発表年:1986年
ez的ジャンル:イケメン系ダンサブルUKポップ
気分は... :ビジュアルで侮るなかれ!
今回は"Duran Duranになり損ねた男"Stephen Duffyの2ndアルバム『Because We Love You』(1986年)です。
Stephen Duffyは1960年イギリス、バーミング生まれのシンガー/ソングライター/マルチ奏者。
地元の美術学校でJohn Taylor、Nick Rhodesと共にDuran Duranの前身となるグループを結成。しかし、Duffyは音楽性の違いからグループを脱退してしまいます。
その後、Tin Tin名義で「Kiss Me」をレコーディングし、ダンス・チャートでヒットします。その後Stephen "Tin Tin" Duffyとして再デビューします。そして、1985年に再レコーディングした「Kiss Me」がUKシングル・チャート第4位の大ヒットとなり、Stephen Duffyの名が注目を浴びるようになります。
「Kiss Me」
http://www.youtube.com/watch?v=XSv3kSK41Oo
その勢いに乗り、1stアルバム『The Ups and Downs』(1985年)、2ndアルバム『Because We Love You』(1986年)をリリースしますが、思ったほどの商業的成功を収めることはできませんでした。また、この時期はソロと並行して、元PigbagのRoger FreemanとのユニットDr. Calculusとしても活動し、アルバム『Designer Beatnik』(1986年)をリリースしています。
結局、「Kiss Me」以外は不発に終わったダンサブル・ポップ・チューン路線に見切りをつけたDuffyは、アコースティック・ユニットThe Lilac Timeを結成し、『The Lilac Time』(1988年)、『Paradise Circus』(1989年)、『And Love for All』(1980年)、『Astronauts』(1991年)といったアルバムを残しています。
その後はソロ活動やMe Me Me、The Devils(Nick Rhodesとのユニット)といったユニットで作品をリリースしています。
僕の場合、Stephen Duffyの名は「Kiss Me」の頃から気になっていましたが、実際に作品を購入するようになったのはThe Lilac Time時代になってからです。そこから後追いで『The Ups and Downs』、『Because We Love You』を購入しました。
Duffyのソロ作品の中で評価が高いのが、2nd『Because We Love You』ですね。「Kiss Me」のような大ヒットはありませんが、アルバム全体の完成度は高いと思います。プロデュースはDuffy自身とStephen Street、Guy Prattが務めています。ソングライティングも全てDuffy自身が手掛けています。
全体としてはR&Bテイストを巧みに取り入れたダンサブルなUKポップ作品に仕上がっています。
Duffyの歌は決して上手いわけではありませんが、ダンサブル・サウンドにマッチする雰囲気のあるヴォーカルを聴かせてくれます。また、曲作りとアレンジ・センスが抜群ですね。
初期作品はイケメン男性シンガーというイメージが強いDuffyですが、トータルなミュージシャンDuffyを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Something Special」
オススメその1。オープニングはSandiiとのデュエットによるダンサブルなポップ・チューン。Sandiiとは日本が誇る人気グループ、サンディー&ザ・サンセッツのアノSandiiさんです。二人のセクシー・ヴォーカルとエレガントなアレンジが80年代らしくて大好きです!アルバムで一番のお気に入り!
http://www.youtube.com/watch?v=XXRjb76zL9k ※12"ヴァージョン
「A Lot Of Ink」
オススメその2。ダンサブル&セクシーなミッド・グルーヴ。やりすぎないアレンジ・センスが抜群ですね。哀愁モードのアコーディオンもいいアクセントになっています。
「Sunday Sumplement」
Duffyが単なるポップ・スターではないことを実感できるワルツ調のジャジー・チューン。なかなか心憎い出来栄えです。
「Why Shouldn't I?」
序盤が哀愁ポップですが、中盤以降はダンサブルな展開へ・・・ブラジリアン・フレイヴァーな隠し味がグッド!
「Unkiss That Kiss」
オススメその3。シングルにもなったダンサブルなエレポップ・チューン。抑えた雰囲気の大人のエレポップ感がサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=TQtrK2V-ABE
「I Love You」
オススメその4。この曲もシングルになりました。アルバムで最もポップで華やかな仕上がりの1曲。この儚いポップさが80年代ですね!
http://www.youtube.com/watch?v=qO06T5eoRPs
「When You Go To Bed」
美しくも切ないメロディにグッとくる1曲。ストリングスが盛り上げてくれます。
「Love Station」
オススメその5。「Unkiss That Kiss」、「I Love You」がお好きな人ならば気に入るであろうダンサブルなポップ・チューン。エヴァーグリーン感のあるメロディ&アレンジが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=v1ztcnUwn5g
「We'll Never Argue」
オススメその6。ブルーアイド・ソウル色の強いダンサブル・チューン。ソウルフルな女性コーラス隊との絡みがサイコー!
「Julie Christie」
ラストはThe Lilac Timeを予感させるアコースティック・テイストのバラード。タイトルの通り、『Darling』、『Doctor Zhivago』(共に1965年)等への出演で知られる英国出身の女優Julie Christieについて歌ったものです。
http://www.youtube.com/watch?v=KrAaxu5T9DA
Stephen Duffy他のソロ作やThe Lilac Timeの作品もどうぞ!
『The Ups and Downs』(1985年)
『Duffy』(1993年)
『Music in Colours』(1995年)
『I Love My Friends』(1998年)
The Lilac Time『The Lilac Time』(1988年)
The Lilac Time『Paradise Circus』(1989年)
The Lilac Time『And Love for All』(1990年)
The Lilac Time『Astronauts』(1991年)