発表年:1970年
ez的ジャンル:Toddの原点系アウトテイク集
気分は... :思考停止中
ここ数日ハードワークが続きましたが、昨日のお昼で一区切り・・・徹夜作業や午後から歯医者へ行ったことも影響し、夕方以降は思考停止状態です。全く記事を作成する気になりませんでしたが、そんな中で脳裏に思い浮かんだのが今日紹介する作品です。
Todd Rundgrenが在籍していたグループNazzのラスト・アルバムとなった3rd『Nazz III』(1970年)です。
Nazzの紹介はデビュー作『Nazz』(1968年)に続いて2回目となります。
Todd Rundgren(g)以下、Robert "Stewkey" Antoni (key)、Thom Mooney(ds)、Carson Van Osten(b)という4名で結成され、レコード会社が第二のMonkeesとして売り出そうとしたNazzですが、その目論見は見事に外れてしまいました(笑)
当初Nazzの2ndはアルバムはToddプロデュースによる2枚組大作『Fungo Bat』として制作されましたが、Toddのワンマンぶりからメンバーやレコード会社との関係が悪化...『Fungo Bat』はりリースされることはありませんでした。レコード会社はToddのヴォーカルをStewkeyに差し替えて11曲入りの2ndアルバム『Nazz Nazz』(1969年)としてリリースします。
結局、グループを離れることとなったToddはソロ活動を開始します。そして、1stソロ『Runt』からのシングル「We Gotta Get You A Woman」が全米チャート第20位のヒットとなりますが、それに便乗しようとしたのかレコード会社が『Nazz Nazz』未収録の『Fungo Bat』セッションを寄せ集めてNazzの3rdアルバムとしてリリースしたのが『Nazz III』です。
オリジナルでは1曲を除き、リード・ヴォーカルはToddではなくStewkeyです。
このように書いてくると、残り物セッションの寄せ集めアルバムというマイナス・イメージを抱く方も多いかもしれませんね。でもToddのソロ初期作品を彷彿させる楽曲が多数収録されており、Toddファンにとっては侮れない1枚だと思います。
Nazzファンはパワーポップ路線が印象的な『Nazz Nazz』にグッとくるかもしれませんが、Toddファンは間違いなく『Nazz III』にグッとくると思います。
特に「Only One Winner」はToddファンは歓喜する名曲だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Some People」
フォーキーに始まる大人しいオープニングかと思いきや、中盤からエキサイティングなロック・チューンへと様変わりしてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=nCAiNEtWmbE
「Only One Winner」
個人的にはダントツで本作のハイライト。Toddファンは歓喜する1曲です。オリジナルではStewkeyがヴォーカルでしたが、CD化の際にToddがヴォーカルのヴァージョンに差し替えられています。Toddのソロ作『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』、『Something/Anything』あたりに収録されていても全く違和感がないと思います。僕がToddのベストを編集するならば絶対にリストアップする1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=-UBNQcBj9gc
「Kicks」
USロック・バンドPaul Revire & The Raiders、1966年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルを聴いた人であれば、かなりハードな仕上がりという印象を受けるのでは?
Paul Revire & The Raiders「Kicks」
http://www.youtube.com/watch?v=_jcXaJaJgok
「Resolution」
「It's Not That Easy」
この曲もToddらしい美しいメロディが印象的な2曲。リード・ヴォーカルはToddではなくStewkeyですが、2曲とも『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』あたりの雰囲気と重なる味わい深い仕上がりです。
「Old Time Lovemaking」
軽快なポップ・チューン。これがToddのソロならば、笑い声混じりのおふざけモードで演奏していそうな曲ですが(笑)。聴いているだけで楽しくなる結構癖になる1曲。
「Magie Me」
ブルース・フィーリングに溢れたハードなロック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=HUF4jK_vR7s
「Loosen Up」
タイトルからもわかる通り、Archie Bell & Drells「Tighten Up」をモチーフにしたお遊びセッションといったところです。個人的にはかなり楽しめました。
http://www.youtube.com/watch?v=_I2vUrOcgTg
「Take The Hand」
「Only One Winner」と並ぶ本作のハイライト。Toddマジック炸裂のメロディアスな仕上がり。コーラスもToddらしくてグッド!軽くパーカッシヴなテイストも僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=VWuPEHLzCaU
「How Can You Call That Beautiful?」
ハード系の曲では一番好き!パワーポップがお好きな人は気に入るであろうキャッチー&ハードな仕上がりです。後半のテンションの高い演奏にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=qgBPv9oXz2Y
「Plenty Of Lovin'」
ベースのVan Ostenの作品。ブルース調の仕上がりは悪くはありませんが、パンチにはやや欠ける感じですね。
「Christopher Columbus」
本曲もVan Ostenの作品。ドライヴ感のあるなかなか格好良いロック・チューンに仕上がっています。
「You Are My Window」
ラストはToddがヴォーカルをとる美しいバラード。本曲もToddファンならば相当グッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=ciPGpJBSWZk
2006年の再発CDにはボツにされたToddのリード・ヴォーカル・ヴァージョンがボーナス・トラックで追加収録されています。
『Nazz』(1968年)
『Nazz Nazz』(1969年)