発表年:1982年
ez的ジャンル:ジェントル&メロウMPB
気分は... :ジェントル&メロウ
久々にCaetano Velosoのソロ作を紹介しますね。
セレクトしたのは1982年リリースの『Cores, Nomes』です。
これまで紹介したCaetano Veloso関連作品は以下の3枚。
『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
※Gilberto Gil、Gal Costa、Nara Leao、Os Mutantesらとの共演作
『Caetano Veloso』(1969年)
『Caetano』(1987年)
振り返ると、意外に当ブログでCaetano Velosoのソロ作を紹介していませんね。
単純に"ブラジル音楽を聴きたい!"といった気分で聴くアーティストではないからかもしれません。やはり、Caetanoの圧倒的な存在感、幅広い音楽性は別格ですね。
今日紹介する『Cores, Nomes』(1982年)は、80年代のCaetanoを代表する1枚だと思います。
近年、再評価の高い弾き語りアルバム『Caetano Veloso』(1986年)あたりも考えましたが、よりポップでカラフルなサウンドを楽しめる『Cores, Nomes』の方をセレクトしました。
アルバム全体を貫く瑞々しい美しさに魅了されます。サウンドも実にカラフルでキャッチーです。
個人的には「Queixa」、「Trem Das Cores」あたりのメロウネスにグッときます。それ以外にもカーニヴァル賛歌「Um Canto De Afoxe Para O Bloco Do Ile」、Djavanのカヴァー「Sina」など聴き所の多いアルバムだと思います。
ジェントルな歌声、美しいメロディ、カラフルなサウンド、Caetanoの魅力が上手くパッケージされた1枚だと思います。
ジャケも素敵ですよね。Caetano作品の中でNo.1だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Queixa」
David Byrne監修のブラジル音楽コンピ『Brazil Classics 1: Beleza Tropical』にも収録されていたオープニング。素敵な歌とサウンドで彩られた爽快メロウはモロに僕好みの1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=G76ASeUGHGg
「Ele Me Deu Um Beijo Na Boca」
淡々とした歌とグルーヴィーなサウンドの組み合わせに引き寄せられる1曲。歌詞には♪Rolling Stones forever rock'n and rollin'♪なんて歌詞も飛び出します。
http://www.youtube.com/watch?v=4POUZNOjeY4
「Trem Das Cores」
Caetanoの優しい歌声と美しいメロディに魅了される名曲。2分半にも満たない曲ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pzVYLNaCdEo
「Sete Mil Vezes」
それまでのカラフルなサウンドから一変し、シンプルなバックで歌われています。
http://www.youtube.com/watch?v=Tg9iG24I3M4
「Coqueiro De Itapoa」
Dorival Caymmi作品のカヴァー。弾き語りでサラっと聴かせます。
「Um Canto De Afoxe Para O Bloco Do Ile」
Bloco Afro(黒人によるカーニヴァル演奏集団)の名門Ile Aiye賛歌。Caetanoの息子Morenoも参加しています。パーカッションと男女合唱のみの感動的な仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=9eXbh-6xxUQ
「Cavaleiro De Jorge」
ホーン隊が盛り上げてくれる爽快グルーヴ。コンテンポラリーな仕上がりが好きです。
「Sina」
Djavanのカヴァー。Djavan本人も参加しています。Djavanヴァージョンは人気作『Luz』(1982年)に収録されています。両ヴァージョンを聴き比べてみるのも楽しいのでは?Caetanoヴァージョンはキャッチー!Djavanヴァージョンは感動的!というのが僕の印象です。
http://www.youtube.com/watch?v=Rf6JqQOcwfY
Djavan「Sina」(From 『Luz』)
http://www.youtube.com/watch?v=2RAbrXJQTtU
「Meu Bem, Meu Mal」
Thomas Improtaのジャジーなピアノをバックに歌う感動的な仕上がりです。
「Genesis」
Gal Costa、Gilberto Gil、妹Maria Bethaniaも参加したファンキー・チューン。4人が共演したライブ・アルバム『Doces Barbaros』(1975年)にも収録されていました。
「Sonhos」
Peninha作品。弾き語りでしっとりと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=KdiLL06YkJc
「Surpresa」
Joao Donatoとの共作。ロマンティックな仕上がりにグッときます。
まだ70年代のCaetano作品を紹介していないので、次回は『Joia』(1975年)か『Qualquer Coisa 』(1975年)あたりを紹介しますね。
Caetano Veloso関連作品の過去記事もご参照下さい。
『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
『Caetano Veloso』(1969年)
『Caetano』(1987年)