2010年05月05日

Outkast『Aquemini』

Source誌でマイク5本獲得の名盤☆Outkast『Aquemini』
Aquemini
発表年:1998年
ez的ジャンル:コズミック系サウスHip-Hop
気分は... :この頃は二人の相性も良かった???

GWもいよいよ最終日ですね。
皆さんにもゴールデンな出来事がありましたか?

今回はGWのラストに相応しいゴールデンなアルバムと思い、セレクトしたのはOutkastの3rdアルバム『Aquemini』(1998年)です。

Big BoiAndre 3000の二人による強力Hip-HopユニットOutkastの紹介は、『Idlewild』(2006年)、『Stankonia』(2000年)に続き3回目となります。

Outkastにとって、『Southernplayalisticadillacmuzik 』(1994年)、『ATLiens』(1996年)に続く3rdとなる本作『Aquemini』は、あのSource誌でマイク5本を獲得した名盤であり、彼らの評価を決定付けた1枚です。

個人的にも4th『Stankonia』(2000年)と並ぶOutkastの最高傑作だと思います。

アルバム・タイトルはBig Boiの星座である"Aquarius(水瓶座)"とAndre 3000の星座である"Gemini(双子座)"を掛け合わせたものです。この頃の二人は星占いしても相性バッチリだったのかも(笑)

本作ではサウンドの殆どを生演奏が占めており、より二人のラップと演奏の一体感を重視した内容になっています。その狙いは見事に成功し、前述のようにSource誌マイク5本の評価を受け、Hip-Hopの歴史に大きな足跡を残すこととなりました。

プロデュースはOutkast本人に加え、Organized Noize(Rico Wade、Ray Murray、Sleepy Brown)、Mr. DJというお馴染みのメンバーが務めています。

また、Cee-LoをはじめとするDungeon Familyのメンバーや当時Andreの恋人であったErykah BaduP-Funkの総帥George Clinton、Wu-Tang ClanのRaekwon等がゲスト参加しています。

これからOutkastを聴こうという人は、メガヒットした5thアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)の前に、本作『Aquemini』『Stankonia』をぜひ聴いて下さい。

Big BoiAndre 3000の二人にしかクリエイトできない、コズミックなHip-Hopワールドを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Hold on, Be Strong」
アルバムのイントロダクション

「Return of the 'G'」
美しくもダークなストリングス&ムーグ・ベースが印象的です。Giorgio Moroder「Theme from Midnight Express」ネタ。Organized Noizeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ZQnxVzOuVFE

「Rosa Parks」
アルバムからの1stシングル。アコースティック・ギターとMr. DJによるスクラッチが絡むファンキー・トラックがグッド!アーシーな味わいがサウスっぽくて好きです。中盤のブルース・ハープもキマっていますよ。Big Boiのだるめの低音ラップも実にハマっています。The Sandpipers「Cancion De Amor」 ネタ。曲タイトルは黒人の公民権運動活動家Rosa Parks(1913-2005年)に因んだものです。
http://www.youtube.com/watch?v=7Z3niFJugp8

「Skew it on the Bar-B」
アルバムからの2ndシングル。Raekwon(Wu-Tang Clan)参加曲。Henry Mancini「Police Woman」ネタのスピーディーでカッチョ良いトラックに合わせて、Andre→Raekwon→Big Boiの順にキレのあるライムを聴かせてくれます。Organized Noizeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=96j1oaki72s

「Aquemini」
タイトル曲はマッタリとした浮遊感が印象的です。生演奏のバックならではの哀愁感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=2pjHlizcXI8

「Synthesizer」
George Clintonをフィーチャー。冒頭のチープなシンセ音はClintonの『Computer Games』を意識したものかもしれませんね。機械的なようで実はヒューマンな演奏がいいですね。コンガも入ったパーカッシヴな演奏が僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=pvpFbCvEZp8

「Slump」
ソウルフル&ファンキーな仕上がりにグッときます。冒頭の赤ん坊の泣き声はAndreとErykah Baduの間に生まれた息子Sevenクンによるものです。Dungeon FamilyのCool BreezeとBackboneをフィーチャー。
http://www.youtube.com/watch?v=VzcHLRyUmKk

「West Savannah」
Big Boi単独の曲ですが、聴きやすいトラックですね。Organized Noizeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=yChGKSxTLDc

「Da Art of Storytellin' (Part 1)」
アルバムから3rdシングル。個人的にはアルバムで一番のお気に入りです。バックのソウルフル&グルーヴィーな演奏とBig Boi & Andreのラップが実にハマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kjD1X2SD2-I

「Da Art of Storytellin' (Part 2)」
Part 2はMr. DJプロデュースによる哀愁チューン。Part 1に続くソウルフルな味わいがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=-G0Uos-Le9M

「Mamacita」
MasadaとWitchdoctorをフィーチャー。哀愁モードのトラックの仕上がりですが、女声ラップがアクセントになっています。Organized Noizeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=v89IaKJERsU

「SpottieOttieDopaliscious」
やたら長いタイトルですね(笑)。レゲエ/ダブの影響を感じる演奏が興味深いですね。Sleepy Brownによるヴォーカルに続く、AndreとBig Boiのラップがポエトリー・リーディングに聴こえるのも、レゲエ/ダブを意識したものかもしれませんね。アルバムの中でも異色の出来栄えです。
http://www.youtube.com/watch?v=4p8zSkFTiiM

「Y'All Scared」
Goodie MobのT-Mo、Big Gipp、Khujoをフィーチャー。Dungeon Familyのパワーを感じます。Mr. DJプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Lq3h3YSEKS8

「Nathaniel」
インタールード。

「Liberation」
「Da Art of Storytellin' (Part 1)」と並ぶ僕のお気に入り。Cee-LoErykah Badu参加曲。ネオ・ソウルとサウス・ラップが融合したスケール感の大きな1曲。アフリカンなリズムもグッド!。
http://www.youtube.com/watch?v=iR74XoC9jD8

「Chonkyfire」
ラストはロック・テイストの仕上がり。力強いAndre & Big Boiのラップで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=q0fmhRIUD5M

未聴の方は『Stankonia』(2000年)のチェックもお忘れなく!

『Stankonia』(2000年)
Stankonia
posted by ez at 03:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする