2010年08月28日

The Isley Brothers『Harvest For The World』

「3+3」体制後のIsleysの魅力を上手くパッケージ化した1枚☆The Isley Brothers『Harvest For The World』
ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド
発表年:1976年
ez的ジャンル:ロック×ポップス×ソウル系ファンク
気分は... :収穫の多い作品なのでは?

久々にThe Isley Brothersの登場です。

これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の8枚(発表年順)。

 『Givin' It Back』(1971年)
 『The Isleys Live』(1973年)
 『3+3』(1973年)
 『The Heat Is On』(1975年)
 『Go For Your Guns』(1977年)
 『Winner Takes All』(1979年)
 『Between The Sheets』(1983年)
 『Baby Makin' Music』(2006年)

9枚目に紹介するのは1976年リリースの『Harvest For The World』です。

本作はO'Kelly Isley、Rudolph Isley、Roland Isleyのヴォーカル隊とErnie Isley、Marvin Isley、Chris Jasperの演奏隊が合体した「3+3」体制になって4枚目のアルバムです。『Live It Up』(1974年)、『The Heat Is On』(1975年)に続き、全米アルバム・チャート第1位となっています。

際立った特徴を感じるアルバムではありませんが、ロック、ポップス、ソウルを消化したファンク・サウンドという「3+3」体制後のIsleysの魅力を上手くパッケージ化した作品という印象を受けます。個々の楽曲というよりも、アルバム全体の総合力が素晴らしいですね。

プロデュースはメンバー自身。さらにStevie Wonder三部作でお馴染みのMalcolm Cecilがアソシエイト・プロダクション、エンジニアリング、プログラミングで参加しています。『3+3』以降のIsleysサウンドに大きく貢献してきたMalcolm Cecilですが、本作がグループに関与した最後の作品となりました。

今日では「Harvest for the World」「(At Your Best) You Are Love」あたりが注目されがちですが、他の楽曲もかなり楽しめる1枚だと思います。

『3+3』『The Heat Is On』あたりを聴いてから、本作に入るパターンが一番楽しめるのでは?

Isleys好きならば間違いナシの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Harvest for the World (Prelude)」
「Harvest for the World」へのイントロ。

「Harvest for the World」
タイトル曲はアルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャートの第9位となりました。歌詞内容は社会派メッセージ・ソングですが、音はアコースティック・ギターが印象的なポップ&メロウな仕上がりです。The Power Station、The Christians、Ronnie Laws、Jewell等がカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=yz_OsEISBGo

Jewell「Harvest for the World」
 http://www.youtube.com/watch?v=juP7Xa7WjUI

「People of Today」
一番のお気に入り曲。前作『The Heat Is On』からの大ヒット曲「Fight the Power!」の流れを汲むIsleysらしいファンク・チューン。トーキング・モジュレーターも駆使したエレクトリックなウニャウニャ・サウンドがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=1oFdjSs1zuA

「Who Loves You Better」
アルバムからの1stシングル。全米R&Bチャートの第3位となりました。この時期のIsleysらしくロック/ポップ/ファンクを上手く融合したノリの良い1曲に仕上がっています。Ernieファンの方はアルバムで一番彼のギターが目立っている曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=HHqGTH1K_fA

「(At Your Best) You Are Love」
名バラードとして名高い1曲。大ヒットしたAaliyahのカヴァーで本曲に出会った方は大作バラードのイメージが強いかもしれませんが、オリジナルは意外にサラッとした作りです。Aaliyahヴァージョンは本人以上にプロデューサーR.Kellyの嗜好が前面に出た感じでしたが・・・。最近、AaliyahヴァージョンはDrake feat. Young Jeezy「Unforgettable」でサンプリングされていましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=BVJzPiJufkY

Aaliyah「(At Your Best) You Are Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=UAXKmlqeO7A
Drake feat. Young Jeezy「Unforgettable」
 http://www.youtube.com/watch?v=Q7FtkSfqrb4

「Let Me Down Easy」
人気曲「(At Your Best) You Are Love」の陰で割を食っている感がありますが、本曲も名バラードだと思います。アープ・シンセが醸し出す哀愁感とRolandのやや抑えたヴォーカルにグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=KDwnEk0vilM

「So You Wanna Stay Down」
軽やかな爽快グルーヴ。アルバムで一番忘れられがちな曲かもしれませんが大好き!アルバムのいいアクセントになっていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=1g7S0cqC_GM

「You Still Feel the Need」
ラストはゴツゴツとしたグルーヴにグッとくるファンキー・チューン。アルバムで一番ブラックネスの効いた曲でアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=9XFFnmlmeNg

Isleysの過去記事もご参照下さい。

『Givin' It Back』(1971年)
Givin' It Back

『The Isleys Live』(1973年)
The Isleys Live

『3+3』(1973年)
3+3

『The Heat Is On』(1975年)
The Heat Is On

『Go For Your Guns』(1977年)
Go for Your Guns

『Winner Takes All』(1979年)
Winner Takes All

『Between The Sheets』(1983年)
Between the Sheets

『Baby Makin' Music』(2006年)
Baby Makin' Music
posted by ez at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする