2010年09月24日

Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』

イタリアン・ジャズの至宝による強力三管☆Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』
Plus Dino Piana
録音年:1960年
ez的ジャンル:イタリアン・ジャズの至宝
気分は... :伊達男の国のクラブジャズのルーツがここに!

今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini (tp)の双頭コンボBasso/ValdambriniDino Piana(tb)を迎えて録音した『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)です。

Basso/Valdambriniは、サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini (1924-1997年)を双頭リーダーにしたグループ。1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボです。クラブジャズ方面からも再評価の高いグループです。

主な作品として、『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)、『New Sound from Italy』(1959年)、『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)、『Walking in the Night』(1960年)、『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)、『Bossa Nova!』(1962年)、『Quintetto Basso Valdambrini』(1963年)、『Exciting 6』(1967年)等があります。

クラブジャズ人気で言えば、「Lotar」収録の『Basso Valdambrini Quintet』「Monotonia」収録の『The Best Modern Jazz in Italy 1962』「Agitazione」収録の『Exciting 6』あたりかもしれませんが、本作『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』もかなり格好良いスウィング感を堪能できる1枚に仕上がっています。

『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』はタイトルの通り、トロンボーン奏者Dino Pianaをゲストに迎えて録音した作品です。Pianaはその後グループへ正式に加入することになります。

レコーディング・メンバーは、Gianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini (tp)、Dino Piana(tb)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、 Gianni Cazzola(ds)の6名です。Pianaが加わった強力三管フロントが本作の魅力ですね。

現代イタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiの呼び掛けで2005年に結成したイタリアン・ジャズ・ルネッサンスを目指したグループidea6に、BassoとPianaの二人が招き入れられた事実からも彼らの偉大さを認識できますね。残念ながら、その時点でValdambriniは他界していましたが、存命であれば彼も誘われていたのでは?

イタリアのクラブジャズに興味がある方は、そのルーツとしてBasso/Valdambrini作品をチェックすると楽しいと思います。かく言う僕も、最近聴き始めたばかりなので、これから勉強したいと思っています。

イタリアン・ジャズの至宝を堪能してください!

全曲を紹介しときやす。

「Crazy Rhythm」
オススメその1。オープニングはIrving Caesar/Joseph Meyer/Roger Wolfe Kahn作のスタンダード(1928年作)。躍動する格好良さに一発で魅了されてしまいました。Basso、Valdambrini、Pianaの強力三管フロントの魅力を存分に堪能できます。

「But Not for Me」
Ira & George Gershwinによる名曲(ブロードウェイ・ミュージカル『Girl Crazy』の挿入歌)。当ブログではこれまでJohn ColtraneModern Jazz QuartetMiles Davisの演奏を紹介済みです。ここでは軽やかで小粋な演奏を聴かせてくれます。

「Guess Who」
オススメその2。Bill Russo作。伊達男達のスウィングにグッときます。三管フロントのアンサンブルが格好良すぎですね!この演奏を聴けば、BassoやPianaがIdea 6に招かれた理由がわかる気がします。

「Polka Dots & Moonbeams」
Jimmy Van Heusen作ののスタンダード(1940年作)。美しくムーディーな演奏はノスタルジックな気分に浸るのにピッタリです。

「Ciau Turin」
オススメその3。Carlo Prato作。陽気で歌心のある演奏は、軽やかに気取った伊達男ジャズといった雰囲気ですね。

「Il Grimmo」
オススメその4。本作で唯一のオリジナル(Osacr Valdambrini作)。この時点での彼らの格好良さがコンパクトにまとまった演奏だと思います。

「I Should Care」
Sammy Cahn/Axel Stordahl/Paul Weston作のスタンダード。当ブログではThelonious Monkの演奏を紹介済みです。ここではGiorgio Azzoliniに先導された小粋な演奏がキマっています。

「Topsy」
Edgar Battle / Eddie Durham作のスタンダード。Lee KonitzとWarne Marshの共演作『Lee Konitz With Warne Marsh』でも演奏していましたね。美しくロマンティックな演奏は優しさに包まれています。

「Lucky Ed Io」
オススメその5。Attilio Donadio作。スピード感のある格好良さで言えば、アルバム随一の演奏だと思います。強力三管フロントが次々と畳み掛けてくる感じがサイコーですね!

「Autumn Leaves」
ラストはJoseph Kosma作のスタンダード『枯葉』です。当ブログではBill Evans Trioの演奏を紹介済みです。僕のイメージする『枯葉』らしからぬ意外性のある演奏が印象に残ります。

他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!

『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)
Basso Valdambrini Quintet

『Walking in the Night』(1960年)
ウォーキング・イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソ=ヴァルダンブリーニ・セクステット(紙ジャケット仕様)

クラブジャズ好きの方は。idea6からBassoとPianaを聴くというパターンも有りかも?

idea6『Metropoli』(2005年)
Metropoli

idea6『Steppin' Out』(2007年)
Steppin' Out
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2010年09月23日

Parliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』

Dr. Funkensteinのクローンが地球をP-Funkで埋め尽くす!☆Parliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』
Clones of Dr Funkenstein
発表年:1976年
ez的ジャンル:SFストーリー系P-Funk
気分は... :脳内P-Funkだらけ!

総帥George Clinton率いるP-Funk軍団Parliamentの3回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたFunkadelic/Parliament作品は以下の3枚。

 Parliament『Mothership Connection』(1975年)
 Parliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)
 Funkadelic『Maggot Brain』(1971年)
 Funkadelic『Uncle Jam Wants You』(1979年)

今日紹介するのはParliamentの全盛期の1枚『The Clones Of Dr. Funkenstein』(1976年)です。

前作Parliament『Mothership Connection』(1975年)から始まったファンク伝道者Star ChildのSFストーリーをさらに発展させたものです。

タイトルから想像できるように、Dr.Funkensteinが自らのクローンを量産して地球をP-Funkで埋め尽くすというストーリーです。ジャケにもDr.Funkensteinとクローンが写っていますね。

やはりParliamentは、『Mothership Connection』(1975年)、『The Clones Of Dr. Funkenstein』(1976年)、『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)というスタジオ作3枚にライブ・アルバム『Live:P-Funk Earth Tour』(1977年)を加えた4枚が最強という気がします。

Parliament独特のテンポを落とした能天気モードのファンクを聴くと、心が解き放たれ一瞬にしておバカ・モードになれるのがいいですね。

『Mothership Connection』『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』の間に挟まれているせいで目立ちにくいところがありますが、本作『The Clones Of Dr. Funkenstein』にもP-Funkの魅力がぎっしり詰まった1枚です。

George Clinton(vo)以下、Calvin Simon(vo)、Fuzzy Haskins(vo)、 Ray Davis(vo)、 Grady Thomas(vo)、Garry Shider (g、vo)、
Michael Hampton(vo)、Glen Goins (g、vo)、Bootsy Collins(b、vo、ds)、Cordell Mosson(b)、Renny Jones(b)、Bernie Worrell(key、syn)Jerome Brailey(ds)、 Gary Cooper(ds)、Fred Wesley、Maceo Parker、Rick Gardner、Michael Brecker、Randy Breckerといったホーン隊などお馴染みのP-Funk軍団がレコーディングに参加しています。

Hip-Hopファンには「Do That Stuff」をはじめ、サンプリング・ネタの宝庫としても知られる作品ですね。

本作を全曲聴き終えるころには、脳内がP-Funkに侵されていますよ!
あなたの周囲にもDr.Funkensteinのクローンが大勢いるかも(笑)

全曲を紹介しときやす。

「Prelude」
妖しげなムードの中、Dr. Funkensteinが自らの野望を語ります。Eazy-E「(Prelude) Still Talkin'」、X-Clan「Xodus」でサンプリングされています。

「Gamin' On Ya」
ホーン隊が盛り上げるファンク・チューン。オリエンタルなイントロが意外です。
http://www.youtube.com/watch?v=Cf6PYJZuPe4

Salt N' Pepa「He's Gamin' On Ya」、Ice Cube「Us」、Bloods & Crips「Shuda Beena B-dog」、WC & The Maad Circle「Ghetto Serenade」等でサンプリングされています。

Salt N' Pepa「He's Gamin' On Ya」
 http://www.youtube.com/watch?v=jrBOafqvsUw
Ice Cube「Us」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZyMJABqGcTQ
Bloods & Crips「Shuda Beena B-dog」
 http://www.youtube.com/watch?v=_sD6xCPsjw0
WC & The Maad Circle「Ghetto Serenade」
 http://www.youtube.com/watch?v=TQQnGW9v4Xc

「Dr. Funkenstein」
「Do That Stuff」と並ぶ本作のハイライト。タイトルの通り、Dr. Funkensteinを称えるファンク・チューン。これぞP-Funkの王道といった感じのダラダラ・モードのグルーヴに脳内が占領されてしまいます。まんまとDr. Funkensteinの術中にハマってしまいますな(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=kQB2sKkIaic

Ice-T「Bitches 2」、Pete Rock & C.L.Smooth「It Ain't Rough, It Ain't Right」、Threat「Shuta Fuck Up」、Too $hort「It's Your Life」、Scarface「Lettin' 'Em Know」等でサンプリングされています。また、Red Hot Chili Peppersがライブで演奏していました。

Ice-T「Bitches 2」
 http://www.youtube.com/watch?v=dZONdoV_TBM
Pete Rock & C.L.Smooth「It Ain't Rough, It Ain't Right」
 http://www.youtube.com/watch?v=dIolpeRPkfA
Too $hort「It's Your Life」
 http://www.youtube.com/watch?v=lI5lwT5WRo8

「Children Of Productions」
P-Funk独特の華やかさにグッとくるファンク・チューン。このあたりの曲がスマートに聴こえてしまう時点で脳内はP-Funkに侵されています(笑)。Ant Banks「Straight Hustlin'」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=R-d71P8hJi8

Ant Banks「Straight Hustlin'」
http://www.youtube.com/watch?v=stKdEiYRwFU

「Getten' To Know You」
アップテンポのファンク・チューン。何処か哀愁を帯びたヴォーカルに惹かれてしまいます。ホーン隊も目立っていますね。The D.O.C.「Whirlwind Pyramid」等でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=g9yTCma_2ZA

The D.O.C.「Whirlwind Pyramid」
http://www.youtube.com/watch?v=hvFgFxCLzr8

「Do That Stuff」
本作のハイライト。シングルにもなりました。ドラムブレイク、呑気なシンセ・フレーズ、P-Funkならでのグルーヴ等々P-Funkの魅力が詰まった1曲。この解き放たれたおバカ・モードこそがParliamentですね。
http://www.youtube.com/watch?v=OeE9cIyB0I4

Nice & Smooth「Funky For You」、Red Hot Lover Tone「Wanna Make Moves」、Lil' Shawn 「I Made Love」、Yo-Yo「Mackstress」、AMG「Dog From Around the Way」、 Tatyana Ali「Getting Closer」、Royksopp「Happy Up Here」、Stereo Total「Beauty Case」等で使われているサンプリング定番曲としてもお馴染みです。

Nice & Smooth「Funky For You」
 http://www.youtube.com/watch?v=61j3CxQLszU
Red Hot Lover Tone「Wanna Make Moves」
 http://www.youtube.com/watch?v=bTBV2Klu6tI
Lil' Shawn 「I Made Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=VPyxzuvZd3Y
Yo-Yo「Mackstress」
 http://www.youtube.com/watch?v=MoIRiIY6_W8
AMG「Dog From Around the Way」
 http://www.youtube.com/watch?v=mLiifQlDC0I
Tatyana Ali「Getting Closer」
 http://www.youtube.com/watch?v=S0rgQTVC_DE
Royksopp「Happy Up Here」
 http://www.youtube.com/watch?v=klxai9aaxUw
Stereo Total「Beauty Case」
 http://www.youtube.com/watch?v=uMnahhfD0Wo

「Everything Is On The One」
アルバムの中では地味な存在ですが、かなり好きな1曲。ParliamentらしいP-Funk愛に満ちています。このユルユルな雰囲気にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=i_pbvdM5M7I

「I've Been Watching You (Move Your Sexy Body) 」
妖しげなミディアム・スロウ。Bone Thugs-N-Harmony「For the Love of Money」等でサンプリングしています。また、Too $hortが本家を迎えてカヴァーしていましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=D1FcI_brz54

Bone Thugs-N-Harmony「For the Love of Money」
 http://www.youtube.com/watch?v=63kRUCWstCo
Too $hort「I've Been Watching You (Move That Sexy Body) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=o2rkmYmv2Uo

「Funkin' For Fun」
ラストも格好良いファンク・チューンで締め括ってくれます。見事に世界中はP-Funkで埋め尽くされたのでした・・・
http://www.youtube.com/watch?v=yXrY0K6OuVs

Common「Cold Blooded」、Kam「Peace Treaty」等のサンプリング・ネタです。

Common「Cold Blooded」
 http://www.youtube.com/watch?v=Ks2DxtTFeuA
Kam「Peace Treaty」
 http://www.youtube.com/watch?v=KNRPtOnQC8M

Funkadelic/Parliamentの過去記事もご参照下さい。

Parliament『Mothership Connection』(1975年)
Mothership Connection

Parliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)
Funkentelechy Vs. the Placebo Syndrome

Funkadelic『Maggot Brain』(1971年) 
Maggot Brain

Funkadelic『Uncle Jam Wants You』(1979年)
Uncle Jam Wants You
posted by ez at 04:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月22日

Othello『Elevator Music』

独特のリズミックなフロウを堪能できる極上アングラ・ジャジーHip-Hop☆Othello『Elevator Music』
Elevator Music
発表年:2005年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :あなたが立ち寄るのはどのフロア?

今回はジャジーHip-Hopファンには人気の高いMCであるOthelloの3回目の登場です。

Hip-HopバンドThe Hipknoticsと組んだ生音Hip-Hopのアルバム『Classics』(2004年)、生音演奏のトラックとサンプリング主体のトラックを織り交ぜた『Alive At The Assembly Line』(2006年)に続いて紹介するのは、2005年リリースの『Elevator Music』です。

Othello(本名:Tyson Pumphrey)がリリースした『Classics』『Elevator Music』『Alive At The Assembly Line』という3枚のアルバムは、僕がアングラ・ジャジーHip-Hopへハマるきっかけとなった作品でした。

Othelloのアルバムと言えば、正にクラシック作品となったThe Hipknoticsとの共演作『Classics』へ注目が集まりがちですが、『Elevator Music』『Alive At The Assembly Line』も負けず劣らず素晴らしい作品だと思います。

『Elevator Music』は、リリース時期は『Classics』の後ですが、中身は『Classic』録音以前の音源をベースとした作品です。そのため、収録曲のタイプにバラつきがありますが、逆にOthelloというアーティストの持つ様々な魅力を堪能できる、幕の内弁当のようなアルバムです。

Lightheadedの盟友Ohmega WattsとBraille、さらに元メンバーのMuneshineが参加しており、The Hipknoticsも2曲でフィーチャーされています。

Q-Tipを思わせる独特の声質とリズミックなフロウが、素晴らしきアングラ・ジャジーHip-Hopワールドへ誘ってくれます。

あなたが音楽エレベーターで立ち寄るのは、どのフロア?

全曲紹介しときやす。

「First Floor」
オススメその1。Elevator Musicの1Fは浮遊感漂うOthelloらしいスムース・チューンです。

「Rock Rock」
オススメその2。『Classics』にも収録されていた人気曲。軽快なトラックにのってOthelloがリズミックなフロウを聴かせてくれます。両ヴァージョンを聴き比べるのも楽しいのでは?『Classics』収録ヴァージョン同様に元Lightheadedの盟友Muneshineがプロデュースしています。Muneshineは昨年SaintとのユニットThe Residentsの作品を当ブログで紹介しています。

「Season's Greetings」
Sirens Echosをフィーチャー。女性MCおよび女性ヴォーカル入りですが哀愁モードの仕上がりです。

「Heart」
Destro(Old Dominion))をフィーチャー。畳み掛けるようなOthelloとDestroのフロウが印象的です。

「Consider It」
PageOne(Lojique)をフィーチャー。LojiqueはかつてOthelloも在籍していたユニットです。そんなかつての盟友とノスタルジックなトラックをバックに弾けています。

「Relax Urself」
オススメその3。DJ Manwellをフィーチャー。軽快なジャジー・トラックに合わせた達者なフロウが気持ち良いです。後半にはラガのようなフロウも飛び出します。DJ Manwellの擦りも格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=skI5lfUfUuc

「Lobby」
Hipknoticsをフィーチャーしたメロウなインタールード。

「Elevator Music」
オススメその4。タイトル曲は浮遊する極上メロウ・チューン。ATCQ『Midnight Marauders』Q-Tip好きの人であれば絶対に気に入ると思います。

「Organic(Original Mix)」
オススメその5。『Classics』に収録されていましたが、こちらがオリジナル・ミックスです。『Classics』の記事にも書きましたが、『Classics』の方が渋めのモノクロ・ヴァージョン、本オリジナル・ミックスの方がメロウなカラフル・ヴァージョンといった雰囲気の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=qNlIxK0WZs0

「Heir Borne」
オススメその5。Lightheadedの盟友Ohmega Wattsをフィーチャー。躍動感のある独特の音空間を二人が創り出します。Lightheadedのアルバムでこの雰囲気を聴くことができないのが不思議です(?)

「Laugh Track」
おふざけモードのインタールード。

「How Ya Livin」
オススメその6。Malachi Perez & Deep6をフィーチャー。ボッサ・ジャズ・テイストのトラックが僕好みです。有るようで無い1曲だと思います。Deep6プロデュース。

「Contingent」
この曲もDeep6プロデュース。MG! The Visionaryのヴォーカルを加え、エッジの効いたトラックで突き抜けます。

「Good Will Chopping」
RedCloudをフィーチャーした哀愁チューン。声質に特徴のある二人のフロウは声自体が独特の楽器のようですね。

「Oblivious Enlight」
Lightheadedの盟友Brailleをフィーチャー。ロック・テイストのトラックに合わせて、BrailleとOthelloのフロウが畳み掛けますDeep6プロデュース。メロウなジャジーHip-Hop好きの人であればど真ん中だと思います。

「No Mic For Thai」
オススメその7。ラストはHipknoticsをフィーチャー。 別ヴァージョンが『Classics』のCDボーナス・トラックで収録されていました。

未聴の方は『Classics』(2004年)、『Alive At The Assembly Line』(2006年)もぜひチェックしてみて下さい。

『Classics』(2004年)
Classic

『Alive At The Assembly Line』(2006年)
Alive At The Assembly Line
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2010年09月21日

Pressure Drop『Upset』

異才を放つUKクラブ・ミュージック☆Pressure Drop『Upset』
Upset (1992)
発表年:1992年
ez的ジャンル:異才UKクラブ・ミュージック
気分は... :ドルフィンズ連勝ですが・・・

NFLでは、我がマイアミ・ドルフィンズがバイキングスに勝利し、開幕2連勝となりました。深夜生中継で試合を観戦しながら、思わずガッツポーズしてしまいました!

先週のドルフィンズ戦はTV中継が無かったので、ようやく今シーズンのドルフィンズを中継で観ることができました。

ファーヴから3インターセプトを奪った守備陣には大満足でしたが、攻撃陣には不満が残りました。ブラウン、ウィリアムスによるラン攻撃には合格点を与えたいですが、QBへニーを中心としたパス攻撃は全くダメでしたね。特にへニーはNFLの先発QBのレベルにあるとは思えませんでした。

AFC東地区の優勝を目指すためには、先発QBの課題を解決し、WRマーシャルらを生かしたパス攻撃を機能させることが急務だと思います。

今日は90年代に活躍したUKのクラブ・ミュージック・ユニットPressure Dropのデビュー・アルバム『Upset』(1992年)です。

Pressure Dropは、Justin LanglandsとDave Henleyの二人がロンドンで結成したユニット。二人はBlood Brothersの名でクレジットされていることもあります。

1990年に「Back2Back」「Feeling Good」といったシングルをリリースし、UKクラブ・シーンでその存在が知られるようになります。1992年にデビュー・アルバム『Upset』をリリースし、その独特なアプローチで人気を博しました。その後も『Front Row』(1993年)、『Elusive』(1997年)といったアルバムをリリースしています。

当時も今も日本では認知度がかなり低いユニットかもしれませんね。
しかしながら、本作『Upset』は、かなりインパクトのある作品でした。

今日ではアシッド・ジャズの流れで語られることが多いようですが、当時の僕にはアシッド・ジャズのユニットという認識は無かったですね。確かにアシッド・ジャズ的な要素もありますが、トリップ・ホップやブレイクビーツ等のエッセンスも取り込んだ、異才ユニットによるドープなUKクラブ・ミュージックという印象でしたね。ジャケのイメージも含めて毒気のある洗練を感じさせる作品でした。

ゲストにはアシッド・ジャズの人気グループGallianoやLeftfieldのPaul Daleyも参加しています。

アシッド・ジャズ、グラウンドビート、ハウス、トリップホップ、UKソウル、ブレイクビーツ等の90年代前後のUKクラブ・ミュージックは、今振り返っても実に面白かったと思います。でも、その割には今日の評価が低いのは残念ですね。

本作も埋もれた90年代作品の1枚ですが、今聴いてもグッときます。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ダビーなイントロでアルバムは幕を開けます。

「You're Mine」
シングル曲。Joanna Lawの女性ヴォーカルをフィーチャーした哀愁モードの人気曲。90年代初めの頃はこのタイプのUKクラブ・ミュージックがストライクでした。Leftfieldによるリミックスも人気でした。それ以外にも様々なリミックスがリリースされています。
http://www.youtube.com/watch?v=wto5HZpqQaw

「You're Mine (Leftfield Vocal Mix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=w_XAynm2Aug

「Everything Will Be Alright Tomorrow」
アシッド・ジャズの人気グループGallianoが参加しています。ドープなアシッド・ジャズ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZjM4VDch4sA

「Big Noise」
シングル・カットされたラテン・ブレイクビーツ。今聴くと、この曲が一番好きですね。気取ったジャケの雰囲気とも重なる小粋な仕上がりにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=9AQWxwcLnDA

「The Gardener」
Issacのヴォーカルをフィーチャーしたトライバルな仕上がり。

「Gotta Make It Home」
Mark Cornellのヴォーカルをフィーチャー。アシッド・ジャズ、トリップ・ホップ、トライバルのエッセンスを上手く融合している感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=tkDaygVLijI

「I'm Your Fool」
アルバムの中で最もスマートな仕上がりかもしれません。グラウンドビートとか好きな人は気に入ると思います。もっと長尺で聴きたいですね。

「Nice Touch」
Eusebeのヴォーカルをフィーチャー。大音量で聴きたいクラブ・モードの仕上がり。今聴いても古臭さを感じないのは、彼らのセンスの良さでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=T4yZoUdKi4c

「Groove Me」
Alison Gordonのリード・ヴォーカルをフィーチャーしたグルーヴィーなクラブ・チューン。当時はこのタイプの曲が大好きだったのですが、今聴くと少し飽きるかも?
http://www.youtube.com/watch?v=I7PwAi-o6Fw

「Spirits Fall」
Mark Cornellのヴォーカルをフィーチャー。この曲はアシッド・ジャズっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=P_ifQqJo-5g

「People Shall Govern」
Younger Youthをフィーチャーしたラガマフィン・チューン。当時はこういったラガマフィン・チューンが流行っていましたね。

「Back2Back」
アルバムに先駆けてシングル・リリースされていた人気曲。ミステリアスな雰囲気のダークなグルーヴ感に惹かれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Uc_kHOH_JXQ 
 ※アルバム・ヴァージョンとは少し異なります。

「Outro」
アルバムのアウトロ。

『Front Row』(1993年)
Front row (1993)

『Elusive』(1997年)
Elusive
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2010年09月20日

Jo Mama『Jo Mama』

Danny Kortchmar、Charles Larkeyらによるファンキー・ロック☆Jo Mama『Jo Mama』
ジョー・ママ(紙ジャケット仕様)
発表年:1970年
ez的ジャンル:ファンキー&ソウルフル・ロック
気分は... :祝日にピザはいかが!

今日は何故か、70年代USロック/ポップス・ファンにはお馴染みのギタリストDanny Kortchmar(Danny Kootch)関連作品が聴きたい気分になりました。

とりあえず家のCD棚から、Kortchmar、Charles Larkey、Carole Kingの3人で組んでいたグループThe City唯一のアルバム『Now That Everything's Been Said』(1968年)、The City解散後にKortchmar、Larkeyらが結成したJo Mamaの1stアルバム『Jo Mama』(1970年)、Kortchmarの1stソロ・アルバム『Kootch』(1973年)の3枚を取り出してきてテーブルの上に並べてみました。

僕と同じように、The City『Now That Everything's Been Said』Jo Mama『Jo Mama』Danny Kortchmar『Kootch』の3枚をセットで所有・愛聴されている方は多いと思います・・・

しばらく3枚を眺めていましたが、ジャケが一番祝日っぽい(?)Jo Mama『Jo Mama』をセレクトしました(笑)

前述のように、Jo Mamaは、The City解散後にDanny KortchmarCharles Larkeyの二人がが女性ヴォーカリストAbigail Hanessらのメンバーを集めて結成したグループです。グループは『Jo Mama』(1970年)、『J Is for Jump』(1971年)という2枚のアルバムをリリースしています。

今日紹介する1st『Jo Mama』は、フリーソウル人気曲「Love'll Get You High」が収録されている作品です。

メンバーはAbigail Haness(vo)、Danny Kootch(g、vo、congas)、Charles Larkey(b)、Ralph Shuckett(key、vo)Joel Bishop O'Brian(ds)の5名。プロデュースはPeter Asherが務めています。

とにかくファンキーな仕上がりにグッとくるアルバムですね。ファンキーと言っても、ノリが良いだけはなくコクがある感じがたまりません。また、ファンキー・サウンドにマッチするAbigail Hanessのソウルフルなヴォーカルもアルバムの魅力を高めています。ラテン・フレイヴァーの曲もあり、グループの引き出しの多さも感じさせます。

全12曲中10曲がメンバーのオリジナルです(Kortchmar単独作が7曲、メンバー共作が3曲)。

改めて聴いても、捨て曲ナシ!充実の全12曲を存分に楽しみました。

全曲紹介しときやす。

「Machine Gun Kelly」
James Taylorヴァージョン(アルバム『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』収録)でもお馴染みのスワンピーなレイドバック・チューン。Shuckettのエレピがご機嫌です!

「Midnight Rider」
この時期でこのタイトルだど、The Allman Brothers Bandの同名曲を思い浮かべる方も多いかもしれませんが同名異曲です。Hanessのソウルフルなヴォーカルを堪能できるゴスペル調の仕上がりです。

「Searching High, Searching Low」
メンバーの小粋な演奏にグッとくるR&Bチューン。Hanessのヴォーカルも含めて、軽やかだけどコクがある感じがたまりません。

「Lighten Up, Tighten Up」
ブルージーでイナたい演奏がいい感じビター・チューン。酒瓶片手にホロ酔いモードで聴きたい1曲です(笑)

「Venga Venga」
モロに僕好みのラテン・フレイヴァーの1曲。もっと長尺で聴きたいですね。あっけないエンディングが少し残念です。

「Sailing」
完成度ではアルバム随一だと思います。Carole King作品かと思うほど楽曲がキャッチーで、美しく躍動感のあるヴォーカル&演奏も申し分ありません。

「Great Balls Of Fire」
Jerry Lee Lewisでお馴染み「火の玉ロック」のカヴァー(Otis Blackwell/Jack Hammer作)。ここではファンキー&アーシーなヴァージョンで聴かせてくれます。パンチのあるHanessのヴォーカルと深いコクのあるリズム隊にグッときます。

「The Sky Is Falling」
Kootchのギター・ソロを堪能できるファンキー・チューン。グループの持つファンキーな魅力が凝縮されているのでは?

「The Word Is Goodbye」
Hanessのソウルフルなヴォーカルを前面にフィーチャーしたスロウ。ジャジー&ブルージーな雰囲気にグッときます。

「Check Out This Gorilla」
美しく感動的な仕上がり。如何にも!なスロウ・バラードにしないところが彼らのセンスの良さかもしれませんね。

「Cotton Eyed Joe」
トラディショナルをメンバーがアレンジしたもの。感動的なヴォーカル&コーラスにグッときます。♪Cotton Eyed Joe〜♪の部分が♪彼女〜♪と聴こえてしまうのが僕だけでしょうか(笑)

「Love'll Get You High」
ラストはフリーソウル好きにはお馴染みのファンキー・グルーヴ。Archie Bell & the Drells「Tighten Up」好きの人であれば、絶対に気に入る1曲です。『Free Soul Garden』でも「Love'll Get You High」〜「Tighten Up」という曲順で並べられていましたね。個人的にはそこにKingfish「Hypnotize」も加えて聴くのがお気に入りです。「Tighten Up」云々を抜きにしても、ホーン隊も入ったアンサンブルは聴き応え十分です。

The City『Now That Everything's Been Said』Danny Kortchmar『Kootch』も、そのうち紹介したいと思います。

『J Is for Jump』(1971年)
ジャンプ

The City『Now That Everything's Been Said』(1969年)
Blu-spec CD 夢語り

Danny Kortchmar『Kootch』(1973年)
Kootch
posted by ez at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする