jn3pcc178

「Gone Baby, Don't Be Long」
Erykah Badu & Ta'Raachプロデュース。Paul McCartney & Wings「Arrow Through Me」をサンプリングした浮遊するグルーヴ感がグッとくるミッド・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=78FZdyM5-PI

元ネタのPaul McCartney & Wings「Arrow Through Me」はアルバム『Back To The Egg』(1979年)で一番好きな曲でした。久々に聴いたら、懐かしさが込み上げてきました。
Paul McCartney & Wings「Arrow Through Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=IS8eKFdNWVE

「Umm Hmm」
Erykah Badu & Madlibプロデュース。Ndugu & The Chocolate Jam Co.「Take Some Time」をサンプリングし、キャッチーなネオ・ソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=p0S9UuEoR8s

元ネタのNdugu & The Chocolate Jam Co.「Take Some Time」自体がいい曲ですね。
Ndugu & The Chocolate Jam Co.「Take Some Time」
 http://www.youtube.com/watch?v=-yn70Qi-D_w

「Love」
J Dillaプロデュース。故J DillaプロデュースのトラックにErykahが手を加えたもの。Fabulous Souls「Take Me」ネタのトラックとErykahのキュートなヴォーカルの絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=3-3Ilewedf8

「You Loving Me (Session)」
Erykah Baduプロデュース。インタールード的な1分強の小品。

「Fall in Love (Your Funeral)」
Karriem Rigginsプロデュース。アルバムでも1、2位を争うキャッチーな仕上がりのミッド・グルーヴ。従来からのファンはこういう曲を聴きたかったのでは?Eddie Kendricks「Intimate Friends」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=U7mhDSIM73k

「Incense」
Madlibプロデュース。Madlibのクリエイトするスペイシーな音世界の中をKirsten Agnestaの奏でるハープが響き渡るミステリアスな仕上がりの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=a4QGNe6z5rs

「Out My Mind, Just in Time」
Movement IからIIIの三部構成から成る10分超の大作です。ジャジーなMovement Iに続き、ミステリアスなMovement II & IIIへと突入します。Movement II & IIIはGeorgia Anne Muldrowがプロデュースしています。先日、新作『Kings Ballad』を紹介したばかりのGeorgia Anne Muldrowですが、彼女の持つハイパー感覚とErykahの相性はバッチリですね。
http://www.youtube.com/watch?v=q4PRpAt2iOc

iTunesのボーナス・トラックとして「Jump Up in the Air (Stay There)」があるようです。

Part Oneを未チェックの方はこれを機会にセットでどうぞ!

『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)
New Amerykah, Pt. 1: 4th World War

もうすぐサッカー伝統のクラシコ「レアル・マドリード対バルセロナ」です。今回は見所も多く、かなり期待しています。早く寝て早起きしようっと!
posted by ez at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする