発表年:1980年
ez的ジャンル:爽快AOR
気分は... :ヤバいの一歩手前...
ここ2日間はW杯がないので少し物足りなさを感じますね。
実は超ビジー状態で、こんな呑気なことを言っている状況ではないのですが・・・
そんなヤバい状態の一歩手前で聴きたくなったのが、Toby Beauの3rdアルバム『If You Believe』(1980年)です。AORファンには支持の高い1枚ですね。
このアルバムの開き直った明るさ、爽快さが今の気分とリンクしているのかも?
Toby Beauの紹介はデビュー・アルバム『My Angel Baby』(1978年)に続き2回目となります。
テキサス出身の5人組ロック・グループとして、1978年にデビュー・アルバム『My Angel Baby』をリリースし、「My Angel Baby」(全米チャート第13位)のヒットを放ったToby Beauでしたが、1979年の2ndアルバム『More Than A Love Song』リリース後にBalde Silva(vo、g)以外のメンバーは、グループを去ってしまいます。
こうしてBalde Silvaのソロ・プロジェクトとなってしまったToby Beauが、1980年にリリースした3rdアルバム『If You Believe』です。
ポップ&メロウなヒット・シングル「My Angel Baby」を収録していたもの、全体としてはカントリー・ロック色の強かったデビュー・アルバム『My Angel Baby』ですが、本作『If You Believe』はAOR色の強い作品に仕上がっています。
プロデュースはポップ・カントリー系シンガーJerry Fuller。レコーディングには、Billy Joe Walker Jr.(g)、Steve Turner(ds、per)、John Hobbs(key)、Joseph Chemay(b、back vo)、Larry Muhoberac(key)、Bob Zimmitti(per)、Ernie Watts(sax)、Joe Clayton(congas)といったミュージシャンが参加しています。この中では直後にThe Joe Chemay Bandを結成するBilly Joe Walker Jr.、John Hobbs、Joseph Chemayの3名の参加が目立ちます。
決しては華やかなアルバムではありませんが、AORファンであれば満足できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Could It Be Love」
邦題「愛を教えて 」。オープニングはRandy Sharp作品。1976年にリリースした彼のアルバム『First In Line』には、Jeff Porcaro、David Paich、David Hungate、Lee Ritenour、David Foster等も参加しており、AORファンならばご存知のSSWかもしれませんね。名曲「My Angel Baby」の流れも感じるメロウなミディアム・スロウに仕上がっています。Jennifer Warnesがカヴァーしているので、聴き比べてみるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=L6kSvrSvi5Q
Jennifer Warnes「Could It Be Love」
http://www.youtube.com/watch?v=J3hPvW_ZHZw
「If I Were You」
邦題「愛をうけとめて」。本作のハイライト(Jerry Fuller/John Hobbs作)。シングル・カットもされたAORファン歓喜の名曲です。本曲狙いで本作を購入される方も多いのでは?切なさで胸が締め付けられる絶品の黄昏メロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=w9S2-UwKY5E
「One Needs Another」
邦題「輝く君の瞳」。Joe Chemay/Mike Meros/David Batteau作品。Mike MerosはThe Joe Chemay Bandのメンバー、David BatteauはValerie Carter「Wild Child」の作者として知られていますね。David Batteauは兄Robin BatteauとBatteauxというグループも組んでいました。ポジティブな躍動感が印象に残る1曲です。
「If You Believe」
タイトル曲はBalde Silvaのオリジナル。シングルにもなりました。ウエストコーストらしい晴れやかな爽快サウンド&コーラスにグッときます。
「Ships In The Night」
邦題「風に揺れる恋」。この曲もBalde Silvaのオリジナル。感動的なバラード。仰々しくなる一歩手前で止まっているあたりが僕好みです。
「Little Miss American Dream」
Peter McCann作品。Jermaine Jackson & Whitney Houston「Take Good Care of My Heart」等で知られている人ですね。アルバムの中では最もアメリカン・ロックしていますが、爽快コーラスがサウンドのコテコテ感を中和してくれるので、僕でも最後まで聴けます(笑)
「Give Me A Sign」
Balde Silva/Scott Galbraith/Danny McKenna作品。元メンバーDanny McKennaが作者の一人としてクレジットされています。軽快なポップ感の中に洗練を感じる爽快AORです。
「You Caught Me With My Love Down」
Jeff Silbar/Sam Lorber作のバラード。「Ships In The Night」同様、仰々しくなる一歩手前のサジ加減が絶妙なバラードです。
「As Far As I Can See」
Jerry Fuller作。AORファンはグッとくるメロウ・チューンですね。僕にはシンセが少し邪魔に聴こえますが・・・
「My Dream Lover」
ラストはKenny Logginsの従兄弟にあたるシンガー・ソングライターDave Logginsの作品。ライト&メロウなアコースティック・チューンにグッときます。
『My Angel Baby』(1978年)