2010年05月26日

Jackie McLean『Demon's Dance』

人気曲「Sweet Love Of Mine」収録☆Jackie McLean『Demon's Dance』
デモンズ・ダンス
録音年:1967年
ez的ジャンル:エレガント&ハードボイルド系ジャズ
気分は... :さすが世界の伊達!

もう一昨日のことですが、サッカー日本代表の試合は酷かったですね。
現状では韓国との間に実力差があることは予想していましたが、予想以上に悲惨な内容でした。岡崎1トップや中村俊、遠藤を中心としたパスサッカーはW杯本選レベルでは無理ということを露呈してしまった気がします。

まぁ、終わったことをあれこれ文句言っても仕方ありませんが、少なくとも選手起用や戦術は見直して欲しいですね。今まで積み上げたものに固執するよりは、急ごしらえでもゼロベースで再考した方が可能性は高まると思います。その意味では監督交代してしまうのが、一番効果的だと思いますが(笑)

今からでもメンバー入れ替えて石川、前田あたりを加えて欲しいですね。

モヤモヤ・モードのサッカーに比べて、全仏オープン・テニスのクルム伊達の鮮やかな逆転勝利はスッキリしましたね。まさか昨年準優勝のサフィナに勝利するとは思いませんでした。

負傷しながらも粘りと強靭な精神力での逆転勝利!さすが世界の伊達!ですね。まさに世界での経験値が生んだ勝利だと思います。サッカー日本代表とは雲泥の差ですな。

今回は哀愁のアルト・サックス奏者Jackie McLeanの2回目の紹介です。

『Right Now!』に続き紹介するのは、1967年にレコーディングされた作品『Demon's Dance』です。

McLeanにとっては長年在籍してきたBlue Noteでの最後の録音となります。そして、その後5年間は活動を休止してしまいます。その意味でも彼のキャリアの大きな区切りとなった作品かもしれませんね。

印象的なアルバム・ジャケはドイツ出身の画家Abdul Mati Klarweinによるものです。実は僕が本作に惹かれたのはジャケでした(笑)

Abdul Mati KlarweinMiles Davis『Bitches Brew』、『Live-Evil』、Santana『Abraxas』、Earth, Wind & Fire『Last Days and Time』、Gregg Allman『Laid Back』等のジャケも描いています。僕はこの5枚の作品は全て保有しており、知らず知らずのうちに彼の画風に愛着を感じていたのかもしれません。

レコーディング・メンバーはJackie McLean(as)、Woody Shaw(tp)、LaMont Johnson(p)、Scott Holt(b)、Jack DeJohnette(ds)という布陣です。

特にWoody ShawJack DeJohnetteの参加が魅力ですね。Woody Shawは主役のMcLeanに劣らぬ素晴らしい演奏を聴かせてくれます。また、とびきりの名曲「Sweet Love Of Mine」をはじめ楽曲提供でも大きく貢献しています。Jack DeJohnetteのスリリングな天才的ドラムは本作の陰の主役かもしれませんね。

ジャケからは『Bitches Brew』、『Live-Evil』のような音をイメージしてしまいますが、中身はオーソドックスかつスタイリッシュな60年代後半のジャズ・アルバムといった印象です。

キャッチーな演奏が多く、僕のように永遠のジャズ初心者タイプの人にはピッタリの内容です。

全曲紹介しときやす。

「Demon's Dance」
ジャケと合致する魔術イメージのタイトルですが、演奏はスケールの大きいモーダル・チューンに仕上がっています(Jackie McLean作)。地を這うHoltのベース、激しくロールするDeJohnetteのドラムが生み出す魔界のリズムをバックに、McLeanやShawがダンスを踊ってみせます。特にShawのトランペットが快調ですね!DeJohnetteのテンションの高さが演奏全体を熱いものにしています!激しさと優雅さが同居する不思議な雰囲気の演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=zcoaxv14H5k

「Toyland」
Cal Massey作のバラード。McLeanらしい哀愁のアルトを堪能できます。McLean節を堪能したい方は存分に楽しめます。Johnsonのリリカルなピアノもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=sc658Goj_jE

「Boo Ann's Grind」
Woody Shaw作のアップ・チューン。変幻自在なDeJohnetteのドラムに導かれ、McLeanやShawが熱いソロを展開します。こういうスリリング演奏大好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=M3Kwsl0Vg9E

「Sweet Love Of Mine」
本作のハイライト。Woody Shaw作の名曲です。ボッサ・リズムをバックに美しいテーマが流れ、さらにMcLean→Shaw→Johnsonのソロへと続きます。特に作者Shawのプレイが素晴らしいですね。小粋でエレガントな雰囲気がたまらんですな!ジャズ好き以外の人もグッとくるであろうスウィート&キャッチーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=fLN5zp2SV_I

「Floogeh」
Jackie McLean作。「Boo Ann's Grind」同様、スピーディーなアップ・チューン。良くも悪くもスマートな演奏ですかね。
http://www.youtube.com/watch?v=puMpwGLzwRo

「Message From Trane」
タイトルからもわかるように、録音の約5ヶ月前に亡くなったJohn Coltraneに捧げられ楽曲です(Cal Massey作)。わかりやすいメロディとスタイリッシュな雰囲気が大好きです。ラストはDeJohnetteがド迫力のドラム・ソロで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=yxlBRf6cEWY

ジャケ・デザインを手掛けたAbdul Mati Klarweinについては、しばらくご無沙汰しているジャケ企画で取り上げてみたいですね。そのうち記事にしたいと思います。
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2010年05月24日

The S.O.S. Band『Just the Way You Like It』

80年代で一番好きなアルバム☆The S.O.S. Band『Just the Way You Like It』
ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・ライク・イット+4
発表年:1984年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :音楽ライフを変えた1枚♪

UEFAチャンピオンズリーグ決勝「バイエルン対インテル」はインテルの快勝でしたね。

前半はバイエルンが優勢な時間帯もありましたが、先制点を奪われてからはインテルの術中にはまった感じでしたね。

こうなるとモウリーニョの去就が気になりますが、今日からサッカーはW杯モードで楽しまないといけませんね。

さて、今日はThe S.O.S. Bandの5thアルバム『Just the Way You Like It』(1984年)です。

The S.O.S. Bandの紹介は、『Sands of Time』(1986年)、『Too』(1981年)に続き3回目の紹介となります。

本作は人気プロデューサー・チームJam & Lewisが大きく関与した4th『On the Rise』(1983年)、5th『Just the Way You Like It』(1984年)、6th『Sands of Time』(1986年)という3枚の中の1枚です。

本作時点でのバンド・メンバーはJason Bryant(key、vo)、Mary Davis(vo)、Billy Ellis(s)、Sonny Killebrew(s)、Abdul Raoof(tp、vo)、John Simpson(b)、Bruno Speight(g)、Jerome Thomas(ds、per)という編成です。

以前のエントリーでも書きましたが、本作『Just the Way You Like It』は僕の音楽ライフに大きな影響を与えた1枚です。僕をブラコン好きに変えた1枚であり、学生時代の思い出が詰まった1枚でもあります。個人的には80年代で一番好きなアルバムかもしれません。

LP時代からCD時代へと突入し、手持ちLPのお気に入り作品の中から最初にCDで買い直したのも、本作と『Sands of Time』の2枚であったと記憶しています。『On the Rise』も含めて今ではCD入手困難なので、3枚共に当時購入しておいて本当に良かったと実感しています。

Jam & Lewisプロデュース作として知られている本作ですが、実際には全7曲中4曲がJam & Lewisプロデュースで、「Feeling」「I Don't Want Nobody Else」「Body Break」の3曲はグループのセルフ・プロデュースです。

一般にはJam & Lewisプロデュース曲で占められたオリジナルLPA面収録の「No One's Gonna Love You」「Weekend Girl」「Just The Way You Like It」という3曲がハイライトだと思います。初期Jam & Lewisの素晴らしい仕事ぶりを堪能できる、素晴らしい出来栄えです。

ただし、セルフ・プロデュース曲も聴き逃してはいけません。特に「Feeling」「I Don't Want Nobody Else」の2曲は、A面3曲に引けを取らない名曲だと思います。個人的なことを言えば、この2曲が本作のハイライトです。

『Sands of Time』、『On the Rise』と共に、ぜひ再CD化して欲しいアルバムです。

全曲紹介しときやす。

「No One's Gonna Love You」
アルバムからの2ndシングル(全米R&Bシングル・チャート第15位)。初期Jam & Lewisらしいサウンドを堪能できるメロウ・ディスコに仕上がっています。当時は近未来的クール&メロウ・サウンドにグッときました。James Harris III/Terry Lewis作。
http://www.youtube.com/watch?v=qox2MkC16PI

本曲はサンプリング・ソースとしても有名ですね。Maxwell「Ascension (Don't Ever Wonder) (Remix) 」、Foxy Brown「No One's」、For Real「Like I Do(Remix) 」、Hasan「All About The Money」、Smoothe Da Hustler「Dedication」、Spice 1「Welcome To The Ghetto」、A+「Party Joint」、Snoop Dogg Feat. Nate dogg「Eastside Party」、Dru Down「No One Loves You」等でネタになっています。

Maxwell「Ascension (Don't Ever Wonder) (Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=iTYtj_pYrSI
Foxy Brown「No One's」
 http://www.youtube.com/watch?v=ACPV5hCtoVs
Hasan「All About The Money」
 http://www.youtube.com/watch?v=HsX1BDLA_Uk
Smoothe Da Hustler「Dedication」
 http://www.youtube.com/watch?v=-FlKeO88Ico
Spice 1「Welcome To The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=hMuA5ucYeZQ
A+「Party Joint」
 http://www.youtube.com/watch?v=PQAopWvdBsc
Snoop Dogg Feat. Nate dogg「Eastside Party」
 http://www.youtube.com/watch?v=S5QHZSNgcTk
Dru Down「No One Loves You」
 http://www.youtube.com/watch?v=wqw7UXZQr0o

「Weekend Girl」
打ち寄せる波音でスタートするロマンチックな美メロ・スロウ。アルバムからの3rdシングルにもなりました。素晴らしい楽曲、素晴らしいサウンド・プロダクション、さらにMary Davisの素晴らしいヴォーカルが生み出した大名曲だと思います。学生時代に何度もリピートして聴いていたことを思い出します。今聴いても胸がトキメいてきます。James Harris III/Terry Lewis作。
http://www.youtube.com/watch?v=8BvuSzxcE5o

「Just The Way You Like It」
タイトル曲はアルバムから1stシングルにもなり、 全米R&Bシングル・チャート第6位のヒットとなりました。後のJam & Lewisサウンドを予感させる硬質サウンドが印象的なミッド・グルーヴ。Central Coast Clique「Tha Mastapiece」ネタにもなっています。James Harris III/Terry Lewis作。
http://www.youtube.com/watch?v=5qIpAp1-06M

ここまでがオリジナルLPのA面です。

「Break Up」
ここからオリジナルLPのB面。哀愁メロウな疾走感にグッとくるファンク・チューン。Mary Davisのヴォーカルもパワフルです!James Harris III/Terry Lewis作。
http://www.youtube.com/watch?v=1Gq2Wt3a7Jk

「Feeling」
前述のように個人的ハイライト曲。星空の下でのドライヴといった雰囲気のロマンチックなメロウ・グルーヴ。Jam & Lewisサウンドとは異なる軽やかなギター・カッティングが印象的です。個人的な思い出も詰まっている、僕にとって特別な楽曲です。今聴いても胸がドキドキになります!Stewart Hanley/Abdul Raoof/Mary Davis作。
http://www.youtube.com/watch?v=MKudCGWHMKs

「I Don't Want Nobody Else」
「Feeling」と並ぶ個人的ハイライト曲。僕にとって究極のスロウ・ジャムです。昔も今もこの曲を聴くと胸がキュンと締め付けられ、目はウルウルになってしまいます(笑)。Jason Bryant/Sonia Rossman/Sheila Tyson作。
http://www.youtube.com/watch?v=7EBlJJnz27Y

「Body Break」
ラストはB級感溢れるエレクトリック・ファンク。この曲はさすがにJam & Lewisプロデュースとセルフ・プロデュースの差が歴然としてしまう仕上がりです。まぁ、最後はご愛嬌ということで(笑)。Jerome Thomas/Stewart Hanley作。
http://www.youtube.com/watch?v=5qIpAp1-06M

次作『Sands of Time』(1986年)で、The S.O.S. BandJam & Lewisのタッグは最高潮に達します。

『Sands of Time』(1986年)
サンズ・オブ・タイム+4
posted by ez at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

B.o.B『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』

大ブレイク中のデビュー・アルバム☆B.o.B『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』
B.O.B Presents: The Adventures of Bobby Ray
発表年:2010年
ez的ジャンル:マルチ・アーティスト系新世代Hip-Hop
気分は... :意外に楽しめました!

今回は大ブレイク中のB.o.Bのデビュー・アルバム『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』です。

アルバム、シングル(「Nothin' on You」)共に全米No.1に輝き、現在最も旬なアーティストですね。

最近チャート・アクションとは無縁の新譜ばかり紹介していたので、たまにはメジャー作品もいいでしょう(笑)

B.o.B(本名:Bobby Ray Simmons)は1988年ノースカロライナ生まれ。ジョージア州ディケーターで育ち、少年時代から楽器演奏やラップに親しんでいたようです。

高校卒業と同時に本格的なソロ音楽活動を開始し、2007年にはJim JonsinのレーベルRebel Rockよりシングル「Haterz Everywhere」をリリース。さらにはT.I.のレーベルGrand Hustleと契約し、T.I.等の作品への客演やミックステープなどを通じて、その名が知られるようになります。そして、満を持してGrand Hustleよりリリースしたシングル「Nothin' on You」が全米No.1となり、デビュー・アルバム『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』も大ヒットを記録中です。

タイプ的には僕のストライクゾーンから大きく外れているアーティストだと思っていたのですが、シングル「Nothin' on You」の出来があまり素晴らしかったので、それ欲しさにアルバムを購入してしまいました(笑)

僕の場合、気の向くままに月1回程度TVで全米Top40をチェックしています。ただし、話のネタとして眺めている側面が強く、チャートインしている楽曲の95%以上は僕の興味の対象外であり、年々その対象外の範囲が増えている状況です。

そうは言っても、年に数曲程度は"これ相当いいじゃん!"と思うに楽曲に出会うことができます。今年の場合、「Nothin' on You」がそんな1曲でした。

ハワイ出身の新進気鋭のシンガーソングライターBruno Marsをフィーチャーしたラブリーなシングル「Nothin' on You」は、退屈な全米チャートの中で一際輝きを放っている印象を受けました。

B.o.B Feat. Bruno Mars「Nothin' on You」
http://www.youtube.com/watch?v=8PTDv_szmL0

そんなシングル「Nothin' on You」を含むデビュー・アルバム『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』ですが、自ら楽器も演奏し、ラップのみならず歌もこなすマルチなアーティストだけあって、Hip-Hopアルバムといっても間口が広く、かつポップな内容に仕上がっています。

まぁ、そのあたりを嫌うHip-Hopファンも多いようですが・・・

ゲストにはレーベル主宰者のT.I.や前述のBruno Marsをはじめ、Lupe Fiasco、Eminem、ParamoreのHayley Williams、WeezerのRivers Cuomo、Ricco Barrino、Janelle Monae等が参加しています。

B.o.BT.I.Jim Jonsinの3人がエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ね、The Smeezingtons、Eminem、Crada、Dr. Luke、The Knux、Lil' C、Alex da Kid、DJ Frank Eがプロデューサーに起用されています、

正直、「Nothin' on You」1曲のために購入したアルバムでしたが、意外に楽しめました。

個人的にはHip-Hopの枠にとらわれず、シンガーソングライター的な側面からも才能を伸ばして欲しいですね。

全曲紹介しときやす。

「Don't Let Me Fall」
美しいピアノの音色が印象的な壮大なオープニング。哀愁モードの歌パートと切り裂くような鋭いラップパートでB.o.Bの魅力をダブルで堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=fBZpOvkBQ34

