発表年:1999年
ez的ジャンル:The Roots系ジャジー・ソウル
気分は... :ジャジーな哀愁モードで...
今回は女性R&BデュオJazzyfatnasteesのデビュー・アルバム『The Once and Future』(1999年)です。
JazzyfatnasteesはTracey MooreとMercedes Martinezの2人から成る女性R&Bデュオ。
元々は4人組ユニットとしてL.A.で活動していましたが、メンバーが脱退し2人組となってしまいます。そこで、The Rootsの設立したレーベルMotiveの第一弾アーティストとして契約することに成功し、フィラデルフィアで再スタートをきることになりました。
その後、Stevie Wonder「Cold Chill」(アルバム『Conversation Peace』収録)、The Rootsの『Illadelph Halflife』、『Things Fall Apart』、Outkast「Jazzy Belle」(アルバム『ATLiens』収録)、De La Soul「Baby Baby Baby Baby Ooh Baby」(アルバム『Stakes Is High』収録)、Eric Benet & The Roots「Why」(映画『Ride』サントラ収録)等へ参加し、キャリアを積み重ねていきます。
Outkast「Jazzy Belle」
http://www.youtube.com/watch?v=IW-9eOPAWdA
Eric Benet & The Roots「Why」
http://www.youtube.com/watch?v=bygPjmVTGP4
そして、1999年に満を持してデビュー・アルバム『The Once and Future』をリリース。その後Motiveを離れ、2ndアルバム『The Tortoise & the Hare』(2002年)をリリースしています。
その後のグループの活動は詳しく知りませんが、MartinezはThe Rootsの『Game Theory』(2006年)にも参加しています。
今日紹介するデビュー・アルバム『The Once and Future』(1999年)は前述のように、The Rootsの設立したレーベルMotiveの第一弾アーティストのデビュー作として、The Rootsがエグゼクティヴ・プロデューサーにも名を連ねています。
Richard NicholsとScott Storchが中心となってプロデュースを担当し、?uestlove、Leonard "Hub" Hubbard、Anthony Tidd、Chalmers "Spanky" AlfordといったThe Rootsメンバーやそのサポート・メンバーがプロデュース&演奏で参加しています。また、70年代のフィリー・サウンドを支えた重要人物Larry Goldもプロデュース&ストリングス・アレンジ&チェロ演奏で参加しています。
内容的にはグループ名そのままのジャジー・ソウル満載です。クールに揺らぐジャジー・グルーヴをバックに、Tracey MooreとMercedes Martinezの2人がそれぞれ魅力的なヴォーカルを聴かせてくれます。
本作と前後してThe Rootsはアルバム『Things Fall Apart』をリリースしており、勢いに乗っていた時期です。そんなパワーが本作にも感じられます。
ジャジー・ソウル好きの方はぜひ!
全曲紹介しときやす。
「The Wound」
「Let It Go」と並ぶ本作のハイライト。Jazzyfatnasteesらしい哀愁のジャジー・グルーヴ。淡々としたリズムをバックに憂いを帯びたTraceyのヴォーカルとフェンダー・ローズの音色の絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=tVeS1O5AmKc
「How Sad」
Mercedesのキュートなハスキー・ヴォーカルを堪能できます。哀愁モードながらもなかなかグッときます。
「Breakthrough」
ジャジー・モードで妖艶に迫ります。 Scott Storch、?uestlove、Leonard "Hub" Hubbardらによるブルージーなバッキングがサイコー!
「Unconventional Ways」
二人のヴォーカルとScott Storchのフェンダーローズの音色が織り成す哀愁メロウ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=DBCILRZPGfs
「Hear Me」
歌詞の内容はなかなかディープですが、サウンドは実にエレガントなジャジー・グルーヴに仕上がっています。Larry Goldによるオーケストラ・アレンジもグッド!
「Sail the Seas」
シリアス・モードの哀愁バラード。歌詞の内容もなかなかへヴィです。
「Related to Me」
僕の一番のお気に入り曲。Mercedesのキュートなヴォーカルの魅力を堪能できる優しい美メロ・チューン。聴いているだけで心が穏やかになります。
「The Lie」
哀愁ジャジー・グルーヴ。The Beatles「Eleanor Rigby」のフレーズも飛び出します。
「Why」
前述のEric Benet & The Roots「Why」とは同名異曲です。 哀愁モードながらも歯切れの良い仕上がりです。
「Let It Go」
グループの代表曲。「The Wound」と並ぶ本作のハイライト。映画『Down in the Delta』のサントラにも挿入されていた哀愁ジャジー・グルーヴ。ただし、サントラ収録曲はJazzyfat-nastees feat. The Roots名義であり、ヴァージョンも本作とは異なります。The Roots好きの人であればグッとくる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Uri2aquiJR4
興味がある方は2nd『The Tortoise & the Hare』(2002年)もチェックしてみて下さい。
『The Tortoise & the Hare』(2002年)