2010年07月06日

Aquarian Dream『Fantasy』

Norman Connorsプロデュースのアーバン・ファンク/ディスコ☆Aquarian Dream『Fantasy』
Fantasy
発表年:1978年
ez的ジャンル:Norman Connors系アーバン・ファンク/ディスコ
気分は... :You're A Star !

今回はNorman ConnorsがプロデュースしたAquarian Dreamの2ndアルバム『Fantasy』(1978年)です。

Aquarian Dreamはニューヨークで結成されたファンク/ディスコ・バンド。Norman Connorsの全面バックアップの元で、デビュー・アルバム『Norman Connors Presents Aquarian Dream』(1976年)をリリースしました。同作にはグループ最大のヒット曲「Pheonix」やフリーソウル・クラシックとして再評価の高まった「Take It To The Limit」が収録されていました。

「Pheonix」(From 『Norman Connors Presents Aquarian Dream』)
http://www.youtube.com/watch?v=W7egZsGOBeI

「Take It To The Limit」(From 『Norman Connors Presents Aquarian Dream』)
http://www.youtube.com/watch?v=XFkh496e1vA

この時点のメンバーは、Claude Bartee Jr.(sax)、Jacques Burvick(key)、Gloria Jones(vo)、Patricia Shannon(vo)、James Morrison(ds)、Mike Fowler(per)、Pete Bartee(g、vo)、Valerie Horn(vo)という8名でした。

その後、同じくNorman Connorsのプロデュースによる2ndアルバム『Fantasy』(1978年)をリリース。さらにグループはConnorsの元を離れ、3rdアルバム『Chance to Dance』(1979年)をリリースしています。

今回紹介する『Fantasy』(1978年)は「You're A Star」「Fantasy」という2大キラー・チューン収録で今日人気の高いアーバン・ファンク/ディスコ作品ですね。

本作時点のメンバーは、Claude Bartee Jr.(sax)、Claude Bartee III(g、vo)、James Morrison(ds)、Patricia Shannon(vo)、David Worthy(per)、Winston Daley(key)、Ernie Adams(b)、Sylvia Striplinの8名。半数のメンバーが入れ替わりましたが、中でも注目はSylvia Striplinの参加ですね。

80年代に入り、Roy AyersのレーベルUno Melodicから、Eighties Ladiesやソロ名義でのアルバムをリリースするStriplinですが、その飛躍のステップとなったのが本作かもしれませんね。

さらにゲスト・ミュージシャンとして、James Gadson(ds)、Wah Wah Watson(g)、Ray Parker Jr.(g)、Gary Bartz(ss)、Eloise Laws (back vo)、Debra Laws(back vo)等が参加しています。また、元メンバーのGloria Jones、Jacques Burvickも参加しています。特にJacques Burvickは全8曲中5曲のソングライティングに参加していり、正式メンバーではないものの本作の制作に大きく貢献しています。

Norman Connorsプロデュース、Sylvia Striplin参加、フリーソウル・クラシック「Fantasy」収録などさまざまな楽しみ方ができるアルバムです。

僕の場合、やはりSylvia Striplinのキュートな歌声にグッときます!

全曲紹介しときやす。

「You're A Star」
「Fantasy」と並ぶ本作のハイライト。アーバンに疾走するクロスオーヴァー・ディスコに仕上がっています。適度にスペイシーなのもいい感じ!後半には官能女声コーラスも聞こえてくるのでご注意(笑)。Norman ConnorsファンはStarship Orchestraヴァージョン(アルバム『Celestial Sky』収録)と聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=WL-4rTYUFLI

Starship Orchestra「You're A Star」
 http://www.youtube.com/watch?v=s3Fpqrm8wTk

「Friends」
ポップなミッド・グルーヴ。ここでのリード・ヴォーカルはPatricia Shannon。Striplinほどの個性はありませんが、手堅いヴォーカルを聴かせてくれます。本曲のみAquarian Dream/Don Mizell/Elzy Whiteのプロデュースです。

「It Ain't Watcha Say」
程好くアーバンなディスコ・チューン。(良い意味での)B級感が魅力です!

「Yesterday (Was So Nice Today) 」
エレガントなストリングスを配したバラード。悪くはありませんが、何か一味足りない気も・・・。

「Play It For Me (One More Time) 」
スマートな中にもパワーを感じるファンク・チューン。押し寄せるようなグルーヴ感が魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZVO_fUItxU0

「Fantasy」
タイトル曲はフリーソウル・クラシックとしてもお馴染みの本作のキラー・チューン。Sylvia Striplinのヴォーカルが弾けたソフィスティケイトなダンス・チューンです。軽快なクラビネットの響きもいい感じです。

「Gentle Thoughts」
Melvin Ragin/Herbie Hancock作の人気曲カヴァー。Hancockのオリジナルはアルバム『Secrets』に収録されています(よく考えると、『Secrets』参加メンバーが本作にも多数参加していますね)。Lee Ritenourのカヴァーも有名です。本ヴァージョンはStriplinのヴォーカルをフィーチャーした軽快なアーバン・メロウに仕上がっています。

「Do You Realize」
ラストはアーバンな佇まいのミッド・チューン。Patricia Shannonが艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。「You're A Star」、「Fantasy」に次ぐ人気なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=M0e5snlA534

ここ数日のフル稼働状態が災いしたのか、体調不良です。
喉から鼻にきて、さらに少し熱っぽい・・・休養したいですが、しばらくはフル稼働を続けなければいけません。また、ドリンク剤を飲む本数が増える(泣)
posted by ez at 00:05| Comment(6) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月05日

Archer Prewitt『White Sky』

セピアな感じがたまりません!☆Archer Prewitt『White Sky』
White Sky
発表年:1999年
ez的ジャンル:シカゴ音響派SSW作品
気分は... :セピアな感じで

W杯はスペインが勝ち上がり、何とかベスト4に残りましたね。

パラグアイ戦の後半にペドロ、セスクを投入し、ビジャ、イニエスタ、シャビ、ブスケッツらと並んだ布陣は、バルサ・ファンにはたまらない光景でしたね。勝手にセスクがバルサに移籍したら・・・なんて妄想をしていました。個人的にはこの布陣でドイツ戦にも臨んで欲しいですね。クラブで培ったコンビネーションは大きな武器となると思います。

今日はかなり疲労困憊しており、あまりガチャガチャした音は聴きたくない気分です。

こんな気分の時、最近の僕ならばブラジルものへ行くのですが、今日はポスト・ロックが聴きたい気分・・・

そこでセレクトしたのはシカゴ音響派周辺の活動で知られるギター奏者Archer Prewittの2ndソロ『White Sky』(1999年)です。

Archer Prewittは1963年ケンタッキー州生まれ。カンザス・シティで80年代半ばより音楽活動を行い、本作にも参加しているMark GreenbergらとThe Coctailsを結成します。グループは1991年にシカゴへ拠点を移し、5枚のアルバムを制作した後に解散します。Prewittはそれと前後して、Sam PrekopJohn McentireArcher PrewittEric Claridgeと結成したThe Sea and Cakeに参加しています。Sam Prekopはカンザス・シティの学校時代の友人でした。

さらにソロ活動も開始し、これまで『In the Sun』(1997年)、『White Sky』(1999年)、『Three』(2002年)、『Wilderness』(2005年)といったソロ・アルバムをリリースしています。

詳しくは知りませんが、漫画家としても活動しているようですね。

さて、本作『White Sky』ですが、ストリングスやホーンを使ったアレンジが目立ちます。それでもカラフルにならずセピアなトーンの仕上がりが、Archer Prewittというアーティストらしいかもしれません。

何か際立ったものを感じるアルバムではありませんが、その地味で淡々とした中に深みを感じたりします。

全曲紹介しときやす。

「Raise On High」
淡々とした中にはも力強さを感じるオープニング。ストリングスとホーンが鳴り響く華やかな仕上がりです。適度に毒がある感じがらしいかも?

「Shake」
フォーク・ロックな味わい。乾いた中にも優しげな空気が流れているのがいいですね。ホーン隊が盛り上げる後半はソウルフルだったりします。

「White Sky」
タイトル曲はインスト。セピア色の哀愁漂う感じがいいですね。

「Summer's End」
寂しげなフルートの音色とヴォーカルが印象的です。終盤の盛り上がりを聴いていたら、昔プログレを聴いた時の高揚感を思い出しました。

「Last Summer Days」
フォーキーなSSW的味わいの仕上がり。今日の僕はこういう淡々とした音と歌を聴きたいのかも?

「Walking On The Farm」
淡々とした哀愁モードが疲れきった今の僕には実に心地好く聴こえます。このまま眠ってしまいたい・・・

「Motorcycles」
アルバムの中では最もキャッチーな仕上がりかもしれませんね。躍動感の中に漂うレイジーな雰囲気が好きです。

「Final Season」
美しさの中の寂しさにグッときます。疲れた心身を優しく包んでくれる・・・

「I'll Be Waiting」
ラストはフォーキー・チューンで穏やかに締め括ってくれます。味噌汁を飲んだ時のようなホッとした気分になれるのがいいですね。

国内盤には「Southern Wall」「Coleman」「Meant To Be」「Under The Feeling」という4曲のボーナス・トラックが追加収録されています。疲れを癒すという点では、美しいアコースティック・チューンが並んだ追加4曲がいいんですよね。

『In the Sun』(1997年)
In the Sun (Dig)

『Three』(2002年)
Three

『Wilderness』(2005年)
Wilderness

Sam Prekop『Sam Prekop』(1999年)
Sam Prekop

The Sea and Cake『Oui』(2000年)
Oui
posted by ez at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月04日

Lady Daisey『In My Pocket』

R&Bファン必聴!The Smile Raysの紅一点がソロ・デビュー☆Lady Daisey『In My Pocket』
In My Pocket
発表年:2010年
ez的ジャンル:二人三脚系ネオ・ソウル
気分は... :マラドーナ散る・・・

W杯準々決勝、昨日の「ブラジル対オランダ」と並ぶ注目の一戦「ドイツ対アルゼンチン」は、4対0という意外な大差でドイツの完勝に終わりました。

マラドーナの采配やアルゼンチンの選手の出来云々と言うよりも、ドイツの勢いとポテンシャルを感じましたね。準決勝が多分「ドイツ対スペイン」になると思いますが、かなり楽しみですね。

アルゼンチンでは、一人気を吐くテベスのプレーが感動的でしたね。
一方、今大会を無得点で終えたメッシの寂しげな姿は痛々しかったですね。

グループリーグを終わった段階では、「ブラジル対アルゼンチン」の決勝もあり得ると思ったのですが、その南米2強がベスト4に残れず、いずれも姿を消すとは全く予想できませんでした。

これだからW杯は面白いのでしょうね。

さて、今日はキュートな女性R&BシンガーLady Daiseyのソロ・デビュー作『In My Pocket』です。

Lady Daisey(本名Daisey Traynham)はN.Y.ブルックリン出身の女性R&Bシンガー。

TherapyBatsauceとのユニットThe Smile Raysのメンバーとして、『Party... Place.』(2007年)、『Smilin' On You』(2007年)といったアルバムをリリースしています。

夫でもあるDJ/プロデューサーBatsauceはDaiseyの公私にわたるパートナーであり、本作『In My Pocket』でもプロデュースを務めています。

その意味では本作もLady Daiseyのソロ作ですが、Batsauceと二人三脚で制作した夫婦アルバムと呼んだ方が適切かもしれませんね。よく言われるように、Adriana EvansDred Scottの関係を思い出してしまいますね。

Lady Daiseyのキュートなヴォーカルは実にユニークですが、個性的であるのみならずな実力も兼ね備えています。時にキュート、時にソウルフル、時にラップ調と変幻自在に自身のヴォーカルを操っています。

そんなDaiseyのヴォーカルを知り尽くしたBatsauceの創り出すトラックも絶品です。レトロ・ソウル、アーバン・ソウル、ネオ・ソウル、Hip-Hop等のエッセンスを巧みに組み合わせ、実にバラエティ豊かで飽きのこないアルバム構成になっています。

僕の中では今年の上半期No.1R&Bアルバムかもしれません。
捨て曲ナシ!充実の全12曲です。

全曲紹介しときやす。

「4 A.M.」
キュート&レイジーなヴォーカルで迫るオープニング。ソウルフルでありながらフワフワとした浮遊感が漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=zk3ELFpeHGE

「Soul Strut」
オススメその1。Betty Wright「Clean Up Woman」をイメージさせる70年代テイストのラブリー・ソウル。ここでのDaiseyはパンチの効いたヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=7jFCPwwVwic

「Hometown」
アーバン・テイストのR&Bチューン。クールなトーンがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=f4vwTPZ6L2U

「Day Old Bread」
オススメその2。ジャジー・テイストのトラックとキュートなDaiseyのヴォーカルがマッチしたドリーミーR&B。Batsauceのサウンド・センスを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=AN9mzzLlfc0

「Magical」
オススメその3。シングル・カット曲。Lady Daisey & Batsauceの魅力が凝縮された絶品ソウル・チューン。切なさとメロウネスが同居するグッド・ヴァイヴにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=NzX-mCVI2YU

「Gotta Get Up」
オススメその4。何かラッキーな事が起きそうなポジティヴ・グルーヴに乗って、Daiseyがラップ調のヴォーカルで音空間を駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=TSq61IuTve0

「Wants and Needs」
オススメその5。AkrobatikのラップをフィーチャーしたHip-Hopチューン。Batsauce創り出す小粋なトラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=VTLyNj0uiHs

「Goes Down Like」
オススメその6。ヒューマン・タッチな温もりを感じるハートフル・チューン。個性的なDaiseyのヴォーカルの魅力を活かしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=p221Ll3Iz7k

「Big Time」
オススメその7。パンチの効いたDaiseyのヴォーカルと腰にくるファンキー・グルーヴがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=BJNFGn5NMOg

「Promise Sunshine」
オススメその8。太陽の恵みを享受したかのようなオーガニック・チューン。このくつろぎ感はJack Johnsonあたりと一緒に聴いてもいいかも?
http://www.youtube.com/watch?v=cnF5pu0SZHM

「My Story」
オススメその9。クールなトラックと余裕すら感じるDaiseyの歌いっぷりが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=mHhHW2GMWDs

「Soul Celebration」
ラストは感動的なソウル・バラード。ジワジワと高揚してくるのがいいですね。アクセントをつけた中盤以降が心憎いですな。
http://www.youtube.com/watch?v=qBng0yF1P7A

Adriana Evans『Walking With The Night』Angela Johnson『It's Personal』あたりとセットで聴くと良いのでは?

Adriana Evans『Walking With The Night』
Walking With The Night

Angela Johnson『It's Personal』
It's Personal
posted by ez at 00:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月03日

Cal Tjader『Amazonas』

Airto Moreiraプロデュース、George Dukeアレンジによるブラジリアン・フュージョン☆Cal Tjader『Amazonas』
Amazonas
発表年:1976年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョン系ヴァイヴ
気分は... :ブラジル散る・・・

サッカーW杯、注目の準々決勝「ブラジル対オランダ」はオランダが逆転勝ち!
優勝候補No.1のブラジルが姿を消す結果となりました。

前半は圧倒的にブラジル優勢の展開だったので、まさか後半逆転されるとは思いませんでしたね。王国ブラジルでさえ、1つ歯車が狂うとガタガタと崩れてしまう・・・サッカーの怖さを思い知った試合でした。

一方、オランダはこれで勢いが増しましたね!
準決勝の相手(「ガーナ対ウルグアイ」戦の勝者)考えれば、決勝進出は堅いのでは!

今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の3回目の登場です。

『The Prophet』(1968年)、『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)に続いて紹介するのは、1976年リリースの『Amazonas』です。

ラテン・ジャズのイメージが強いCal Tjaderですが、本作『Amazonas』はプロデューサーAirto Moreira、アレンジャーGeorge Dukeという豪華な制作陣を迎えたブラジリアン・フュージョン作品に仕上がっています。

レコーディング・メンバーを見ると、本作がブラジリアン・フュージョン作品であることをさらに強く感じとれます。

Cal Tjader(vib、marimba)以下、David Amaro(g)、George DukeDawilli Gongaの変名で参加)(key)、Egberto Gismonti(p、syn)、Luiz Alves(b)、Robertinho Silva(ds、per)、Raul De Souza(tb)、Hermeto Pascoal(fl)、Aloisio Milanez(p)といったメンバーが参加しています。

全体的にクールな仕上がりがグッとくるアルバムだと思います。

ブラジル勝利を祝うセレクトになるはずだったのですが、まさか惜別のセレクトになるとは・・・

全曲紹介しときやす。

「Amazonas」
タイトル曲はJoao Donatoの名曲カヴァーです。当ブログではJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra Lucenaのヴァージョンも紹介済みです。本ヴァージョンはムーグシンセのスペイシーな音色が印象的です。そんなサウンドの中で軽快に響くTjaderのマリンバも目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=sIPYTk8dk80 ※ノイズが多く聴きづらいです

TjaderとDonatoと言えば、以前に紹介した『The Prophet』(1968年)は二人のコラボ色が濃い作品でしたね。本曲をタイトルに持ってきたのも、そんな二人の絆の証なのでは?

「Xibaba」
Airto Moreira作品。ミステリアスな雰囲気が漂う仕上がりです。David AmaroのギターとTjaderのヴァイヴがクールでいい感じです。

「Mindoro」
Cal Tjader/Hermeto Pascoal作。Tjaderの格好良いマリンバを堪能できます。淡々とした演奏ですが、何か引き込まれるものがあります。後半は作者の一人Hermeto Pascoalのフルートも目立っています。

「Flying」
David Amaro作。メロウなフュージョン・サウンドにTjaderのヴァイヴが重なり、マイルドな味わいが増していい感じです。

「Corine」
George Duke作。ロマンチックなムードが漂う黄昏フュージョンに仕上がっています。個人的には本作で一番好きかも?

「Noa Noa」
Sergio Mendes作品のカヴァー。Raul De Souzaのトロンボーンをフィーチャーしたライトなブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。Tjaderのヴァイヴの鳴り具合もいい感じ!

「Tamanco No Samba」
Orlan Divo/Elton Medeiros作品のカヴァー。テンポの良いスリリングな展開にグッときます。

「Cahuenga」
Aloisio Milanez作。アルバムの中でも異色の演奏です。ブラジル音楽好きの人は結構気に入るのでは?作者Aloisio Milanezのピアノ、Robertinho Silvaのパーカッション、Hermeto Pascoalのフルートが目立っています。

CDにはボーナス・トラックとして「Cahuenga」のロング・ヴァージョンが収録されています。個人的にはなかなか楽しめたロング・ヴァージョンでした。

Cal Tjaderの過去記事もご参照下さい。

『The Prophet』(1968年)
ザ・プロフェット

『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
サウンズ・アウト・バート・バカラック(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月02日

Toby Beau『If You Believe』

Balde Silvaのソロ・プロジェクトとなったAOR色の強い3rd☆Toby Beau『If You Believe』
愛のスケッチ
発表年:1980年
ez的ジャンル:爽快AOR
気分は... :ヤバいの一歩手前...

ここ2日間はW杯がないので少し物足りなさを感じますね。
実は超ビジー状態で、こんな呑気なことを言っている状況ではないのですが・・・

そんなヤバい状態の一歩手前で聴きたくなったのが、Toby Beauの3rdアルバム『If You Believe』(1980年)です。AORファンには支持の高い1枚ですね。

このアルバムの開き直った明るさ、爽快さが今の気分とリンクしているのかも?

Toby Beauの紹介はデビュー・アルバム『My Angel Baby』(1978年)に続き2回目となります。

テキサス出身の5人組ロック・グループとして、1978年にデビュー・アルバム『My Angel Baby』をリリースし、「My Angel Baby」(全米チャート第13位)のヒットを放ったToby Beauでしたが、1979年の2ndアルバム『More Than A Love Song』リリース後にBalde Silva(vo、g)以外のメンバーは、グループを去ってしまいます。

こうしてBalde Silvaのソロ・プロジェクトとなってしまったToby Beauが、1980年にリリースした3rdアルバム『If You Believe』です。

ポップ&メロウなヒット・シングル「My Angel Baby」を収録していたもの、全体としてはカントリー・ロック色の強かったデビュー・アルバム『My Angel Baby』ですが、本作『If You Believe』はAOR色の強い作品に仕上がっています。

プロデュースはポップ・カントリー系シンガーJerry Fuller。レコーディングには、Billy Joe Walker Jr.(g)、Steve Turner(ds、per)、John Hobbs(key)、Joseph Chemay(b、back vo)、Larry Muhoberac(key)、Bob Zimmitti(per)、Ernie Watts(sax)、Joe Clayton(congas)といったミュージシャンが参加しています。この中では直後にThe Joe Chemay Bandを結成するBilly Joe Walker Jr.、John Hobbs、Joseph Chemayの3名の参加が目立ちます。

決しては華やかなアルバムではありませんが、AORファンであれば満足できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Could It Be Love」
邦題「愛を教えて 」。オープニングはRandy Sharp作品。1976年にリリースした彼のアルバム『First In Line』には、Jeff Porcaro、David Paich、David Hungate、Lee Ritenour、David Foster等も参加しており、AORファンならばご存知のSSWかもしれませんね。名曲「My Angel Baby」の流れも感じるメロウなミディアム・スロウに仕上がっています。Jennifer Warnesがカヴァーしているので、聴き比べてみるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=L6kSvrSvi5Q

Jennifer Warnes「Could It Be Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=J3hPvW_ZHZw

「If I Were You」
邦題「愛をうけとめて」。本作のハイライト(Jerry Fuller/John Hobbs作)。シングル・カットもされたAORファン歓喜の名曲です。本曲狙いで本作を購入される方も多いのでは?切なさで胸が締め付けられる絶品の黄昏メロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=w9S2-UwKY5E

「One Needs Another」
邦題「輝く君の瞳」。Joe Chemay/Mike Meros/David Batteau作品。Mike MerosはThe Joe Chemay Bandのメンバー、David BatteauはValerie Carter「Wild Child」の作者として知られていますね。David Batteauは兄Robin BatteauとBatteauxというグループも組んでいました。ポジティブな躍動感が印象に残る1曲です。

「If You Believe」
タイトル曲はBalde Silvaのオリジナル。シングルにもなりました。ウエストコーストらしい晴れやかな爽快サウンド&コーラスにグッときます。

「Ships In The Night」
邦題「風に揺れる恋」。この曲もBalde Silvaのオリジナル。感動的なバラード。仰々しくなる一歩手前で止まっているあたりが僕好みです。

「Little Miss American Dream」
Peter McCann作品。Jermaine Jackson & Whitney Houston「Take Good Care of My Heart」等で知られている人ですね。アルバムの中では最もアメリカン・ロックしていますが、爽快コーラスがサウンドのコテコテ感を中和してくれるので、僕でも最後まで聴けます(笑)

「Give Me A Sign」
Balde Silva/Scott Galbraith/Danny McKenna作品。元メンバーDanny McKennaが作者の一人としてクレジットされています。軽快なポップ感の中に洗練を感じる爽快AORです。

「You Caught Me With My Love Down」
Jeff Silbar/Sam Lorber作のバラード。「Ships In The Night」同様、仰々しくなる一歩手前のサジ加減が絶妙なバラードです。

「As Far As I Can See」
Jerry Fuller作。AORファンはグッとくるメロウ・チューンですね。僕にはシンセが少し邪魔に聴こえますが・・・

「My Dream Lover」
ラストはKenny Logginsの従兄弟にあたるシンガー・ソングライターDave Logginsの作品。ライト&メロウなアコースティック・チューンにグッときます。

『My Angel Baby』(1978年)
Angel Baby
posted by ez at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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