2010年09月24日

Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』

イタリアン・ジャズの至宝による強力三管☆Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』
Plus Dino Piana
録音年:1960年
ez的ジャンル:イタリアン・ジャズの至宝
気分は... :伊達男の国のクラブジャズのルーツがここに!

今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini (tp)の双頭コンボBasso/ValdambriniDino Piana(tb)を迎えて録音した『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)です。

Basso/Valdambriniは、サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini (1924-1997年)を双頭リーダーにしたグループ。1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボです。クラブジャズ方面からも再評価の高いグループです。

主な作品として、『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)、『New Sound from Italy』(1959年)、『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)、『Walking in the Night』(1960年)、『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)、『Bossa Nova!』(1962年)、『Quintetto Basso Valdambrini』(1963年)、『Exciting 6』(1967年)等があります。

クラブジャズ人気で言えば、「Lotar」収録の『Basso Valdambrini Quintet』「Monotonia」収録の『The Best Modern Jazz in Italy 1962』「Agitazione」収録の『Exciting 6』あたりかもしれませんが、本作『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』もかなり格好良いスウィング感を堪能できる1枚に仕上がっています。

『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』はタイトルの通り、トロンボーン奏者Dino Pianaをゲストに迎えて録音した作品です。Pianaはその後グループへ正式に加入することになります。

レコーディング・メンバーは、Gianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini (tp)、Dino Piana(tb)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、 Gianni Cazzola(ds)の6名です。Pianaが加わった強力三管フロントが本作の魅力ですね。

現代イタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiの呼び掛けで2005年に結成したイタリアン・ジャズ・ルネッサンスを目指したグループidea6に、BassoとPianaの二人が招き入れられた事実からも彼らの偉大さを認識できますね。残念ながら、その時点でValdambriniは他界していましたが、存命であれば彼も誘われていたのでは?

イタリアのクラブジャズに興味がある方は、そのルーツとしてBasso/Valdambrini作品をチェックすると楽しいと思います。かく言う僕も、最近聴き始めたばかりなので、これから勉強したいと思っています。

イタリアン・ジャズの至宝を堪能してください!

全曲を紹介しときやす。

「Crazy Rhythm」
オススメその1。オープニングはIrving Caesar/Joseph Meyer/Roger Wolfe Kahn作のスタンダード(1928年作)。躍動する格好良さに一発で魅了されてしまいました。Basso、Valdambrini、Pianaの強力三管フロントの魅力を存分に堪能できます。

「But Not for Me」
Ira & George Gershwinによる名曲(ブロードウェイ・ミュージカル『Girl Crazy』の挿入歌)。当ブログではこれまでJohn ColtraneModern Jazz QuartetMiles Davisの演奏を紹介済みです。ここでは軽やかで小粋な演奏を聴かせてくれます。

「Guess Who」
オススメその2。Bill Russo作。伊達男達のスウィングにグッときます。三管フロントのアンサンブルが格好良すぎですね!この演奏を聴けば、BassoやPianaがIdea 6に招かれた理由がわかる気がします。

「Polka Dots & Moonbeams」
Jimmy Van Heusen作ののスタンダード(1940年作)。美しくムーディーな演奏はノスタルジックな気分に浸るのにピッタリです。

「Ciau Turin」
オススメその3。Carlo Prato作。陽気で歌心のある演奏は、軽やかに気取った伊達男ジャズといった雰囲気ですね。

「Il Grimmo」
オススメその4。本作で唯一のオリジナル(Osacr Valdambrini作)。この時点での彼らの格好良さがコンパクトにまとまった演奏だと思います。

「I Should Care」
Sammy Cahn/Axel Stordahl/Paul Weston作のスタンダード。当ブログではThelonious Monkの演奏を紹介済みです。ここではGiorgio Azzoliniに先導された小粋な演奏がキマっています。

「Topsy」
Edgar Battle / Eddie Durham作のスタンダード。Lee KonitzとWarne Marshの共演作『Lee Konitz With Warne Marsh』でも演奏していましたね。美しくロマンティックな演奏は優しさに包まれています。

「Lucky Ed Io」
オススメその5。Attilio Donadio作。スピード感のある格好良さで言えば、アルバム随一の演奏だと思います。強力三管フロントが次々と畳み掛けてくる感じがサイコーですね!

「Autumn Leaves」
ラストはJoseph Kosma作のスタンダード『枯葉』です。当ブログではBill Evans Trioの演奏を紹介済みです。僕のイメージする『枯葉』らしからぬ意外性のある演奏が印象に残ります。

他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!

『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)
Basso Valdambrini Quintet

『Walking in the Night』(1960年)
ウォーキング・イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソ=ヴァルダンブリーニ・セクステット(紙ジャケット仕様)

クラブジャズ好きの方は。idea6からBassoとPianaを聴くというパターンも有りかも?

idea6『Metropoli』(2005年)
Metropoli

idea6『Steppin' Out』(2007年)
Steppin' Out
posted by ez at 03:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする