2010年10月06日

L'Altra『Music Of A Sinking Occasion』

静寂の音世界が特別な感情を呼び覚ます・・・☆L'Altra『Music Of A Sinking Occasion』
Music of a Sinking Occasion
発表年:2000年
ez的ジャンル:シカゴ音響系ポストロック/スロウコア/サッドコア
気分は... :心の奥に封印していたものが・・・

今回は密かに愛聴し続けている1枚、L'Altra『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)です。

L'Altraはシカゴ出身のグループ。結成時のメンバーは、Lindsay Anderson(vo、key)、 Joseph Costa(vo、g)、Ken Dyber(b)、Eben English(ds)の4名。

1999年にデビューEP『L'Altra』をリリース。その後、デビュー・アルバム『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)、2ndアルバム『In the Afternoon』(2002年)をリリースした後、DyberとEnglishが脱退し、Lindsay AndersonJoseph Costaの男女デュオとして活動するようになります。

2005年にTelefon Tel AvivのJoshua Eustisプロデュースによる3rdアルバム『Different Days』をリリースしますが、その後グループは活動休止状態となります。その間にLindsayとJosephはそれぞれソロ・アルバムをリリースしていましたが、今年に入り5年ぶりの新作『Telepathic』をリリースしています。

と簡単なプロフィールを書きましたが、今回紹介する『Music Of A Sinking Occasion』以外はきちんとフォローしているグループではないので、詳しいところは知りません。

しかしながら、『Music Of A Sinking Occasion』だけは、リアルタイムで購入以来長く愛聴しているお気に入り作品です。

ネットで見ると、スロウコア/サッドコアのグループということらしいですが、僕は正直そのカテゴリー自体がよくわかっていません。当時、シカゴ音響系の作品をよく聴いていた僕は、本作もそうした流れのポストロックという感覚で購入した記憶があります。実際、TortoisやThe Sea and Cakeあたりとツアーを回っていたこともあるようですね。

明るくもなく、派手さもない音ですが、聴いていると妙に落ち着くと同時に、心の奥に眠っていた特別な感情が湧き上がってきます。音数が少ない分、逆に音のない間の余韻や僅かな音像の変化に感動しますね。また、JosephとLindsayの切ない下手うまヴォーカルにグッときます。

現在の僕の音楽嗜好からすると頻繁に聴くタイプの音ではありませんが、それでも急に本作が聴きたくなり、ふとCD棚から手にすることがあります。きっと心のバランスを求めて、本作を聴いている気がします。

細く長く愛聴している1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Music of a Sinking Occasion」
タイトル曲はドラムンベース調の仕上がりのインスト。その意味でアルバムの中では特異な楽曲です。チェロやトランペットが響く、アーティスティックな仕上がりが大好きです。

「Little Chair」
美しくも切ないL'Altraならではの音世界を堪能できます。静寂の音空間にJosephとLindsayのヴォーカルが切なく響きます。

「Room Becomes Thick」
フォーキーな味わいながらも不思議な音世界へと誘われます。よくわかりませんが、心の奥に封印していた感情が胸に込み上げてきます。

「Slow as Cake」
Lindsayの繊細なヴォーカルを聴いていると、ジワジワと心が解き放たれていきます。

「Motorme」
音数が少ない分、逆に感性が研ぎ澄まされる気分になります。明るい音ではないのに、聴いていると心が安らいでくるのが不思議ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=uF5UgbBtKhA

「Lips Move on Top of Quiet」
美しいピアノが切なくも妖しく響く中盤以降の展開にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ig4vaN_qpog

「Handwashing for Good Health」
Lindsayのヴォーカルが誘うフォーキー・チューン。

「Say Wrong」
ポストロックらしい音響ワールドを堪能できます。淡々としながらも音像の変化にグッときます。こういうの大好き!

「Movement」
L'Altraの魅力が凝縮された1曲。JosephとLindsayのヴォーカルに心が和らぎ、静かなる感動が湧き起こります。

「Music of a Sinking Occasion.Final」
美しいピアノの響きでアルバムは締め括られます。

『L'Altra』(1999年)
L'Altra

『In the Afternoon』(2002年)
In the Afternoon

『Different Days』(2005年)
Different Days

『Telepathic』(2010年)
TELEPATHIC
posted by ez at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする