発表年:1980年
ez的ジャンル:UK白人ファンク/AOR
気分は... :W杯開幕前ですが・・・
いよいよW杯開幕ですね。
でもイマイチ気分が盛り上がってきません。
開幕日の2試合を観れば、自然とW杯モードになると思いますが・・・
今日はAOR気分・・・そこでAverage White Band『Shine』(1980年)とDiane Tell『Chimeres』(1982年)の2枚のどちらにするか迷いましたが、Average White Band『Shine』にしました。
UKを代表する白人ファンク・グループAverage White Band(AWB)の紹介は以下の3作品に続き4回目となります。
『Cut The Cake』(1975年)
『Soul Searching』(1976年)
『Feel No Fret』(1979年)
本作『Shine』はプロデューサーにDavid Fosterを迎えたAOR度の高い作品として人気の1枚ですね。
発売は逆になりましたが、時系列としてじゃベスト盤『Volume VIII』(1980年)に収録された新録4曲(CD『Feel No Fret...And More』にボーナス・トラックとして追加収録された4曲)を先にDavid Fosterが手掛け、その流れで『Shine』のプロデュースを依頼した模様です。
『Shine』はAtlanticからAristaへの移籍第一弾アルバムであり、グループとしても売れっ子プロデューサーを迎えて弾みをつけたかったのかもしれませんね。
本作におけるメンバーは、Hamish Stuart(g、vo、b)、Alan Gorrie(b、vo、g)、Roger Ball(key、as)、Malcolm Duncan(ts)、Steve Ferrone(ds、per)、Onnie McIntyre(g、vo)の6名。
Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、 Kim Hutchcroft(sax)といったSeawindホーンズやBrenda Russell(vo)、Ernie Watts(sax)、Paulinho Da Costa(per)、Lenny Castro(per)等がゲストとして参加しています。
通常のDavid Foster作品と比較すると、Seawindホーンズ等のホーン隊を除けばFoster人脈のスタジオ・ミュージシャンを投入が少ないですよね。メンバーがそれを嫌がったのか、予算がなかったのかは知りませんが・・・
僕の場合、過度にDavid Foster色が出すぎている作品は正直苦手なのですが、本作はそういったことは無く程良いAOR作品に仕上がっていると思います。
「Let's Go Round Again」、「For You, for Love」、「What'cha Gonna Do for Me」、「Shine」といったシングル曲・人気曲を中心に内容充実の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Our Time Has Come」
Alan Gorrie/Hamish Stuart作。楽曲の良さとヴォーカル・パートの素晴らしさを感じる1曲。アレンジにはDavid Foster色が顕著に出ていますね。軽快なホーン隊が盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ms91lFk9JF4
「For You, for Love」
Roger Ball/Bill Champlin作。2ndシングルにもなったAORバラード。美しいメロディとファルセット・コーラスが心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=U1AF7d9bVkg
「Let's Go Round Again」
Alan Gorrie作。1stシングルにもなったハッピー・モードのディスコ調ダンス・チューン。フリーソウル・ファンにもお馴染みですね。David Foster起用の効果がよく出ている1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=LKrwbs5xqqc
「What'cha Gonna Do for Me」
Ned Doheny/Hamish Stuart作。全米R&BチャートNo.1となったChaka Khanのカヴァーでもお馴染みですね。個人的にはダンス・クラシックとなったChaka Khanヴァージョンの方が好みですが、AORテイストのAWBヴァージョンも素晴らしいと思います。作者の一人Ned Dohenyのアコースティック・ヴァージョンも含めて聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=FHf-fQUF9yk
Chaka Khan「What'cha Gonna Do for Me」
http://www.youtube.com/watch?v=Y84DX2SEFfs&feature=fvw
Ned Doheny「What'cha Gonna Do for Me」
http://www.youtube.com/watch?v=RD3BaIiFd48
「Into the Night」
Roger Ball/Alan Gorrie/Hamish Stuart作。従来からのファンも満足するであろうAWBらしい心地好いファンク・チューン。Seawindホーンズも加わった素晴らしいホーン・アンサンブルを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Z1YBTDt9VVQ
「Catch Me (Before I Have to Testify)」
Roger Ball/David Foster/Steve Ferrone/Alan Gorrie/Hamish Stuart作。アップものではこのキャッチーなディスコ・チューンが一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=6qKDxtIc51I
「Help Is on the Way」
David Foster/Alan Gorrie/Hamish Stuart作。華麗なストリングスが盛り上げてくれるダンス・チューン。AWBとDavid Fosterの良さが上手く融合しているのがいいですね。
「If Love Only Lasts for One Night」
Alan Gorrie作の美しいバラード。どっぷりAOR気分に浸れる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=juciNG1oqBM
「Shine」
Ned Doheny/Alan Gorrie/Hamish Stuart作。ラストのタイトル曲も人気曲ですね。フリーソウル好きの人あたりが一番フィットするのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=c5y4TRtpEtI
僕の所有CDには未収録ですが、最近のCDにはBoz Scaggs「Miss Sun」(David Paich作)のカヴァーが収録されています。
この後のAWBは前述のベスト盤『Volume VIII』(1980年)を経て、Dan Hartmanプロデュースの『Cupid's In Fashion』(1982年)をリリースしますが商業的には不発に終わり、同作を最後にHamish Stuart、Steve Ferroneの二人がグループを脱退してしまいます。
AWB作品の過去記事もご参照下さい。
『Cut The Cake』(1975年)
『Soul Searching』(1976年)
『Feel No Fret』(1979年)