発表年:2005年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :あなたが立ち寄るのはどのフロア?
今回はジャジーHip-Hopファンには人気の高いMCであるOthelloの3回目の登場です。
Hip-HopバンドThe Hipknoticsと組んだ生音Hip-Hopのアルバム『Classics』(2004年)、生音演奏のトラックとサンプリング主体のトラックを織り交ぜた『Alive At The Assembly Line』(2006年)に続いて紹介するのは、2005年リリースの『Elevator Music』です。
Othello(本名:Tyson Pumphrey)がリリースした『Classics』、『Elevator Music』、『Alive At The Assembly Line』という3枚のアルバムは、僕がアングラ・ジャジーHip-Hopへハマるきっかけとなった作品でした。
Othelloのアルバムと言えば、正にクラシック作品となったThe Hipknoticsとの共演作『Classics』へ注目が集まりがちですが、『Elevator Music』、『Alive At The Assembly Line』も負けず劣らず素晴らしい作品だと思います。
『Elevator Music』は、リリース時期は『Classics』の後ですが、中身は『Classic』録音以前の音源をベースとした作品です。そのため、収録曲のタイプにバラつきがありますが、逆にOthelloというアーティストの持つ様々な魅力を堪能できる、幕の内弁当のようなアルバムです。
Lightheadedの盟友Ohmega WattsとBraille、さらに元メンバーのMuneshineが参加しており、The Hipknoticsも2曲でフィーチャーされています。
Q-Tipを思わせる独特の声質とリズミックなフロウが、素晴らしきアングラ・ジャジーHip-Hopワールドへ誘ってくれます。
あなたが音楽エレベーターで立ち寄るのは、どのフロア?
全曲紹介しときやす。
「First Floor」
オススメその1。Elevator Musicの1Fは浮遊感漂うOthelloらしいスムース・チューンです。
「Rock Rock」
オススメその2。『Classics』にも収録されていた人気曲。軽快なトラックにのってOthelloがリズミックなフロウを聴かせてくれます。両ヴァージョンを聴き比べるのも楽しいのでは?『Classics』収録ヴァージョン同様に元Lightheadedの盟友Muneshineがプロデュースしています。Muneshineは昨年SaintとのユニットThe Residentsの作品を当ブログで紹介しています。
「Season's Greetings」
Sirens Echosをフィーチャー。女性MCおよび女性ヴォーカル入りですが哀愁モードの仕上がりです。
「Heart」
Destro(Old Dominion))をフィーチャー。畳み掛けるようなOthelloとDestroのフロウが印象的です。
「Consider It」
PageOne(Lojique)をフィーチャー。LojiqueはかつてOthelloも在籍していたユニットです。そんなかつての盟友とノスタルジックなトラックをバックに弾けています。
「Relax Urself」
オススメその3。DJ Manwellをフィーチャー。軽快なジャジー・トラックに合わせた達者なフロウが気持ち良いです。後半にはラガのようなフロウも飛び出します。DJ Manwellの擦りも格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=skI5lfUfUuc
「Lobby」
Hipknoticsをフィーチャーしたメロウなインタールード。
「Elevator Music」
オススメその4。タイトル曲は浮遊する極上メロウ・チューン。ATCQ『Midnight Marauders』やQ-Tip好きの人であれば絶対に気に入ると思います。
「Organic(Original Mix)」
オススメその5。『Classics』に収録されていましたが、こちらがオリジナル・ミックスです。『Classics』の記事にも書きましたが、『Classics』の方が渋めのモノクロ・ヴァージョン、本オリジナル・ミックスの方がメロウなカラフル・ヴァージョンといった雰囲気の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=qNlIxK0WZs0
「Heir Borne」
オススメその5。Lightheadedの盟友Ohmega Wattsをフィーチャー。躍動感のある独特の音空間を二人が創り出します。Lightheadedのアルバムでこの雰囲気を聴くことができないのが不思議です(?)
「Laugh Track」
おふざけモードのインタールード。
「How Ya Livin」
オススメその6。Malachi Perez & Deep6をフィーチャー。ボッサ・ジャズ・テイストのトラックが僕好みです。有るようで無い1曲だと思います。Deep6プロデュース。
「Contingent」
この曲もDeep6プロデュース。MG! The Visionaryのヴォーカルを加え、エッジの効いたトラックで突き抜けます。
「Good Will Chopping」
RedCloudをフィーチャーした哀愁チューン。声質に特徴のある二人のフロウは声自体が独特の楽器のようですね。
「Oblivious Enlight」
Lightheadedの盟友Brailleをフィーチャー。ロック・テイストのトラックに合わせて、BrailleとOthelloのフロウが畳み掛けますDeep6プロデュース。メロウなジャジーHip-Hop好きの人であればど真ん中だと思います。
「No Mic For Thai」
オススメその7。ラストはHipknoticsをフィーチャー。 別ヴァージョンが『Classics』のCDボーナス・トラックで収録されていました。
未聴の方は『Classics』(2004年)、『Alive At The Assembly Line』(2006年)もぜひチェックしてみて下さい。
『Classics』(2004年)
『Alive At The Assembly Line』(2006年)