2010年10月05日

Cheryl Lynn『In The Night』

Ray Parker, Jr.をプロデューサーに迎えた3rd☆Cheryl Lynn『In The Night』
イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)
発表年:1981年
ez的ジャンル:シティ・ビート系ディスコ/ソウル
気分は... :「Got To Be Real」も好きですが...

今回はダンス・クラシック「Got To Be Real」でお馴染みの女性ディスコ/ソウル・シンガーCheryl Lynnの3rdアルバム『In The Night』(1981年)です。

最近、一連のアルバムが国内盤紙ジャケ仕様で再発され、CDショップで見かけることが多いですね。『In The Night』(1981年)も再発された1枚です。

Cheryl Lynn(本名:Lynda Cheryl Smith)は1957年L.A.生まれ。

女性教師を目指していたLyndaでしたが、周囲の薦めでTV番組の「ゴング・ショー」に出演し、見事優勝を果たします。そしてTVでそのパフォーマンスを観て惚れ込んだMarty Paichが彼女へコンタクトし、Totoのデビュー・アルバム『Toto』への参加を要請します。そしてヒット曲「Georgy Porgy」の中でも彼女の歌声を聴くことができます。

音楽ファンはご存知のように、Cheryl Lynnというアーティスト名は"Lynda Chery"という彼女を本名を、Marty Paichが誤って"Cheryl Lynn"と記憶してしまい、それがそのままアーティスト名となりました。

そして、Marty Paich/David Paichのプロデュースで1978年にデビュー・アルバム『Cheryl Lynn』をリリースします。シングル「Got To Be Real」(Cheryl Lynn/David Foster/David Paich作)は全米R&Bチャート第1位、全米チャート第12位のミリオンセラーとなり、一躍レディ・ソウル/ディスコ・クイーンとして注目を浴びるようになりました。

「Got To Be Real」
http://www.youtube.com/watch?v=i8RewEiNLZg

その後、『In Love』(1979年)、『In The Night』(1981年)、『Instant Love』(1982年)、『Preppie』(1983年)、『It's Gonna Be Right』(1985年)、『Start Over』(1987年)、『Whatever It Takes』(1989年)、『Good Time』(1995年)といったアルバムをリリースします。

やはり、「Cheryl Lynn=Got To Be Real」というイメージが強い人ですよね。この永遠のダンス・クラシックは、いつ聴いても色褪せない普遍的な魅力を持ったミラクルな曲ですね。

しかしながら、あまりに「Got To Be Real」のインパクトが強いすぎて、常にそのイメージが付きまとってしまったのも事実ですね。

その意味では「Got To Be Real」収録の『Cheryl Lynn』から入るのが良いのかもしれませんが、アルバム単位で考えると、Ray Parker, Jr.プロデュースの3rd『In The Night』(1981年)や、Luther Vandrossプロデュースの4th『Instant Love』(1982年)あたりの方が楽しめると思います。Jam & Lewis好きの僕としては、彼らが関与した『Preppie』(1983年)、『It's Gonna Be Right』(1985年)も気になりますが・・・

今日紹介する『In The Night』は前述のように、Ray Parker, Jr.をプロデューサーに迎えたアルバムです。CherylとRay Parker, Jr.の出会いは「Got To Be Real」のセッションが最初だった模様です。当時Ray Parker, Jr.は、本作と前後してRay Parker, Jr. & Raydioの「A Woman Needs Love(Just Like You Do)」が全米チャート第4位、R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、ノリに乗っていた時期でしたね。

CherylとRay Parker, Jr.の相性は抜群という気がします。ダンス・チューンからスロウまでCherylの持つシンガーとしての魅力を上手に引き出し、さらにそれを実に洗練されたサウンドでまとめ上げています。

レコーディングには、Arnell Carmichael(back vo)、Darren Carmichael(key)、Larry Tolbert(ds)といったRaydioのメンバーをはじめ、Greg Moore(g)、David T. Walker(g)、Wah Wah Watson(g)、Marcus Miller(b)、James Gadson(ds)、Kamau Peterson(p)Michael Sutton(p)、John Barnes(key、syn)、George Dream(key)、Michael Boddicker(syn)、Greg Jackson(p、strings syn)、Sylvester Rivers(p、bass syn)、Ollie E. Brown(per)、J.D. Nicholas(back vo)、Gene Page(strings)等の豪華メンバーが参加しています。

本作からは「Shake It Up Tonight」「In The Night」の2曲がシングル・カットされています。

「Got To Be Real」だけではないCheryl Lynnの魅力を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Shake It Up Tonight」
Michael Sutton/Brenda Sutton作。アルバムからの1stシングル。全米R&Bチャート第5位となったディスコ・クラシック。Gene Pageの華やかなストリングス・アレンジと洗練された疾走感にグッとくるスケール感の大きなダンス・チューンに仕上がっています。Chubb Rock「Party Right」の元ネタです。
http://www.youtube.com/watch?v=TETznfG-O-s

「Show You How」
Cheryl Lynn/Linda Booth/John Barnes作。しっかりと聴かせてくれるバラード。ソウル・シンガーCheryl Lynnの実力を実感できる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=WdhdheOZsCc

「In The Night」
Ray Parker, Jr.作。タイトル曲はアルバムからの2ndシングルとなったクラシック。中山美穂ファンであった僕としては、映画『波の数だけ抱きしめて』の挿入歌の印象も強いですね。Michael Boddickerのシンセ・サウンドが印象的なアーバン・テイストのブラコン・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=nYi_4e0F8BE

「Hurry Home」
Cheryl Lynn/Greg Jackson作。ジワジワと胸に染み渡るバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=vLL5QWn4YRY

「I'm On Fire」
Ray Parker, Jr.作。彼の作り出す洗練されつつもファンキーなグルーヴ感にグッとくる1曲。シングル2曲を除けば一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=xgHUfnCl0nQ

「With Love On Our Side」
Kamau Peterson/Ray Parker, Jr.作。哀愁モードのバラード。後半のDavid T. Walkerのギターがいい味出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=01TSn-nZIJQ

「If You'll Be True To Me」
Ray Parker, Jr./Cheryl Lynn作。軽快なダンス・チューン。曲調的には僕が苦手なタイプの曲ですが、力強いCherylのヴォーカルで救われています。
http://www.youtube.com/watch?v=3bxO4jcYlyE

「What's On Your Mind」
George Dream/Cheryl Lynn作。軽くラテン・フレイヴァーの効いたアップ・チューン。爽快な躍動感が僕好みです。

「Baby」
Ray Parker, Jr./Cheryl Lynn作。ラストはブリブリのファンク・チューンです。Yo-Yo「Givin' It Up」のサンプリング・ソースにもなっています。

再発CDには「Shake It Up Tonight」のシングル・ヴァージョンがボーナス・トラックで追加収録されています。

他のCheryl Lynn作品もチェックしてみて下さい。

『Cheryl Lynn』(1978年)
シェリル・リン(紙ジャケット仕様)

『In Love』(1979年)、
イン・ラヴ(紙ジャケット仕様)

『Instant Love』(1982年)
インスタント・ラヴ(紙ジャケット仕様)
「Say You'll Be Mine」
 http://www.youtube.com/watch?v=6Q_sdGYDhq4
「If This World Were Mine」
 http://www.youtube.com/watch?v=8UxtyceGnEQ

『Preppie』(1983年)
プレッピー(紙ジャケット仕様)
「Encore」
 http://www.youtube.com/watch?v=2OuXbM93bLQ

『It's Gonna Be Right』(1985年)
ゴナ・ビー・ライト(紙ジャケット仕様)
「It's Gonna Be Right」
 http://www.youtube.com/watch?v=zAdc1Etn5As
posted by ez at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする