2010年11月24日

Louisa Bey『Blue Thoughts』

パリのジャズ・カフェ気分のフレンチ・ジャズ・ヴォーカル☆Louisa Bey『Blue Thoughts』
ブルー・ソウツ
発表年:2006年
ez的ジャンル:フレンチ女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :ブルーな想い

今日は秋冬らしいジャズ・アルバムを聴きたい気分・・・

そこでセレクトしたのはLouisa Bey『Blue Thoughts』(2006年)です。

Louisa Beyはフランス人女性ジャズ・ヴォーカリスト。大学で法律を学び、その後3年間ほど一般の仕事に従事してから2002年よりシンガーの道を志すようになります。

2003年頃からステージに立つようになり、イタリア人ジャズ・ピアニストNico Morelliにもその才能を認められるようになります。そして、2006年に1stアルバム『Blue Thoughts』をリリース。2009年には2ndアルバム『Turning Me Jazz』をリリースしています。

今日紹介するデビュー作『Blue Thoughts』(2006年)はタイトル、ジャケ共に秋冬らしい感じが気に入っています。

内容も秋冬らしいアンニュイな女性ジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。時に切なく、時に優しく、時に力強くとアルバム全編を通して、Louisaの素晴らしい表現力に魅了されます。

レコーディング・メンバーを眺めると、Louisa Bey(vo)、Alexandre Saada(p)、Jean-Daniel Botta(b)、Laurent Series(ds)の4名がLouisa Bey Groupのメンバーとしてクレジットされています。それ以外にXavier Desandre-Navarre(per)、Olivier Louvel(g)、Nico Morelli(p)がゲスト参加しています。特にOlivier Louvelのアルバムへの貢献が大きいですね。

全12曲、2曲のスタンダード・カヴァーとThe Policeのカヴァー以外はLouisaのオリジナルです。女性ジャズ・ヴォーカルらしいスタンダード然とした楽曲、優しさに包まれた楽曲、女性シンガー・ソングライター風の楽曲、パリらしい無国籍風の楽曲などがバランス良く配されています。

話題となった作品ではありませんが、聴けば聴くほど味わい深くなる1枚です。
パリのジャズ・カフェ気分を満喫できるフレンチ・ジャズ・ヴォーカルを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Tell Me」
オススメその1。オープニングは透明感溢れるワルツ調の1曲。Joni MitchellRickie Lee Jonesあたりに通じるシンガー・ソングライター的な佇まいを感じさせる曲ですね。時に穏やかに、時に力強く歌うLouisaのヴォーカルが印象的です。中盤のAlexandre Saadaのピアノも素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qv6DzVmw0r8

「Blue Thoughts」
オススメその2。タイトル曲はちょっぴり切ないミディアム・スロウ。デビュー当時のNorah Jonesが好きな人なんかはグッとくるのでは?

「The Red Virgo」
Olivier Louvelのギターが印象的な哀愁チューン。ヨーロピアンな哀愁感が今の季節にピッタリです。Louisaの表現力の素晴らしさを実感できます。

「In A Sentimental Mood」
Duke Ellington作のスタンダードのカヴァー(1935年作)。このスタンダードをミステリアスな雰囲気のカヴァーに仕上げています。

「Roxanne」
オススメその3。The Policeのヒット曲のカヴァー(Sting作)。以前にブラジル人女性シンガーAlexia Bomtempoのカヴァーを紹介しましたが、意外に女性シンガーに人気がある曲なのでしょうか(笑)。まぁ、元々がパリの娼婦をモチーフにStingが書いた曲なので、それをフランス人女性シンガーが歌うというはハマるはずですが・・・。実際、Louisaの感情移入が素晴らしい絶品カヴァーに仕上がっています。

「Bye Bye Boy」
オススメその4。Jean-Daniel Bottaのベースを中心に小粋なバックの演奏にグッとくる1曲。パリのジャズ・カフェが似合いそうですね。

「My One And Only Love」
オススメその5。Robert Mellin/Guy Wood作のスタンダード(1952年作)。曲自体が笠井紀美子さんの『My One And Only Love』(1986年)を愛聴してきた影響で昔から大好きなので、個人的に嬉しいカヴァーですね。内容もスタンダード然とした正攻法のカヴァーに文句なしです。ゲスト参加のNico Morelliのピアノも絶品です。

「Humans Fall」
ブルー・モードの哀愁チューンに仕上がっています。愁いを帯びながらも熱い演奏を聴かせてくれるバックに惹かれます。

「Opened To The Unknown」
オススメその5。アルバムで一番のお気に入り。パーカッションが加わり、無国籍な魅力に溢れたジャジー・グルーヴに仕上がっています。この無国籍な雰囲気こそがパリらしいのかもしれませんが・・・

「Magic Spell」
オススメその6。キャッチーさで言えば、アルバム随一かもしれません。Olivier Louvelのギターがアクセントになった力強い演奏が印象的です。

「Vanished Melodies」
オススメその7。メロウな仕上がりにグッとくる1曲。優しいジャジー・ムードに包まれたい方にオススメ!

「Song In Blue」
オススメその8。ラストはOlivier LouvelのギターとLouisaのヴォーカルにうっとりしまくりです。まさに秋冬にジャスト・フィットする1曲ですよ。

ボーナス・トラックとして「Roxanne」の別ヴァージョンが収録されています。

昨年リリースされた2ndアルバム『Turning Me Jazz』には、Bob Dylan「Everything Is Broken」、Gil Scott-Heron「Pieces Of A Man」、Nick Drake「Saturday Sun」なども収録されています。

『Turning Me Jazz』(2009年)
Turning Me Jazz
「Everything Is Broken」
http://www.youtube.com/watch?v=ids1gBTsAZo
「Pieces Of A Man」
http://www.youtube.com/watch?v=i_bly1yZgWg
「Saturday Sun」
http://www.youtube.com/watch?v=EQ9HBTsM-kw
posted by ez at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする