発表年:2010年
ez的ジャンル:ドイツ産モダン・ソウル
気分は... :レトロではなくモダン!
今回は最近お気に入りのモダン・ソウル新作Seductive Souls『Spirit』です。
Seductive Soulsはドイツ人プロデューサーRob Hardtによるプロジェクト。
Rob Hardtと言えば、デンマーク人Frank RyleとのプロジェクトCool Millionの2ndアルバム『Back For More』が今年リリースされ、話題になりましたね。
Meli'sa Morgan、Eugene Wilde等の懐かしいソウル・シンガーをフィーチャーした80年代テイストのファンク/ディスコ・サウンドで多くのソウル/ファンク好きを歓喜させました。
Cool Million「Back For More」
http://www.youtube.com/watch?v=i8_j32VQtCU
Cool Million「Sweet Baby」
http://www.youtube.com/watch?v=0dv0ymsOKBA
そのRob Hardtによる、もう1つのプロジェクトがSeductive Soulsであり、これまで「Prisionera De Tu Amor」(2003年)、「Dazz」(2009年)等のシングルをリリースしています。
さて、Seductive Soulsの1stアルバムとなる本作『Spirit』ですが、Cool Millionの80年代ファンク/ディスコ・テイストと比較すると、こちらは70年代ソウル/80〜90年代アシッド・ジャズ・テイストといった感じですね。
Rob Hardtは、Leroy Hutson、Incognitoを敬愛しているらしいですが、確かにそんなRobの嗜好を反映したサウンドを聴くことができます。
Cool Million『Back For More』のように当時活躍していたソウル・シンガーの起用はなく、(多分)無名の若手シンガーを起用しています。
全体的にはCool Millionのようなモロにレトロ・ソウルへのオマージュといった色合いは薄く、ソウル/アシッド・ジャズを踏まえたモダン・ソウル作品という印象を受けます。その意味ではCool Millionとはリスナー層が異なるかもしれません。
アシッド・ジャズのテイストも加わったドイツ産モダン・ソウルを堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Symetry」
Sulane Flemingをフィーチャー。Sulane Flemingの個性的なヴォーカル生かした哀愁モードのアコースティック・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=-2MLGKZ_d0c
「Your Love」
オススメその1。Aaron Washingtonをフィーチャー。軽いラテン・フレイヴァーが心地好いメロウ・ソウル。Leroy Hutson好きの人は気に入る1曲だと思います。
「Is This Love」
オススメその2。Michael Arkkをフィーチャー。帯に"Leroy Hutsonの様な美しいメロウダンサー"と形容されていますが、アシッド・ジャズ感覚のメロウ・グルーヴといった印象です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZTEDhf2d3OE
「Dazz (A Tom Moulton Mix) 」
アルバムに先駆けてシングル・リリースされていた「Dazz」のTom Moultonによるリミックス。「Dazz」はBrickの1976年のヒット曲カヴァーです。Salsoul作品でお馴染みだった人気リミキサーTom Moultonを起用するあたりがRob Hardtらしいですね。Donald McCollumをフィーチャー。
http://www.youtube.com/watch?v=7lOTnNKD_vA
Brick「Dazz」
http://www.youtube.com/watch?v=RT3_IfYd9DM
「Neo's Theme」
ジャズ・ファンク調のインスト・チューン。
「Love Don't Hurt At All」
オススメその3。C. Robert Walkerをフィーチャー。"フリーソウルファン直撃の軽快なポップソウル"という帯の説明も頷けるレトロ感覚たっぷりのヤング・ソウル・チューン。
「How It Feels」
オススメその4。C. Robert Walkerをフィーチャー。Matthias Strassによるギター・カッティングが心地好いメロウ・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=AzzD3nqH9S8
「One People」
オススメその5。C. Robert Walkerをフィーチャー。70年代ニューソウル風の仕上がり。C. Robert Walkerのソウルフルなヴォーカルがいい感じ!
「Seductive Hustle」
クラブジャズ・テイストのインスト・チューン。アルバムの流れを考えると異質な楽曲ですが、コレはコレで格好良いです。
「Favela Funk」
オススメその6。Cleo Fernandesをフィーチャーしたジャズ・ファンク調のファンキー・グルーヴ。
「Real Love」
ラストはDonald McCollumをフィーチャーした哀愁ソウル・チューン。
興味がある方はCool Millionもチェックを!
Cool Million『Going Out Tonight』(2008年)
Cool Million『Back For More』(2010年)