発表年:1992年
ez的ジャンル:Ariwa系UKラヴァーズ
気分は... :Ariwaラヴァーズ大好き!
先日、今夏にサルサ作品を1枚も紹介していないということで、Willie Colon『Top Secrets』を紹介しましたが、同様にレゲエ作品も今夏に未紹介であることに気付きました。
そこで今回はUKラヴァーズ作品からCarroll Thompson『The Other Side Of Love』(1992年)をセレクトしました。
Carroll Thompsonは1960年イギリス、ハートフォードシャー生まれ。
1981年シングル「I'm So Sorry」でデビュー。本曲はエコーズ誌のレゲエ・ソング・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、さらには同曲収録のデビュー・アルバム『Hopelessly in Love』をリリースし、UKレゲエ界のクイーンとして注目を浴びます。
「I'm So Sorry」
http://www.youtube.com/watch?v=MeimeGWNCAo
1982年に2ndアルバム『Carroll Thompson』をリリースした後は、Floy Joyというグループへ参加したり、レゲエの枠を飛び越えたセッション・シンガーとしての仕事が多くなります。当ブログで紹介した作品で言えば、Aztec Camera『Love』(1987年)、Aswad『Distant Thunder』(1988年)にも参加しています。
90年代に入ると、Courtney Pine「I'm Still Waiting」、Movement 98「Joy And Heartbreak」等への参加で、再びCarrollへの注目が集まるようになります。そんな中で今日紹介された3rd『The Other Side of Love』(1992年)をリリースしています。その後日本独自のアルバムを数枚リリースしています。
Courtney Pine「I'm Still Waiting」
http://www.youtube.com/watch?v=Xe5zQIN1wFY
Movement 98「Joy And Heartbreak」
http://www.youtube.com/watch?v=NgPkq1780vo
最近では2ndアルバム『Carroll Thompson』の人気が高いようですが、僕の中のCarroll ThompsonはMad Professorが主宰するAriwaからリリースされた本作『The Other Side of Love』とGota & The Heart of Gold『Somethin' To Talk About』(1993年)のイメージが強いですね。
当時、UKラヴァーズ大好きだった僕にとって、Kofi『Black...with Sugar』(1989年)、Susan Cadogan『Soulful Reggae』(1992年)、Sandra Cross『Foundation Of Love』(1992年)、そしてCarroll Thompson『The Other Side Of Love』という、4枚のAriwaの歌姫によるアルバムにはかなり思い入れがありましたね。
また、屋敷豪太ファンでもあった僕にとって、彼のアルバムGota & The Heart of Gold『Somethin' To Talk About』に収録された「Someday」、「All Alone」の2曲におけるCarroll Thompsonのヴォーカルに相当グッときました。特に「Someday」では今でもよく聴く超お気に入り曲です。
Gota & The Heart of Gold「Someday」
http://www.youtube.com/watch?v=pHeuT1TUTdM
さて、今日紹介する『The Other Side of Love』ですが、Mad ProfessorプロデュースによるいかにもAriwaらしいスウィート&ラブリーなラヴァーズを聴かせてくれます。今聴くとかなりチープなサウンドですが、そのチープさが逆にラブリーな雰囲気を醸し出し、Ariwaラヴァーズ作品の魅力になっている気がします。
名曲「A Natural Woman」のカヴァー以外は全てCarroll自身のペンによるオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「The Other Side Of Love」
タイトル曲はAriwaらしいスウィートでちょっぴり切ない雰囲気のラヴァーズ・ロックに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=fGxJhfyHFX4
「I Go Week」
普段レゲエを聴かない人でも親しみやすいラブリーなメロウ・チューン。レゲエの枠を飛び越えてセッション活動を続けてきたCarrollらしい仕上がりなのでは?
「Lovers And Strangers」
レゲエらしいゆったりしたムードの中にAriwaラヴァーズらしいスウィートなメロウネスを堪能できます。
「Move Me」
僕の一番のお気に入り曲。晴れた日に聴くとピッタリな爽快モードのメロウ・チューンに仕上がっています。甘く切ない雰囲気が胸にグッときます。
「Walk Away」
躍動感するリズムとキュートに弾けたCarrollのヴォーカルが印象的です。
「Unity」
レゲエならではのラブリー&ピースフルな雰囲気を堪能できます。夏の午後にボンヤリと過ごしたい気分にはピッタリですね。
「Show Some Love」
Ariwaのレーベル・メイトであり、UKダンスホールシーンの人気DJであったMacka Bをフィーチャー。この曲は彼のアルバム『Jamaica, No Problem?』(1992年)にも収録されています。クールで格好良いダンスホール・チューンに仕上がっています。
「Where Were You」
夏の終わりに聴くとグッときそうな甘く切ないラヴァーズに仕上がっています。ひと夏の思い出に浸りたい気分にマッチしそうです。
「A Natural Woman」
Aretha Franklinのヒットでお馴染みの名曲をカヴァー(Carole King/Gerry Goffin/Jerry Wexlerの共作)。Arethaヴァージョンはアルバム『Lady Soul』に収録されています。一味違った「A Natural Woman」を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=_1qJURVedEI
国内盤にはボーナス・トラック「Rock Me Gently」 が追加収録されています。
他のAriwaラヴァーズの過去記事もご参照下さい。
Kofi『Black...with Sugar』(1989年)
Susan Cadogan『Soulful Reggae』(1992年)
Sandra Cross『Foundation Of Love』(1992年)