発表年:1967年
ez的ジャンル:ブラジル/ラテン・サウンド系エキゾチック/ラウンジ
気分は... :アフリカだけどブラジル/ラテン・・・
W杯はグループBが混戦模様になってきました。
韓国に快勝したアルゼンチンの1位通過は間違いないとして、グループ2位争いは韓国、ギリシャ、ナイジェリアの3国全てにチャンスがあり、第3戦が俄然面白くなりましたね。
個人的にはナイジェリアがもう少し頑張ると思っていたのですが、今日のギリシャ戦も退場者を出して自滅してしまいましたね。逆にナイジェリアの敗戦は韓国を勇気付けたのでは?韓国はアルゼンチンに大敗しましたが、2点先取された後に1点差に迫り十分見せ場を作ったと思います。
今回はMartin Dennyと並びエキゾチック・サウンドを代表するアーティストLes Baxterの紹介です。
セレクトした作品は『African Blue』(1967年)。アフリカ開催のW杯のイメージとも合致しませんか!
正直、Les Baxter(1922-96年)に関して、アメリカ、テキサス出身のコンポーザー/アレンジャー/サックス奏者であり、特に50年代から60年代にかけて数多くの作品を残している、という程度しか把握できていません。
僕が持っているLes Baxter作品は『Confetti』(1958年)と本作『African Blue』(1967年)の2枚のみ。どちらもサバービア好きの人にはお馴染みの作品ですね。多分、どちらの作品も本来のLes Baxterのエキゾチック・ワールドとは異なる趣の作品ではないかと思います。僕の場合、Martin Dennyも1枚しか持っておらず、その意味でエキゾチック・サウンドが何たるかをあまり理解できていないのでしょうが。
その意味で、今日紹介する『African Blue』(1967年)はエキゾチック・サウンド云々に関係なく楽しめるアルバムです。
収録曲のタイトルを眺めると、アフリカのイメージから想起されたと思われるものが多いですが、サウンド自体はブラジル/ラテン・サウンドを取り入れたエキゾチック/ラウンジ作品に仕上がっています。
それで思い出したのが、以前に紹介したHorace Silver『The Cape Verdean Blues』(1965年)です。ジャケのテイストも本作と似ていますよね。そのタイトルにあるCape Verdeanとは、大西洋の北に位置する元ポルトガル領のアフリカの小さな島国のことです。しかし、そのタイトル曲をSilverは軽快なラテン・チューンで演奏しました。
Horace Silver『The Cape Verdean Blues』(1965年)
こうしたアフリカとラテン・アメリカのイメージの重なりは実に興味深いですね。単純に当時の情報不足のせいなのかもしれませんが。
エキゾチックなブルーが印象的なジャケに惹かれた方は、ぜひサウンドもチェックしてみて下さい!
全曲紹介しときやす。
「Yellow Sun」
エキゾチックなラウンジ・チューン。アフリカの広大な大地のようなスケール感の中にBaxterらしいムーディーな雰囲気が漂います。
「Flame Tree」
フルートの音色が涼しげなボッサ・チューン。女声コーラスと小粋なピアノがエレガント・ムードを演出します。
「Zebra」
パーカッシヴなボッサ・グルーヴ。タイトルの通り、大地を疾走するゼブラのイメージをサウンドにした感じですね。
「Dark River」
土着的なリズムが印象的なアフロ・ブラジリアン・テイストの仕上がりです。前半と後半のコントラストが見事です。
「Topaz」
「Girl from Uganda」、「Jalba」、「Kalahari」と並ぶ僕のお気に入り。ボッサ・テイストのオルガン・グルーヴはアルバムでの1、2を争う格好良さだと思います。
「Tree of Life」
エキゾチック・ムードのサンバ・チューン。華やかな女声スキャットもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=npp_FkdmXgo
「Girl from Uganda」
本作のハイライト。タイトルの通り、Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲「Girl from Ipanema(イパネマの娘)」にインスパイアされた楽曲ですね。ジャケに写る女性のファッションのように色鮮やかなボッサ・チューンに仕上がっています。
「Magenta Mountain」
妖しげなフルートの音色が誘うムーディーな仕上がり。淡々とした中に漂うトロピカル・ムードがいいですね。
「Johannesburg Blues」
ラテン・テイストのラウンジ・チューン。僕の中ではこういう曲がLes Baxterらしい気がします。
「Jalba」
この曲も大好き!エキゾチック&ラウンジな雰囲気を実にスマートなサウンドでまとめていると思います。セクシーな女声スキャットも僕好み!
「Azure Sands」
ラテン・モードの哀愁チューン。何故か懐かしのメロ・ドラマの映像が思い浮かびます(笑)
「Kalahari」
格好良さで言えば、「Topaz」といい勝負の仕上がり!気の利いたギター・サウンドにグッときます。
『Confetti』、『African Blue』以外の作品も聴いてみたいですね。ただし、作品群があまりに膨大なので、どこから手をつけるべきか見当つきませんが・・・
『The Passions: Featuring Bas Sheva』(1954年)
『Brazil Now』(1966年)
『Moog Rock』(1968年)