2010年06月25日

Tower Of Power『Urban Renewal』

人気曲「Only So Much Oil In The Ground」収録☆Tower Of Power『Urban Renewal』
オークランド・ストリート
発表年:1975年
ez的ジャンル:ベイエリア・ファンク
気分は... :資源を大切に・・・

サッカーW杯のグループFはイタリア敗退という大波乱が起きました。

グループFを勝ち上がった国は、日本が決勝トーナメントに進出した場合の対戦国となるので、そうした観点からも興味深い結果となりました。でも「イタリア対スロバキア」戦の終盤は大興奮でしたね。

さて、今回はベイエリア・ファンクを代表するグループTower Of Powerの2回目の登場です。

『Tower Of Power』(1973年)に続いて紹介するのは『Urban Renewal』(1975年)です。

前回の『Tower Of Power』のエントリーを読み返したらトリノ五輪の女子フィギュア・スケートの話題を書いていたので、約4年半ぶりの紹介となります。

やはりTower Of Power(以下TOP)のアルバムと言えば、2nd『Bump City』(1972年)、3rd『Tower Of Power』(1973年)、4th『Back To Oakland』(1974年)、5th『Urban Renewal』(1975年)という4枚の印象が強いですね。

当初は最高傑作の呼び声が高い『Back To Oakland』をセレクトしようと思ったのですが、フリーソウル・コンピ『Free Soul Voice』のオープニングも飾ったキラー・チューン「Only So Much Oil In The Ground」収録の『Urban Renewal』をセレクトしました。

TOP最盛期の1枚ではありますが、グループ内にも少しずつ変化が起こり、ベースのFrancis Rocco Prestiaと共にTOPのグルーヴを支えてきたドラムのDavid Garibaldiがグループを離れ(1曲のみ参加)、リード・ヴォーカルのLenny Williamsも本作を最後にグループを脱退し、ソロの道を歩みます。サウンド的にも次なる方向性を模索する様子も見られ、そのあたりのビミョーな感じを楽しむ聴き方もあるかもしれません。

本作時点のメンバーを整理すると、Lenny Williams(vo)、Chester Thompson(key、vo)、Bruce Conte(g、vo)、Francis Rocco Prestia(b)、David Bartlett(ds)、Lenny Pickett(sax、cla、fl)、Emilio Castillo(sax、vo)、Stephen Kupka(sax)、Mic Gillette(tp、tb、vo)、Greg Adams(tp、flh)という10名編成です。

ハイライト曲「Only So Much Oil In The Ground」の存在感が抜群ですが、それ以外の楽曲も含めてベイエリア・ファンクを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Only So Much Oil In The Ground」
邦題「限りある世界」。本作のハイライトとなるファンク・チューン。華やかなホーン隊とChester Thompsonの格好良いハモンド・オルガン、Roccoのうなるベースが至極のファンク・ワールドへと誘ってくれます。それにしてもLenny WilliamsのヴォーカルはまるでJamiroquaiのようですね(実際はその逆ですが)。石油資源の枯渇を歌った歌詞内容は今聴くと余計に考えさせられます。本曲に続けてIncognito「Talkin' Loud」を聴くと楽しめます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=56_eUJzWOTg

「Come Back, Baby」
アーバン・テイストのミッド・グルーヴ。ベイエリアらしい爽快さが印象的です。

「It's Not The Crime」
ファンキーの中にもどこか和んだ雰囲気が漂うリラックス・ムードの仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=eizrQqhb1qY

「I Won't Leave Unless You Want Me To」
ストリングス&ホーン隊がど派手に盛り上げるバラード。良く悪くも仰々しさが印象に残ります(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=VObqFxoKIf8

「Maybe It'll Rub Off」
ブラック・フィーリングに溢れたグルーヴにグッとくるファンク・チューン。Chester Thompsonのハモンド・ソロが目立っています。

「(To Say The Least) You're The Most」
切れ味鋭いファンク・チューン。オリジナルLPではB面1曲目ですが、CDで聴くと「Maybe It'll Rub Off」からの流れで同タイプの曲が並んでしまい損をしているかも?

「Willing To Learn」
バラード系では本曲がハイライトでしょうね。Lenny Williamsの素晴らしい熱唱をホーン隊が盛り上げます。David Garibaldiがドラムを叩いているのもファンには嬉しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=9iyltxk-1EI

「Give Me The Proof」
Roccoのベースを中心に推進力のあるグルーヴがご機嫌なファンク・チューン。挑発的なホーン隊もいい感じ!

「It Can Never Be The Same」
個人的には「Only So Much Oil In The Ground」に次ぐお気に入り。哀愁モードのこみ上げ感にグッとくきます。TOPらしい雰囲気ではありませんが、ソウルフル&ブルージーな味わいがいいですね。作者の一人Bruce Conteのギターが目立っています。

「I Believe In Myself」
女声コーラスも入ったディスコ調のダンス・チューン。どうせやるならば、もっとど派手にした方は良かった気も?

「Walkin' Up Hip Street」
ラストはインストですが、メンバー紹介のMCを入れたくなるような各メンバーのソロにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=c3k1TUOUfg4

いよいよW杯「日本対デンマーク」です。
波乱が続く今大会の流れは、日本に幸運をもたらすのでは?
posted by ez at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする