発表年:1971年
ez的ジャンル:プエルトリカン・ギタリスト/シンガー・ソングライター
気分は... :ジャケが素敵ですね!
プエルトリコ出身の盲目のギタリスト/シンガー・ソングライターJose Felicianoの2回目の登場です。
『And the Feeling's Good』(1974年)に続き紹介するのは、1971年リリースの『That The Spirit Needs』です。
今年に入り『Feliciano!』(1968年)、『10 To 23』(1969年)、『That The Spirit Needs』(1971年)、『And the Feeling's Good』(1974年)といった作品が紙ジャケ仕様で再発となり、購入した1枚です。
僕の場合、フリーソウルの流れからJose Felicianoを聴くようになったので、やはりフリーソウル人気曲の「Wild World」(Cat Stevensのカヴァー)収録の『That The Spirit Needs』(1971年)や、「Golden Lady」(Stevie Wonderのカヴァー)収録の『And the Feeling's Good』(1974年)といった作品への関心が高くなってしまいます。
正直、Jose Felicianoのディスコグラフィって、英語作品とスペイン語作品があり全然把握できていないのですが、本作『That The Spirit Needs』が発表された1971年だけでも相当数のアルバムをリリースしているようであり、当時のFelicianoの創作意欲の高さを窺うことができますね。
何となくカヴァーのイメージの強いアーティストですが、本作では全11曲中8曲がオリジナル楽曲で占められています。
プロデュースはJose Feliciano本人と彼の奥方であったJanna Merlyn Feliciano(Hilda Felicianoの同一人物)。Geroge Tiptonがオーケストラ・アレンジを担当しています。演奏はJose Felicianoとドラム/パーカッションのPaulinho Magahalesの二人が中心であり、それ以外にJim Horn、Buddy Emmons、Earl Palmer等少数のゲストが参加しています。
Jose Feliciano=ラテンのイメージが強い方もいるかもしれませんが、本作ではソウル、ゴスペル、ブラジル、スワンプ、サイケ、ロックン・ロール等彼の幅広い音楽性を聴くことができます。ギターの名手であり、そのギター・プレイを堪能できますが、同時にソウルフルなヴォーカルもかなりグッときます。
紙ジャケ再発で素敵なアルバム・ジャケをじっくり眺めることができるのも嬉しいですね。
全曲紹介しときやす。
「Come Down Jesus」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。シングルにもなったゴスペル・ソング。アメリカでは不発でしたが、欧州ではヒットしたようです。オーケストラも入った感動的な仕上がりです。
「The Spirit」
Jose Feliciano/Edward T. Conley作。アルバム・タイトルは本曲の歌詞の一節から付けれているとのこと。Jose FelicianoとパーカッションのPaulinho Magahalesの二人のみの演奏らしいですが実にパワフルで素晴らしいです。「Wild World」と並ぶ僕のお気に入り。
「Wild World」
前述のように本作のハイライト。フリーソウルのコンピ『Free Soul Walk』にも収録されていました。1971年のCat Stevensのヒット曲カヴァー。JoseのギターJim Hornのフルートが涼しげに響くブラジリアン・グルーヴ。Joseのヴォーカルも快調だし、コーラスのリフレインも盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=mwRnhwGJluo
本曲はJose Feliciano以外にもJimmy Cliff、Bette Midler、Maxi Priest、Mr. Big等数多くアーティストがカヴァーしていますね。個人的にはMaxi Priestのカヴァー(アルバム『Maxi Priest』収録)はよく聴きました。Joseヴァージョンとは全くイメージが異なりますが。
Cat Stevens「Wild World」
http://www.youtube.com/watch?v=y8pvXLVu8Yk
Maxi Priest「Wild World」
http://www.youtube.com/watch?v=S4ZWD_0VRK8
「Border Song」
Elton John作品のカヴァー(Bernie Taupin/Elton John作)。オリジナルはEltonの2nd『Elton John』(1970年)に収録されています。当ブログではAretha Franklinのカヴァー(アルバム『Young, Gifted And Black』収録)も紹介しています。Felicianoヴァージョンも味わい深く感動的な仕上がりです。Felicianoのヴォーカル&声質と曲は実にマッチしています。
Elton John「Border Song」
http://www.youtube.com/watch?v=Lm7b-32Mpbs
「Only Once」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。哀愁のスパニッシュ・ギターがグッときます。シングル「Come Down Jesus」のカップリング曲でした。
「Take Me To The Pilot」
Elton John作品のカヴァー(Bernie Taupin/Elton John作)。オリジナルは「Border Song」同様『Elton John』(1970年)に収録されています。アーシーなスワンプ調の仕上がりがサイコーです。ソウルフルな女性コーラス隊もグッド!
Elton John「Take Me To The Pilot」
http://www.youtube.com/watch?v=Fi0xN499IXE
「She Let Me Down」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。哀愁のラテン・チューン。ノスタルジックなアレンジが逆にグッときます。
「Daytime Dreams」
Jose Feliciano/Hilda Feliciano作。Joseのギターとオーケストレーションが実にロマンチックなバラード。思わずリピートして何度も聴いてしまうロマンチックな仕上がりです。
「My Last Farewell」
Jose Feliciano/Edward T. Conley作。スティール・ギターの大物Buddy Emmonsがゲスト参加しています。フォーク・カントリー調の味わい深い仕上がり。名手二人のギターを堪能しましょう。
「Mellow Feeling」
Jose Feliciano作。タイトルとは裏腹にサイケ・チューンです。
Jose Feliciano作。ラストはCCR調のロックン・ロールです。FelicianoはJimi Hendrixとも交流があったようなので、彼への追悼の意味も込められているのかもしれませんね。60年代後半のサイケ&フラワーな雰囲気がプンプンします。
「Pay Day」
Jose Feliciano作。ラストはCCR調のロックン・ロールです。CCRの曲として聴かせても気付かれないかもしれません。
他の紙ジャケ再発作品もどうぞ!
『Feliciano!』(1968年)
「Light My Fire」「California Dreamin'」「And I Love Her」等収録のヒット作。
『10 To 23』(1969年)
日本での最大のヒット「Rain」や「Hey Jude」収録
『And the Feeling's Good』(1974年)
人気曲「Golden Lady」収録。