2010年11月27日

Arthur Verocai『Arthur Verocai』

優れたアレンジ・センスとエクスペリメンタルなポップ感覚に魅了されるブラジル音楽☆Arthur Verocai『Arthur Verocai』
ARTHUR VEROCAI
発表年:1972年
ez的ジャンル:至極のアレンジ系ブラジル音楽
気分は... :過ちだとしても・・・

今回はArthur Verocai『Arthur Verocai』(1972年)です。
今の時期にピッタリのジャケですね!

Arthur Verocaiは1945年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ生まれのシンガー・ソングライター/ギタリスト/アレンジャー/プロデューサー。

60年代後半からソングライター/ギタリスト/アレンジャーとして活躍するようになり、Ivan Linsをはじめ、Elis ReginaJorge BenGal Costa等の作品を手掛けています。また、1972年には今回紹介する自身の1stアルバム『Arthur Verocai』をリリースしています。

70年代半ば以降は音楽シーンの第一線とは距離を置いていたVerocaiですが、90年代に入るとDJを中心に再評価が高まり、俄かにArthur Verocaiの名や1stアルバム『Arthur Verocai』が注目を集めるようになります。遂には2002年に30年ぶりの2ndアルバム『Saudade Demais』をリリースしました。さらに2007年に3rdアルバム『Encore』をリリースしています。

当ブログで紹介した作品で言えば、2008年のマイ・ベスト10にも選んだSabrina Malheiros『New Morning』では約半分の楽曲のアレンジをVerocaiが担当しています。

さて、本作『Arthur Verocai』は、前述の通り今日では名盤として評価の高い1枚です。Verocaiの創り出すスケール感の大きな音世界と素晴らしいアレンジ・センスに魅了されます。また、屈折したエクスペリメンタルなポップ感覚も僕好みです。

レコーディングにはToninho Horta(vo)、Paulo Moura(s)、Oberdan(fl)、Luiz Carlos(vo)等が参加しています。

彼にしか生み出すことのできない独特の音世界を堪能あれ!

全曲を紹介しときやす。

「Caboclo」
哀愁ヴォーカルがグッとくるバラード。美しさの中に唐突にコズミックなテイストが混じってくるあたりが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pzUn6Ey4zro

「Pelas Sombras」
オススメその1。僕の一番のお気に入り。Luiz Carlosがボーカルをとるフリー・ソウル的なメロウ・グルーヴ。心地好いエレピの音色、ホーン&ストリングスが絡むエレガントなアレンジはさすがVerocaiですね。
http://www.youtube.com/watch?v=klCUuM321IU

「Sylvia」
オススメその2。DJ諸氏に人気のオーガニックなインスト・チューン。フォーキー感覚の中にも雄大なスケール感があっていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=j535pdeL80A

「Presente Grego」
オススメその3。「Pelas Sombras」と並ぶ僕のお気に入り。開放的な中にも緻密なアレンジ・センスが光るメロウ・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=PAAFzOUYgc0

「Dedicada A Ela」
淡々とした曲調ながらも美しいアレンジに魅了される1曲。寒空の中を歩きながら聴きたい気分の曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8U9o2jQiRXw

「Seriado」
Celiaの素晴らしい女声ヴォーカルを堪能できる1曲。情熱的な雰囲気がアルバムのアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=1ZI7wt5V61g

「Na Boca Do Sol」
オススメその4。ブラジル音楽らしい哀愁のメロディにグッときます。印象的なイントロはMF Doom「Orris Root Powder」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=8zPRXKXFbro

「Velho Parente」
美しいメロディとスケールの大きなホーン・アレンジがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=m83hbVAjYvw

「O Mapa」
オススメその5。エレガントなストリングス・アレンジに魅了されるボッサ・チューン。

「Karina」
ラストはコズミックなインスト。いきなりのフリージャズ的な演奏に驚かされますがなかなか楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=ReznkwoFmhc

興味のある方は、『Saudade Demais』(2002年)、『Encore』(2007年)もチェックしてみて下さい。特に『Encore』はオススメです。

『Saudade Demais』(2002年)
胸いっぱいのサウダージ

『Encore』(2007年)
Encore
posted by ez at 00:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする