2010年06月24日

Kenny Burrell & John Coltrane『Kenny Burrell & John Coltrane』

双頭クインテットによる豪華セッション☆Kenny Burrell & John Coltrane『Kenny Burrell & John Coltrane』
ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン
録音年:1957年
ez的ジャンル:双頭クインテット系ハードバップ
気分は... :奇跡のロスタイム決勝弾!

サッカーW杯のグループCの最終戦は劇的でしたね。
多くの人がイングランドの勝利に一安心したところに、米国が奇跡のロスタイム決勝弾で16強入りを決めました。たまたま米国の劇的ゴールを生中継で目撃でき、「日本対カメルーン」戦以来の興奮の雄叫びをあげてしまいました(笑)

間もなく始まるグループDも大混戦ですね。
果たしてドイツは大丈夫なのでしょうか?

今回はKenny Burrell(g)とJohn Coltrane(ts)の共演作品『Kenny Burrell & John Coltrane』(1957年)です。

今日は1年以上John Coltrane作品を紹介していないので、最初『Soultrane』(1957年)あたりを紹介しようと思いましたが、同じ聴きやすいColtrane作品ならばギター入りのコチラの方が今の気分にマッチしていたので本作をセレクト!

ジャズの求道者John Coltrane作品の紹介は7回目の登場です。
これまで紹介してきたColtrane作品は以下の6枚です。

 『Blue Train』(1957年)
 『My Favorite Things』(1960年)
 『Ballads』(1962年)
 『Impressions』(1961年、62年、63年)
 『Kulu Se Mama』(1965年)
 『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)

そして、もう一人の主役Kenny Burrellの紹介は初めてとなります。

サイドメンとしての参加作品もBev Kelly『Love Locked Out』(1959年)くらいしか紹介していないと思います。自分ではあまり意識していませんでしたが、Kenny Burrell絡みの作品をあまり所有していないのかもしれません。

Kenny Burrellは1931年ミシガン州デトロイト出身のジャズ・ギター奏者。Dizzy GillespieやOscar Petersonとの共演で腕を磨き、1956年には初リーダー作『Introducing Kenny Burrell』をレコーディングしています。その後も代表作『Midnight Blue』(1967年)をはじめとするリーダー作をレコーディングすると同時に、サイドメンとしても数多くのレコーディングに参加し、そのブルージーなギター・プレイを披露しています。

さて、本作『Kenny Burrell & John Coltrane』ですが、上昇気流に乗っていた二人の顔合わせといった感じだったのですかね?

僕の中ではKenny Burrellというスペシャル・ゲストを招いたColtrane作品というイメージが強いのですが、実際にはその逆でKenny Burrellメインという色合いの方が強いのかもしれませんね。

レコーディング・メンバーはKenny Burrell(g)、John Coltrane(ts)、Tommy Flanagan(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)というクインテット編成です。この中では双頭リーダーのつなぎ役として、Tommy Flanaganの存在が大きいと思います。

Coltrane作品として聴いた場合、単独リーダー作以上にリラックスした雰囲気があると同時に、BurrellやFlanaganのスムーズな演奏が全体をより聴きやすいものにしていると思います。その意味では、『Soultrane』あたりと並びColtrane入門作品に適しているのでは?

全曲紹介しときやす。

「Freight Trane」
Tommy Flanagan作品。紛らわしいタイトルですが「Freight Train」ではなく「Freight Trane」です(笑)。スピード感溢れるテンポの良さが魅力です。BurrellとColtraneのユニゾンに続き、Coltraneのテナーが快調にColtrane節を聴かせてくれます。それに続くBurrellのギター、Flanaganのピアノが実に小気味良くていいですね。Chambersのベース・ソロも入り、本セッションのメンバーお披露目的な楽しさもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=no4U_-NDV7Y

「I Never Knew」
Gus Kahn/Ted Fio Rito作のスタンダードをカヴァー。全体的にリラックスした雰囲気がいいですね!Burrellの軽やかにメロディを奏でるギターを堪能できます。Coltraneのテナーもクネクネしていますが聴きやすいです(笑)。主役の二人に混じり、Flanaganが実に気の利いたピアノを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oufgQARY3JQ

「Lyresto」
Kenny Burrell作品。本作の中では比較的目立たない存在ですが、実にハードバップらしい演奏が魅力です。ChambersとCobbのリズム隊の推進力がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=QY3U756o7jM

「Why Was I Born?」
舞台「Sweet Adeline」のために書かれたOscar Hammerstein II/Jerome Kern作のスタンダードをカヴァー。BurrellとColtraneの共演ということで言えば、2人のみのデュオかつアルバム唯一のバラードとなる本演奏がアルバムのハイライトでしょうね。本曲狙いでアルバム購入された方も多いのでは?ただただ美しくムーディーなバラード演奏を堪能しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=ofRaeRBcK1Q

「Big Paul」
ラストはTommy Flanagan作のブルース作品。Chambersのイントロに続き、作者Tommy Flanaganの小粋なピアノ・ソロを存分に楽しめます。ここでのColtraneのソロは正直少し退屈な気もします。それとは対照的にBurrellのギターは本演奏のブルージーな流れと実にマッチしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=gU9Gr-3h6k4 ※Part1
http://www.youtube.com/watch?v=r6nfcxvju_k ※Part2

Kenny BurrellJohn ColtraneTommy Flanaganの共演で言えば、『The Cats』(1957年)もありますね。僕は未聴ですが。

『The Cats』(1957年)
ザ・キャッツ
posted by ez at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする