2010年09月12日

Giovanca『While I'm Awake』

キュート&スタイリッシュなオランダ人女性シンガー☆Giovanca『While I'm Awake』
ホワイル・アイム・アウェイク
発表年:2010年
ez的ジャンル:キュート&スタイリッシュ系オランダ人女性シンガー
気分は... :ジャジー&メロウ路線が似合うのでは?

今回は先月2回目の来日公演を終えたばかりのオランダ人女性シンガーGiovancaの2ndアルバム『While I'm Awake』です。

リリースされたのは約半年前の作品ですが、最近になって遅ればせながら本作の魅力に気付き、聴き込んでいる次第です。

Giovanca(本名:Giovanca Desire Ostiana)は1977年オランダ、アムステルダム生まれ。数多くのファッションショーに出演し、雑誌や企業広告のモデルにも起用されるなど、10代よりファッション・モデルとして活躍していたようです。

その傍らで音楽活動にも取り組み、数多くのアーティストのバック・ヴォーカルを務めていました。その中の一人であるオランダ人SSWのWouter Hamelのデビュー・アルバム『Hamel』(2007年)にはGiovancaをフィーチャーした「As Long As We Are In Love」が収録されています。『Hamel』を手掛けていたプロデューサーが、屈指のメロディーメイカーであるシンガー・ソングライターBenny Singsでした。

Wouter Hamel feat. Giovanca「As Long As We Are In Love」
http://www.youtube.com/watch?v=151UYhUzvQc

これを機にBenny SingsとGiovancaのコラボがスタートし、デビュー・アルバム『Subway Silence』(2008年)をリリースします。シングル「On My Way」と共に『Subway Silence』は日本でも評判となり、2008年に来日公演も行っています。

「On My Way」(From 『Subway Silence』
http://www.youtube.com/watch?v=WdK5-eyX5s4

そして、1作目同様、Benny Singsプロデュースでリリースされた待望の2ndアルバムが本作『While I'm Awake』です。

僕の場合、『Subway Silence』の時から気になっていたのですが、CDショップで試聴しても何故か購入まで至りませんでした。僕の中でGiovancaのことをオーガニックなソウル・シンガーと勝手にイメージしてしまい、そのイメージとアルバムの内容にギャップがあったからだと思います。想像よりもソウル色が薄く、ポップな作品というのが正直な印象でした。

そんな流れで本作『While I'm Awake』もCDショップでよく見かけるものの、食指が動くことはありませんでした。しかしながら、ある日にCDショップの試聴コーナーで誤って本作の選択ボタンを押してしまい、オープニングの「Everything」を聴くことに・・・するとこれがモロに僕好み!それがきっかけで本作を購入しました。

個人的には好きな曲とビミョーな曲(主にポップすぎる曲)とがハッキリと分かれるアルバムですが、それでも十分に楽しめます。僕のように"オーガニックな女性ソウル・シンガー"という先入観ナシで聴けば、さらに楽しめるはずです。

オリジナルの12曲については、1曲を除きGiovanca自身がソングライティングに関わっています(Benny Singsとの共作は10曲)。

全曲紹介しときやす。

「Everything」
オススメその1。僕が本作の購入を決めた爽快サニーサイド・グルーヴ。聴いているとポジティヴな気分になる躍動感がサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=MaUUL4kYHOg

「Drop It」
アルバムからのシングル。キャッチーなポップ・チューンに仕上がっています。悪い出来ではありませんが、僕の好みとはズレています。
http://www.youtube.com/watch?v=IoybxroaEM8

「Can Somebody Tell Me」
オススメその2。ジャジーなメロウ・ソウル。個人的にはこういったジャジー&メロウな楽曲をガンガンやるべきだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=poQafNlATRA

「Flirting with the Sun」
オススメその3。Dazzled Kidをフィーチャー。小粋なアコースティック・ソウル。僕がイメージするGiovancaに近いオーガニックな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=CiC-T8FxCxY

「Lovechild」
ポップ・ディスコ調の仕上がり。ただし、少し中途半端な印象も・・・ディスコ・チューンに徹底した方が成功したのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=bPXLCVrl7DM

「She Just Wants To Know」
ジャジー・テイストの哀愁メロウ・ソウル。Giovancaにはエレピの音色が似合うと思います。

「Go Now」
力強いピアノ・タッチが印象的です。イントロを聴いた時に、何故かElton John「Bennie and the Jets」を思い出してしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=Fk_eQlOh668

「Hungry」
「Drop It」と同タイプの曲。キャッチーですが僕にはポップすぎます。ポップな雰囲気を抑えて、もっとダンサブルな仕上がりにして欲しかった気も・・・
http://www.youtube.com/watch?v=ijRu6UUDWsg

「Simply Mad」
哀愁バラード。この曲は正直ピンと来ませんでした。

「Time Is Ticking」
ハッピー・モードの軽快なジャジー・チューン。とにかく楽しい雰囲気がいいですね。

「Where Love Lives」
オススメその4。当ブログでも今月『Rockin' You Eternally』(1981年)を紹介したばかりの"ミスター・メロウネス"Leon Wareとのデュエット。楽曲はLeon WareとEl DeBargeの共作です。Giovancaにメロウ・ソウルな楽曲を期待している僕には文句無しの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=pkfRUOGOufI

「Little Flower」
ラストはポジティヴな雰囲気が伝わってくる1曲。Giovancaが単にお洒落でキュートなシンガーではないことを実感させてくれます。

ここまでがオリジナルの12曲です。

国内盤には「Wishfull Thinking」「September」「Just To See You Dance」(Anan Ryoko feat. Giovanca)「All Colourful」「Kiss of Life」(Nujabes feat. Giovanca & Benny Sings)の5曲がボーナス・トラックとして収録されています。

「All Colourful」
http://www.youtube.com/watch?v=_FjlcZXsMCk

Nujabes feat. Giovanca & Benny Sings「Kiss of Life」
http://www.youtube.com/watch?v=67t0ufZTRXU

「Just To See You Dance」は、Cradleの瀬戸智樹プロデュースで今年デビュー・アルバム『Another Beginning』をリリースした話題の女性ピアニストAnan Ryokoとの共演です。本曲は『Another Beginning』にも収録されています。

「Kiss of Life」は故Nujabesと共演したSadeの名曲カヴァーです(元々はコンピ・アルバム『Mellow Beats, Friends & Lovers』収録)。来日公演でもNujabesへの追悼として本曲を歌いました。

個人的にはボーナス・トラックが過度に話題になることは、本編をきちんと聴く妨げになるので好きはありません。しかし、Nujabes追悼の「Kiss of Life」はさすがにグッとくるものがありますね。

Nujabes、Cradle、Anan Ryokoの名前を聞いてグッと来る方は絶対に国内盤を購入した方が良いと思います。

『Subway Silence』(2008年)
サブウェイ・サイレンス
posted by ez at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする