2010年07月19日

Ricardo Marrero & The Group『A Taste』

レア・グルーヴ好き必聴のラテン・ファンク!☆Ricardo Marrero & The Group『A Taste』
ア・テイスト(紙ジャケット仕様) [初回限定盤]
発表年:1976年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン系レア・グルーヴ
気分は... :Jazzmanはいい仕事しますなぁ!

今回は1970年代後半のN.Y.ラテン・シーンを沸かせたRicardo Marrero & The Group『A Taste』のアルバム『A Taste』(1976年)です。

レア・グルーヴのレア盤として長年高値のついていた作品ですが、レア・グルーヴ・ファンお馴染みのUKのレーベルJazzmanより再発され、ようやく多くの人が入手しやすくなった作品です。

Ricardo Marreroは1951年N.Y.ハーレム生まれのキーボード及びパーカッション奏者。

60年代後半よりN.Y.のラテン作品のレコーディングに参加するようになりますが、自身のグループのレコーディング機会を得るには1970年代半ばまで待たねばなりませんでした。

そして、Ricardo Marrero & The Group名義で1975年にシングル「Babalonia/My Friend」のレコーディングを行います。「Babalonia/My Friend」は録音やビジネス上の問題で、異なる3つのヴァージョンがリリースされることとなります。「My Friend」の最初のレコーディングにはAngela Bofillがヴォーカルで参加していた模様です。

その後Ricardo Marrero & The Groupは、TSG Recordsより『A Taste』(1976年)、Vaya Recordsより『Time』(1977年)という2枚のアルバムをリリースしています。

80年代のRicardo Marreroは、当ブログでも作品を紹介している人気サルサ歌手
Ruben BladesのグループSeis Del Solarに参加しています。

『A Taste』『Time』共に90年代以降にレア・グルーヴ、サバービア/フリーソウルの流れで再評価が高まった作品ですね。

その中でも今日紹介する『A Taste』は、TSG Recordsからのリリース状況が必ずしも満足なものではなく激レア盤扱いだったので、多くの音楽ファンがその全貌を堪能できるようになったのは嬉しい限りですね。

「Babalonia」「My Friend」、といった人気曲以外も楽しめる作品です。

大きく分けるとラテン/サルサ作品に分類されるのでしょうが、サルサ・チューンと呼べる楽曲は1曲のみなので、あまりサルサのイメージで聴かない方が良いと思います。

ジャケ写真に写る女性の妖しげな表情にグッときた人は即ゲットしましょう(笑)

全曲紹介しときやす。

「Tiny」
フルート、ヴァイブ、エレピの絡むラテン・ジャズ。落ち着いたメロウネスがいいですね。嵐の前の静けさといったところでしょうか・・・。

「Algo」
疾走するジャズ・ファンク。妖しげなフルートの音色が誘われ、ファンキー・ワールドへ!
http://www.youtube.com/watch?v=DvzomND_j68

「And We'll Make Love」
キュートな女性ヴォーカル入りのライト&メロウなラテン・チューン。程好くラテンな感じがキャッチーな仕上がりにつながっています。

「Vengo」
ようやく本格的なラテン/サルサ・チューンの登場です。本格的とは言っても、かなりライトな仕上がりですが・・・

「Get Yourself Together」
コーラス隊の入った感動的なラテン・グルーヴ。ソウルフルな味わいもあって、なかなかグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=6ZbkQDnFmoE

「Babalonia」
アルバムのハイライトとなる強力なラテン・ファンク。シングルとして何度かかたちを変えてリリースされています。悪魔の囁きのような不気味なエレピ・サウンドが魅力です。この覚醒的なラテン・グルーヴに続けて、Fela Kutiの覚醒的なアフロ・ビートが聴きたくなるのは僕だけでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=1CWuYux9e70

「My Friend」
シングル「Babalonia」のB面としてレコーディングされた曲であり、「Babalonia」と並ぶ人気曲。女性ヴォーカルを配したラテン・ファンク。「Babalonia」同様の中毒的な魔力を持つグルーヴに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=xIkCkJgChWg

「A Taste of Latin」
ラストはブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴ。涼しげな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=DdEAJpeCVwU

CDにはボーナス・トラックとして、「Algo」「Babalonia」の別ヴァージョンが収録されています。

この流れで名曲「Feel Like Makin Love」の人気カヴァー収録の『Time』(1977年)も再発して欲しいですね。

Ricardo Marrero & The Group「Preparado」(From 『Time』)
 http://www.youtube.com/watch?v=mSJIA4up-CY
Ricardo Marrero & The Group「Feel Like Makin Love」(From 『Time』)
 http://www.youtube.com/watch?v=eXzqAaSwZjk
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2010年07月18日

The Roots『How I Got Over』

さらなる進化を遂げた新作☆The Roots『How I Got Over』
How I Got Over
発表年:2010年
ez的ジャンル:生音Hip-Hopの雄
気分は... :タイトル曲がサイコー!

唯一無二のHip-HopバンドThe Rootsの2年ぶりの新作『How I Got Over』です。

これまで当ブログで紹介したThe Roots作品は以下の4枚。

 『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
 『Things Fall Apart』(1999年)
 『Game Theory』(2006年)
 『Rising Down』(2008年)

本作『How I Got Over』はDef Jam移籍第3弾アルバムとなりますが、前々作『Game Theory』(2006年)、前作『Rising Down』(2008年)とは多少異なる印象を受ける仕上がりです。

『Game Theory』『Rising Down』の2枚では、政治的・社会的なメッセージとそれを際立たせるダーク&へヴィでアブストラクトなトラックが目立ちました。

本作『How I Got Over』でも哀愁モードの楽曲が多いのですが、そうした中にもポジティブな空気が流れているのと同時に、よりサウンドの幅が広がっている気がします。

この変化の要因となっているのが、アメリカの深夜トーク番組『Late Night with Jimmy Fallon』への出演です。人気コメディアン/俳優のJimmy Fallonがホストを務める人気番組の専属バンドとしてレギュラー出演するようになり、Hip-Hopの枠を越えた様々なミュージシャンと共演する機会が増えたようです。この共演がグループの音楽的な糧となったようです。

本作におけるグループのメンバーはBlack Thought(mc)、?uestlove(ds)、Kamal Gray(key)、Frank "Knuckles" Walker(per)、Captain Kirk Douglas(g)、Damon "Tuba Gooding Jr." Bryson(sousaphone)、Owen Biddle(b)の7名。

また、本作には多彩なゲストが参加しており、それが前2作と異なる印象を与えている面もあると思います。

常連Dice Raw、Phonte、Blu等のラッパーや、The Rootsプロデュースの新作を制作中のJohn LegendといったR&Bシンガー以外にも、Dirty ProjectorsMonsters Of FolkJoanna Newsomといったロック/フォーク系アーティストも参加しています。さらにバック・コーラスには、かつてThe Rootsが設立したレーベルMotiveの第一弾アーティストとして契約したJazzyfatnasteesの元メンバーMercedes Martinezも参加しています。

より懐の深いバンドとして進化していくThe Rootsの成長を実感できる1枚です。

まずはタイトル曲「How I Got Over」を聴いてみて下さい。この1曲のみでも相当シビれるはずですよ!

全曲紹介しときやす。

「A Peace Of Light」
『Late Night with Jimmy Fallon』に出演したブルックリンのロック・バンドDirty Projectorsのヴォーカルに魅了された?uestloveが、同バンドの女性メンバーAmber Coffman、Angel Deradoorian、Haley Dekleの三人と録音したアルバムのプロローグ。キュートなコーラスと?uestloveのドラムがアルバム全体への期待を高めてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8jDEkfNdEwM

「Walk Alone」
Truck North、P.O.R.N.、Dice Rawをフィーチャー。前2作のダークな世界観を受け継いだ哀愁モードの仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=JDNARPuZ-6E

「Dear God 2.0」
ロック・バンドMonsters Of Folkをフィーチャー。彼らのシングル曲「Dear God」をサンプリングしています。「Dear God」のヴァージョン2.0といった位置づけかもしれませんが、幻想的な哀愁感が漂うオリジナル「Dear God」と比較すると、リアルな哀愁といった感じですね。Mercedes Martinezのコーラスが盛り上げてくれます。チェロはLarry Goldが演奏しています。
http://www.youtube.com/watch?v=32Qr5oKKP-M

Monsters of Folk「Dear God」
 http://www.youtube.com/watch?v=8BnFowzj9ck

「Radio Daze」
オススメその1。Blu、P.O.R.N.、Dice Rawをフィーチャー。?uestloveの叩き出す格好良いビーツに乗って、各ラッパー達のマイクリレーを堪能できます。?uestloveサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=vIeqznH5jgs

「Now Or Never」
オススメその2。PhonteとDice Rawをフィーチャー。最近のThe Roots作品ではあまり聴くことができなかったジャジー・ソウル・グルーヴを堪能できるのが嬉しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ZyLzQrors9g

「How I Got Over」
オススメその3。タイトル曲はDice Rawをフィーチャーしたソウルフルな仕上がり。シングルにもなりました。突き進む格好良さはアルバムでも随一ですね。?uestloveのブレイクがサイコーです!アルバムで一番のお気に入りです。こんなThe Rootsを待っていました!今月、自分の気持ちを盛り上げたい時に繰り返し本曲を聴いています。名曲!
http://www.youtube.com/watch?v=zI4D1QOLGuM

「DillaTUDE: The Flight of Titus」
J Dillaへ捧げたメロウなインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=v_-hcKI76kM

「The Day」
オススメその4。Blu、Phonte、Patty Crashをフィーチャー。Patty CrashのキュートなヴォーカルとBlu、Phonteのスムーズなフロウによるジャジー・グルーヴ。Phonte好きの人は気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=FS88jxG1CJo

「Right On」
オススメその5。美人ハープ奏者/シンガー・ソングライターJoanna Newsom参加で話題の1曲。彼女のデビュー・アルバム『The Milk-Eyed Mender』収録の「The Book of Right On」をサンプリングしています。「The Day」からのシームレスな流れがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=EgUTLQdcC_o

Joanna Newsom「The Book of Right On」
 http://www.youtube.com/watch?v=fDQIGraR3aI

「Doin' It Again」
オススメその6。当ブログでも紹介したJohn Legend「Again」(アルバム『Once Again』収録)をサンプリング。John Legend大好きの僕としては嬉しい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=nSpOpHpQuzQ

「The Fire」
前曲でのサンプリングに続き、本曲ではJohn Legendをフィーチャーしています。哀愁ソウル・モードの仕上がりにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=KzKIUJZr1x4

「Tunnel Vision」
素晴らしいコーラスワークを聴けるインタールードのような小曲。
http://www.youtube.com/watch?v=sy3duJGz2gA

「Web 20/20」
Peedi Peedi、Truck Northをフィーチャー。タイトルからも想像できるようなエレクトロ路線の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=1dr2zwVpbsE

「Hustla」
CDのボーナス・トラック。STSをフィーチャーしたエレクトロ・チューン。個人的にはこの路線はThe Rootsには似合わないと思いますが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=pSF_7y3FKT4

The Roots作品の過去記事もご参照下さい。

『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
Do You Want More?!!!??!

『Things Fall Apart』(1999年)
シングズ・フォール・アパート

『Game Theory』(2006年)
Game Theory

『Rising Down』(2008年)
Rising Down
posted by ez at 02:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月17日

Wendy & Bonnie『Genesis』

Flower姉妹によるソフトロック名盤。Gary McFarlandプロデュース☆Wendy & Bonnie『Genesis』
Genesis
発表年:1969年
ez的ジャンル:10代姉妹系ソフトロック
気分は... :今日はリフレッシュ!

今日は7月に入って初めてのオフです(というか無理矢理オフにしました)。
とにかく今日はリフレッシュに努めマ〜ス!

今回はソフトロック好きにはたまらないWendy & Bonnie唯一のアルバム『Genesis』(1969年)です。

Wendy & Bonnieはサンフランシスコ出身のWendy FlowerBonnie Flowerによる姉妹デュオ。本作が発売された当時、姉Wendyは17歳、妹Bonnieは13歳でした。

ジャケ写真のイメージより、男女デュオだと長い間勘違いしていました(笑)
ちなみにジャケ前方に写るブロンドのロングヘアーが姉Wendy、後方のボーイッシュな女の子がBonnieです。

WendyとBonnieの両親もミュージシャンであり、当ブログでもお馴染みのヴァイヴ奏者Cal Tjaderと知り合いだったようです。そのCal TjaderがWendyとBonnieが参加していたCrystal Fountainというグループの音源に興味を持ち、同じくヴァイヴ奏者のGary McFarlandが総帥を務めていたSkyeレコードに紹介したのが、本作制作のきっかけだったようです。

当ブログで紹介したCal Tjaderの『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)もSkye殻のリリースでしたね。

さて、本作『Genesis』ですが、プロデュースは総帥Gary McFarlandが務め、バックにはLarry Carlton(g)、Jim Keltner(ds)といった名うてのミュージシャンも参加しています。

Flower姉妹の才能と可能性を実感できる素晴らしいアルバムですが、その直後のSkyeの倒産、Gary McFarlandの急死といった不幸も重なり、当時の音楽シーンで本作やFlower姉妹が注目されることは殆ど無かったようです。それでも二人の才能を認めていたCal Tjaderは自身のアルバム『Agua Dulce』、『Tjader』に姉妹を参加させていましたが・・・・

90年代に入り再評価が高まったことで、ようやく"ソフトロック幻の名盤"が表舞台に出てきました。本作に限らず、ソフトロックの名盤は大体このパターンですけど(笑)

意外とStereolab好きの人がハマるソフトロック作品だと思います。

CDにはボーナス・トラックとして、Crystal Fountain時代の音源や幻に終わった2ndアルバム用のデモ音源も収録されています。

Flower姉妹とGary McFarlandが創り出す、美しく不思議な音世界にどっぷり浸りたい気分です!

全曲紹介しときやす。

「Let Yourself Go Another Time」
オープニングは本作のハイライト。サンフランシスコらしいフラワー・モードのオルガン・グルーヴに乗って、二人が魅惑のハーモニーを聴かせてくれます。ソフトロックのみならず、モッドなオルガン・ジャズ好きもグッとくるクールな仕上がりです!
http://www.youtube.com/watch?v=wes7sv0RkN8

「The Paisley Window Pane」
シングルにもなった1曲。アシッドな味わいのフォーキー・チューン。ペイスリー・サウンドの中にピュア・ハーモニーがじんわり溶け込んでいく感じにグッときます。シングルカットしたのも頷ける素晴らしい出来栄えです!

「I Realized You」
Flower姉妹のピュアな魅力とSkyeらしいポップス感覚とサンフランシスコらしいフラワーな雰囲気が見事に融合した1曲だと思います。

「By The Sea」
夢と現実の狭間を行き来するような、美しくも不思議な音世界へと誘われます。こういった素朴な雰囲気がFlower姉妹には似合いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=mwHw6jo1E3M

「You Keep Hanging Up On My Mind」
「Let Yourself Go Another Time」と並ぶハイライト。表情豊かなハーモニーに魅了されるソフトロック好きにはたまらない仕上がり。後半はかなりロックしています。

「It's What's Really Happening」
いかにもサンフランシスコなサイケ・ソフトロックに仕上がっています。推進力のあるバッキングに牽引され、二人のハーモニーが音空間を所狭しと浮遊します。
http://www.youtube.com/watch?v=ViMNXRAKGtk

「Five O'Clock In The Morning」
タイトルからしてこの時代らしい浮遊感漂うサイケ・チューン。早朝からトリップ・ワールドへ・・・

「Endless Pathway」
動きのあるベースがグイグイと魅惑のハーモニーをナビゲートします。さり気ないけど、Flower姉妹の美しいハーモニーを存分に堪能できます。

「Children Laughing」
夢の中の不思議なチルドレン・ワールド!といった趣です。聴いていると、続けてStereolabが聴きたくなります。

「The Winter Is Cold」
ラストは軽やかな中にも妖しげな雰囲気が漂います。60年代ロックのエッセンスとFlower姉妹の美しいハーモニーが上手く融合した素晴らしい出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=pxzvdLSi5AA

前述のようにCDのボーナス・トラックとして、Crystal Fountain時代の「The Night Behind Us」 、幻となった2ndアルバム用のデモ音源「The Ice Cream Man Song」「December Sun」「Cover Our Child」「Story Of A Conventional Man」が収録されています。

一時期、Prince殿下のバックバンドRevolutionのメンバーであったWendy & LisaのWendyと、Wendy & BonnieのWendyが同一人物である!なんて誤った情報も飛び交っていましたね(笑)

"以前紹介したThe Gentle Soul『The Gentle Soul』(1968年)あたりとセットで聴くのも良いのでは?"と書こうと思ったら、『The Gentle Soul』は未紹介でした。これだけ多くの作品を扱ってくると、勝手に紹介済みと思い込んでいる未紹介作品がかなりあるかもしれません(汗)

『The Gentle Soul』もそのうち紹介します。

The Gentle Soul『The Gentle Soul』(1968年)
Gentle Soul
posted by ez at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月15日

Michelle Amador『Higher』

クラブDJからも注目を集める次世代ジャズ・シンガー☆Michelle Amador『Higher』
Higher
発表年:2008年
ez的ジャンル:次世代クラブジャズ
気分は... :休みが欲しい...

最近忙しくて、CDショップに全く通うことができていません。
そのことが自分の中で物凄いストレスになっています。
ある意味、中古CDショップは僕にとってのパワースポットなので(笑)
今週末こそ絶対に行こう!そのために気合い入れて仕事をやっつけないと!

今回はクラブジャズ好き注目の次世代ジャズ・シンガーMichelle Amadorのアルバム『Higher』です。

Michelle Amadorはブルックリンを拠点活動するジャズ・シンガー/ソングライター。僕はてっきりヨーロッパ出身のシンガーだとばかり思っていました。

Stan Getz OrchestraのDon Haasのもとでピアノと作曲を学んだ後にジャズ・シンガーとしての活動を開始。
これまで『Composition』(2001年)、『Michelle Amador & The True Believers』(2005年)、『Higher』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

今日紹介する『Higher』は大きな話題となりませんでしたが、クラブDJから高い評価を受けた隠れた名盤といったところでしょうか。

上記に示したのは国内盤ジャケですが、2009年発売の輸入盤のジャケはこんな感じです。
Michelle Amador『Higher』 ※輸入盤
Higher

国内盤と輸入盤では曲順も異なっています。

音的にはクラブジャズということになるのですが、意外とオーソドックスな面もある渋めの仕上がりになっています。

彼女自身のアーティスト情報が少ないこともあり、ミステリアスな魅力に包まれている点も大好きです。

全曲紹介しときやす。

「Prayer for the Confused」
落ち着いた仕上がりながらもクラブジャズならでのセンス溢れたオープニング。クールな中にも人を惹きつける何かがあります!

「Higher」
タイトル曲はクールなアップ・チューン。ヒンヤリ感がたまりませんな。クラブジャズ好きの人には鉄板な仕上がりです。

「Eager of the Years」
ミステリアスなバカンスといった趣の仕上がり。慌しい日常から逃避したい時に聴くとピッタリ!
http://www.youtube.com/watch?v=s3BTGJ6OokQ

「Love Everlasting」
シンプルな音空間の中でMichelleのヴォーカルの魅力を堪能できます。

「Madrina」
(多分)スペイン語で歌われているヨーロピアン・テイストの仕上がり。妖しげなフルート音色が印象的です。

「Because of You」
12インチでシングル発売もされた曲。シンプルながらもNu Jazzな雰囲気にグッときまうs。ボーナス・トラックのリミックスと比較すると、少し大人しい仕上がりですが。

「You Can Win」
淡々とした仕上がりながらもMichelleのヴォーカルでジワジワと盛り上げてくれます。

「In & Out」
DJ Eurokをフィーチャー。グイグイと全体を牽引するベースラインが格好良いですね。Michelleの少しウエットなヴォーカルを切り裂くようなラップもいい感じです。

「Here It Is」
重心の低いジャズ・ファンク・チューン。このタイプの曲がMichelleにマッチするかは多少ビミョーですが・・・

「Who You Are」
アルバムで一番のお気に入りです。クラブ・ミュージック好きの方はグッとくるであろうブラジリアン・フレイヴァーの効いたクール・グルーヴに仕上がっています。YouTubeにリミックス音源があったので紹介しておきます。
「Who You Are (Art Bleek Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=iVaXLlId2V8

「He & She」
男性ヴォーカルとのデュエットによるクラブジャズらしいバラード。酸いも甘いも知った大人の恋といった雰囲気が漂います。

「Because of You (Polar Pair Remix) 」
国内盤ボーナス・トラックとして「Because of You」のリミックスが収録されています。フロア仕様の仕上がりでテンション上がること間違いなし!

何かあっさりした記事になってしまいましたが、今週は時間がないのでどうかご勘弁を!
posted by ez at 00:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月13日

Gloria Gaynor『Experience Gloria Gaynor』

キュートなダンス・チューン満載!☆Gloria Gaynor『Experience Gloria Gaynor』
エクスペリエンス・グロリア・ゲイナー
発表年:1975年
ez的ジャンル:サバイバル系ディスコ・クイーン
気分は... :恋も仕事もサバイバル?

ここ1〜2週間は毎日時間との勝負です。
1時間が実に貴重な時間に感じられます。
そのせいでブログの記事作成もかなり省エネ・モードになっています(泣)

今回は「I Will Survive」 でお馴染みのディスコ・クイーンGloria Gaynorが1975年にリリースしたアルバム『Experience Gloria Gaynor』です。

Gloria Gaynorは1949年ニュージャージー生まれの女性シンガー。

1960年代はSoul Satisfiersの一員として活動していましたが、目立った成功を収めることはありませんでした。その後下積み生活が続きますが、1974年のシングル「Honey Bee」のリリースより、ソロ活動を活発化させます。そして、「Honey Bee」に続くシングル「Never Can Say Goodbye」(Jackson 5の大ヒット曲のカヴァー)がディスコから火がつき、全米チャート第9位の大ヒットとなりました。

さらに1979年には「I Will Survive(邦題:恋のサバイバル)」が全米チャートNo.1の大ヒットとなり、ディスコ・クイーンDonna Summerらと並ぶ女性ディスコ・シンガーとしてその名を轟かせました。

「Never can say goodbye」
 http://www.youtube.com/watch?v=9yWevcMkgdU
「I Will Survive」
 http://www.youtube.com/watch?v=27IYSk3Ix3Q

良くも悪くも「I Will Survive(邦題:恋のサバイバル)」のイメージが強すぎる人ですよね。僕も長年そのイメージに支配されていて、正直色メガネで眺めていたシンガーだったのですが、本作『Experience Gloria Gaynor』を聴いて認識を新たにした次第です。

『Experience Gloria Gaynor』(1975年)は、『Never Can Say Goodbye』(1975年)に続くGaynorの2ndアルバムです。おそらく今日ではアルバム単位で最も人気のあるGloria Gaynor作品なのでは?

「Casanova Brown」「(If You Want It) Do It Yourself」「How High The Moon」「Walk On By」といったシングル4曲の出来栄えがサイコーですが、アルバム全体としても充実しています。本作を聴くと、Gloria Gaynorが意外とキュートなシンガーであると思う人も多いのでは?

サルソウル・ファンにはお馴染みTom Moultonがミックスを担当をしているのも注目です。

Norman Seefによるジャケ写真にもキマっています!

全曲紹介しときやす。

「Casanova Brown」
ハイライトその1。ガラージ・クラシックとして人気のメロウ・ダンサー。キュートな華やかなさにグッときます。僕の一番のお気に入り!中盤のブレイクもサンプリング・ネタとしてお馴染みですね。Jimmy Roach作。
http://www.youtube.com/watch?v=Mx45wz1Pt9E

「(If You Want It) Do It Yourself」
ハイライトその2。フリーソウル好きには『Free Soul Univers』に収録されていた本曲がハイライトかもしれませんね。キャッチーに弾けたディスコ・チューンです。Jack Robinson/James Bolden作。
http://www.youtube.com/watch?v=WTRZ53CUmw8

「How High The Moon」
ハイライトその3。1940年のミュージカル『Two For The Show』のために書かれた名曲のカヴァー(Morgan Lewis/Nancy Hamilton作)。サルソウル好きが歓喜するいかにもTom Moultonらしいド派手なダンス・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=VsT5AbxFZ3k

「The Prettiest Face I've Ever Seen」
強烈なダンス・チューン三連発の後は小休止・・・といった感じの落ち着いたミッド・チューン。これが案外良かったりします。Marie Cain作。
http://www.youtube.com/watch?v=iXhAWeo8mqw

「What'll I Do」
胸キュンな感動バラード。ダンス・チューンに埋もれて目立ちませんが、素晴らしい仕上がりだと思います。Burton Senior/Chris Essel作。

「Tell Me How」
この曲も大好き!休日の朝にでも聴きたい爽快メロウ・グルーヴ。キュートなラブリーモードにグッときます。Lester Hodelin作。
http://www.youtube.com/watch?v=kaRuPOIZj1Y

「I'm Still Yours」
しっとりと歌い上げる哀愁バラード。Gloria Gaynorのシンガーとして実力を堪能しましょう。Gloria Gaynor自身のソングライティングですが、曲自体もなかなかグッドなのでは?。
http://www.youtube.com/watch?v=z4OFDlUD7Sk

「Walk On By」
ハイライトその4。ラストはHal David/Burt Bacharach作の名曲カヴァー。当ブログではCal TjaderAverage White Bandのカヴァー紹介済みです。本ヴァージョンは大胆に変貌を遂げたディスコ・チューンとして聴かせてくれます。Das EFX「Krazy Wit Da Books」、EPMD「Intrigued」のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yF7FhlXmVSE

Das EFX「Krazy Wit Da Books」
 http://www.youtube.com/watch?v=eMZ65DA9pPs
EPMD「Intrigued」
 http://www.youtube.com/watch?v=mPAT6-uCi8w

CDには「Casanova Brown」「(If You Want It) Do It Yourself」「How High The Moon」「Walk On By」のシングル・ヴァージョンとシングルのB面曲であった「My Man's Gone」の5曲がボーナス・トラックとして収録されています。

他のGloria Gaynor作品もチェックしてみて下さい。

『Never Can Say Goodbye』(1975年)
Never Can Say Goodbye

『Park Avenue Sound 』(1978年)
GLORIA GAYNOR'S PARK AVENUE SOUND
「This Love Affair」
 http://www.youtube.com/watch?v=InmqYIwZzog

『Love Tracks』(1978年) ※「I Will Survive」収録
ラヴ・トラックス

『Gloria Gaynor』(1982年)
Gloria Gaynor

『I Am Gloria Gaynor』(1984年)
I Am What I Am
posted by ez at 05:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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