発表年:1978年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ソウル/ファンク
気分は... :今年のドルフィンズは期待できる?
いよいよ来週からNFL開幕です。
我がマイアミ・ドルフィンズはプレシーズン・マッチを2勝2敗で終え、13日(日本時間)にビルズとの開幕戦を迎えます。注目度が低いのか、NFL.JAPAN.COMでもドルフィンズ関連のニュースは殆ど取り上げられませんが、今年はかなりやってくれるのではないかと期待しています。前半戦を何とか勝ち越して欲しいですね。
そんな流れで今回は(多分)マイアミ出身のソウル/ファンク・グループMighty Ryeders唯一のアルバム『Help Us Spread the Message』(1977年)です。
Mighty Ryedersはリーダー格のRodney K. Mathewsを中心とした8人編成のヴォーカル&インスト・グループです。それ以外の詳しいプロフィールはよく知りません。
Mighty Ryedersと言えば、やはり「Evil Vibrations」ですよね。
おそらく本作を購入する殆どの人が、De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」のサンプリング・ソースやフリーソウル・クラシックとして人気の高い「Evil Vibrations」目当てではないかと思います。
その意味では、A Tribe Called Quest「Bonita Applebum」のサンプリング・ソース「Daylight」収録で有名になったRamp『Come Into Knowledge』(1977年)と同じような位置づけのアルバムですね。
A Tribe Called QuestやDe La Soul大好きの僕にとっても、「Daylight」や「Evil Vibrations」は特別な曲ですね。
Ramp「Daylight」
http://www.youtube.com/watch?v=2Zy2ZrIqIpc
A Tribe Called Quest「Bonita Applebum」
http://www.youtube.com/watch?v=46c8AqzjLCg
Mighty Ryeders「Evil Vibrations」
http://www.youtube.com/watch?v=InZTP6RaTxo
De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」
http://www.youtube.com/watch?v=to3y3cmWWRY
その「Evil Vibrations」が収録されているのは、グループ唯一のアルバム『Help Us Spread the Message』(1977年)です。
プロデュースはSamuel Solomon Jr.、アレンジ&ソングライティングは中心メンバーRodney K. Mathewsが務めています。
ハイライトは間違いなく「Evil Vibrations」ですが、それを抜きにしても十分に楽しめるファンキー・アルバムです。決して上手くはないヴォーカルと不安定なコーラスがディスコ/ジャズ・ファンク感覚のファンキー・サウンドと一体化して、彼ら独特の魅力を放っていると思います。
「Evil Vibrations」以外の曲にも耳を傾けてみて下さい。
全曲紹介しときやす。
「The Mighty Ryeders」
グループ名をタイトルにしたオープニング。イントロのギター・カッティングにグッとくるファンキー・チューン。フュージョン的な爽快感も漂うのがマイアミらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=50T7lZu6wgo
「Let There Be Peace」
Mizell兄弟によるSky High Productionの一連の作品に通じるものがある爽快ファンキー・グルーヴ。クラヴィとサックスの絡みがいい感じです。かなり僕好みの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=aoCT3u76rCo
「Lovely」
まさにラブリー・モードの1曲。正直ヴォーカル&コーラスはかなりショぼいのですが、それがメロウ&ファンキーなサウンドと一体化して不思議な魅力を醸し出しています。Wagon Christ「Lovely」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=-UwWxt10B4s
Wagon Christ「Lovely」
http://www.youtube.com/watch?v=xVNmZQPbQdU
「Evil Vibrations」
前述のように本作のハイライト。格好良いグルーヴ感と不気味なコーラスと妖しいさエレピの音色が相俟ってMighty Ryedersならではの音世界を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=InZTP6RaTxo
本曲及びDe La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」に加え、The Rebirthによるカヴァー(2004年)も合わせてチェックするとさらに楽しめます。
The Rebirth「Evil Vibrations」
http://www.youtube.com/watch?v=Mh4kz68vxLs
「Help Us Spread The Message」
タイトル曲は平和を訴えるメッセージ・ソング。遅れてきたニュー・ソウルといったところでしょうか(笑)。中盤の以降のパーカッシヴな展開にグッときます。
「Everybody Groove」
「Evil Vibrations」と同タイプのグルーヴ感ですが、よりクールな仕上がりのファンキー・チューンです。下手くそヴォーカルがやけにハマっています。
「I've Really Got The Feeling」
「Evil Vibrations」を除けば一番のお気に入り。マイアミらしいラテン・モードのファンキー・グルーヴです。
「Fly Away With Me (Instrumental) 」
スピード感のあるインスト・チューン。ファンキーなホーン隊とそれを牽引するスリリングなリズム隊にグッときます。
「Star Children」
タイトルからして、Parliament的SFワールドをイメージさせるスロウ・チューン。RZA「Love Jones」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Pt4kl3j_KGo
RZA「Love Jones」
http://www.youtube.com/watch?v=DgqxQqu8k10
「Ain't That Away (To Spend Our Day) 」
ラストはメロウなミディアム・スロウ。マイアミのイメージにマッチする1曲だと思います。ライナーノーツに書いてある通り、War「All Day Music」に似た雰囲気があります。僕が本曲にグッとくるのもそのせいかも?
Ramp『Come Into Knowledge』(1977年)も近々紹介したいと思います。
Ramp『Come Into Knowledge』(1977年)