録音年:1964年
ez的ジャンル:ラテン・ジャズ系ヴァイヴ
気分は... :マンハッタンの夜に誘われて・・・
ジャズ・ヴァイヴ奏者Dave Pikeの2回目の登場です。
The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)に続いて紹介するのは、『Manhattan Latin』(1964年)です。
僕の場合、クラブでも大人気であったシタール名曲「Mathar」からDave Pikeに入ったため、どうしてもサイケなイメージが先行してしまう人です。アルバムで言えば、The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)、『The Doors of Perception』(1970年)の2枚を聴く頻度が高いですね。
しかも、The Dave Pike Setはドイツのグループであるため、長い間Dave Pikeはドイツ人だと思い込んでいました(汗)
そのため、どうもThe Dave Pike Set以前のDave PikeとThe Dave Pike Set以降のサイケなDave Pikeが結びつかないところがあります。
話が逸れますが、The Dave Pike SetのメンバーであったVolker Kriegelのソロ・アルバム『Spectrum』(1971年)も大好きな作品です。『Spectrum』については、既に当ブログで紹介したと思い込んでいたのですが、調べたら未紹介であることに今日初めて気付きました。
さて、今回紹介する『Manhattan Latin』(1964年)ですが、タイトルの通りラテン・ジャズ作品です。60年代前半の作品で言えば、Joao Donato曲集である『Bossa Nova Carnival』(1962年)、『Limbo Carnival』(1962年)、Bill Evansとの共演作『Pike's Peak』(1962年) といった作品も人気が高いかもしれませんが、本作も外せない1枚だと思います。
レコーディング・メンバーは、Dave Pike(vibe)、Dave Burns(tp)、Ray Copeland(flh)、Joseph Grimaldi(fl)、Chick Corea(p)、Israel "Cachao" Lopez(b)、Carlos "Patato" Valdez(congas)、Willie Bobo(ds)、Robert Thomas(per)、Hubert Laws(picc、s)、Attila Zoller(g)、Don Friedman(p)、Jack Six(b)です。実際には3つのセッションから構成されています。Chick Coreaの参加が目を惹きますね。
ジャズ好きの人のみならずラテン好きの人もかなり楽しめる内容になっています。あとはクラブジャズ好きの人が聴くと、相当グッとくると思います。今聴いても全く古さを感じないスリリングなラテン・グルーヴには驚くばかりです。変に熱すぎないクールな高揚感が魅力ですね。
マンハッタンの夜の誘惑といった趣のジャケにも魅了されますよね。
ジャケ買いしたくなった方は、内容も間違いナシです!
全曲紹介しときやす。
「Baby」
陽気で軽快なオープニング。Dave Pikeのヴァイヴの艶やかな音色が夜のマンハッタンへと誘います。Dave Pike作。
「Que Mal Es Querer」
本格的にラテンしているマンボ・チューン。このあたりはジャズ好きよりもラテン好きの人が聴くとグッとくると思います。Arsenio Rodriguez作。
「Not A Tear」
Rudy Stevenson作のボレロ1曲目。エキゾチック/ラウンジ好きの人は気に入るであろう美しくムーディーな仕上がりです。エレガントなChick Coreaのピアノもグッド!
「Mambo Dinero」
軽快なコンガのリズムとヴァイヴの絡みが心地好い1曲。Attila Zollerのギターもいい感じです。Dave Pike作。
「Montuno Orita」
個人的にはココからがアルバムのお楽しみ!本曲からラストまで全てオススメです。オススメその1。スリリングなラテン・グルーヴ。決して熱くなりすぎないクールなスピード感がたまりません。Dave Pike作。
「Aphrodite」
オススメその2。クラブジャズ好きの人が聴くと、あまりにクールな格好良さに一発でKOされる演奏なのでは?これが1964年の演奏だとは信じられません。Carlos "Patato" Valdezのコンガのパカポコ感にグッときます。パーフェクトな1曲だと思います。Bobby Thomas作。
http://www.youtube.com/watch?v=pjtalxLQo64
「La Playa」
オススメその3。「Aphrodite」同様、クラブジャズ好きの人を虜にするであろう1曲(Chick Corea作)。こちらもクール&スリリングな演奏でキメてくれます。こちらもミラクル!
「Latin Blues」
オススメその4。男の色気が漂うダンディな演奏が印象的です。Dave Pike作。
「South Seas」
オススメその5。Rudy Stevenson作のボレロ2曲目。美しさの中にどこか寂しさが漂う演奏にグッときます。
「Sandunga」
オススメその6。ラテンな格好良さで言えば、アルバム随一かもしれません。洗練された雰囲気がいかにもN.Y.ラテンといった感じで大好きです。Dave Pike作。
「Dream Garden」
オススメその7。エレガントな演奏はまさにマンハッタンで夢心地気分といったところでしょうか。Dave Pike作。
http://www.youtube.com/watch?v=ELvLmUvZVtw
「Vikki」
オススメその8。ラストはしっとりと締めくくってくれます。
本作を気に入った方は他のDave Pike作品もチェックしてみて下さい!
『It's Time for Dave Pike』(1961年)
『Bossa Nova Carnival』(1962年) ※Joao Donato曲集
『Limbo Carnival』(1962年)
『Pike's Peak』(1962年) ※Bill Evansとの共演作
『Jazz for the Jet Set』(1966年)
The Dave Pike Set『Got The Feelin'』(1969年)
The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
『The Doors of Perception』(1970年)
前述のように、紹介済みだとすっかり勘違いしていたVolker Kriegel『Spectrum』(1971年)も近々紹介したいと思います。
Volker Kriegel『Spectrum』(1971年)