発表年:2010年
ez的ジャンル:オルタナ系エレクトリック・ソウル
気分は... :秋から冬にかけて聴くには最適!
The Foreign Exchangeの新作『Authenticity』です。
オランダ出身のトラックメイカーNicolayとアメリカ・ノースカロライナ出身のHip-HopグループLittle BrotherのMCであったPhonteの二人から成るユニットThe Foreign Exchangeの紹介は、2ndアルバム『Leave It All Behind』(2008年)に続き、2回目となります。
前回紹介した『Leave It All Behind』は、収録曲「Daykeeper」がグラミーのBest Urban/Alternative Performanceにノミネートされるなど、その実力を知らしめた傑作アルバムでした。
そんな勢いのあるThe Foreign Exchangeでの活動に注力するためか、PhonteはLittle Brotherでの活動に終止符を打ちます(今年ラスト・アルバム『Leftback』をリリースしています)。
そんな中でリリースされたThe Foreign Exchangeの最新作『Authenticity』は、『Connected』(2004年)、『Leave It All Behind』(2008年)に続く3rdアルバムとなります。
グラミー・ノミネート効果なのか、『Authenticity』は全米R&Bアルバム・チャートで第23位という好調なチャート・アクションを見せています。
元々はHip-HopユニットとしてスタートしたThe Foreign Exchangeですが、前作『Leave It All Behind』ではPhonteのヴォーカルの比重が高まり、殆どラップを聴けずじまいでしたが、『Leave It All Behind』の路線を推し進めた本作『Authenticity』でもPhonteのラップを聴くことができるのは1曲のみです。
その意味でもはやHip-Hopユニットと呼ぶのは相応しくなく、Nicolayの生み出すシンプルながらも奥深いトラックと、Phonteの温かみのあるヴォーカルによるエレクトリック・ソウル・ユニットとでも呼ぶべきなのでしょうね。
ゲストとして、Darien Brockington、YahZarah、Jesse Boykins III、Zo!、Chantae Cann、Medianが参加しています。特に最新作『Ballad of Purple Saint James』(2010年)をForeign Exchangeがプロデュースした女性R&BシンガーYahZarah、キーボード奏者Zo!に注目ですね。また、前作にも参加していたChris Boernerのギターもいい味出しています。
ジャンルの枠を飛び越えたForeign Exchangeワールドを堪能しましょう!
秋から冬にかけて聴くには最適な1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Last Fall」
ダークな雰囲気でスタートした後に、クールに疾走するエレクトリック・ソウル。クールなビートと温もりのあるPhonteのヴォーカルの絡みにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Xjd-W5D6DDc
「Authenticity」
タイトル曲はピコピコ・サウンドとロック・ギターと粘りのあるPhonteのヴォーカルのバランスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=avUm2ZOYUxc
「Eyes To The Sky」
NicolayのピアノとPhonteのヴォーカルが美しく響き渡ります。1分半強の曲ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-VMoS3Qhdww
「All Roads」
オススメその1。変拍子で疾走するエレクトリック・ソウル。秋風に吹かれながら聴くにはピッタリの1曲ですね。YahZarahのバック・コーラスも加わり華やかです。
http://www.youtube.com/watch?v=GPQz3m7cx-c
「Fight For Love」
オススメその2。美しいロディ&アレンジ&ヴォーカルにグッとくる1曲。オーガニックな味わいがいいですね。Zo!のシンセ・ソロによるアクセントもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=sxBUMEjX2CA
「Maybe She'll Dream Of Me」
オススメその3。この曲はシングルにもなっています。Foreign Exchangeらしい幻想的な仕上がりがいいですね。後半には温存していた(?)Phonteのラップも聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=pK94-dQLJDQ
「Don't Wait」
前作にも参加していたDarien Brockingtonをフィーチャー。淡々とした中にも温かみを感じます。終盤のZo!のトークボックスが心憎い!
http://www.youtube.com/watch?v=-TUuvV7x2eA
「Make Me A Fool」
オススメその4。Jesse Boykins III & Medianをフィーチャー。さり気ない中にも中毒性のあるNicolayのトラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=_EMQfKBdcNo
「Everything Must Go」
オススメその5。バイオリンも入ったアコースティック感のある美しいトラックに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=kS_nNOag2aQ
「Laughing At Your Plans」
オススメその6。Chantae Cannをフィーチャー。Foreign Exchangeらしくないけどアルバムで一番好きな曲。フォーキーな味わいの穏やかな仕上がりです。Chantae Cannの女声ヴォーカルにも癒されます。
http://www.youtube.com/watch?v=uR_ijIF-ZAs
「This City Ain't The Same Without You」
オススメその7。ラストはYahZarahをフィーチャーしたエレクトリック・ソウル。YahZarahの魅力を前面に押し出したチャーミングで優しい仕上がりがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=UMMaRMgGzsY
The Foreign Exchangeの過去作品もチェックを!
『Connected』(2004年)
『Leave It All Behind』(2008年)
興味がある方は、Foreign ExchangeがプロデュースしたYahZarahの新作『Ballad of Purple Saint James』(2010年)もぜひ!
YahZarah『Ballad of Purple Saint James』(2010年)