2010年05月02日

Sunlightsquare Latin Combo『Havana Central』

ダンス・クラシック「I Believe In Miracles」のカヴァーは必聴☆Sunlightsquare Latin Combo『Havana Central』
Havana Central
発表年:2010年
ez的ジャンル:UKクラブジャズ系ラテン・ジャズ
気分は... :GW気分を盛り上げるラテン・ジャズ!

今回は新作アルバムより、Sunlightsquare Latin Combo『Havana Central』です。

GW気分を盛り上げてくれる陽気かつハイテンションのラテン・ジャズ・アルバムですよ!

Sunlightsquare Latin ComboはUKのジャズ・プロジェクトSunlightsquareの中心人物であるClaudio Passavantiによるラテン・ジャズ・プロジェクト。Claudio Passavantiはイタリア人キーボード奏者ですが、活動拠点はロンドンに置いているようです。

Sunlightsquare名義では、これまで『Urban Sessions』(2006年)、『Urban Latin Soul』(2009年)という2枚のアルバムをリリースしています。

『Urban Sessions』にはSteve Gadd、Will Leeという名うてのジャズ・ミュージシャンも全面参加しています。スムーズ・ジャズとハウス/クラブ・ミュージックが融合したようなサウンドはUKらしいクラブジャズですね。『Urban Latin Soul』では、さらにラテン、ソウルのテイストも加わったクロスオーヴァー・サウンドが展開されます。

そして、ラテン/キューバ音楽に魅了されたSunlightsquareの中心人物Claudio Passavantiが、Sunlightsquareのメンバーと共に本場キューバに乗り込み、キューバ人プロデューサーAntonio Rodriguezが集めたキューバ人ミュージシャンとコラボしたのが本作『Havana Central』です。

本作が注目を集めるのは、アルバムに先行してリリースされたシングル「I Believe In Miracles」 の評判からです。当ブログでも紹介したJackson Sistersでお馴染みのダンス・クラシックのラテン・ジャズ・カヴァーです。これがラテン好きのみならず、クラブジャズ好き、ダンス・ミュージック好きの方をも虜にする秀逸カヴァーに仕上がっており、Sunlightsquare Latin Comboへの注目度を一気に高めました。

「I Believe In Miracles」と言えば、このダンス・クラシックの作者の一人であるMark Capanni本人によるヴァージョンがJackson Sistersの数年前にリリースされたオリジナルとして、最近レア・グルーヴ・ファンの間で話題になっていますね。

Jackson Sisters「I Believe In Miracles」
 http://www.youtube.com/watch?v=hBBzrHXu1Fg&a=XXaCI7XLMyo
Mark Capanni「I Believe In Miracles」
 http://www.youtube.com/watch?v=ERWLbQqWBu4

そのように「I Believe In Miracles」が盛り上がる中で、Sunlightsquare Latin Comboによるカヴァーはグッド・タイミングでのリリースとなりました。

目玉である「I Believe In Miracles」以外にもクラブジャズと本場キューバのラテン音楽が見事に融合した、スタイリッシュかつ本格的なラテン・ジャズを堪能できます。

カヴァー2曲以外は全てClaudio Passavantiのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「La Banda」
オープニングからハイテンションのラテン・グルーヴを聴かせてくれます。華麗なPassavantiのピアノにフルート、ピッコロ、テナー・サックス、トランペット、トロンボーンが絡む演奏は実に洗練されています。クラブジャズ好きもグッとくるスリリングな仕上がり!

「Havana Central」
タイトル曲はラテン/サルサ好きはグッとくる仕上がり。トレースのソロが入るあたりがキューバらしくていいですね。そんな本格ラテン・サウンドの中でPassavantiのオルガンがいい味出しています。

「Para Cuarachar」
「Havana Central」に続き、この曲もラテン/サルサ好きを大喜びさせてくれる出来栄えです。パーカッションの乱舞と畳み掛けるホーン・サウンドで音空間を埋め尽くす感じがたまりません!

「I Believe In Miracles」
前述のように本作のハイライトです。ホーンが豪快に鳴り響き、パーカッションのリズムが軽快に叩かれるラテン・カヴァーです。Jackson Sistersヴァージョンの躍動を受け継ぐヴィヴィド感がたまりません。まさにミラクルな仕上がりですな。
http://www.youtube.com/watch?v=GwTLCr3tVQA

「Bebidas Para Ti, Y Ron Para Mi」
Passavantiのピアノとフルート、ピッコロ、トロンボーンが絶妙に絡む小粋なラテン・ジャズ。センスの良さを感じる演奏です。

「Asi Toda La Vida」
正統派ジャズ・ファンの方が気に入る仕上がりなのでは?しっかりジャズしています。Passavantiのピアニストとしての実力を確認できる1曲。

「Teardrop」
なんとMassive Attackのカヴァーです(オリジナルはアルバム『Mezzanine』収録)。なかなかサプライズな選曲ですね。憂い帯びた哀愁ソングが、テナー・サックスとトンボーンのソロをフィーチャーした端正なラテン・ジャズに生まれ変わっています。

Massive Attack「Teardrop」
 http://www.youtube.com/watch?v=yftOy8kz7aE

「El Pollo De Carlitos」
SantanaMaloaあたりのラテン・ロック好きの人も気に入るであろう仕上がりです。素敵なトレースのソロにグッときます。ギターの代わりにトレースが入るだけでグッとキューバンな雰囲気になりますね。

「Chan Chan Boogaloo」
モダンなブーガルー・チューン。本来ブーガルーはキューバ/ラテン音楽とUSポピュラー音楽の融合したものですが、ここではキューバ音楽とUKクラブジャズが見事に融合し、本格的かつ洗練された演奏を聴かせてくれます。

「Toca Otra Vez」
ラストは哀愁モードで締め括ってくれます。憂いを帯びた美しいトレースに魅了されます。

興味がある方はSunlightsquareの作品もチェックしてみて下さい。

『Urban Sessions』(2006年)
Urban Sessions feat. Steve Gadd/Will Lee/Joy Malcolm/Shariene Hector/Z-Star

『Urban Latin Soul』(2009年)
Urban Latin Soul
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする