発表年:1983年
ez的ジャンル:妖艶女性SSW
気分は... :無敵艦隊ついに世界制覇!
サッカーW杯は「オランダ対スペイン」の決勝戦が行われました。
決勝の試合としては少し退屈でしたが、何とはスペインが勝利し、大会前の僕の予想が当たり嬉しい限りです。
スペインは本来の姿とは程遠い絶不調でしたが、ナバス、セスクが入って少しリズムが出てきましたね。最後はイニエスタが決めてくれました。結果として、デルボスケ監督の選手交代がズバリ的中しましたね。
あめでとうスペイン代表!
今回は艶っぽさが魅力の女性シンガーソングライターCarly Simonの3回目の紹介です。
『Torch』(1981年)、『Boys In The Trees』(1978年)に続いて紹介するのは『Hello Big Man』(1983年)です。
『Hello Big Man』はCarlyにとって11枚目のスタジオ作となります。数あるCarly Simon作品の中では地味な存在であり、商業的にもあまり成功しませんでした。
それでもリアルタイムで頻繁に聴いていたせいで、今でも好んで聴くCarly Simon作品です。
プロデュースはヴァイヴ奏者Mike Mainieri。Carlyとのコンビは『Come Upstairs』(1980年)、『Torch』(1981年)に続き、3作連続となります。
Mike Mainieriをはじめ、Hugh McCracken(g)、Tony Levin(b)、Rick Marotta(ds)、Don Grolnick(key)、Andy Summers(g)、Peter Wood(key)、Marcus Miller(b)、Sly Dunbar(ds)、Robbie Shakespeare(b)、Eric Gale(g)、Michael Brecker(ts)、David Sanborn(as)、Tawatha Agee(back vo)等がレコーディングに参加しています。
特にSly Dunbar(ds)、Robbie Shakespeare(b)という当時のレゲエ最高リズム・セクションSly & Robbieの参加が目立ちますね。実際にBob Marleyのカヴァー「Is This Love」をはじめ、レゲエ・チューンが3曲収録されています。それ以外にもエスニック調の楽曲もあり、そのあたりが他のCarly作品とは異なる味わいのある作品となっています。
僕が本作を気に入っているのも、従来からのCarlyらしいメロディアスなアコースティック・チューンと、レゲエ等の変化のある楽曲がバランス良く配されたメリハリ感かもしれません。そして、タイトル曲「Hello Big Man」の素晴らしさに長年魅了されています。
見過ごされがちなCarly作品ですが、なかなか楽しめますよ!
全曲紹介しときやす。
「You Know What To Do」
シングルにもなったオープニング。邦題「恋のノウハウ」。JTと別離を乗り越えて、新たな恋へと向かうCarlyの力強さを感じます。Andy Summersがギターで参加しているせいか、曲調が少しThe Policeっぽいですよね。Carly Simon/Jacob Brackman/Mike Mainieri/Peter Wood作。
http://www.youtube.com/watch?v=1io_O29Y118
「Menemsha」
Carly Simon/Peter Wood作。エスニックなエッセンスを巧みに取り込んだ1曲。子供もコーラスも入ったヒューマンな感動に満ちた仕上がりです。本作ならではの1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=-fP8LllAHEg
「Damn You Get To Me」
Carly Simon作。リリース当時、Carly本人がアルバムで一番気に入っていたというバラード。何処となくJTっぽいところが、微妙な女心なのでは(笑)
「Is This Love」
Bob Marleyの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Kaya』(1978年)に収録されています。ある意味、本作のハイライトかもしれませんね。個人的には恋するCarlyにピッタリの1曲だと思います。Sly & RobbieやEric Gale等ががっちりと好サポートしています。
「Orpheus」
Carly Simon作。雄大なメロディのバラード。さり気ないですが、なかなかいい感じです。
「It Happens Everyday」
Carly Simon作。昔ながらのファンを喜ばしてくれる美しいメロディのアコースティック・バラード。Carlyのソングライティングが衰えていないことを証明してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=eX1GpwI4i9Q
「Such A Good Boy」
Carly Simon/Mike Manieri/Robbie Shakespeareという興味深いメンバーによる共作。しかもリズム・セクションがSly & Robbieということで、ちがちのレゲエ・チューンを想像して聴くと、かなりポップな仕上がりに驚かされます。隠し味程度にレゲエ・エッセンスも入っていますが。
「Hello Big Man」
Carly Simon/Peter Wood作。個人的にはこのタイトル曲が本作のハイライトです。N.Y.で出会った男女の恋について歌ったものですが、実はその主人公はCarlyの両親!ということでCarly本人にとっても特別な楽曲のようです。歌詞、メロディ、アレンジどれをとっても完璧な1曲だと思います。David Sanbornのアルト・ソロが素敵な恋の物語を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=7OUtdqd4jXs
「You Don't Feel The Same」
Carly Simon作。なかなか素敵なメロディのアコースティック・バラード。個人的には大好きな1曲。
「Floundering」
Carly Simon作。ラストはSly & Robbieが参加していないにも関わらず、思い切りレゲエしています。
Carly Simon関連の過去記事もご参照下さい。
『Boys In The Trees』(1978年)
『Torch』(1981年)
4年に一度の祭典が幕を閉じ、しばらくは虚脱感で一杯になりそうですね。