2010年09月08日

Peven Everett『Kissing Game』

アンダーグラウンドで活躍する才人のディープ・ハウス☆Peven Everett『Kissing Game』
Kissing Game
発表年:2003年
ez的ジャンル:マルチプレイヤー&クリエイター系ソウルフル・ディープ・ハウス
気分は... :「守備力」の強化を!

昨日のサッカー「日本対グアテマラ」は森本の2ゴールで日本代表が勝利し、新生サッカー日本代表が快勝しました。攻撃力の強化を課題に挙げ、ザッケローニ新監督を招聘した日本代表ですが、森本、香川と期待の攻撃陣が活躍してくれました。

「攻撃力」ばかりが注目されている日本代表ですが、実は「攻撃力」ではなく「守備力」の強化こそが急務のような気がしてなりません。

日本が南アW杯で好結果を残した要因の1つに、中澤、闘莉王という絶対的なセンターバック2人の存在があったと思います。しかし、2014年ブラジルW杯を考えると、この2人に南アW杯のようなパフォーマンスを期待するのは(年齢的に)難しい気がします。この2人が抜けると、日本のセンターバックのパフォーマンスが一気に不安定になることは昨日のグアテマラ戦でも明白であったと思います。

安定感のあるセンターバックの発掘・育成が最大の課題だと思うのですが・・・

今回はマルチな才能を持つアーティストPeven Everettの2回目の登場です。

『Latest Craze』(2005年)に続いて紹介するのは、2003年リリースの『Kissing Game』です。

90年代後半から今日までアンダーグラウンド・シーンで活躍し続けるマルチプレイヤー&クリエイターPeven Everettですが、一部の人を除けば圧倒的に知名度が低いアーティストかもしれませんね。しかし、かなりコンスタントに作品をリリースし続けており、その意味で一部からは熱烈に支持されているアーティストなのでしょう。多分、ハウス/クラブ・ミュージック好きの人の支持が高いのではと思います。

ソウル/R&B、Hip-Hop、ジャズ、ハウスと幅広い音楽性を持つ人ですが、本作『Kissing Game』はディープなハウス・アルバムに仕上がっています。以前に紹介した『Latest Craze』でのジャジーなネオソウルとは全く異なる作風です。この振り幅の大きさがこの人の面白いところだと思います。

本作ではLarry Billups(per)、Billie Jewell(vo)という2人のゲストをフィーチャーし、ソウルフル&パーカッシヴなディープ・ハウスを聴かせてくれます。

ディープなハウス・アルバムといってもジャズ/クロスオーヴァーなエッセンスも多く、ハウス・ファン以外も楽しめると思います。

全曲紹介しときやす。

「Boy I Need ...」
疾走するビートに、挑発的なBillie Jewellの女声ヴォーカルが絡み妖しい夜へと誘われます。

「Kissing Game (Album Mix)」
タイトル曲はLarry Billupsのパーカッションに先導されたソウルフルなトラックが印象的です。特にこのAlbum Mixは聴きやすくて大好きです。

「For Sun Is Gold」
ラテン・テイストのガラージ・チューン。アンダーグラウンドな雰囲気がいいですね。

「Puerto Rico」
シングルにはなったブロークンビーツ調のクロスオーヴァー・チューン。Peven Everettらしいセンスに溢れた1曲だと思います。Pevenの哀愁ファルセット・ヴォーカルが虚しく音空間に響くのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=yDgVetzURwc

「High Life」
ここでは軽快なリズムに乗ったPevenのラップを聴くことができます。クールな仕上がりがグッド!

「The Lillie Walk」
美しいPevenのピアノをフィーチャーしたフュージョン調の仕上がり。

「Sounds Like Paradise」
パラダイス状態のクロスオーヴァー・チューン。サンバ調のリズムが心地好く響きます。

「Draining Pain」
Pevenのピアノをフィーチャーしたニュー・ジャズ的なディープ&エレガント・チューン。

「Parrell」
バトゥカーダ調の押し寄せるリズムにグッときます。中毒症状を起こしそうな魔性にリズムにハマります。

CDには「Puerto Rico」の12" Mixが収録されています。

『Studio Confessions』(2002年)
Studio Confessions

『Latest Craze』(2005年)
Latest Craze

『Power Soul』(2006年)
Power Soul (Dig)
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2010年09月07日

Black Grape『Stupid Stupid Stupid』

Shaun Ryderによるお馬鹿なジャンキー&ファンキー・ミュージック第2弾☆Black Grape『Stupid Stupid Stupid』
ステューピッド、ステューピッド、ステューピッド
発表年:1997年
ez的ジャンル:ジャンキー系UKダンス・ロック
気分は... :馬鹿、馬鹿、馬鹿・・・

Happy MondaysのリーダーShaun Ryder率いるBlack Grapeの2回目の登場です。

1stアルバム『It's Great When You're Straight...Yeah』(1995年)に続いて紹介するのは、2nd『Stupid Stupid Stupid』(1997年)です。

タイトルの通り、お馬鹿モード炸裂のジャンキー&ファンキーなダンス・ミュージック・アルバムです。

Stone Roses、Happy Mondaysといったマンチェスター・サウンドに代表されるアシッドなダンス・ロックが花開いたのが80年代後半から90年代前半のUKロック・シーンでしたね。

Happy Mondays解散後にShaun Ryderが同じく元Happy MondaysのダンサーBezらと結成したグループがBlack Grapeですが、個人的にはHappy Mondaysよりも圧倒的に聴く機会が多いですね。

ダンス・ロック作品の中には、ダンスなのかロックなのか、どっちつかずの中途半端な作品も少なくありませんが、Black Grapeの場合はダンス・アルバムに徹底している感じが大好きです。ジャンキー野郎Shaun Ryderのお馬鹿な弾け具合とプロデューサーDanny Saberが創り出す巧みなサウンドが上手く結びついて、最高のジャンキー&ファンキー・ミュージックを聴かせてくれます。

「Reverend Black Grape」「In the Name of the Father」という2曲のUKトップ10シングルを生み、UKアルバム・チャート第1位に輝いた1st『It's Great When You're Straight...Yeah』と比較すると、2nd『Stupid Stupid Stupid』はチャート・アクション的にはイマイチでした。しかし、中身はBlack Grapeらしいジャンキー&ファンキー・ミュージックを楽しめる作品に仕上がっています。

日本においては殆ど忘れ去られたグループといった印象のBlack Grapeですが、個人的にはアシッドなダンス・ロックの1つの到達点という気がします。

小難しいことは考えず、お馬鹿モードでジャンキー&ファンキーなダンス・ミュージックを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Get Higher」
オススメその1。アルバムからの1stシングル。ジャンキーなトリップ感がいいですね。Primal Scream『Screamadelica』あたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=lgjQ3NrfWZE

「Squeaky」
ロック的な格好良さを上手くダンス・サウンドに融合させているところがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=HFwTka54csM

「Marbles (Why You Say Yes...?) 」
2ndシングル。お馬鹿に騒ぎたくなるジャンキー&ファンキー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=O8knx4HrsNU

「Dadi Waz A Badi」
オススメその2。ロック色の強いファンキー・グルーヴ。ハモンド・オルガンやファンキーなホーン隊が盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=S40SXUpOk9M

「Rubber Band」
Danny Saberのサウンド・センスが光るダンス・チューン。身も心もトランス状態に・・・
http://www.youtube.com/watch?v=Yfy930SLvUU

「Spotlight」
オススメその3。ロック的な盛り上がりとダンサブルなグルーヴ感が上手く結びついている感じが大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=ukLmciEQnAs

「Tell Me Something」
オススメその4。僕の一番のお気に入り。シタールをフィーチャーしたサイケ・モードのロッキン・ダンス・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=tAN4qy28b1k

「Money Back Guaranteed」
オススメその5。お馬鹿モードも最高潮といった感じのファンキー・ダンス・グルーヴ。Kermitもラップで盛り上げてくれます。

「Lonely」
この曲はちゃんとロックしています(笑)。ジャンキーなルーズ感にグッときます。

「Words」
ヴォコーダーも入ったジャンキーなダンス・チューンでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=--vxPnqJdgo

本作リリース直後に崩壊したBlack Grapeですが、今年に入り活動を再開しているようですね。果たして長続きするのでしょうか???

『It's Great When You're Straight...Yeah』(1995年)
It's Great When You're Straight...Yeah
posted by ez at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月06日

Mighty Ryeders『Help Us Spread the Message』

De La Soulネタで人気の「Evil Vibrations」収録☆Mighty Ryeders『Help Us Spread the Message』
ヘルプ・アス・スプレッド・ザ・メッセージ(紙ジャケット仕様)
発表年:1978年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ソウル/ファンク
気分は... :今年のドルフィンズは期待できる?

いよいよ来週からNFL開幕です。
我がマイアミ・ドルフィンズはプレシーズン・マッチを2勝2敗で終え、13日(日本時間)にビルズとの開幕戦を迎えます。注目度が低いのか、NFL.JAPAN.COMでもドルフィンズ関連のニュースは殆ど取り上げられませんが、今年はかなりやってくれるのではないかと期待しています。前半戦を何とか勝ち越して欲しいですね。

そんな流れで今回は(多分)マイアミ出身のソウル/ファンク・グループMighty Ryeders唯一のアルバム『Help Us Spread the Message』(1977年)です。

Mighty Ryedersはリーダー格のRodney K. Mathewsを中心とした8人編成のヴォーカル&インスト・グループです。それ以外の詳しいプロフィールはよく知りません。

Mighty Ryedersと言えば、やはり「Evil Vibrations」ですよね。
おそらく本作を購入する殆どの人が、De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」のサンプリング・ソースやフリーソウル・クラシックとして人気の高い「Evil Vibrations」目当てではないかと思います。

その意味では、A Tribe Called Quest「Bonita Applebum」のサンプリング・ソース「Daylight」収録で有名になったRamp『Come Into Knowledge』(1977年)と同じような位置づけのアルバムですね。

A Tribe Called QuestDe La Soul大好きの僕にとっても、「Daylight」「Evil Vibrations」は特別な曲ですね。

Ramp「Daylight」
 http://www.youtube.com/watch?v=2Zy2ZrIqIpc
A Tribe Called Quest「Bonita Applebum」
 http://www.youtube.com/watch?v=46c8AqzjLCg

Mighty Ryeders「Evil Vibrations」
 http://www.youtube.com/watch?v=InZTP6RaTxo
De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」
 http://www.youtube.com/watch?v=to3y3cmWWRY

その「Evil Vibrations」が収録されているのは、グループ唯一のアルバム『Help Us Spread the Message』(1977年)です。

プロデュースはSamuel Solomon Jr.、アレンジ&ソングライティングは中心メンバーRodney K. Mathewsが務めています。

ハイライトは間違いなく「Evil Vibrations」ですが、それを抜きにしても十分に楽しめるファンキー・アルバムです。決して上手くはないヴォーカルと不安定なコーラスがディスコ/ジャズ・ファンク感覚のファンキー・サウンドと一体化して、彼ら独特の魅力を放っていると思います。

「Evil Vibrations」以外の曲にも耳を傾けてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「The Mighty Ryeders」
グループ名をタイトルにしたオープニング。イントロのギター・カッティングにグッとくるファンキー・チューン。フュージョン的な爽快感も漂うのがマイアミらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=50T7lZu6wgo

「Let There Be Peace」
Mizell兄弟によるSky High Productionの一連の作品に通じるものがある爽快ファンキー・グルーヴ。クラヴィとサックスの絡みがいい感じです。かなり僕好みの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=aoCT3u76rCo

「Lovely」
まさにラブリー・モードの1曲。正直ヴォーカル&コーラスはかなりショぼいのですが、それがメロウ&ファンキーなサウンドと一体化して不思議な魅力を醸し出しています。Wagon Christ「Lovely」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=-UwWxt10B4s

Wagon Christ「Lovely」
 http://www.youtube.com/watch?v=xVNmZQPbQdU

「Evil Vibrations」
前述のように本作のハイライト。格好良いグルーヴ感と不気味なコーラスと妖しいさエレピの音色が相俟ってMighty Ryedersならではの音世界を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=InZTP6RaTxo

本曲及びDe La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」に加え、The Rebirthによるカヴァー(2004年)も合わせてチェックするとさらに楽しめます。

The Rebirth「Evil Vibrations」
 http://www.youtube.com/watch?v=Mh4kz68vxLs

「Help Us Spread The Message」
タイトル曲は平和を訴えるメッセージ・ソング。遅れてきたニュー・ソウルといったところでしょうか(笑)。中盤の以降のパーカッシヴな展開にグッときます。

「Everybody Groove」
「Evil Vibrations」と同タイプのグルーヴ感ですが、よりクールな仕上がりのファンキー・チューンです。下手くそヴォーカルがやけにハマっています。

「I've Really Got The Feeling」
「Evil Vibrations」を除けば一番のお気に入り。マイアミらしいラテン・モードのファンキー・グルーヴです。

「Fly Away With Me (Instrumental) 」
スピード感のあるインスト・チューン。ファンキーなホーン隊とそれを牽引するスリリングなリズム隊にグッときます。

「Star Children」
タイトルからして、Parliament的SFワールドをイメージさせるスロウ・チューン。RZA「Love Jones」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Pt4kl3j_KGo

RZA「Love Jones」
 http://www.youtube.com/watch?v=DgqxQqu8k10

「Ain't That Away (To Spend Our Day) 」
ラストはメロウなミディアム・スロウ。マイアミのイメージにマッチする1曲だと思います。ライナーノーツに書いてある通り、War「All Day Music」に似た雰囲気があります。僕が本曲にグッとくるのもそのせいかも?

Ramp『Come Into Knowledge』(1977年)も近々紹介したいと思います。

Ramp『Come Into Knowledge』(1977年)
カム・イントゥ・ノリッジ
posted by ez at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

Eddie Roberts & Freckles『Move』

UKジャズ・ファンクの人気ギタリストの新境地☆Eddie Roberts & Freckles『Move』
ムーヴ
発表年:2010年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク系クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :進化し続ける!

今回はUKジャズ・ファンク界の人気ギタリストEddie Robertsが女性R&BシンガーFrecklesをフィーチャーした新作アルバムEddie Roberts & Freckles『Move』です。

Eddie Robertsは1971年ウェールズ、スウォンジー生まれのギタリスト/プロデューサー。

リーズ音楽大学在学中の1989年に結成したThe Jazz Mailmenを皮切りに、The Eddie Roberts Organisation、The Three Deuces、The Mastersounds等のグループを経て、1999年にSimon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Bob Birch(org、key)とジャズ・ファンク・グループThe New Mastersounds(NMS)を結成します。

The New Mastersoundsは、ディープ・ファンク・ファンにはお馴染みのDJであるKeb Dargeのプロデュースにより、1stアルバム『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)をリリースします。

その後、自身のレーベルOne Note Recordsを設立し、『Be Yourself』(2003年)、『This Is What We Do』(2005年)、『Live at la Cova』(2006年)、『102%』(2007年)、『Plug & Play』(2008年)、『Live in San Francisco』(2008年)、『Ten Years On』(2009年)といったアルバムをリリースしています。2007年にはBob Birchが脱退し、Joe Tatton(org、key)が加入しています。

さらにNMSの活動の傍らで勢力的にソロ活動も行い、『Roughneck』(2004年)、『Trenta』(2007年、The Eddie Roberts Quintet名義)といったアルバムをリリースしています。

どうしてもNMSのディープ・ファンクのイメージが強い人ですが、本作『Move』では全曲でFrecklesの女声ヴォーカルをフィーチャーし、NMSとは異なるクロスオーヴァー・ギター・ジャズを聴かせてくれます。ニュー・ジャズ寄りのダンス・チューンも多く、従来とは異なるファン層にもアピールする作品に仕上がっています。

今回フィーチャーされているFrecklesは1983年リーズ生まれの女性R&Bシンガー。Rhiannaのアーティスト名で2002年にはソロ・アルバム『Get On』をリリースしています。同名のアーティストのRhiannaが大ブレイクしてしまったため、今回はFrecklesのアーティスト名を用いている模様です。彼女の兄であるLSKもプロデューサー/ソングライター/シンガーとして2000年代初めUK音楽シーンで活躍していました。

Frecklesが2002年にUKシングル・チャート第18位となったデビュー・シングル「Oh Baby」をプロモートしている時、バックでギタリストを務めていたのがEddie Robertsだったそうです。今回、ヴォーカル入りアルバムにしようと決意したEddieがFrecklesに歌詞を依頼し、二人が共演する運びとなりました。

レコーディングにはEddie RobertsとFrecklesの二人以外にBill Laurance(p)、Neil Innes(b)、Gordon Kilroy(ds)、Malcolm Strachan(tp)、Rob Lavers(ts)が参加しています。

進化を続けるEddie Robertsの意欲を感じるダンサブルなクロスオーヴァー・サウンドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「I Can't Stand You」
スウィングとハウスが融合したニュー・ジャズ・チューン。ハウシーなビートとアコースティック・ベースの絡みにグッときます!

「Fearless」
クラブ・ミュージック好きの人は気に入るであろうドラムンベース調のクロスオーヴァー・チューン。Eddieのギターも音空間を駆け巡ります。

「Got Too Much」
Frecklesのヴォーカルのキュートな魅力を堪能できるソウル・ジャズ・チューン。"21世紀のGeorge Benson"とでも呼びたくなるEddieのギターが冴え渡ります。

「There's No Change」
軽快なブラジリアン・グルーヴ。ブラジリアン・ジャズといった雰囲気にグッときます。

「How Long」
爽快メロウ・グルーヴ。本曲にFrecklesが歌詞をつけたことが本アルバム制作のきっかけとなったようです。爽やかな中にもどこかミステリアスな魅力があります。

「Roses」
「I Can't Stand You」同様、スウィンギー&ハウシーな仕上がり。スウィングとハウスがこんなにマッチするなんて驚きですね。

「Nomad」
スピード感が魅力のバトゥカーダ・テイストのクロスオーヴァー・チューン。Eddieのギターをはじめエキサイティングなプレイにグッときます。

「Never Come Back To Me」
ミステリアスなワルツ・チューン。Frecklesのキュートなヴォーカルが迷宮へと誘います。

「Can't Forget You Now」
ラストはファンキーなソウル・ジャズ・チューン。アルバムで一番ソウルフルな仕上がりです。

興味がある方はEddie Robertsの他のソロ作やThe New Mastersoundsの作品もチェックしてみて下さい。

『Roughneck』(2004年)
ラフネック

『Trenta』(2007年)
トレンタ

The New Mastersounds『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)
ケブ・ダージ・プリゼンツ

The New Mastersounds『Be Yourself』(2003年)
ビー・ユアセルフ

The New Mastersounds『This Is What We Do』(2005年)
ディス・イズ・ワット・ウィー・ドゥ [初回限定盤]

The New Mastersounds『Live at la Cova』(2006年)
ライヴ・アット・ラ・コヴァ

The New Mastersounds『102%』(2007年)
102%

The New Mastersounds『Plug & Play』(2008年)
プラグ&プレイ

The New Mastersounds『Live in San Francisco』(2008年)
ライヴ・アット・サンフランシスコ

The New Mastersounds『Ten Years On』(2009年)
テン・イヤーズ・オン
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2010年09月04日

The Four King Cousins『Introducing...The Four King Cousins』

従姉妹によるキュートなガールズ・ソフトロック☆The Four King Cousins『Introducing...The Four King Cousins』
Introducing the Four King Cousins
発表年:1968年
ez的ジャンル:芸能一家系ガールズ・ソフトロック
気分は... :さすが芸能一家!

今回はThe Four King Cousins『Introducing...The Four King Cousins』(1968年)です。ガールズ・ソフトロックの名盤として再評価の高まった作品ですね。

The Four King Cousinsは、Tina Cole、Cathy Cole、Candy Conkling、Carolyn Thomasの4名で結成された従姉妹グループ。4人はアメリカのショービジネス界で成功を収めたKing Familyの中心を担った姉妹グループKing Sistersのメンバーの娘たちです。日本人にはピンと来ませんが、アメリカでは知らない人はいないほどKing Familyというのは有名だったようですね。

メンバー4人がポーズをキメるキュートなジャケにグッときますよね。
僕も思わずジャケ買いしたくなりますよね!
しかし、この時点でメンバー4人のうち3人は既婚者だったのだとか・・・

ただし、内容はジャケのイメージそのまま、キュートでポップな魅力に溢れた作品に仕上がっています。芸能一家で幼い頃から鍛えられてきたであろうメンバーだけあって、素晴らしいハーモニーを聴かせてくれます。

Hal David/Burt Bacharach、BeatlesBeach Boys、Monkees、Roger Nichols/Paul Williams等のカヴァーという王道の選曲にもグッときますね。特にRoger Nichols/Paul Williamsは、本作のために書き下ろした1曲もあります。

ガールズ・ソフトロック好きの人はぜひチェックしてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「This Girl's In Love With You」
Hal David/Burt Bacharach作品のカヴァー1曲目。「This Guy's In Love With You」のタイトルでHerb Alpert & The Tijuana Brassが全米No.1を獲得した大ヒット曲です。Dionne WarwickAretha Franklinもカヴァーしていますね。本ヴァージョンはキュート&ラブリーな魅力に溢れています。

「It's All In The Game」
Carl Sigman/Charles Dawes作。1958年にTommy Edwardsがヒットさせています。ムーディーなTommy Edwardsヴァージョンをイメージすると、ピュアで透明感に溢れた本ヴァージョンにびっくりするのでは?

「Walk On By」
Hal David/Burt Bacharach作品のカヴァー2曲目。Dionne Warwickのヒットでお馴染みですね。当ブログではCal TjaderAverage White BandGloria Gaynorのカヴァー紹介済みです。コーラス・グループとしての彼女達の魅力を堪能できる小粋な仕上がりです。

「California Nights」
Marvin Hamlisch/Howard Liebling作。1967年にLesley Goreが歌いヒットさせています。本ヴァージョンもオリジナルのキュートな魅力を受け継いだ仕上がりです。

「Let's Get Away From It All」
Frank Sinatraで知られているTom Adair作品。キュートなキャッチーな仕上がりがサイコーです!ロック調のアレンジもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=ogSRGOLE8Bg

「I Wanna Be Free」
Monkeesのカヴァー(Tommy Boyce/Bobby Hart作)。オリジナルの切なくイナタい雰囲気を残しつつも、ストリングスを配した素敵なアレンジにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=aqF9AWgGhL0

「Good Day Sunshine」
Beatlesのカヴァー1曲目。オリジナルよりも軽やかな仕上がりです。オリジナルが少し苦手な僕にとっては本ヴァージョンの方が聴きやすいですね。

「God Only Knows」
Beach Boysの大名曲カヴァー(Brian Wilson作)。当ブログではLuciana Souzaのボッサ・カヴァーも紹介済みです。彼女達らしいピュア&キュートな魅力で名曲を歌っています。

「Love So Fine」
Roger Nichols/Tony Asher作。当ブログでも紹介したRoger Nichols & The Small Circle Of Friendsヴァージョンでお馴染みの大人気曲ですね。彼女達にピッタリのカヴァーという気がします。テンポを変えてアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=PkaSQIHn24A

「Here,There And Everywhere」
Beatlesのカヴァー2曲目。先日Gal Costaの素晴らしいカヴァーを紹介したばかりですが、本ヴァージョンも彼女達らしい清々しい魅力に溢れた素晴らしいカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Ua7FVuEniB4

「I Fell」
Roger Nichols/Paul Williams作。本作のための書き下ろしです。個人的には本作のハイライトです。素晴らしい楽曲と彼女達のキュートな魅力がマッチしたサイコーの出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=xgu3m2rKNq4

欧州サッカーではEURO2012の予選が始まり、W杯後の新体制での真剣勝負モードになっていますね。この厳しい環境が欧州のレベルの高さにつながるのでしょうな。
それに比べて「日本対パラグアイ」は親善モードの域を出ませんよね。
森本、香川あたりのプレーに期待したいですが・・・
posted by ez at 12:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする