2010年06月19日

Roy Ayers『Lots Of Love』

2大注目曲「Black Family」、「Chicago」収録☆Roy Ayers『Lots Of Love』
Lots of Love
発表年:1983年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク/ダンス
気分は... :勝負に勝って試合に負けた・・・

W杯のせいでスポーツ・ニュースの扱いも小さいですが、NBAファイル「レイカーズ対セルティックス」の第7戦は興奮しました。最終的に83対79でレイカーズが勝利し、見事連覇を成し遂げました。

正直第4Qに入るまで、ロースコアな展開、コービーの絶不調ぶりに"レイカーズに勝ち目は絶対無い"と思って観ていましたが、知らぬ間にレイカーズが逆転していたって感じでした。セルティックスの選手たちは、勝負に勝って試合に負けた感覚なのでは?

みんな大好き!ヴァイヴ奏者Roy Ayersの3回目の登場です。

『Vibrations』(1976年)、『He's Coming』(1972年)に続いて紹介するのは、『Lots Of Love』(1983年)です。

本作『Lots Of Love』は自身のレーベルUno Melodicからリリースした作品です。Uno Melodicからは以前に紹介した、Eighties Ladies『Ladies of the '80s』Sylvia Striplin『Give Me Your Love』がリリースされています(勿論Roy Ayersプロデュース)。

Roy Ayers作品の中でも意外と埋もれた1枚かもしれませんが、Roy Ayers好きの間では支持の高い1枚だと思います。最近、再CD化されたので入手しやすくなりました。

特に人気が高いのは、「Black Family」「Chicago」の2曲。前者はアフロ・ビートの創始者Fela Kutiと共作したトライバルなダンス・チューン、後者は人気ハウスDJもプレイするミニマルなダンス・チューンです。

それ以外にもボコーダー使いのエレクトリック・ファンク、ジャズ・ファンク、メロウ・フュージョン等が収録されており、案外バラエティに富んだ構成になっています。

今回の再CD化ではパッケージが変わった仕様になっています。良いのか安っぽいのかイマイチ良くわかりませんが・・・

80年代のRoy Ayersに興味がある方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Black Family」
本作のハイライト。Roy Ayers/Dwayne Perdue/Fela Kutiの共作。モロにFela Kutiの影響を受けたアフロ・ビート色の強いトライバルなダンス・チューンに仕上がっています。アフロ・ビート好きの人はグッとくるはず!Jungle Brothers「Acknowledge Your Own History」のサンプリング・ネタにもなっています。(アルバム『Done By The Forces Of Nature』収録)
http://www.youtube.com/watch?v=xgRCjsd-uuw

「Fast Money」
ボコーダーも使った80年代前半らしいエレクトリック・ファンク・サウンドですが、そこにヴァイヴが加わるとRoy Ayersらしくなるので、ア〜ラ不思議!
http://www.youtube.com/watch?v=E9LKmbcOtmw

「Lots Of Love」
タイトル曲はメロディアスかつ爽快な仕上がりのジャズ・ファンク・チューン。

「Everybody」
Everybody!(たまにSunshineも)を連呼するジャズ・ファンク・チューン。名曲「Everybody Loves The Sunshine」を解体・再構築したような雰囲気もありますね。

「D.C. City」
アルバムで最もメロウな仕上がり。やや単調な感じもしますが、それもRoy Ayersらしくていいのでは(笑)。Quasimoto「Seasons Change」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=YrjPpOy5JGQ

「Drive」
ドライヴ感のあるパーカッシヴな展開にグッとくるトライバル・ファンク・チューン。格好良さで言えばアルバム随一かも?隠し味程度にラテン・フレイヴァーが効いているのもグッド!

「And Then We Were One」
メロウ系の曲では一番のお気に入りのフュージョン・チューン。ラテン・フレイヴァーの軽すぎない疾走感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Duy0S3CM20o

「Chicago」
「Black Family」と並ぶ本作のハイライト。Moodyman、Theo Parrish等のハウスDJ達にプレイされたことでハウス・ファンから人気の高い1曲ですね。何処となく儚さが漂うミニマルな展開が実にハウス向けです!
http://www.youtube.com/watch?v=c8wXYYs1E6M

ハウス・ファンはさらにHenrik Schwarzのドープなカヴァー(サンプリング曲と説明した方が適切化?)もセットで楽しみましょう!
Henrik Schwarz「Chicago」
 http://www.youtube.com/watch?v=Io05zZSEAL8

Roy Ayers及び関連作品の過去記事もご参照下さい。

『He's Coming』(1972年)
He's Coming

『Vibrations』(1976年)
Ubiquity Vibrationsr

Eighties Ladies『Ladies of the '80s』(1980年)
Ladies of the Eighties: Soul Jazz Records Presents

Sylvia Striplin『Give Me Your Love』(1981年)
Sylvia Striplin.jpg

W杯は強豪国が相次いで敗れる波乱の展開ですね。

初戦を観た限り、フランスの敗戦は十分に予想できましたが、退場者を出したとは言えドイツの敗戦は意外でした。今もイングランド戦を観ながら記事作成していますが、前半はアルジェリア相手に結構苦戦していますね。大丈夫か?
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2010年06月18日

Les Baxter『African Blue』

ブラジル/ラテン・サウンドを取り入れたエキゾチック/ラウンジ作品☆Les Baxter『African Blue』
アフリカン・ブルー
発表年:1967年
ez的ジャンル:ブラジル/ラテン・サウンド系エキゾチック/ラウンジ
気分は... :アフリカだけどブラジル/ラテン・・・

W杯はグループBが混戦模様になってきました。

韓国に快勝したアルゼンチンの1位通過は間違いないとして、グループ2位争いは韓国、ギリシャ、ナイジェリアの3国全てにチャンスがあり、第3戦が俄然面白くなりましたね。

個人的にはナイジェリアがもう少し頑張ると思っていたのですが、今日のギリシャ戦も退場者を出して自滅してしまいましたね。逆にナイジェリアの敗戦は韓国を勇気付けたのでは?韓国はアルゼンチンに大敗しましたが、2点先取された後に1点差に迫り十分見せ場を作ったと思います。

今回はMartin Dennyと並びエキゾチック・サウンドを代表するアーティストLes Baxterの紹介です。

セレクトした作品は『African Blue』(1967年)。アフリカ開催のW杯のイメージとも合致しませんか!

正直、Les Baxter(1922-96年)に関して、アメリカ、テキサス出身のコンポーザー/アレンジャー/サックス奏者であり、特に50年代から60年代にかけて数多くの作品を残している、という程度しか把握できていません。

僕が持っているLes Baxter作品は『Confetti』(1958年)と本作『African Blue』(1967年)の2枚のみ。どちらもサバービア好きの人にはお馴染みの作品ですね。多分、どちらの作品も本来のLes Baxterのエキゾチック・ワールドとは異なる趣の作品ではないかと思います。僕の場合、Martin Dennyも1枚しか持っておらず、その意味でエキゾチック・サウンドが何たるかをあまり理解できていないのでしょうが。

その意味で、今日紹介する『African Blue』(1967年)はエキゾチック・サウンド云々に関係なく楽しめるアルバムです。

収録曲のタイトルを眺めると、アフリカのイメージから想起されたと思われるものが多いですが、サウンド自体はブラジル/ラテン・サウンドを取り入れたエキゾチック/ラウンジ作品に仕上がっています。

それで思い出したのが、以前に紹介したHorace Silver『The Cape Verdean Blues』(1965年)です。ジャケのテイストも本作と似ていますよね。そのタイトルにあるCape Verdeanとは、大西洋の北に位置する元ポルトガル領のアフリカの小さな島国のことです。しかし、そのタイトル曲をSilverは軽快なラテン・チューンで演奏しました。

Horace Silver『The Cape Verdean Blues』(1965年)
The Cape Verdean Blues

こうしたアフリカとラテン・アメリカのイメージの重なりは実に興味深いですね。単純に当時の情報不足のせいなのかもしれませんが。

エキゾチックなブルーが印象的なジャケに惹かれた方は、ぜひサウンドもチェックしてみて下さい!

全曲紹介しときやす。

「Yellow Sun」
エキゾチックなラウンジ・チューン。アフリカの広大な大地のようなスケール感の中にBaxterらしいムーディーな雰囲気が漂います。

「Flame Tree」
フルートの音色が涼しげなボッサ・チューン。女声コーラスと小粋なピアノがエレガント・ムードを演出します。

「Zebra」
パーカッシヴなボッサ・グルーヴ。タイトルの通り、大地を疾走するゼブラのイメージをサウンドにした感じですね。

「Dark River」
土着的なリズムが印象的なアフロ・ブラジリアン・テイストの仕上がりです。前半と後半のコントラストが見事です。

「Topaz」
「Girl from Uganda」、「Jalba」、「Kalahari」と並ぶ僕のお気に入り。ボッサ・テイストのオルガン・グルーヴはアルバムでの1、2を争う格好良さだと思います。

「Tree of Life」
エキゾチック・ムードのサンバ・チューン。華やかな女声スキャットもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=npp_FkdmXgo

「Girl from Uganda」
本作のハイライト。タイトルの通り、Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲「Girl from Ipanema(イパネマの娘)」にインスパイアされた楽曲ですね。ジャケに写る女性のファッションのように色鮮やかなボッサ・チューンに仕上がっています。

「Magenta Mountain」
妖しげなフルートの音色が誘うムーディーな仕上がり。淡々とした中に漂うトロピカル・ムードがいいですね。

「Johannesburg Blues」
ラテン・テイストのラウンジ・チューン。僕の中ではこういう曲がLes Baxterらしい気がします。

「Jalba」
この曲も大好き!エキゾチック&ラウンジな雰囲気を実にスマートなサウンドでまとめていると思います。セクシーな女声スキャットも僕好み!

「Azure Sands」
ラテン・モードの哀愁チューン。何故か懐かしのメロ・ドラマの映像が思い浮かびます(笑)

「Kalahari」
格好良さで言えば、「Topaz」といい勝負の仕上がり!気の利いたギター・サウンドにグッときます。

『Confetti』『African Blue』以外の作品も聴いてみたいですね。ただし、作品群があまりに膨大なので、どこから手をつけるべきか見当つきませんが・・・

『The Passions: Featuring Bas Sheva』(1954年)
Les Baxter's The Passions feat Bas Sheva

『Brazil Now』(1966年)
ブラジル・ナウ

『Moog Rock』(1968年)
Moog Rock
posted by ez at 02:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月17日

McFadden & Whitehead『McFadden & Whitehead』

永遠のダンス・クラシック「Ain't No Stoppin' Us Now」収録☆McFadden & Whitehead『McFadden & Whitehead』
マクファデン&ホワイトヘッド(紙ジャケット仕様)
発表年:1979年
ez的ジャンル:名ソングライティング・チーム系フィリー・ダンサー
気分は... :スペイン大丈夫?

W杯は出場32ヶ国の初戦が全て終了しましたが、大トリに登場した優勝候補スペインがまさかの敗北でしたね。ただし、日本のマスコミが騒ぎ立てるほどの大番狂わせでは無かったと思います。それじゃスイスに失礼ですよね!

でも予想以上にスペインのいるグループHは混戦かもしれません。初戦を観た限りではチリも相当強いと思います。スペインのグループリーグ敗退も十分あり得ると思います。そうなって欲しくはありませんが・・・

開催国の南アフリカは第2戦を終えて、勝ち点1と苦境に立たされましたね。
ラストがフランス戦であることを考えると、グループリーグ敗退は決定的なのでは?

さて、今回はフィリーソウルを代表する実力派デュオMcFadden & Whiteheadの代表作『McFadden & Whitehead』(1979年)です。

永遠のダンス・クラシック「Ain't No Stoppin' Us Now」収録のアルバムが紙ジャケ仕様で嬉しい再CD化となりました。

McFadden & Whiteheadは、フィラデルフィア出身のGene McFaddenJohn Whiteheadの男性デュオ。

60年代に彼ら2人を含む4人組グループThe Epsilonsとして活動していた時に、Otis Reddingに見出されてStaxからデビューを果たします。しかし、Epsilonsとしての活動は長くは続かなかったようです。

70年代に入るとGamble & Huffが設立したPhiladelphia International Records(PIR)にソングライティング・チームとして迎えられ、
The O'Jaysの大ヒット曲「Back Stabbers」をはじめ、Harold Melvin & The Blue Notes「Bad Luck」、「Wake Up Everybody」、「Where Are All My Friends」、Archie Bell & The Drells「The Soul City Walk」、Teddy Pendergrass「The More I Get, The More I Want」、「Cold, Cold World」等のヒット曲を手掛けます。

こうしてソングライティング・チームとしての地位を確立した彼らでしたが、自身のアーティスト活動(Talk Of The Town名義で活動)は中断を余儀なくされてしまいます。しかしながら、自身の作品をリリースすることに強い意欲を持った二人は、McFadden & Whitehead名義でアーティスト活動を再スタートします。

こうしたリリースしたアルバムが『McFadden & Whitehead』(1979年)であり、そこから生まれた大ヒットが「Ain't No Stoppin' Us Now」です。こうして二人はアーティストとしても、その名を轟かせることに成功します。

その後McFadden & Whitehead名義で『I Heard It in a Love Song』(1980年)、『Movin' On』(1982年)という2枚のアルバムをリリースしています。さらにJohn Whiteheadはソロ・アルバム『I Need Money Bad』(1988年)もリリースしています。

残念ながら、Gene McFaddenは2004年に肺がんで死去し、John Whiteheadも2006年に射殺されてしまいました。

さて、今日紹介する『McFadden & Whitehead』ですが、やはりオープニングを飾る「Ain't No Stoppin' Us Now」の存在が抜きん出ていますね。その意味で、まずは「Ain't No Stoppin' Us Now」を飽きるまで堪能し、その後2曲目以降を楽しむというパターンもアリなのでは?

2曲目以降では彼らが実力派ソウル・デュオであることを実感できる曲もあり、「Ain't No Stoppin' Us Now」のみではわからない魅力に触れることができます。McFaddenのシャウトが気に入るか否かでかなり印象が変わると思いますが。

バック・コーラスでレーベル・メイトのThe Futuresも参加しています。

アルバム全体としては多少ムラのある構成という気もしますが、それでも「Ain't No Stoppin' Us Now」収録のアルバムとして、ぜひゲットしておくべき1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Ain't No Stoppin' Us Now」
前述のように本作のハイライト。シングルとして全米R&Bチャート第1位、全米チャート第13位の大ヒットとなった問答無用のダンス・クラシック。このフィリー・ダンサーには何者も抗しがたい輝きがありますね。まずはひたすら本曲をリピートしましょう(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=DY0tsKCB4lc

名曲だけにLuther Vandrossをはじめ、Risco Connections、Aubrey Mann、The Rippingtons、Mike Davis、The Mobo Allstars、Nate James、Charanga 76等数多くのカヴァーがありますね。

Luther Vandross「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=26-AippA-vs
Risco Connections「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=NJ3PKVOwkOI
Aubrey Mann「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=ApM2R9nvqYo
The Rippingtons「Ain't No Stoppin Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=em_Mk6jbkX4
Mike Davis「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=J8E9ZngK_8s
The Mobo Allstars「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=RJePpxGWLDI
Charanga 76「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=EGj6pTI2v-c

また、サンプリング・ネタとしてもBig Daddy Kane「Ain't No Stoppin' Us Now」、Biz Markie「Let Me Turn You O」、De La Soul「Saturdays (Who's Skatin' Promo)」、Dr. Dre & Ed Lover「Back Up Off Me」、Jocko「Rhythm Talk」等大人気です。

Big Daddy Kane「Ain't No Stoppin' Us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=wol9gkf9dow
De La Soul「Saturdays (Who's Skatin' Promo)」
 http://www.youtube.com/watch?v=4HbiVPVrORo
Dr. Dre & Ed Lover「Back Up Off Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=OhlKvbAlQCg
Jocko「Rhythm Talk」
 http://www.youtube.com/watch?v=akKvNsj2ZE0

「I've Been Pushed Aside」
程好い甘さにグッとくるミディアム・スロウ。LL Cool J「Ur Only A Customer」のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ClKpeJIQyfo

「Mr.Music」
ファンク調のダンス・チューン。このタイプの曲は彼らにあまりマッチしていない気がしますが・・・

「Just Wanna Love You Baby」
フィリー・ソウル好きの方はグッとくるミディアム・チューン。彼らのヴォーカル、女声コーラス、ホーン隊の絡みが実にいい感じです。

「Got To Change」
彼ららしい魅力に溢れたミディアム・チューン。ソウルフルですが程好くスマートな感じがいいですね。「Ain't No Stoppin' Us Now」を除けば、一番好きかも?

「You're My Someone To Love」
味わい深いソウル・バラード。いい出来栄えだけに、このタイプがあと1、2曲あっても良かった気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=w1UeYyYdu-8

「I Got The Love」
サザン・ソウルのテイストも入ったソウルフルなダンス・チューン。ある意味、こういう曲が一番McFadden & Whiteheadらしいのかもしれませんね。

「Do You Want To Dance」
部分的に聴くと良いのですが、全体としては惜しい気がするダンス・チューン。何か一味足りない気がします。

『I Heard It in a Love Song』(1980年)
I Heard It in a Love Song
「I Heard It in a Love Song」
 http://www.youtube.com/watch?v=jY376NuiFZc

『Movin' On』(1982年)
Movin' On
「One More Time」
 http://www.youtube.com/watch?v=e4vrpC8-PcY
posted by ez at 07:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月16日

Paolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』

生音と電子音が融合したクロスオーヴァー色の強いSchema作品☆Paolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』
Several People
発表年:2004年
ez的ジャンル:ル:Schema系クラブジャズ/クロスオーヴァー
気分は... :ブッフォンは復帰できるのか?

W杯は大会第5日まで終了しました。
大会全体としては、各国が本来の力を出し切れていない気がします。

ケガ人等でベスト・メンバーが組めない状況もありますが、それ以上に今大会の公式球「ジャブラニ」や高地での試合等に戸惑っている印象を受けます。GKが目測を誤ったり、一歩及ばずパス・ミスとなる場面を何度観たことか・・・

特にGKは受難の大会となりそうですね。先日のイングランド代表GKグリーンのような悲劇がこれからも何度か起きる予感がします。

GKの受難と言えば、イタリア代表のGKブッフォンのケガの具合が心配ですね。
やはりイタリアのゴールマウスにブッフォンの姿がないと寂しいですよね。

そんな流れで今日はイタリアのアーティストを紹介したいと思います。

セレクトしたのはプロデューサーPaolo FedreghiniとピアニストMarco BianchiのユニットPaolo Fedreghini And Marco Bianchiがクラブジャズの人気レーベルSchemaからリリースしたアルバム『Several People』(2004年)です。

これまで当ブログでは、Mario Biondi & The High Five Quintet『Handful Of Soul』Nicola Conte『Rituals』Rosalia De Souza『D'Improvviso』といったSchema作品を紹介してきましたが、それらの作品と比較すると、生音クラブジャズのみならず、生音と電子音が融合したクロスオーヴァー色の強い楽曲も楽しむことができます。

レコーディングにはMarco Bianchi(p)、Paolo Fedreghini(key、effects)、Marco Ricci(b)、Maxx Furian(ds)、Angelo Pusceddu(per)、Mimmo Valente(sax、fl)等が参加しています。

また、殆どがヴォーカル曲であり、Ermanno Principe、Daniel Richards、Claudia Bernhard、Angela Baggiといった男女ヴォーカリストがフィーチャーされています。

1枚でアコースティックなクラブジャズとエレクトリックなクロスオーヴァーを楽しめる、お得感にグッとくるアルバムです(笑)

全曲紹介しときやす。

「Another Face」
Ermanno PrincipeのヴォーカルをフィーチャーしたSchemaらしいモーダルなクラブジャズ。クラブジャズ好きには間違いない1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=xEvcH2_61pE

「Stay」
某人気コンピにも収録されていた曲ですね。。Daniel Richardsのヴォーカルをフィーチャーした小粋でエレガントなピアノ・ジャズ。

「Spread Your Love」
電子音によるクロスオーヴァー/ハウス色の強い仕上がり。Claudia Bernhardのヴォーカルをフィーチャー。ブラジリアン・フレイヴァーのダンサブル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=3OqdoRW4XM8

「Circus In C Minor」
Renato Daielloのテナー・サックスとJ.J. Sansoneのトランペット&トロンボーンをフィーチャー。スピード感のあるスリリングなモーダル・チューン!とにかくカッチョ良い!の一言です。

「Nothing Has To Change」
Angela Baggiのヴォーカルをフィーチャー。ムーディーな雰囲気が漂う大人のワルツ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=BtwDbQnxYng

「Blue Night In Africa」
Claudia Bernhardのヴォーカルをフィーチャー。クール&エレガントなサウンド、Claudia嬢の気だるいヴォーカルが見事にまとまった素晴らしい出来栄え!

「You Are A Star」
Ermanno Principeのヴォーカルをフィーチャー。小粋なボッサ・テイストにグッときます。Mimmo Valenteのサックスがロマンチック・ムードを盛り上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=653ZazDGH2c

「Please Don't Leave」
各種コンピにも収録されている本作のハイライト。ジャズ・サックス奏者Sahib Shihabのカヴァー。Sahib Shihabのオリジナルはアルバム『Summer Dawn』(1963年)に収録されています。Ermanno Principeのヴォーカルをフィーチャーしたクールなジャズ・ハウスに仕上がっています。生音と電子音のバランスが絶妙ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=VAeddnpFw5I

Sahib Shihab「Please Don't Leave Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=G3H_2TrxzAY

「Urban Savage」
モーダルな雰囲気の中にアフロ・ビートを感じる独特の雰囲気を持った1曲。ジャズという意味では一番面白い曲かも?

「Oriental Smile」
Ermanno Principeのヴォーカルをフィーチャー。スタイリッシュ&エレガントなラテン・テイストがグッときます。Giacomo Trincaliのヴァイヴがいいアクセントになっていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=E7zUprm7Ye4

「Onda Espumante」
ラウンジ感覚の小粋な仕上がりです。Marco Bianchiのピアノ・タッチがいい感じ!

「Theme Of Solitary Notes」
ラストはブラジリアン・フレイヴァーで締め括ってくれます。

また、本作の続編としてリミックス・アルバム『Several Additional Waves 』(2006年)もリリースされています。興味のある方はどうぞ!
Several Additional Waves
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2010年06月15日

Die Moulinettes『20 Blumen』

ドイツ産のキュートなガールズ・ラウンジ・ポップ!☆Die Moulinettes『20 Blumen』
20 Blumen
発表年:1998年
ez的ジャンル:ル:ドイツ産ラウンジ系ガールズ・ポップ
気分は... :奇跡の勝利!

W杯は日本代表の初戦カメルーン戦を(予想外の)勝利!

前半の日本代表の出来栄えは満点でしたね。
後半は相当危うい場面もありましたが、何とか持ちこたえました。

松井がチャンスメイクし、本田が得点する・・・
継続性を放棄した岡田監督の付け焼刃布陣が的中しましたね(笑)
カメルーンが前半を守備重視で臨んでくれたことも幸いしました。

まぁ、オランダ戦は負けても仕方ありませんが、第3戦のデンマーク戦がヤマ場ですね。

「オランダ対デンマーク」は、終盤にオランダが底力を発揮して勝利しました。やはり、両国共に個々の選手の強さは感じますね。ただし、ケガ人も含めて万全ではないようなので付け入る隙はあるのでは?

強豪国が苦しむ中、ドイツは強かったですね。何より若い代表選手が躍動していましたね。正直、前評判は高くありませんでしたが、一気に優勝候補に名乗りを上げた感じですね。

今日は素晴らしいサッカーを披露してくれたドイツ代表に敬意を表して、ドイツ出身のガールズ・ポップDie Moulinettesのデビュー・アルバム『20 Blumen』です。

Die Moulinettesの紹介は、『Alfa Bravo Charlie』(2001年)に続き2回目となります。

2nd『Alfa Bravo Charlie』では、Claudia Kaiser(vo、g)、Barbara Streidl(b、back vo)、Kiki Lorrig-Wossagk(ds、per、back vo)という女性3名と唯一の男性Martin Lickleder(key、vln、back vo)による男女4人組でしたが、デビュー作となる本作時点ではMartin Licklederを除いた女性3人組となっています。もっともMartin Licklederもゲスト・ミュージシャン及びソングライターとして参加していますが。

『Alfa Bravo Charlie』同様に、本作でもドイツのイメージからは程遠い(?)、イタリアやフランスのアーティストを思わせるお洒落なラウンジ・ポップで楽しませてくれます。

France Gall、マカロニウエスタン、イタリアの人気アニメのカヴァーもあり、かなり確信犯的な音作りに思わずニンマリしてしまいます。

全曲紹介しときやす。

「Zaubervogel Barbie」
オススメその1。ジャケのイメージそのままのキュートなラウンジ・ポップ!ラウンジ・ポップ好きの人であれば、本曲を聴いて"正解!"と確信するはず!キャッチーなベース・ライン、小粋なヴァイヴ、エレガントなストリングス等のサウンド・プロダクションもグッド!

「Meine Hormone Und Ich」
オススメその2。妖しげな雰囲気の漂うエキゾチックなボッサ・チューン。アルバムの中でも抜群のセンス♪60年代サントラ/ラウンジ好きの人はグッとくるはず!

「Gringo (A Man Must Fight) 」
マカロニウエスタン映画『La Spietata Colt Del Gringo (皆殺しの男)』(1966年)のテーマ曲をカヴァー。あえて男臭い曲をセレクトしているあたりが面白いです。オリジナルの雰囲気を引き継いだ仕上がりですが、さすがにキュートで華やかです。

「Meine Liebe Ist Wie Ein Asylantrag」
オススメその3。センチメンタルなメロウ・ラウンジ。Stereolab好きの人は絶対気に入ると思います。

「Herr Rossi Sucht Das Gluck」
オススメその4。シングルにもなった本作のハイライト。イタリアの人気アニメ『Signor Rossi(シニョール・ロッシ)』のテーマ曲カヴァーです。スタリッシュなボッサ・ラウンジに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=OJqkf-WVG5s

「Alfio Brambilla」
オススメその5。Stereolabがラウンジ・ポップしているイメージですね。バンジョー音色と適当な(?)オルガンとキュートなスキャットのコンビネーションがサイコーです!

「Du Fliegst Hoch,Reini Furrer」
オススメその6。ムーディーな雰囲気とキュートな魅力が同居する魅惑の哀愁ポップ。ボッサなテイストも漂います。

「Volkssternwarte」
この曲はドイツっぽいですよね。良くも悪くも硬めです(笑)

「Winter In Kanada」
イスラエル人歌手Elisa Gabbaiの1966年作品をカヴァー(Christian Bruhn/Georg Buschor作)。オリジナルの持つレトロで野暮ったいテイストを確信犯的に使っていますね。

「Die Mondane Welt Der Mode」
オススメその7。ドイツなのにフレンチ・ボッサっぽいですね。ベルリンよりもパリの光景をイメージしてしまいます。男声コーラスがいい味出しています。

「Sieben Tage」
オススメその8。ガールズ・ポップらしいキュートな魅力に溢れています。こういう おてんば娘っぽい弾けたラウンジ・ポップ大好きです!

「Drei Madchen」
オススメその9。High Llamas女性版High Llamasとでも呼びたくなるノスタルジックなポップ感覚が魅力です。

「Das War Eine Schone Party」
France Gallの代表曲「Poupee De Cire, Poupee De Son(邦題:夢見るシャンソン人形)」のドイツ語カヴァー(Serge Gainsbourg作)。最初はドイツ語の歌に戸惑いますが、一味違った「夢見るシャンソン人形」もキュートな仕上がりで楽しめます。

僕の所有する国内盤には、「Herr Rossi Sucht Das Gluck」のリミックス2種(Beach Barbecue Mix、Village Vanguard Mix)がボーナス・トラックとして追加収録されています。

特にクラブ・ミュージック好きの人は、人気DJ、The Maxwell Implosionと男性デュオDauerfischが手掛けたBeach Barbecue Mixを楽しみましょう。

未聴の方は2nd『Alfa Bravo Charlie』(2001年)もぜひチェックを!

『Alfa Bravo Charlie』(2001年)
Alfa Bravo Charlie
posted by ez at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする