発表年:1981年
ez的ジャンル:黒人系AOR
気分は... :ジャケは今イチですが・・・
今回はAORの人気作Stevie Woods『Take Me To Your Heaven』(1981年)です。
Stevie Woodsは1951年バージニア州生まれの黒人男性シンガー。1980年代にリリースした『Take Me To Your Heaven』(1981年)、『The Woman In My Life』(1982年)、『Attitude』(1983年)という3枚のアルバムがAORファンに人気です。
今回、この3枚が紙ジャケ仕様で国内CD化され、AORファンを喜ばせていますね。
AORファンが大騒ぎするほどStevie Woodsに興味があるわけではありませんが、それでも本作『Take Me To Your Heaven』は素晴らしい作品だと思います。
プロデュースはドイツ人のJack White。Laura Braniganのプロデュースでも知られていますね。
レコーディングにはPaul Jackson, Jr.(g)、Ray Parker, Jr.(g)、Steve Lukather(g)、David Shields(b)、Nathan East(b)、Clarence McDonald(key)、Michael Boddicker(key)、Ed Greene(ds)、James Gadson(ds)、Bill Reichenbach(tb)、Jerry Hey(tp)、Ernie Watts(s)、Bill Champlin(back vo)等の豪華メンバーがバックを務めます。このあたりの凄腕ミュージシャン達による確かなサウンド・プロダクションも本作の魅力かもしれませんね。
黒人シンガーWoodsがドイツ人プロデューサーJack Whiteと組んで制作したAORアルバムというのが面白いですよね。1、2曲ソウル、ファンク系の楽曲もありますが、基本的にはAORど真ん中な仕上がりです。
「Fly Away」 、「Take Me To Your Heaven」のようなAORファンお馴染みの楽曲のカヴァーもあるので、オリジナルと聴き比べてみるのも楽しいと思います。
AORの名作がめでたくCD化されたことを素直に喜びましょう。
全曲紹介しときやす。
「Fly Away」
オープニングはCarol Bayer Sager/David Foster/Peter Allen作品。このソングライター陣の顔ぶれだけでAORファンはグッときますね。作者Peter Allen、竹内まりやのヴァージョンもお馴染みですね。個人的にはメロウ&スウィートなWoodsヴァージョンが一番お気に入りです。アルバムからの2ndシングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=JJ-YR2v63Do
Peter Allen「Fly Away」 ※『Bi-Coastal』(1980年) 収録
http://www.youtube.com/watch?v=B4ubNYHOdO8
竹内まりや「Fly Away」 ※『Love Songs』(1980年)収録
http://www.youtube.com/watch?v=lWtcPPh80-g
「Just Can't Win 'Em All」
Bill Bowersock/Greg Mathieson/Matt Vernon/Trevor Veitch作品。アルバムからの3rdシングルとして全米チャート第38位となりました。いかにもシティ・ミュージックな作りがAORなファンにはグッとくるのでは(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=DD2tJBwWLCA
「Take Me To Your Heaven」
AORファンにはお馴染みWilson Brothersのカヴァー(Kelley Wilson/Steve Wilson作)。オリジナルは『Another Night』(1979年)に収録されています。個人的にはオリジナルが大好きなので、それと比較すると少し仰々しい感じもしますが、それでも素晴らしい出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=8e0PtiOYmqU
Wilson Brothers「Take Me To Your Heaven」
http://www.youtube.com/watch?v=SbnW4Oage6k
「Steal The Night」
Bill Bowersock/Matt Vernon/Trevor Veitch作品。アルバムからの1stシングルとして全米チャート第25位となりました。夏場にピッタリの爽快メロウ・チューンです。ハーモニカの響きが夏の思い出といった趣でいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=FPP04jnjT_A
「Through The Years」
Marty Panzer/Stephen H. Dorf作品。カントリーの大御所Kenny Rogersの大ヒットでお馴染みの曲ですね。僕にはそれが逆にマイナス・イメージになっていますが(笑)。でも本ヴァージョンを聴くと、良い曲なんだなぁと思います。
「Wanna Be Close To You」
Rene & Angela(Rene Moore & Angela Winbush)作品。Rene & Angelaヴァージョンは『Wall To Wall』(1981年)に収録されています。それまでから一変し、少しエロい雰囲気のブラコンに仕上がっています。でも、こういうの大好きです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=9mNYE-gUlPg
Rene & Angela「Wanna Be Close To You」
http://www.youtube.com/watch?v=H_q_auR9P2Q
「Read Between The Lines」
Bill Bowersock/Greg Mathieson/Matt Vernon/Trevor Veitch作品。アルバムの中では地味な扱いですが、かなり良いメロウなAORチューンだと思います。
「Throw A Little Bit Of Love My Way」
David Foster/Harry Garfield/Jay Graydon作品のカヴァー。元Three Dog Night、Cory Wellsのソロ『Touch Me』(1978年)やソウル・グループBloodstoneの『Don't Stop !』(1978年)、The Waters『Watercolors』(1980年)もカヴァーしている名曲です。スケールの大きなアーバン・モードの哀愁バラードに仕上がっています。
Bloodstone「Throw A Little Bit Of Love My Way」
http://www.youtube.com/watch?v=m_S23Wg1i-w
「Gotcha」
David N. Shields/Fritz Baskett/Michael Thompson作品。ラストはベースがブイブイうなるファンキー・グルーヴ。悪くはないけど、アルバムの流れを考えると唐突な気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=zAOSSjvw-w4
お好きな方は『The Woman In My Life』(1982年)、『Attitude』(1983年)もセットでどうぞ!
『The Woman In My Life』(1982年)
『Attitude』(1983年)