2010年10月31日

The Foreign Exchange『Authenticity』

ジャンルの枠を飛び越えた3rdアルバム☆The Foreign Exchange『Authenticity』
Authenticity
発表年:2010年
ez的ジャンル:オルタナ系エレクトリック・ソウル
気分は... :秋から冬にかけて聴くには最適!

The Foreign Exchangeの新作『Authenticity』です。

オランダ出身のトラックメイカーNicolayとアメリカ・ノースカロライナ出身のHip-HopグループLittle BrotherのMCであったPhonteの二人から成るユニットThe Foreign Exchangeの紹介は、2ndアルバム『Leave It All Behind』(2008年)に続き、2回目となります。

前回紹介した『Leave It All Behind』は、収録曲「Daykeeper」がグラミーのBest Urban/Alternative Performanceにノミネートされるなど、その実力を知らしめた傑作アルバムでした。

そんな勢いのあるThe Foreign Exchangeでの活動に注力するためか、PhonteLittle Brotherでの活動に終止符を打ちます(今年ラスト・アルバム『Leftback』をリリースしています)。

そんな中でリリースされたThe Foreign Exchangeの最新作『Authenticity』は、『Connected』(2004年)、『Leave It All Behind』(2008年)に続く3rdアルバムとなります。

グラミー・ノミネート効果なのか、『Authenticity』は全米R&Bアルバム・チャートで第23位という好調なチャート・アクションを見せています。

元々はHip-HopユニットとしてスタートしたThe Foreign Exchangeですが、前作『Leave It All Behind』ではPhonteのヴォーカルの比重が高まり、殆どラップを聴けずじまいでしたが、『Leave It All Behind』の路線を推し進めた本作『Authenticity』でもPhonteのラップを聴くことができるのは1曲のみです。

その意味でもはやHip-Hopユニットと呼ぶのは相応しくなく、Nicolayの生み出すシンプルながらも奥深いトラックと、Phonteの温かみのあるヴォーカルによるエレクトリック・ソウル・ユニットとでも呼ぶべきなのでしょうね。

ゲストとして、Darien Brockington、YahZarah、Jesse Boykins III、Zo!、Chantae Cann、Medianが参加しています。特に最新作『Ballad of Purple Saint James』(2010年)をForeign Exchangeがプロデュースした女性R&BシンガーYahZarah、キーボード奏者Zo!に注目ですね。また、前作にも参加していたChris Boernerのギターもいい味出しています。

ジャンルの枠を飛び越えたForeign Exchangeワールドを堪能しましょう!
秋から冬にかけて聴くには最適な1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Last Fall」
ダークな雰囲気でスタートした後に、クールに疾走するエレクトリック・ソウル。クールなビートと温もりのあるPhonteのヴォーカルの絡みにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Xjd-W5D6DDc

「Authenticity」
タイトル曲はピコピコ・サウンドとロック・ギターと粘りのあるPhonteのヴォーカルのバランスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=avUm2ZOYUxc

「Eyes To The Sky」
NicolayのピアノとPhonteのヴォーカルが美しく響き渡ります。1分半強の曲ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-VMoS3Qhdww

「All Roads」
オススメその1。変拍子で疾走するエレクトリック・ソウル。秋風に吹かれながら聴くにはピッタリの1曲ですね。YahZarahのバック・コーラスも加わり華やかです。
http://www.youtube.com/watch?v=GPQz3m7cx-c

「Fight For Love」
オススメその2。美しいロディ&アレンジ&ヴォーカルにグッとくる1曲。オーガニックな味わいがいいですね。Zo!のシンセ・ソロによるアクセントもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=sxBUMEjX2CA

「Maybe She'll Dream Of Me」
オススメその3。この曲はシングルにもなっています。Foreign Exchangeらしい幻想的な仕上がりがいいですね。後半には温存していた(?)Phonteのラップも聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=pK94-dQLJDQ

「Don't Wait」
前作にも参加していたDarien Brockingtonをフィーチャー。淡々とした中にも温かみを感じます。終盤のZo!のトークボックスが心憎い!
http://www.youtube.com/watch?v=-TUuvV7x2eA

「Make Me A Fool」
オススメその4。Jesse Boykins III & Medianをフィーチャー。さり気ない中にも中毒性のあるNicolayのトラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=_EMQfKBdcNo

「Everything Must Go」
オススメその5。バイオリンも入ったアコースティック感のある美しいトラックに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=kS_nNOag2aQ

「Laughing At Your Plans」
オススメその6。Chantae Cannをフィーチャー。Foreign Exchangeらしくないけどアルバムで一番好きな曲。フォーキーな味わいの穏やかな仕上がりです。Chantae Cannの女声ヴォーカルにも癒されます。
http://www.youtube.com/watch?v=uR_ijIF-ZAs

「This City Ain't The Same Without You」
オススメその7。ラストはYahZarahをフィーチャーしたエレクトリック・ソウル。YahZarahの魅力を前面に押し出したチャーミングで優しい仕上がりがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=UMMaRMgGzsY

The Foreign Exchangeの過去作品もチェックを!

『Connected』(2004年)
Connected

『Leave It All Behind』(2008年)
Leave It All Behind

興味がある方は、Foreign ExchangeがプロデュースしたYahZarahの新作『Ballad of Purple Saint James』(2010年)もぜひ!

YahZarah『Ballad of Purple Saint James』(2010年)
Ballad of Purple Saint James
posted by ez at 00:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月30日

Cashflow『Cashflow』

Larry Blackmonが見出したファンク・グループ☆Cashflow『Cashflow』
CASHFLOW (EXPANDED EDITION)
発表年:1986年
ez的ジャンル:Larry Blackmon系エレクトリック・ファンク
気分は... :遂にCD再発!涙、涙、涙・・・

今回は最近嬉しいCD再発が実現したCashflowのデビュー・アルバム『Cashflow』(1986年)です。

Cashflowはアトランタ出身のファンク・グループ。メンバーは、Gaylord Parsons(ds、per、vo)、Kary Hubbert(vo)、James Duffie (key、vo)、Regis Ferguson(key)の4名です。

CameoLarry Blackmonに見出され、1986年にBlackmonのプロデュースのよりデビュー・アルバム『Cashflow』をリリースします。

この時期のCameo「Word Up!」「Candy」の大ヒットでノリにノッていた時期であり、そのCameo人気に後押しされて『Cashflow』にも注目が集まり、シングル「Mine All Mine」も人気となりました。

その後グループは同じくBlackmonのプロデュースで2ndアルバム『Big Money』(1988年)をリリースしますが、こちらはあまり注目されることはありませんでした。

Cashflowは、僕にとっては非常に思い出深いグループです。『Cashflow』『Big Money』ともによく聴きました。ただし、『Big Money』はCDで保有しているものの、『Cashflow』はこれまでCDでは未入手でした。

正確に言うと、発売当時は知人に録音してもらったカセットで愛聴し、その後CDを購入しようと思ったら既に廃盤状態に・・・何年もの間、CD再発を待っていたもののその気配は全くなく、とりあえずLPを入手してさらにCD再発をひたすら待っていました。

そんな中、この秋に突如『Cashflow』CD再発の情報が飛び込んできました。苦節22年、ようやくCDを入手することができました。かなりの達成感、満足感がありますねぇ。

一般にはダンス・ヒットした「Mine All Mine」がハイライトだと思いますが、僕にとってのハイライトは絶品スロウ「Reach Out」です。この曲に関する個人的な思い出もあり、聴いているだけで目がウルウルしてきます。

アルバム全体としても、捨て曲ナシの充実したエレクトリック・ファンク作品に仕上がっています。この時期のエレクトリック・サウンドは、今聴くとあまりにも陳腐で耐えられないものも少なくありませんが、本作のエレクトリック・サウンドは今聴いても実に魅力的です。エレクトリックな中にヒューマンな感触があるのがポイントかもしれません。

さらにリード・ヴォーカルKary Hubbertの素晴らしい歌唱力も本作の魅力です。

強力にプッシュしたい再発CDの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Party Freak」
オープニングはLarry Blackmonプロデュースらしいエレクトリック・ファンク。Blackmon自身のラップ・パートを聴くと、80年代後半の作品らしいですね。当時のCameoファンならば気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wtRyrJv893U

「Mine All Mine」
本作のハイライト。グループの代表曲ですね。キャッチーなメロディと質感豊かなエレクトリック・サウンドにグッとくるダンス・クラシックです。本曲といえば、The Fatback Band「I Found Lovin'」と激似ということでも知られていますね。2曲セットで聴くのも楽しいと思います。
※追記
「Mine All Mine」は「I Found Lovin'」と同じJohnny Flippin & Michael Walker作でした。
http://www.youtube.com/watch?v=PYpXu-vrods

The Fatback Band「I Found Lovin'」
 http://www.youtube.com/watch?v=iIDR4YZU5Zc

「Can't Let Love Pass Us By」
当時も今も意外とお気に入りなのがコレ。B級グルメ的な満足感のあるファンク・チューンです。Kary Hubbertのソウルフル・ヴォーカルとシンセ・サウンドのバランス感が絶妙だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=4DK3oqOoz-A

「Spending Money」
チープな煌びやかさが80年代ブラコンらしくて好きです。機械的サウンドの中にもヒューマンな感触が漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tTzrF8_DtmM

「Reach Out」
前述のように個人的なハイライト。僕の永遠のクラシックです。感動的なメロディ、Kary Hubbertのソウルフルなヴォーカル、Don Myrickのサックス・ソロ・・・全てが完璧なミラクル・バラードだと思います。聴くたびに涙、涙、涙・・・・
http://www.youtube.com/watch?v=Oi75IWwEEpY

「I Need Your Love」
疾走するエレクトリック・ファンク。今聴いても陳腐な感じがしないところに、本作のセンスの良さを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=L7lGHhHBEwc

「It's Just A Dream」
ラストはギター・サウンドとコーラス・パートを強調したユニークながらもパンチのある1曲。

再発CDにはボーナス・トラックとして、「Party Freak」「Mine All Mine」の12"ヴァージョンが収録されています。

2nd『Big Money』(1988年)も小粒ですが大好きです。

こちらもLarry Blackmonがプロデュースし、元CameoCharlie Singletonもレコーディングに参加しています。
posted by ez at 13:38| Comment(4) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月29日

Squarepusher『Ultravisitor』

ドリルンベースのパイオニアは我が道を往く☆Squarepusher『Ultravisitor』
Ultravisitor
発表年:2004年
ez的ジャンル:"ベース・バカ一代"系エレクトロニカ
気分は... :脳が活性化する!

今回はドリルンベースのパイオニアSquarepusher『Ultravisitor』(2004年)です。

Tom Jenkinsonのソロ・プロジェクトSquarepusherの紹介は、デビュー作『Feed Me Weird Things』(1996年)に続き2回目となります。

ベースの生演奏とブレイクビーツで構成される"ドリルンベース"というスタイルで音楽シーンに衝撃を与えたデビュー作『Feed Me Weird Things』(1996年)から14年が経過していますが、今年も最新作『Shobaleader One: D'Demonstrator』をリリースし、相変わらずの存在感を示しているTom Jenkinsonです。

『Shobaleader One: D'Demonstrator』(2010年)
Shobaleader One: D'Demonstrator

正直、テクノ/エレクトロニカの分野に明るいわけではなく、Squarepusherの作品も全て聴いているわけではありません。それでもたまに彼の作品を聴くと、非常に刺激を受けます。実に脳が活性化する音世界だと思います。

今日紹介する『Ultravisitor』(2004年)は、数あるSquarepusher作品の中でも名盤との誉れが高い1枚です。

ただし、決して聴き易い作品ではないと思います。でも、その一筋縄ではいかない所が魅力のアルバムだと思います。

全体としては、益々"ベース・バカ一代"に磨きがかかってきた印象を受けます。いつも彼の作品を聴いて真っ先に思い浮かぶのは故Jaco Pastoriusですが、本作は特にJacoのイメージと重なります。ジャズ/クロスオーヴァーの色合いが強く、即興演奏のパートも多いので余計にそんな印象なのかもしれません。

個々の楽曲というよりもアルバム全体が醸し出すオーラに圧倒されます。その意味では全体の構成がいいのかもしれませんね。

ジキルとハイドのように、美しさと狂気が交錯する彼らしい音美学を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Ultravisitor」
タイトル曲は脳内にビンビンとパルスが伝わってくるSquarepusherらしい仕上がりです。程良くメロディアスなのもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=slA1I2xlqek

「I Fulcrum」
ジャズの即興演奏のような、つなぎの1曲。ライブなのか擬似ライブなのかよくわかりません。

「Iambic 9 Poetry」
本作のハイライト。美しく、澄み切った演奏でスタートしますが、徐々に狂気が顔を覗かせてきます。安静と狂気が背中合わせになっているような危さにゾクゾクします。Nu Jazz的な面白さもあるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=XXpzK1ItQGw

「Andrei」
美しく穏やかなアコースティック・チューン。美しすぎるのが逆に不気味です・・・
http://www.youtube.com/watch?v=4bM3yxq3iDg

「50 Cycles」
近未来のスラム街といった雰囲気の不穏な空気が流れるラップ入りの曲。アングラHip-Hop好きの人はなかなか楽しめるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=bJzbpO3O5s8

「Menelec」
僕がイメージするSquarepusherらしい電脳チューン。複雑に絡み合う電子信号たちが脳内を駆け巡ります。でも実に音楽的です・・・
http://www.youtube.com/watch?v=-PNHzcAD4wU

「C-Town Smash」
みんなでベース・ソロに酔いしれるための曲?なのかな・・・

「Steinbolt」
「Menelec」同様、脳内にビンビン響く電脳ロック・チューン。アルバムでも最も狂った仕上がりなのでは?確信犯的な凶暴さがSquarepusherらしいのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=uyw-_JxwFPY

「An Arched Pathway」
暴発したベース・ソロといった感じなんですかね。このあたりになってくると、僕にはよくわかりません。
http://www.youtube.com/watch?v=_fMCl-3N38k

「Telluric Piece」
「An Arched Pathway」からシームレスにつながっています。現代音楽風のアブストラクト感があります。

「District Line II」
訳のわからん衝撃が体中を突き抜けていきます。僕がSquarepusherに求めているのはこうした刺激のような気がします。

「Circlewave」
この曲もライブなのか擬似ライブなのかよくわかりません。嵐の前の静けさといった雰囲気の演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=-VMX-Xb8ngE

「Tetra-Sync」
「Iambic 9 Poetry」と並ぶ本作のハイライト曲。"ベース・バカ一代"とも呼びたくなるJenkinsonの高速ベースが唸り、彼ならではの音空間へと誘います。上手く表現できませんが、美しい凄みをもった演奏だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=8KspEq14CYQ

「Tommib Help Buss」
「Tetra-Sync」で最高潮に達したテンションをクールダウンするための1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=-dwZlcTOniE

「Every Day I Love」
優しいムードに包まれてアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=1fl6FiHiblE

『Feed Me Weird Things』(1996年)
Feed Me Weird Things
posted by ez at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月28日

Rahsaan Patterson『Rahsaan Patterson』

今も色褪せない魅惑のセクシー・ネオソウル☆Rahsaan Patterson『Rahsaan Patterson』
ラサーン・パターソン
発表年:1997年
ez的ジャンル:セクシー系ネオソウル
気分は... :昨日からの"Patterson"つながりで...

いよいよNBAが開幕しましたね。

「セルティックス対ヒート」の開幕戦は、新旧スーパースターが勢揃いし、その姿を観ているだけでワクワクしてきました。結局、セルティックスが勝利しましたが、セルティックスは今シーズンもかなり強そうですね。ヒートはチームとして機能するには少し時間を必要とするかもしれませんね。

今回は大好きな男性ネオソウル・シンガーRahsaan Pattersonのデビュー・アルバム『Rahsaan Patterson』(1997年)です。

偶然ですが、昨日のKellee Pattersonから"Patterson"つながりになりました(笑)

これまで当ブログで紹介してきたRahsaan Patterson作品は以下の3枚。

 『Love In Stereo』(1999年)
 『After Hours』(2004年)
 『Wines & Spirits』(2007年)

前回、『After Hours』の記事を投稿したのが、2007年12月にビルボードライブ東京でRahsaanのライブで観た直後でした。当時の最新作『Wines & Spirits』(2007年)を引っさげてのライブは、実にリラックスした雰囲気で楽しめた記憶があります。

あれから約3年経ちますが、その間のRahsaanの目立った活動と言えば、クリスマス・アルバム『The Ultimate Gift』(2008年)のリリース、Angela Johnsonのアルバム『A Womans Touch:Vol.1』(2008年)の収録曲「Dream Flight」への客演くらいだと思います。

そろそろ彼の新作が聴きたいですね・・・

さて、今回紹介するデビュー・アルバム『Rahsaan Patterson』ですが、当時僕にかなりのインパクトを与えたアルバムでした。当時はD'AngeloEric BenetMaxwellといった才能ある男性ネオソウル・シンガーが続々と登場した"ネオソウル黄金期"でしたが、その中でも一番の有望株であると感じたのがRahsaanでしたね。

本作『Rahsaan Patterson』と次作『Love In Stereo』(1999年)の2枚は、今聴いてもワクワクするネオソウル名盤です。

Rahsaanのセクシーな歌声とネオソウル・サウンドが一体化した独特のセクシーな音空間は、一度ハマると中毒になりますね。

あの頃のネオソウルは最高だった!と改めて実感できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Stop By」
オススメその1。シングルにもなったオープニング。当時、この浮遊するファンク・チューンを聴き、"これぞ新時代のソウル/R&B!"と興奮した記憶があります。Keith Crouchプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Ha1UDuK8kI8

「Spend The Night」
オススメその2。美メロなミディアム・スロウ。さり気なさの中に漂うセクシー感にグッときますな。Jamey Jazプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=zf7NzKHc26A

「Where You Are」
オススメその3。この曲もシングルになりました。メロディアスなアコースティック・ソウル。オーガニックな中にもRahsaanのソウル魂を実感できる名曲だと思います。Jamey Jazプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ttvYb6wcJSU

「So Fine」
オススメその4。ネオソウルらしいクールな疾走感にグッとくるファンク・チューン。女性コーラスとの絡みもグッド!
Keith Crouchプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=E6Hv5c8C1TQ

「Stay Awhile」
オススメその5。哀愁モードのミディアム・スロウ。大人のセクシー感がサイコー!Jamey Jazプロデュース。

「Come Over」
オススメその6。特に女性はグッとくるであろう絶品スロウ。Rahsaanならではのセクシー・モードの音空間を堪能できます。Keith Crouchプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=hfAxB7eonuU

「Can't We Wait A Minute」
オーケストレーションも配したロマンチック・バラード。Jamey Jazプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Liekx_4k0-0

「Joy」
ア・カペラで聴かせてくれます。なかなか心憎い1曲です。Les Pierceプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=khVt6B--4B8

「My Sweetheart」
オススメその7。Stevie Wonderがネオソウルしたら・・・こんな雰囲気になるのでは?Jamey Jazプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=xgDK4SxD2jA

「One More Night」
オススメその8。ネオソウルならではのジワジワくる高揚感を堪能できる美メロ・スロウ。Dinky Bingham/Ira Schickプロデュース。

「Don't Wanna Lose It」
オススメその9。大人のアーバン・"ネオソウル"といった趣ですね。痒いところに手が届く素晴らしい仕上がりです。Les Pierceプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=sy4190kLcbk

「Tears Ago」
オススメその10。男の哀愁モードにグッとくるバラード。一人感傷に浸りたくなりますな・・・。Chris Boldenプロデュース。

「Ain't No Way」
オススメその11。心の奥まで感動で伝わってくる絶品ミディアム・グルーヴ。Les Pierceプロデュース。

「Soul Free」
オススメその12。ラストはネオソウルらしい浮遊するグルーヴで締め括ってくれます。Jamey Jazプロデュース。

殆どがオススメ曲になってしまいました(笑)
本当に捨て曲ナシの名盤だと思います。

Rahsaan Pattersonの過去記事もご参照下さい。

『Love In Stereo』(1999年)
Love in Stereo

『After Hours』(2004年)
After Hours

『Wines & Spirits』(2007年)
Wines & Spirits
posted by ez at 02:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月27日

Kellee Patterson『Maiden Voyage』

Black Jazz Records屈指の1枚☆Kellee Patterson『Maiden Voyage』
メイデン・ヴォヤージュ
発表年:1973年
ez的ジャンル:Black Jazz系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :エンジェル・ヴォイスにグッときます!

今回は黒人ジャズ・レーベルBlack Jazz Records唯一の女性ヴォーカル作品Kellee Patterson『Maiden Voyage』(1973年)です。

Black Jazz Records作品の紹介は、Doug Carn『Revelation』(1973年)に続き2回目となります。

Kellee Pattersonはシカゴ生まれ、インディアナ州ゲイリー育ちの女性ヴォーカリスト。ミス・インディアナ、ミス・アメリカにノミネートされた経歴も持つ美人シンガーです。

Black Jazzからデビュー・アルバム『Maiden Voyage』(1973年)をリリースしますが、その後ディスコ/ソウル路線へ変更し、『Kellee』(1976年)、『Turn On The Lights - Be Happy』(1977年)、『All the Things You Are』(1979年)という3枚のアルバムをリリースしています。

今回紹介するデビュー・アルバム『Maiden Voyage』は、レア・グルーヴ/サバービア・ファンにはお馴染みの作品ですね。

何と言ってもKelleeのキュートなエンジェル・ヴォイスに魅了されます。ジャズ/ソウル/R&Bがブレンドされた構成もいいですね。

人気曲「Magic Wand Of Love」「Maiden Voyage」もいいですが、「See You Later」(Flip Nunezのカヴァー)、「You」(Lani Hallのカヴァー)あたりもレア・グルーヴ/サバービア・ファンにはグッときます。

アルバム全体で30分にも満たない作品ですが、様々な魅力がコンパクトに凝縮されたBlack Jazz屈指の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Magic Wand Of Love」
オススメその1。United Future Organizationもカヴァーした人気曲(Earl DeRoun作)。幻想的なフルートとKelleeのエンジェル・ヴォイスに優しく包まれます。まさにマジカルな輝きを放つ1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=vqQ-POGpErI

「Look At The Child」
J. Lehman作。しっとりとしたバラード。Black Jazzらしいスピリチュアルな雰囲気を持ったバックの演奏にグッときます。

「Soul Daddy (Lady)」
Don Sebesky作。軽快なR&Bチューンに仕上がっています。Kelleeのエンジェル・ヴォイスは、こうしたR&Bチューンを歌っても意外と馴染んでいます。

「Maiden Voyage」
オススメその2。タイトル曲はHerbie Hancockの名曲カヴァーです。この名曲のヴォーカル入りカヴァーと言えば、以前に紹介したThird Waveのカヴァーも大好きなのですが、ミステリアスな中にも華やかな魅力が漂う本カヴァーも大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=pe_BGztnils

「Don't Misunderstand」
J. Parks作。本作の中で一番ジャズ・ヴォーカル作品らしい仕上がりのバラード。

「See You Later」
オススメその3。Flip Nunez作のクラブジャズ人気曲。Nunez自身のヴァージョンに加え、Joanne GrauerやDave Mackay & Vicky Hamiltonのカヴァーも人気ですね。ここでは澄み切ったKelleeのヴォーカルに心が洗われます。

「You」
オススメその4。Sergio Mendes & Brasil '66でお馴染みの女性シンガーLani Hallのカヴァー。Kelleeのエンジェル・ヴォイスにマッチしたソフトな仕上がりです。

「Be All Your Own」
オススメその5。J. Lehman作。キュートな中にもエレガント&ソウルフルな魅力が漂います。

興味がある方は、2ndアルバム『Kellee』(1976年)以降のソウル/ファンク/ディスコ路線の作品もどうぞ!『Kellee』収録の「I'm Gonna Love You Just A Little More, Baby」も人気曲ですね。

『Kellee』(1976年)
Kellee
「I'm Gonna Love You Just A Little More, Baby」
 http://www.youtube.com/watch?v=ddBLMzOeNR8
「What You Don't Know」
 http://www.youtube.com/watch?v=FcaYk2zC2eQ

『Turn On The Lights - Be Happy』(1977年)
TURN ON THE LIGHTS
「If It Don't Fit, Don't Force It」
 http://www.youtube.com/watch?v=WY7Mx5QHrC0

『All the Things You Are』(1979年)
ALL THE THINGS YOU ARE
「Let Go, Let Go (Let Love Be The Driver)」
 http://www.youtube.com/watch?v=fxzyuyGTsyg
posted by ez at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする