2010年06月02日

Labrador『Instamatic Lovelife』

デンマーク産ネオアコ/ラウンジ・ポップ☆Labrador『Instamatic Lovelife』
Instamatic Lovelife
発表年:2004年
ez的ジャンル:デンマーク産ネオアコ/ラウンジ・ポップ
気分は... :デンマーク出身アーティストに注目を!

今回はデンマーク出身のネオアコ/ラウンジ・ポップ系のバンドLabradorの2ndアルバム『Instamatic Lovelife』(2004年)です。

デンマーク出身のアーティストと言えば、当ブログでは今年大プッシュしているBirgit Lystagerや、4日前のLighthouse Familyの記事の中で紹介したGangwayあたりを真っ先に思い浮かべる僕ですが、今日紹介するLabradorもデンマークのレベルの高さを実感させてくれるアーティストです。

LabradorはリーダーのFlemming Borbyを中心に1998年にコペンハーゲンで結成されたグループです。

これまで『Goodbye Susanne』(2002年)、『Instamatic Lovelife』(2004年)、『Caleidoscope Aeroplane』(2009年)という3枚のアルバムをリリースしています。

僕が持っているのは本作『Instamatic Lovelife』のみですが、全てのソングライティング&アレンジとヴォーカルを担当するFlemming Borbyの才能に感服するばかりです。エヴァーグリーンなメロディ作りと、それをキャッチー&スタイリッシュなポップにまとめ上げる才能は只者ではありませんな。

あと本作では紅一点の女性ヴォーカルSara Futtrup Lundも大々的にフィーチャーされており、彼女のキュートなヴォーカルもアルバムの魅力を大きく向上させています。

さらに本作ではPrague Philharmonic Orchestraによるストリングスを取り入れ、エレガントに迫る楽曲がいくつか収録されています。

W杯での日本の対戦国として、注目されているデンマークですが、これを機会にデンマーク出身アーティストをチェックしてみるのも楽しいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Why Does Nobody Listen」
オススメその1。彼らの持つポップ感覚を存分に堪能できる爽快チューン。曲作りの上手さが光ります。女性ヴォーカルSara Futtrup Lundのキュートなバック・コーラスもたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Ng4D3L9Ti0A

「Side By Side」
オススメその2。アルバムで一番のお気に入り。ハッピー&ラブリー&&エレガントな極上ポップです。彼らの音がBurt Bacharachに例えられるのがよくわかる1曲。

「Sad & Done」
オススメその3。Saraのキュートなヴォーカルが全開の疾走するネオアコ・チューン。ネオアコ/ギターポップのツボを完璧に押さえているのがいいですね。

「Without You」
しっくり聴かせるアコースティック・バラード。FlemmingとSaraの掛け合いが実にロマンチックです。

「Sunday Girl」
幻想的なムードでスタートしますが、徐々にテンションが高まり、終盤はかなり激しいサウンドを聴かせてくれます。

「Guess I'm In The Mood」
オススメその4。「Side By Side」と並ぶお気に入り。 ラウンジ・ポップ、ガールズ・ポップが好きな人は絶対気に入るキュート&ラブリーなキラキラ・ポップ。

「Air Labrador」
哀愁ワルツ調のインスト。後半のパーカッシヴな展開が印象的です。

「Wandering Star」
美メロのアコースティック・チューン。エレガントながらも牧歌的な味わいがあります。

「Don't Forget Your Raincoat」
青臭い雰囲気がたまらない青春ポップ。本作の特徴にストリングスの積極的な導入があるようですが、本曲などはその典型ですね。

「Willows And Blackbirds」
波音や小鳥の囀りと共にスタートするフォーキー・チューン。本曲でも大胆なストリングスが目立ちます。

「Freeway To Mars」
ラストは哀愁モードのポップ・チューン、80年代を彷彿させるポップ・サウンドですね。
http://www.youtube.com/watch?v=1nB8B7i_Qjs

特にオススメ4曲はどれもかなりのキラー・チューンだと思います。これらのうち1曲しかYouTubeに音源が無いのが実に残念です。

『Caleidoscope Aeroplane』(2009年)
Caleidoscope aeroplane
「Miracle」
http://www.youtube.com/watch?v=Z8hR2oG1wC0&feature=related
posted by ez at 03:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月01日

Edna Wright『Oops! Here I Go Again』

元Honey ConeのEdna唯一のソロ作☆Edna Wright『Oops! Here I Go Again』
ウープス! ヒア・アイ・ゴー
発表年:1976年
ez的ジャンル:元Honey Cone系メロウ・ソウル
気分は... :Oops!

今日は元Honey Coneの女性ソウル・シンガーEdna Wright唯一のソロ・アルバム『Oops! Here I Go Again』(1976年)です。

公私に渡るパートナーであるGreg Perryの2nd『Smokin'』(1977年)と共に待望のCD化が今年実現しましたね。

タイトル曲「Oops! Here I Go Again」はフリーソウル・コンピ『Free Soul Impressions』に収録され、大人気となりましたね。

そんな盛り上がりを受けて、1995年に『Oops! Here I Go Again』が日本のみでCD化されました。僕自身はその際にゲットしたのでラッキーでしたが、その後廃盤となり入手困難な状況が続いていました。その意味では今回の再CD化は嬉しいですね。

Edna Wrightは1946年L.A.生まれ。15歳の頃からゴスペル・グループで歌い始め、60年代半ばにはSandy Wynns名義で何枚かソロ・シングルを発表しています。さらにはRay Charlesのバック・コーラス・グループThe Raeletsにも半年ほど在籍していました。

その後、1969年にCarolyn Willis、Shelly Clarkと共に新グループHoney Coneを結成します。元々はEdnaの姉でThe BlossomsのメンバーであったDarlene Loveにグループ結成の話が持ち込まれましたがBlossomsを抜けることができず、妹のEdnaに話が回ってきたようです。

そしてHolland-Dozier-HollandのHot Waxとの契約に成功したHoney Coneは、1969年に1stシングル「While You're Out Looking For Sugar」をリリースします。そして、1971年には「Want Ads」「Stick-Up」という2曲の全米No.1ヒットを放ち、売れっ子グループとなりました。

しかしながら1973年にグループは解散してしまいます。Ednaはバック・コーラス等を務めながらソロ活動の機会を窺っていましたが、Honey Cone時代のプロデューサーで公私に渡るパートナーであるGreg PerryがRCAと契約したことから、Ednaにもソロ・アルバム制作の機会が巡ってきます。こうして制作されたのが本作『Oops! Here I Go Again』(1976年)です。

プロデュースは勿論Greg Perryが担当し、Ray Parker, Jr.(g、b)、Chuck Boyd(b)、Larry Tolbert(ds)等がレコーディングに参加しています。

どうしてもタイトル曲が目立ってしまいますが、アルバム全体としても70年代半ばらしいメロウ・ソウルを堪能することができます。Honey Cone時代を彷彿させる楽曲があるのも嬉しいですね。

前回のCD化で買い逃していた方は、今度こそ忘れずにゲットして下さいね!

全曲紹介しときやす。

「Oops! Here I Go Again」
フリーソウル・クラシックとしてお馴染みのタイトル曲(Greg Perry/Billy Smith/Edna Wright作)。やはり本作のハイライトはコレになりますね。イントロを聴いただけでフリーソウル・ワールドにどっぷり浸れる問答無用のメロウ・ソウル。ジャケのEdnaの弾けた笑顔がそのままサウンドになった感じがたまりませんね。♪ウ〜ンOops!♪のタメがクセになります(笑)。心地よいグルーヴ感やホーン隊の盛り上げもサイコーですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gFYM6wgWRvo

De La Soul「Pass the Plugs」、Imani(The Pharcyde)「Keep On」等のサンプリング・ネタにもなっています。「Oops! Here I Go Again」ネタというだけで、これら2曲も大好きです!
De La Soul「Pass the Plugs」
 http://www.youtube.com/watch?v=Zt8hnuiEuOk

「Spend the Nights With Me」
しっとりと歌い上げるバラード(Greg Perry/Angelo Bond/Terrance Harrison作)。スケールの大きなストリングス・アレンジが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=wKBbWM_qCBU

「Tomorrow May Never Come」
Honey Cone時代を彷彿させるハツラツとしたポップさがグッド!Greg Perry/Angelo Bond作。

「Nothing Comes To a Sleeper (But a Dream) 」
ジワジワ込み上げてくるメロウ・バラード(Greg Perry/Edna Wright/Angelo Bond/Terrance Harrison作)。梅雨の雨模様の日に聴くとピッタリな気がします。

「You Can't See the Forest (For the Trees) 」
シングルにもなったファンキー・チューン(Greg Perry/Angelo Bond作)。アルバムの中では最もゴリゴリ押してくる感じですね。

「Come On Down (Get Your Head Out of the Clouds) 」
切ない雰囲気がグッとくるバラード(Greg Perry/Angelo Bond作)。バラード系の中では一番好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ch1QAEfOmgg

「If the Price is Right」
ラストは哀愁メロウ・グルーヴ(Greg Perry/Angelo Bond作)。「Oops! Here I Go Again」を除けば一番好きです。後に元Pointer SistersのBonnie Pointerがソロ・アルバム『If The Price Is Right』(1984年)のタイトル曲としてカヴァーしています。B級ダンス・ミュージックといった印象のBonnieヴァージョンは正直好きではありませんが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=RxfFvhn6oTM

Bonnie Pointer「If The Price Is Right」
 http://www.youtube.com/watch?v=Be2mIUlq3sc

Greg Perry『Smokin'』(1977年)もセットでどうぞ!

Greg Perry『Smokin'』(1977年)
Smokin

Honey Coneもそのうち紹介したいと思います。
posted by ez at 04:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする