2010年10月19日

Carlos Lyra『Sarava』

メキシコ録音のボサノヴァ名盤☆Carlos Lyra『Sarava』
Sarava!
発表年:1970年
ez的ジャンル:永遠のボサノヴァ青年
気分は... :ドルフィンズ白星先行!

NFLでは我がドルフィンズがアウェーでパッカーズを相手にOTで勝利し、何とか白星先行となりました。正直、敵地でパッカーズに勝利するのはかなり難しいと思っていたので嬉しい誤算です。

一方で同地区のライバル、ジェッツ、ペイトリオッツは共に勝利し、1敗を維持しました。この2チームは正直かなり強いですね。この2チームに終盤まで離されないように、イルカ軍団には粘って欲しいものです。

今回はボッサ作品が聴きたい気分なので、Carlos Lyra『Sarava』(1970年)をセレクト!

Carlos Lyraは1939年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ生まれのシンガー・ソングライター。Antonio Carlos JobimJoao Gilberto、Vinicius de Moraesというボサノヴァのパイオニアに続き、ボサノヴァの発展に貢献したミュージシャンの一人です。

Roberto Menescalの記事でも書きましたが、高校でRoberto Menescalと出会い、二人はギター教室を開始します。生徒にはNara Leao等もいました。

その後、オリジナル楽曲が話題になり、1959年にはJoao GilbertoがLyraの代表曲「Maria Ninguem」をレコーディングしています。

そして、1959年にはデビュー・アルバム『Bossa Nova』をリリースしています。その後も名曲を数多く作り、永遠のボサノヴァ青年として現在も活躍しています。

今日紹介する『Sarava』(1970年)はメキシコで録音された作品です。

以前にもJoao Gilbertoのメキシコ録音作品『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)を紹介しましたが、この時期はブラジル軍事政権の厳しい検閲から逃れるため、メキシコを訪れたブラジル人ミュージシャンが多かったようです。逆に、メキシコではボサノヴァが大いに受け入れられていたみたいですね。

Carlos Lyraも1968年から1971年までメキシコに滞在していました。その間に『Carlos Lyra』(1968年)、『Sarava』(1970年)という2枚のアルバムをレコーディングしています。

特に今日紹介する『Sarava』(1970年)は、Paul Winterとの共演作、『The Sound of Ipanema』(1965年)と共に人気の高い作品です。

バックは全員メキシコ人ミュージシャン、全11曲中9曲がLyraのオリジナル、残り2曲がカヴァーです。

今の時期に聴くのにピッタリなボッサ・アルバムです。
程好くリズムの効いたボッサ・チューンは、サバービア好きの人であれば相当グッとくると思いますよ。

個人的にはかなりど真ん中のボッサ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Vacilada」
オープニングは軽快なサンバ・チューン。(Lyra曰く)あまり意味の無い歌詞を羅列したようですが、リズミカルな語感の響きが演奏全体に華やかな印象を与えます。Carlos Lyra作。

「Quien Te Manda?」
Vinicius de Moraes/Carlos Lyra作。(Lyra曰く)Vinicius de MoraesがLyraのために書いた最も素晴らしい歌詞とのこと。サウダージ・モードで♪彼女なしで僕はもう生きてはいられない♪と歌うサンバランソ・チューン。

「Para No Decir Adios」
Walmir Ayala/Carlos Lyra作。ボンゴのリズムが心地好く響くロマンチック・チューンにグッときます。

「Solo Tu No Vienes」
Carlos Fernando Fortes/Walmir Ayala/Carlos Lyra作。少し寂しげな歌声は秋にピッタリなのでは?美しいストリングスが盛り上げてくれます。

「Balanceo」
歌詞は難解ですが、演奏自体は小気味良いテンポと爽快なギターの響きが実に心地好いサンバ・チューン。Carlos Lyra作。

「Tristeza」
Haroldo Lobo/Niltinho作の名曲カヴァー。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Elis ReginaBirgit Lystagerのヴァージョンを紹介済みです。それら紹介済みヴァージョンのような軽快な盛り上がりを連想する曲ですが、ここではロマンチック・ムードの「Tristeza」を聴かせてくれます。

「El Jacal」
Gianfrancesco Guarnieri/Carlos Lyra作。賑やかなパーカッションのバトゥカーダ・パートとロマンチックなボッサ・パートのコントラストが印象的です。

「Paz Sin Amor」
Nelson Lins e Barros/Carlos Lyra作。ワルツ調のエレガントな仕上がりに惹かれます。

「Viene del Amo」
Nelson Lins e Barros/Carlos Lyra作。パーカッシヴな疾走感がモロに僕好み!訳もなく走り出したくなる1曲。

「Lugar Bonito」
Chico de Assis/Carlos Lyra作。農民がより素晴らしい土地を求める歌ですが、イナたい雰囲気の演奏が実にマッチしています。

「Samba de la Bendicion (Sarava)」
本作のハイライト。Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲をカヴァー。当ブログでも紹介した映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』の挿入歌としてもお馴染みですね。ここでLyraはスペイン語訳の歌詞を織り交ぜた意欲的なカヴァーを聴かせてくれます。Pierre Barouhによるフランス語ヴァージョンで聴き慣れた曲ですが、ポルトガル語&スペイン語ヴァージョンも新鮮ですよ!YouTubeに音源があるのは本曲のみというのは実に残念ですが、この1曲を聴けば本作の素晴らしさが一発でわかると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=OAzcFRi01D4

Carlos Lyraの他の作品もぜひチェックを!

『Bossa Nova』(1959年) ※『Carlos Lyra』(1961年)との2in1
BOSSA NOVA

『Depois do Carnaval』(1963年)
デポイス・ド・カルナヴァル

Carlos Lyra & Paul Winter『The Sound of Ipanema』(1965年)
ザ・サウンド・オブ・イパネマ

『...E no Entanto e Preciso Cantar』(1971年)
僕と彼女たち
posted by ez at 01:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする