発表年:1972年
ez的ジャンル:マイアミ・ソウルの女王
気分は... :今年のドルフィンズは???
NFL開幕まであと約1ヶ月です。
マイアミ・ドルフィンズの大ファンの僕ですが、日本ではドルフィンズに関する情報が殆ど入ってこないので、今シーズンの戦力がどの程度なのか全く見当がつきません。
しかもマイアミのプロ・スポーツはNFLよりもNBAで盛り上がっていますからね。
ご存知の方も多いと思いますが、NBA最大のスーパースターであるレブロン・ジェームスが今オフにマイアミ・ヒートへ移籍し、一気にNBA王者への期待が高まっています。
さて、今日の気分はマイアミなので、"マイアミ・ソウルの女王"Betty Wrightの代表作である2nd『I Love The Way You Love』(1972年)を紹介したいと思います。
Betty Wrightは1953年はマイアミ生まれ。
以前に当ブログで紹介したMilton WrightはBettyのお兄さんです。
11歳の時に本作のプロデュースも務めるマイアミ・ソウルの立役者Clarence ReidとWillie Clarkeの目に留まり、1966年にはシングル・デビュー、1968年に1stアルバム『My First Time Around』をリリースしています。
そして、マイアミを代表するレーベルT.K. Productions傘下のAlston Recordsからリリースしたシングル「Clean Up Woman」が全米シングル・チャート第6位、同R&Bチャート第2位の大ヒットとなり、一躍注目を集めるようになります。
その後は"マイアミ・ソウルの女王"として着実に大人のシンガーとして成長していきます。さらにプロデューサーとしての手腕も発揮するようになりました。80年代に入ってからは自身のレーベルMs.B Recordsを設立し、コンスタントに作品をリリースしています。
21世紀に入ってからもJoss Stone『The Soul Sessions』のプロデュースを手掛けたり、Erykah BaduやAngie Stoneの作品でフィーチャーされるなど、"マイアミ・ソウルの女王"はその存在感を示しています。
Betty Wrightの名前を知ったのは、やはり「Clean Up Woman」でした。
さらに前述のように、Joss Stone、Erykah Badu、Angie Stoneという僕が大好きな女性R&Bシンガー3人がBettyと接点を持っており、ますますマイアミ・ソウルの女王への興味が高まっていきました。しかしながら、最初にCDでベスト盤を購入してしまっていたため、オリジナル・アルバムの購入が後回しになっていました(泣)
今日紹介する『I Love The Way You Love』(1972年)は、前述のようにT.K.傘下Alstonへの移籍第一弾アルバムであり、代表曲「Clean Up Woman」を収録した作品です。
Clarence Reid/Willie Clarkeがプロデュースが務め、Little Beaver(Willie Hale)がソングライティング、アレンジ、ギターで大活躍しています。Latimoreもピアノ、オルガンで参加しています。
フリーソウル・クラシックとしても人気が高く、「Tonight is the Night」と並ぶサンプリング定番ネタでもある大ヒット・シングル「Clean Up Woman」の存在がかなり際立っていますが、それ以外の楽曲でもマイアミ・レディ・ソウルの魅力を堪能できます。
本作リリース時点でのBettyはまだ10代!
10代らしいキュートな魅力と10代とは思えない早熟ぶりが交錯するマイアミ・レディ・ソウルを堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「I Love the Way You Love」
Willie Clarke/Willie Hale(Little Beaver)作。タイトル曲は乾いたアーシー・サウンドとディープな中にも若々しさを感じるBettyのヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=gkYsUnj_ahE
作者の一人Little Beaverのヴァージョンもセットでチェックしてみて下さい。
Little Beaver「I Love the Way You Love」
http://www.youtube.com/watch?v=1BfEWcbbD4o
「I'll Love You Forever Heart and Soul」
オススメその1。Willie Clarke/Betty Wright/Willie Hale(Little Beaver)作。"マイアミ・ソウルの女王"への成長を予感させるソウルフルでパンチのある仕上がり。マイアミらしい朗らかな雰囲気もグッド!
「I Found That Guy」
Berry Gordy Jr./Freddie Perren/Deke Richards/Mizzell Alphonso作。ポップでチャーミングな雰囲気が漂うバラード。
「All Your Kissin' Sho' Don't Make True Lovin'」
オススメその2。Willie Clarke/Willie Hale(Little Beaver)作。ファンキーなバックの演奏が最高に格好良いグルーヴィー・チューン。誘惑と危険な香りが漂うマイアミの夜に似合う1曲。
「If You Love Me Like You Say You Love Me」
Willie Clarke/Clarence Reid作。少しイナたいモータウンといった雰囲気ですね。Bettyのキュートな魅力を堪能できる1曲。
「Clean Up Woman」
オススメその3。Willie Clarke/Clarence Reid作。説明不要の名曲。全米シングル・チャート第6位、同R&Bチャート第2位の大ヒットとなりました。Little Beaverによるイントロのギター・カッティングを聴いただけでテンション上がります!
http://www.youtube.com/watch?v=60ogwD_2AOA
サンプリング・ネタやカヴァー曲やとしても定番ですね。
当ブログで紹介しただけでもLeela James「Clean Up Woman」、Mary J. Blige「Real Love(Remix)」、SWV「I'm So into You」、Sounds Of Blackness「Hold On (Change Is Comin') 」の4曲があります。特にLeela Jamesのカヴァーはオリジナルに劣らないパンチが効いています!
Leela James「Clean Up Woman」(アルバム『Let's Do It Again』収録)
http://www.youtube.com/watch?v=5BscUvhIrnY
それ以外にもSweet Tee「It's Like That Y'all」、Afrika Bambaataa Presents Time Zone「Zulu War Chant」、Doctor Ice「Word Up Doc!」、Willie D「Clean Up Man」、Sublime「Get Out」、Montell Jordan「This is How We Do it (Puff Daddy Remix) 」等でサンプリングされています。J-POPでも小沢健二「ラブリー」やDragon Ash「I Love Hip Hop」で使われていますね。
Sweet Tee「It's Like That Y'all」
http://www.youtube.com/watch?v=Jau-DPP_WMY
Afrika Bambaataa Presents Time Zone「Zulu War Chant」
http://www.youtube.com/watch?v=wbs2Qhr995Q
Doctor Ice「Word Up Doc!」
http://www.youtube.com/watch?v=Q3HOvShuy3Q
Willie D「Clean Up Man」
http://www.youtube.com/watch?v=81NFNFWyX2g
Sublime「Get Out」
http://www.youtube.com/watch?v=fOd6QYe4SfE
Montell Jordan「This is How We Do it (Puff Daddy Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=yf_rVOVoQPg
小沢健二「ラブリー」
http://www.youtube.com/watch?v=qKN2WRzTKa4
カヴァーではClarence Reid(Blowfly名義)の替え歌ヴァージョン「Scorpio」、Cynthia Richardsによるファンキー・レゲエ・カヴァー、Steve Cropperが変名で結成したグループWashragのインスト・カヴァー等があります。
「I'm Gettin' Tired Baby」
オススメその4。Willie Clarke/Clarence Reid作。灼熱のマイアミのディープ・ソウルといった雰囲気がたまりません。The Reid Singersによるソウルフルなバック・コーラスもグッド!
「Pure Love」
オススメその5。Willie Clarke/Clarence Reid作。早くも"マイアミ・ソウルの女王"の貫禄が漂うディープなバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=f8X78lZuHro
「Ain't No Sunshine」
オススメその6。Bill Withersの名曲カヴァー。オリジナルは『Just As I Am』に収録されています。Michael Jacksonのカヴァーでもお馴染みですね。オリジナルやMJヴァージョンと比較すると、よりソウルフルな味わいで名曲を堪能できます。
「Don't Let It End This Way」
Willie Clarke/Willie Hale(Little Beaver)作。ストリングスをバックにBettyが表現力豊かなヴォーカルを聴かせてくれます。
「Let's Not Rush Down the Road of Love」
Willie Clarke/Clarence Reid作。ディープ&ソウルフルなBettyのヴォーカルの魅力を堪能できるバラードでアルバムは幕を閉じます。
『My First Time Around』(1968年)
『Hard To Stop』(1973年)
『Live』(1978年)