「Nothin' on You」
前述の大ヒット・シングル。Bruno Marsのプロダクション・チームThe Smeezingtonsがプロデュースしています。Brunoがサビの部分を最初に書き、そこからB.o.Bがアイデアを広げて形にしていったよです。ハワイ出身のBrunoらしいラブリー&ハッピーなメロディが魅力ですね。

YouTubeに本PVのメイキング・ビデオがありました。
http://www.youtube.com/watch?v=Q9s_7dE5rW0

個人的にはB.o.B以上にBruno Marsに注目しています。ちなみに当ブログの過去記事からBruno Marsを検索してみたら、Brandy「Long Distance」(アルバム『Human』収録。2ndシングルにもなった感動バラード)の作者の一人がBrunoでした。早く彼自身のフル・アルバムをリリースして欲しいですね。

Bruno Mars & PL「On Fire」
 http://www.youtube.com/watch?v=cNdX7Jo--wI

「Past My Shades」
Lupe Fiascoをフィーチャー。ゲスト陣の中で一番楽しみにしていたのがLupeでした。ロック・テイストの哀愁トラックをバックに、B.o.BとLupeが歌心のあるところを聴かせてくれます。Cradaプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=1ueLqjW0p2g

「Airplanes」
「Nothin' on You」に続く2ndシングルとしてヒット中。ロックバンドParamoreの女性ヴォーカリストHayley Williamsをフィーチャーしています。女性シンガーをフィーチャーしたドラマチックなHip-Hopチューン。Alex da Kid/DJ Frank Eプロデュース。個人的には平均的な出来栄えといった印象です。

「Bet I」
T.I.とPlayboy Treをフィーチャー。Kuttaプロデュース。サウスHip-Hopらしいポッセカットですが、僕は苦手なタイプの曲です。正直、「Nothin' on You」以外全てこのタイプの楽曲ではないかと心配していたのですが、コレ1曲のみだったので良かった(笑)

「Ghost in the Machine」
ロック・テイストの哀愁バラード。UFOのイメージでシンセの音色が鳴り響いているのがご愛嬌ですね(笑)

「The Kids」
ロック・バンドVampire Weekend「The Kids Don't Stand A Chance」のリメイク。Janelle Monaeのヴォーカルをフィーチャーしています。オリジナルもそうですが、微かに香るレゲエのテイストがグッとくる曲ですね。オリジナルと聴き比べるのも楽しいのでは?DJ Frank Eプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=UvLUm105ZBQ

Vampire Weekend「The Kids Don't Stand A Chance」
http://www.youtube.com/watch?v=eLqokTb7TvI

「Magic」
WeezerのRivers Cuomoをフィーチャー。Dr. Lukeプロデュース。エレクトロHip-Hopとパワーポップが融合したキャッチーな仕上がりです。みんなでバカ騒ぎしながら大音量で聴くにはピッタリなのでは!意外とクセになる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ELgC_j-eZDo

「Fame」
ファンキーな仕上がりがご機嫌です。でも実はGershwinの名曲「Summertime」のメロディがベースになっています(わかりづらいかもしれませんが)。The Knuxプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=qh8-kAqgRs4

「Lovelier Than You」
「Nothin' on You」を除けば一番のお気に入り。Hip-Hop色は殆ど皆無の歌ものアコースティック・チューンです。Bobby RayがBruno Marsに引けを取らない素晴らしいシンガーソングライターであることを証明している1曲だと思います。現在の僕の音楽嗜好に最も近い仕上がりです。ハワイ系の楽曲と組み合わせてみるのもいいかも?
http://www.youtube.com/watch?v=RfVW7oQfOeg

自らギターを弾きながら歌うライブ映像もありました。
「Lovelier Than You(Live)」
http://www.youtube.com/watch?v=KSOzYxX-fZQ

「5th Dimension」
Ricco Barrinoをフィーチャー。聴けば一発でわかると思いますが、Marvin Gaye「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) 」がベースとなっています。「Inner City Blues」のイメージを巧みに活用した仕上がりです。Lil' Cプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=vVoqExbCaHI

「Airplanes, Part II」
ラストは「Airplanes」のパート2。Hayley Williamsに加えてEminemがフィーチャーされています。EminemはB.o.Bのアイドル的存在らしいです。もしかしたら、サンプリング曲以外でEminemの名が登場するのは当ブログで最初かもしれませんね。僕の場合、Eminemと聞いてもあまりグッときませんが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=kb8ZvMzZYl4

さぁ、あと数時間でサッカーUEFAチャンピオンズリーグ決勝「バイエルン対インテル」の一戦です。

インテル勝利、モウリーニョ劇場の完結!というのが僕の予想ですが・・・
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2010年05月22日

La Nueva Banda De Santisteban『Sabor A Fresa』

歓喜のスペイン産ソフトロック/ラウンジ☆La Nueva Banda De Santisteban『Sabor A Fresa』
Sabor a Fresa
発表年:1971年
ez的ジャンル:スペイン産ソフトロック/ラウンジポップ
気分は... :女声スキャット好きは必聴!

サッカーW杯スペイン代表の本選メンバー23名が発表されましたね。

GKでバルサのバルデスが選出されたのは嬉しいサプライズでした。同じくバルサのペドロの選出にもガッツポーズでした。

個人的には今大会の優勝候補No.1はスペインだと思っています。
エースのトーレスの体調を含めてFW陣が少し不安ですが、全体のバランスとしては出場32ヶ国中最強という印象を受けます。

特にMF陣は豪華ですよね。シャビ、イニエスタ、ブスケツのバルサ・トリオで組んで欲しい希望ですが、そうなるとセスクやシャビ・アロンソがベンチになる訳で・・・バルサと同時にガナーズ・ファンでもある僕としてはセスクにも機会を与えて欲しいし・・・悩ましいですね。

この流れで今日はスペイン産の作品を紹介しましょう。

スペインの作曲家/ピアニストAlfonso Santistebanが1971年にLa Nueva Banda De Santisteban名義でリリースしたアルバム『Sabor A Fresa』です。

Alfonso Santistebanは1943年マドリッド生まれ。1960年代より、作曲家、セッション・ミュージシャンとして活躍しています。60年代初めから80年代初めにかけて膨大な数の映画/TV番組の音楽を手掛けており、イージーリスニング/ラウンジポップの世界では知られた存在の人のようです。

さて、今日紹介する『Sabor A Fresa』Alfonso SantistebanがスペインBelterレーベルに残した、スタイリッシュでキュートなソフトロック/ラウンジポップ作品です。

まずはお洒落なジャケに惹かれますよね。
小さくてわかりづらいかもしれませんが、ジャケの中央下でサングラスをかけて座っているのがAlfonso Santistebanです。

中身の方もジャケのイメージそのままのキュートでヒップなソフトロック/ラウンジポップのオンパレードです。女声スキャットをフィーチャーしたスパニッシュ・テイストの華やかなソフトロック、ジャズ、ブラジル、イージーリスニング/ラウンジを堪能できます。

Sergio Mendes 好き、ボッサ好き、ガールズポップ好き、Armando Trovaioliあたりの映画音楽好きの人は、相当グッとくる作品です。

ハッピー&ラブリーだけど何処かモンドなヒネリが効いているのが魅力です。

女声スキャット好きは必聴の1枚だと思います。

なお、現在発売されているCDにはオリジナル12曲に加えて、映画サントラの1曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

全曲紹介しときやす。

「Sabor A Fresa」
オープニング。Herb Alpert & The Tijuana Brassが少しロックっぽくなった雰囲気の哀愁スキャット・チューン。

「Brincadeira」
オススメその1。セクシー女性コーラスが誘う魅惑のボッサ・ジャズ。ボッサ好きな人ならば気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=cMuxMSBiCyQ

「Zorongo」
スパニッシュな雰囲気が漂うモンド・ジャズ。闘牛のように猛進するリズムに哀愁のスパニッシュ・ギターが絡みます。

「Persecucion」
オススメその2。イタリア映画のサントラにでもありそうな女声スキャット入りの小粋なジャズ・チューン。中盤以降の演奏はかなりスリリングです。
http://www.youtube.com/watch?v=p5Xz-4RejMw

「The Suitcase」
オススメその3。セルメン好きの人はグッとくるであろうソフト・ボッサ・チューン。女声スキャットが華やかなムードを盛り上げてくれます。

「Manias De Maria」
オススメその4。個人的には一番のお気に入り。ソフトロック好き、セルメン好き、ガールズポップ好きの人はかなりグッとくるラブリー・グルーヴ。2分にも満たない曲なので、思わず何度もリピートしてしまいます。

「No Te Acuerdas De Mi」
オススメその5。スパニッシュ・テイストの効いたパンチのあるガールズポップに仕上がっています。

「Tierra Mojada」
哀愁モードのスパニッシュ・チューン。マカロニ・ウエスタンの映像を思い浮かべてしまいます。

「Un Dia De Lluvia」
オススメその6。お色気モードのイタリアB級コメディ映画のサントラに似合いそうなハッピー・モードの軽快ポップ・チューン。

「Nuestro Ayer」
オススメその7。スパニッシュ・ジャズ・サンバ。ジャズ・サンバにセクシー女性スキャットとスパニッシュ・ギターが絡む本作らしい仕上がり。

「Vuelve A Tu Ciudad」
イージーリスニング的な仕上がり。華やかな演奏ですが何処となく漂う哀愁感が印象的です。

「Limon Y Sal」
オススメその8。アルバムで最もロックしています。かなり格好良いドラムブレイクとサイケなギターがサイコー!

「Soledad」
オススメその9。前述のボーナス・トラック。ラウンジ・モードのキュートなボッサ・チューンです。女声スキャット好きにはたまりません。

殆どCD化されていないようですが、他のAlfonso Santisteban関連作品も聴いてみたいですね。
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2010年05月21日

Lenine『O Dia Em Que Faremos Contato』

新世代のブラジル音楽を印象付けた出世作☆Lenine『O Dia Em Que Faremos Contato』
O Dia Em Que Faremos Contato
発表年:1997年
ez的ジャンル:新世代ブラジリアン・ロック
気分は... :未知の世界のサウンドは・・・

今回は現在のブラジル音楽シーンを代表する才能の一人Lenineの出世作『O Dia Em Que Faremos Contato』です。

Lenineは1959年、ペルナンブーコ州レシーフェ生まれ。1983年のLula Queirogaとの共作アルバム『Baque Solto』がデビュー作のようです。

その後1993年のMarcos Suzanoとの共演作『Olho de Peixe(邦題:魚眼)』で注目を浴びるようになり、その成功を受けてリリースされたメジャー作品が本作『O Dia Em Que Faremos Contato(邦題:未知との遭遇の日)』(1997年)です。

その後はブラジル音楽シーンの中で確固たる地位を獲得し、自身の作品のみならずプロデューサーとしても活躍しています。

今日紹介する『O Dia Em Que Faremos Contato』は、SFイメージのジャケも含めてインパクトのある作品でしたね。当時はブラジル音楽の新譜は殆どノーチェック状態でしたが、何故か本作だけはしっかり購入していました。それだけ話題の作品であり、ブラジル音楽ファン以外にも訴求する魅力を持っていたと思います。

SFイメージのジャケは、昔のSFシリーズのアートワークがモチーフになっているようです。確かにノスタルジックな雰囲気のSFイメージですよね。

ジャケだけ観ると、テクノやエレクトロなサウンドを想像してしまいますが、実際にはノルデスチらしい土着的リズムが目立つ新世代ブラジリアン・ロックに仕上がっています。新しい感性と伝統的スタイルが融合したリズミックな演奏が本作の魅力だと思います。

プロデュースはChico Neves。レコーディングにはMarcos Suzano、Liminha、 Barone、Fernando Vidal、Carlos Malta、Barrao、Othon Bastos、Zabumba、Toninho Ferraguti、Pedro Sa等が参加しています。

ブラジル音楽に対する僕の固定観念を覆し、ブラジル音楽の新たな可能性を感じさせてくれた刺激的な1枚です。

全曲紹介しときやす。

「A Ponte」
邦題「橋」。オープニングはモデム音と共にスタート。タイトルには異なる文化の橋渡しといった思いが込められているようです。ノイズ音と土着的なリズムが融合した本作らしい仕上がり。フランスのグループFabulous Trobadorsとブラジルの2人組Caju E Castanhaの曲をサンプリング(後者はかなり昔の音源らしいですが)。Lenine/Lula Queiroga作。

「Hoje Eu Quero Sair So」
邦題「今日は一人で出かけたい」。美しいメロディが印象的ですね。LenineのバンジョーとMarcos Suzanoのパーカッションに幻想的なギターが重なります。Lenine/Mu Chebabi/Caxa Aragao作。
http://www.youtube.com/watch?v=m63wWTdfF_w

「Candeeiro Encantado」
邦題「魔法のランプ」。切れ味鋭いリズミックな疾走感が刺激的ですね。リズムの洪水となる後半の展開にはHip-Hop的要素も感じてしまいます。Lenine/Paulo Cesar Pinheiro作。

「Etnia Caduca」
邦題「混ざりゆく人種」。土着的な雰囲気が漂うリズミックな仕上がり。パーカッシヴなギターが格好良いですね。Lenine作。

「Distante Demais」
邦題「計り知れない距離」。センチメンタルなワルツ・チューン。オープニングから刺激的な楽曲が続いたので、ようやく一息つける感じです。Lenine/Dudu Falcao。

「O Dia Em Que Faremos Contato」
邦題「未知との遭遇の日」。サンバ・グルーヴと共にリオのカーニヴァルに登場したSFワールドが歌われます。ノスタルジックなSFワールドが描かれたジャケのイメージとリンクしています。Lenine/Braulio Tavares作。
http://www.youtube.com/watch?v=6imYV1dyk30

「A Balada Do Cachorro Louco」
邦題「マッド・ドッグのバラード(傷は深く) 」。野性味溢れる仕上がりです。Lenine/Lula Queiroga/Chico Neves作。

「Aboio Avoado」
邦題「イカれた牛追い歌」。Ze Rochaというコンポーザーの作品。1分にも満たない曲ですが、Lenineがアカペラで歌っています。

「Dois Olhos Negros」
邦題「黒い双眼」。マッドな土着的グルーヴ感が印象的です。Lula Queiroga作。
http://www.youtube.com/watch?v=-x7gepNce3s

「O Marco Marciano」
邦題「火星の陸標」。ヴィオレイロという伝統的なスタイルによる歌&演奏のようですが、変てこな(?)コーラスもあって独特の雰囲気があります。Lenine/Braulio Tavares作。

「Que Baque E Esse?」
邦題「なんてバッキだ」。意味不明の邦題ですね(笑)。サックスも加わり、重量感のある演奏を堪能できます。Lenine作。

「Pernambuco Para O Mundo」
邦題「ペルナンブーコより世界へ」。Lenineの故郷ペルナンブーコ州レシーフェに関連するアーティストの楽曲「Voltei Recife」(Luiz Bandeira作)、「Frevo Ciranda」(Capiba作) 、「Sol E Chuva」(Alceu Valenca作)、「Rios, Pontes E Overdrives」(Chico Science/Fred Zero Quatro作)のメドレーです。

「Bundalele」
邦題「ブンダレレー」。Lenine/Braulio Tavares作。1993年のカーニヴァルのために作ったサンバだそうです。

「Mote Do Navio」
邦題「我らが船のモットー」。Pedro Osmar作。軽快な仕上がりです。

他のLenine作品もどうぞ!

Lenine & Marcos Suzano『Olho de Peixe』(1993年)
魚眼

『Na Pressao』(1999年)
Na Pressao

『Falange Canibal』(2002年)
FALANGE CANIBAL

『In Cite』(2004年)
In Cite

『Labiata』(2008年)
Labiata
posted by ez at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする